Mr.コンティのRising JAPAN

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第一関門突破。 今年こそ... 京都サンガ 0-0 V・ファーレン長崎 1st December 2013

2013-12-07 | 京都サンガ J-League
時計は92分を回っていた。ロスタイムは2分強程度しか残っていなかった。後半に入っても長崎の猛攻は止まず、サンガは得意のショートパスを繋ぐどころではなかった。 長崎が今度は左サイドから攻め上がり下田が中に入れるがここはサンガDFがクリアー。それが横谷に入り長崎DFともつれて倒れるとそのこぼれ球を76分から出場の駒井が拾い脱兎のごとく中央からドリブルで長崎ゴールに向う。前にはボランチの岩間しかいない。センターラインを駆け抜ける。“行け!行け!シュートだ!シュートに持ち込め!”私はテレビ画面に向かって叫んだ。 すると左に三平がフリーで上がってきた。
“よし出せ!右に出せ!” しかし駒井は岩間を抜きにかかり、抜け出そうとしたところで転倒してしまった。明らかに抜かれた岩間が駒井に当たりに行っていた。 

“おい!何をするんや!レッドやろ!”と叫ぶ。佐藤主審がすかさずレッドカードを岩間に出す。 時間が惜しい岩間はそのまま一直線に自軍ベンチに走り去る。 高木監督をはじめ長崎の選手が岩間を握手で迎える。 そのまま駒井が抜け出してシュートに持ち込んでおれば試合を決めるゴールが決まっていたはずだ。 このファールは長崎サポーターなら誰もが受け入れるところだろう。
“あ~、何でフリーの三平にださへんかったんや~。” そうしたら試合は完全に終わっていたはずだった。

横谷がFKをセットするがもうバヤリッツァをはじめDF陣は上がってこない。 このまま終わってくれればサンガが翌週の国立決戦にコマを進めるのだ。 そのFKから長崎ゴール前の三平にボールが入るが三平はシュート打たずに右コーナーにボールを運んで時間を稼ぐ。そしてそこで三平が倒され京都がFKを得る。長崎としてはファールなしで止めたいところだろうが。そのFKからまたも三平がドリブルで時間を稼ぐ。 もう94分になろうかと言うところで下田がボールを奪い前線の古部に送るがその前に福村が落ち着いて跳ね返す。 そして94分3秒,佐藤主審のホイッスルが鳴り響き愛するサンガが昇格に向けての国立決戦進出を決めた。 フィールドに倒れこむ長崎の選手達。 この試合というよりも今シーズンのJ2の台風の目になっていたのは長崎だった。サンガはなかなか長崎より上の順位に上がれなかった。
だけどそんな事はどうでも良かった。 残ったのはサンガ。昇格への挑戦権をまだ渡さなかった。 まだこれで5試合勝試合にお目にかかれていないのは気になるけど……



昨年の悪夢のプレーオフ大分戦から1年が経った。第39節神戸戦 ( 0-0 ) 第40節ガンバ戦 ( 0-2 ) と“模擬テスト”を不本意な結果で終えた時点で3位が確定してしまった。そのせいか続く水戸 ( 1-2 ) そして最終節の栃木 ( 1-2 ) と連敗でプレーオフを迎える事となった。
自分の予想では準決勝戦はどこと言うよりもおそらく決勝は千葉との対戦と思っていた。だけどまさか千葉が最終戦の最下位鳥取戦であんなに苦戦するとは思わなかったし最終節で長崎との“直接対決”を制した徳島が4位に上がって来るとは40節を終えた時点では予想しなかった。
準決勝の相手は徳島や6位には入れなかったけど札幌、松本と言った順位を上げてきたチームよりも、6位に順位を落としたチームと対戦したいと願った。そして最後の2試合を連敗した長崎との対戦となった。
長崎なら…リーグ戦の直接対決は1勝1分だったからとと少し楽観したけどその試合内容はかなり拮抗していたらしく昨年は同じ九州の大分に惨敗を喫したことからちょっといやな予感も否めなかった……

準決勝戦は民放やNHK BS でも中継が無くこのワールドカップにも匹敵するくらい重要な試合をどうやって見ればいいかと思案していたら毎月最初の日曜はCSが無料放送をする日らしくスカチャンで見る事が出来た。本当にラッキー今日はついているぞ!と思ったけど同じことは長崎サポーターにも言えたのだった。
学生時代汗を流した思い出の西京極競技場(関係ないか?)は久々満員の12,387人の観衆が集まった。



サンガはリーグ戦終盤になって安藤淳を始め酒井、横谷、駒井ら主力選手が相次いで次々に怪我で離脱。
一体どうなるのかとまっ青になったけど長崎戦には横谷が復帰しワントップに入り、駒井もベンチに入った。そして酒井が久々35節の長崎戦以来の復帰となり下畠に替わって右SBに入った。これは嬉しいびっくりだった。
これでこの日のサンガDFラインは福村、バヤリッツァ、染谷、酒井と並ぶ昨年の悔しさを知るプレーオフメンバーとなった。そしてアンカーの秋本は昨年のプレーオフは負傷で出られなかった。それだけに心中期するものがあっただろう。


 
一方今シーズンJ2台風の目だった長崎は、第40節で千葉をアウェーで降した ( 2-0 ) 後は松本 ( 0-1 ) 、徳島 ( 0-1 ) と昇格プレーオフを争うチームに連敗し5位で全日程を終えて京都戦に臨むことになったが、そのスタメンを見ると徳島戦で退場になった岡本に替わって藤井が第24節群馬戦以来のスタメン抜擢。ワントップには幸野ではなく小笠原が第27節水戸戦以来のスタメン起用。そして2列目右には古部に替わって今季の京都戦に2回ともスタメン起用された実績からか?金久保が起用された。 
小笠原の起用は京都産業大学出身で西京極に慣れていると言う事か?



サンガはGK呉承訓をはじめ全員が今季1度は長崎戦にはスタメン出場した経験があるイレブンで長崎も藤井以外のスタメン全員が京都戦はスタメン出場を果たした選手達だった。
京都のキックオフで始まった試合。開始早々金久保が右サイドを突破してCKを取るなど長崎の早い一歩の出だしが目立つ。先制ゴールは長崎の方がより欲するところであろう。横谷、三平らが倒されファールは貰えたがマークの厳しさを感じさせる。その早いプレスにサンガはなかなか得意のパスワークが見せられない。 そしてボールを奪われるとカウンター攻撃が早い。その際には金久保、神埼ら両サイドが積極的に上がってくる。サンガとしてはカウンターを食らわないようにシュートで終わりたいところだけど22分25秒にようやく右サイドでボールが繋がり倉貫からのパスを受けた三平が粘ってCKを貰いそのCKから秋本が放ったヘッドが前半サンガが放ったシュートは3本のうちの最初のシュートだった。



27分、今度は長崎がチャンスを掴む。 右サイド工藤からボールを奪った井上が奥埜に送りそのまま中央に切れ込んでミドルシュートに持ち込む。弾道はわずかにゴールポストの右に外れてくれたがちょっとひやっとした場面だった。そしてこれが長崎にとっても最初のシュートだった。 両軍相手ゴール前に迫るもDF陣がしっかりとシュートを撃たさなかったと言う事か?長崎の前半のシュートもこれを含めて2本だけであった。
前半は長崎の中盤でのはやいチェックが目に付いた。そのせいかサンガの縦パスには殆ど繋がらなかった。そして前線の横谷、三平には激しいマークで動き制限されていた。
しかし前半を無失点で終え、サンガも無得点ではあったが引き分けでも決勝進出が可能なので前半 0-0 で終わったことは長崎サポーターが感じるよりはフラストレーションは少ないと思った。



両チーム選手交代無く始まった後半開始早々の 45分53秒,秋本からの絶妙の浮き球が長崎ゴール前の三平に入り高杉をかわしてシュートに持ち込む。 よし!先制!と腰を上げるもGK金山の正面に。先制はならなかったけど
テレビ観戦した第33節千葉戦の様に後半は一気に攻勢に出てくれると予想した。
しかし以降試合の主導権を握ったのは長崎でサンガが次に相手ゴール前に迫るのは40分以上も後の事だった。
48分17秒、金久保のFKから奥埜がシュートに持ち込み得たCKから金久保が放ったシュートはバヤリッツァがクリアー。 51分にはCKから高杉がバヤリッツァと競りながら放ったヘッドはゴールを捉えられなかったが長崎のCKとなり、そのCKからネァーに走りこんだ小笠原が放ったショットはまたもCKに。 そのCKに今度は藤井がどんぴしゃのタイミングでヘッドを合わされたけどクロスバーを越えてくれた。
53分50秒、久々前線の横谷にボールが入りカウンター攻撃に移ろうとする。そこに山口がマークに入り2人とももつれて転倒すると山口だけが起き上がれない。本人が×マークを出してベンチに下がることになってしまった。 
そして投入されたのが38節熊本戦以来の出場となる下田。下田は左サイドに入りCBには藤井が入った。長崎はこの遠征にはDF選手は少人数しか帯同しておらず山口の離脱は不謹慎ではあるがサンガには好都合と思われた。しかし、以降も試合は長崎ペースで進む。61分にはサンガのスローインを井上が奪い奥埜に送る。そして前線の小笠原にスルーパスが入る。危ないっと声を出してしまったがシュートはクロスバーを越えてくれた。
そしてシュートの際に小笠原が脚を傷めたのかベンチに下がり古部が投入され佐藤と共にシャドーの位置に入り奥埜がワントップの位置に。古部も立命館大学OBだ。(関係ないか?)
長崎は前線からのプレスが早くそのうえキチンとブロックを構成するのでサンガが攻め込むという前に1本目の次の2本目更に次の3本目のパスがさっぱり繋がらずに跳ね返されてしまう、それをすぐにサンガゴール付近にまで繋がれるという繰り返しだった。 そのせいか65分からはサンガはロングボールを使い出した。
73分には長崎7本目のCKから藤井がヘッドを放つがここは呉承訓がナイスセーブでストップ。 
劣勢続きのサンガは76分倉貫を下げて駒井を投入する。 よくぞこのプレーオフに間に合ってくれたぞ駒井。ここは彼のドリブルに期待した。 その直後に今度は長崎が最後の交替選手を投入するがそれはFW幸野ではなく鄭薫聖がであった。幸野の得点力よりも鄭薫聖のドリブルを選んだか。
時間は経つが攻勢を続けるのはセカンドボールを拾いまくる長崎。 82分24秒、右サイドで古部からのヘッドのパスを受けた鄭薫聖に染谷がマークに入るがその前に金久保に送る。そして逆サイドに振ったところ走り込んだ神崎がシュートを放つ。あっと思うがここも呉承訓が右に倒れ込みナイスセーブでストップ。ほっと胸をなでおろすがここまで決定機を続けられるとどちらが順位が上、どちらがJリーグ在籍が長いのかと思わせられる。それにしてもCKの度に長崎サポーター達の声援がよく聞こえたなぁ....



85分サンガベンチは山瀬を下げて昨年のプレーオフで主将を務めた中山博貴を投入する。 
89分を過ぎると長崎は高杉を前線に上げて1点を取りに来た。
のこり時間、サンガはどこで引き分けを狙いに行くのか…もし万が一失点を喫したら短い時間で取り返す為にFW原一樹、宮吉を投入する為に交代枠を温存すべきか…と思った。

昨年と異なり今年は決勝進出を決めた。よかった~と一瞬喜んだけど試合内容を振り返ると決勝戦が心配になって来た。 対戦相手は徳島に決まった。一昨年は最後に鳥栖、岡山に連敗して4位に終わりJ1昇格を逃したチームだ。このシーズンのサンガは7位に沈んだんだけど。 翌年は3位のサンガが悪夢の準決勝敗退だった。
世間ははやばやと史上初の四国からのJ1チームと徳島よりの論調だけど。その徳島時代に苦汁を舐めた呉承訓そして倉貫がサンガのメンバーで昇格を狙う。 この試合MVPの活躍だった呉承訓は次の試合でも相手シュートをストップしてもらい、そのまま昇格そして韓国代表を狙ってほしい。かつて朴智星が辿った様に。



長崎戦が終わって私はすぐに自転車を飛ばして昇格決定戦のチケットを買いに行った。
そして翌週が自分にとって本当に幸せな日となることを願った。


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