Mr.コンティのRising JAPAN

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わが代表、Wroclow にて Seleconと対戦 Japan 0-4 Brazil 16th Oct. 2012

2012-10-22 | 日本代表

ポーランドの西部にある街 Wroclow には2度ほど商用で訪れたことがある。 もう20年近く前のことだ。
首都のワルシャワでさえまだ共産時代の雰囲気が強く残る時代、そこから離れれば離れるほど日本や西側では感じられない雰囲気が強く漂っていた。 しかし Poznan や Szczecin そして Wroclow といった街に来るとちょっとその雰囲気は変わった。
Wroclow は中心街に石畳が敷かれており、小さなレストランに入ってもポーランド語と並んでドイツ語表記のメニューが手渡された。 そしてドイツ語を話せるか?と商談でも尋ねられた。
ここは13世紀にモンゴル帝国の侵略を受け、14世紀にはポーランドが統一されたが Wroclow を含むシロンスク地方はその統一圏から離脱。 ポーランド王カジュメシュ3世はこの地域が隣国のボヘミア王国に支配されるのを黙認したが、実際はこの地域の古い王家の領主としての存続が続いた。 その後、様々な紆余曲折の後にポーランド王国との男系血族が途絶えたために一帯ハプスブル家の手に渡った。 
その後はオーストラリア継承戦争によりプロイセン王国がハプスブルグ家から武力でこの地を奪い取りドイツの一部となったが第二次世界大戦後のポツダム会談で定められた国境線、所謂 Oder-Neisse Line によりこの地域は今のベラルーシの一部がソ連邦領となったのと引き換えにポーランド領となった。
第二次世界大戦ではここでナチスとソ連共産軍が激しい戦闘を展開したらしい。 
13世紀にモンゴル帝国の侵略を受けたときに多くの地元住民は疎開をし、その後モンゴル軍が撤退すると荒廃した土地を復興させる為にドイツ、フランス、オランダなどから多くの移民が招かれた。
そのうち特に多かったのはドイツ人で、各地で次第にドイツ語が優勢となっていった。17世紀に最後のピャスト家の侯が死亡しシレジア侯家が断絶すると、シレジアはオーストリアに相続され、その後この地方は戦争によってプロイセン王国の手に渡った。
この地域では統計においては「ドイツ人」が多かったものの、実はそのうちの多くは俗に「シレジア人」、「ポメラニア人」、「マズーリア人」などと呼ばれる、ポーランド人やチェコ人の家系が近世から徐々に母語を西スラヴ語からドイツ語に変えることで文化がドイツ化した土着のスラヴ系の人々で、彼らは統計においてはドイツ人と見做され、第一次世界大戦後に国家の帰属を問うために行われた住民投票でも母語のドイツ語が国語であるドイツを選んだ。
初めて訪問したときはドイツがさっぱりだったのでもっとドイツ語を勉強しろと先輩の駐在所長に叱咤された。 
その後まだこの地を訪れたことは無い。

今年7月開催された EURO2012 ではポーランドはウクライナと並んでホスト国となり、ブラジル戦が行われた 42,000人以上が収容できる立派な競技場、ヴロツワフ市立競技場ことStadion Miejski we Wrocławiuで Russia vs Czech, Greece vs Czech そして Czech vs Poland の1次リーグのGroup A 3試合が行われた。
チェコの3試合はすべてここで行われたがそれはかつてボヘミア王国に支配された地域であったことにも寄与しているのかもしれない。試合には多くのチェコ人サポーター達が駆けつけていた。

ヴロツワフにこんな立派なスタジアムが建設されたこともそうだけど、ここで日本代表がブラジル代表と対戦するなんて本当に初めて行った時のことを考えれば本当に隔世の思いがする。あぁ時代の流れは進化をもたらす~

フランス戦相手に勝利を勝ち取った日本代表、試合内容はどうであれ続くブラジル戦はどこまでやれるか?これまでのブラジル戦と違ってかなりやれるんじゃないか?と大いに期待をした。 あまり参考にならないけどフランスは FIFA ランク13位。ブラジルは7月からランクを下げ続け14位。こんなに “ 弱い Selecao “なんて見たこと無いなぁ~。 2年後のワールドカップは大丈夫かなぁ~と関係ない日本人の私が思っている。

日本は本田がスタメンに戻ってきてハーフナーに替わってトップに入った。そして香川は前の試合に続いて2列目左に置かれてトップ下にはこの試合も中村憲剛が。 香川をトップ下に置いて左サイドには好調の乾が…とも思ったんだけど。
右SB に内田が酒井宏樹に替わってスタメン起用された他はフランス戦と同じメンバーだった。 せっかくの欧州遠征なのでもっと多くの選手を使えばなぁと思うのだけどザッケローニ監督は経験よりも勝負にこだわったのか?

一方のブラジル左SBをロンドン五輪メンバーで Real Madrid 所属の Marcelo に替わって AS Roma の Leandro Castan をスタメンに起用したほかは、4日前 Malmoe でイラクを 6-0 で一蹴したスタメンと同じメンバーだった。
注目の Kaka はイラク戦に続きこの試合もスタメンだった。
日本戦には CB Thiago Silva ( PSG ), MF Oscar ( Chelsea ) そして FW Neymar ( Santos ) かつて東京ベルディ、川崎フロンターレでプレーした Hulki ( Dripro Petrovsk ) ら4選手がロンドン五輪メンバーだった。
Mano Menezes 監督は本当に大変な時期にブラジル代表監督を引き受けてしまったと思う。 
それにしてもブラジルはここ5試合の親善試合の対戦相手を見ると、9月12日にアルゼンチンと試合を組んだけど、他は南アフリカ ( 1-0 ) 中国 ( 8-0 ) イラク ( 6-0 ) そして日本。 2年後の地元開催のワールドカップは優勝以外、例え準優勝でも成功と思われないだろうから、もっと違うところと組めないのかなぁと率直に思った。

ブラジルのキックオフで始まった試合、立ち上がりの日本は悪くなかった。 1分25秒には内田から憲剛に縦パスが送られるがわずかに届かなかった。2分にはその憲剛、内田が連続して相手からボールを奪う。 内田はマッチアップした Neymar からのボール奪取で以降この2人の激しい1対1が何度も見られた。
5分19秒には Hulki が長友がマークに入る直前に中に入れ Oscar がアクロバティックなショートを放つがゴール枠は捉えられなかった。 こういうシュートを見せられるとさすが Selecao と思わせられるが6分44秒には本田が基点となり右サイドの清武がシュートを放ち、その直後も長友の上がりから本田が香川に縦パスを送るがわずかに合わない惜しい場面が。 8分には香川からボールを受けた本だがシュートを放つがここは GK Diego Alves の正面に。 本田がいるとそこにボールがよく収まり1対1でも身体を張れるのでそこからいい起点になる。その後 Selecao 相手にボールが良く回りいいペースと思われた。
しかし11分56秒。  Leandro Castan の縦のミドルパスを内田がヘッドでクリアーするも Oscar に拾われ中央の Paulinho にそして遠藤がマークに入る前に打たれたミドルシュートがワンバウンドして日本ゴールに突き刺さり先制されてしまった。


 
主導権を握りつつあるかなぁと思っていたのに絶対に欲しかった先制ゴールを奪われてしまった。 そしてこういう展開でもゴールを決めるところはさすが Selecao と思わされた。
それでも日本はワンタッチパスが良く回り狭いところでのSelecao 相手に堂々とボール回しを見せるので何とか同点ゴールへの希望を抱かせてくれた。
16分にはカウンターから Neymar から前線に上がった Paulinho に渡り、GK 川島までかわされ必至に戻った長友がマークに入る直前に撃たれた左サイドからのファーサイドへのシュートはわずかに外れてくれて天も味方してくれていると思った。
だけど甘くは無かった。21分右サイドを Adriano Corriera の突破を許し中の Kaka へ。そこに今野がスライディングに入り Kaka が倒れるとポーランド人の Borski 主審は迷わずペナルティースポットを指した。 今野をはじめ長谷部等が主審を囲んで抗議をするが勿論判定は変わらない。 リプレーを見ると今野が倒れたときに手がボールに当たってしまっていたのをハンドと取られた様だった。ちょっと厳しい判定では….と思った。 このPK を Neymar が回り込みながら助走をつけて正面に蹴りこみリードを広げた。
GK川島、動くのが早かったと思ったのか悔しがり様は半端じゃなかった。


 
Selecao 相手に2点のビハインドとなった日本。 この時点でもう勝利は無いと普通は思うけどこの試合に関しては次に1点返せば何とかなるかもと期待した。
28分31秒に遠藤からボールを受けた本田が飛び出した香川に縦パスを送るがオフサイドと線審のフラッグが上がる。30分には
長谷部がミドルを放つと GK Diego Alves がファインセーブで防ぐ。 



37分にはRamires が清武を、40分にはDavid Luiz が本田をファールで止めてイエローが出される。ブラジルの焦りも引き出していると思った。 
36分には Kaka からのパスを受けたNeymar が放ったシュートがポストを直撃するのを見てまだまだチャンスありと思った。
ブラジルは完全にカウンター狙い。 相手CB Thiago Silva と David Luiz は最終ラインを浅めにしあまり前に出てこないのでもっと本田、香川が前線にと思ったがそれでも日本にボールを回させてもシュートまで持ち込ませない。
40分を過ぎるとブラジルはミドル、ロングパスを使い始めた。 42分から日本はボールを回して何度かチャンスを創るが得点には至らずに前半が終わった。 シュート数は日本が7、ブラジルは4だった。 押している時間は日本の方が長いと思い実際にシュートもブラジルよりも多かったけど肝心の得点は 0-2 とブラジルがリード。そこが Selecao との差だったんだろうなぁ~と思った。



スタンドには青色が結構目に着いた。 日本人サポーターも多かったと思う。Wroclow にこれだけ日本人が詰めかけるなんて初めてここに来た20年前には考えられない。 それだけにここに来たかったなぁ~という思いうが急再浮上して来た。 2002年に Lodz で日本代表がポーランドと親善試合を行った時の様に……



後半に入り日本ベンチは憲剛を下げて乾を投入した。この交替によりフランス戦と同様香川がトップ下に入り、乾が2列目左サイドに入った。そして内田が下がり酒井宏樹が同じ右SBに入った。2年後のワールドカップではどちらがスタメンに入っているだろう?
それから憲剛は以降代表のメンバーとしてどれだけプレー出来るのだろう….
香川がトップ下に入ったので早く1点差になるのではと期待したのだが47分右CKからファーサイドの Neymar が撃ったシュートがそのまま日本ゴールに転がりこみ3点差とされてしまった。

 

Neymar のシュートが吉田の脚に当たってコースが変わってゴールインしてしまった。 そしてこの失点によりこの試合の興味は日本が Selecao から1点を取れるか?に絞られてしまった。
3点目を失った直後も日本はチャンスを創り続ける。 49分には本田のシュートからCKを得て、そのCKを香川が本田からボールを受けてシュートを放つが惜しくもGK Diego の正面。 53分には本田がドリブルで左サイドを突破し中に走り込んだ香川に送るが惜しくも合わない。 60分には香川から上げられたロブに本田が走り込みマークに入った Adriano に倒された。よしPKだ!と思うも Borski 主審は笛を吹いてくれない。 おいおい、と思うもリプレーを見ると Adriano の脚は本田に当たっていなかった。 反対によくカードが出なかったなぁと思った。
 
3点リードのブラジルは完全にカウンター狙い。 日本はブラジルPA付近には迫るがシュートはなかなか撃てない。そしてカウンター攻撃に転ずると Hulki , Oscar, Kaka そして Neymar が一気に上がってボールを前に繋いでシュートに持ち込む。 2年後のワールドカップでもこういう方策を取るのだろうか? 
61分、日本ベンチは長谷部を下げて細貝を入れる。2人とも浦和レッズでプレーした選手。 あの時の Club World Cup がレッズの最盛期でその後は緩やかな下り坂を…..
日本は香川 - 本田のライン以外はSleecao ゴールに迫れない.。しかし反対に言えばこの2人の突破はワールドクラスと云う事と思う。  
だがシュートを撃つのはブラジルばかり67分 HUlki が Neymar に送り吉田がマークに入る前に中に入れると走り込んだ Paulinho が押し込むがその前に線審のフラッグが上がりオフサイドと判定され胸をなでおろすも76分その Paulinho からの縦パスを受けた Kaka がドリブルで上がりそのまま放ったドリブルシュートが日本ゴールネットに突き刺さり今度はゴールインとなり得点差は4点差とされた。  Paulinho にボールが渡ったのは日本のパスミスを拾われての事だった。



そして Selecao ベンチは Hulki を下げて Giuliano を投入する。 もう Selecao は完全にラインを下げてボールを後ろで回し始める。 4点差は着いたけどなんとか1点を。1995年国立競技場での親善試合では 1-5 で惨敗したがミスパスを拾って最後は福田が決めた, 2006年のワールドカップでは 1-4 で敗れたけど玉田が先制した。だからこの試合でもと期待した。
しかし相変わらず本田と香川のライン以外はボールが繋がらない。 たまに乾が良い突破を見せるのだけど。 
82分には Kaka が下がり Lucas Moura が、85分には Neymar がベンチに退き187cm のLeonard Daniano が投入されるこれで完全にラインを下げ、ボールを拾ったら後方で回し彼がゴール前に上がるとロングボールを当てる方策に出たか…。
87分には Ramires が下がって Sandro がそして89分にはOscar が下がり Thiago Neves がそれぞれ起用されるが日本ベンチはまだ動かない。 宮市がようやくユニフォーム姿になったとピッチレポーターが伝えるが….そして彼が入ったのは89分13秒、清武に替ってだった。そして同時に吉田が下がって栗原も投入された。
しかし宮市が一度ブラジルゴールに迫っただけで、92分に酒井を切りえした Lucas がドリブルシュートを放った後に試合終了を知らせるホイッスルが鳴った。 負けた事よりも得点差よりも1ゴールも奪えなかった事が悔しかった。
画面に映し出された天を仰ぐ香川を見てそう思った……



またブラジルに惨敗してしまった。日本の存在をブラジル国民に見せられなかった。だけど1対1では Selecao 相手に結構やれたと思う。 時間と共にブラジルの選手達が本気を出しても本田、香川そして乾は相手をかわして突破するシーンが見られた。 内容ではこれまでの対戦で一番やれていたのでないか? ブラジルのメディでも試合後本田、香川の2人を評価していた。しかし裏を返せば彼ら以外はまだ世界のトップチームとはやれないと言う事か?
それから本田のワントップ。 私は悪くないと思う。今回は前田の離脱からその起用となったけど、前線でキープが出来て外国人相手に当たり負けない本田のトップは面白いと思う。日本には中盤はタレントが揃っているが前線となるとそこまでは。



しかし改善が必要なのは、今世界のトップレベルに追い付く必要を迫られているのは、地元開催で優勝を義務付けられているブラジルの方だ。 



日本はまだ足場を固めるのが先決だ。 アジアで断トツの地位を長きに亘って築くことだ。 韓国やオーストラリアが絶対に歯が立たないと言うくらいに強くなる事だ。 この欧州連戦を見てそう思った。


あぁ本当に観に行きたかったなぁ~。

Brazil GK ①Diego Alves ( Valencia ) DF ②Adriano Corriera ( Barcelona ) ③Thiago Silva ( PSG ) ④David Luiz ( Chesles ) ⑭Leandro Castan MF ⑤Paulinhon ( Corinthians ) ⑦Ramires ( Chelsea ) ⑩Oscar ( Chelsea ) ⑧Kaka ( Real Madrid ) ⑳Hulki ( Zenit St. Petersburg ) FW ⑪Neymar ( Santos )
76’ ⑱Giuliano : Dnipro Petrovsk ( Hulki ) 82’⑰ Lucas Moura : Santos ( Kaka ) 85’⑨Leandro Damiao : Internacional ( Neymar )  87’⑯Sandro : Tottenham ( Ramires ) 89’⑲ Thiago Neves : Fluminence ( Oscar )

日本 GK ①川島 ( Royal Standard de Liege ) DF ⑥内田 ( Schalke 04 ) 22 吉田 ( Southernputon ) ⑮今野 ( G大阪 ) ⑤長友 ( Internazionale ) MF ⑰長谷部 ( Wolfsburg ) ⑦遠藤 ( G大阪 ) ⑧清武 ( Nurnberg ) ⑭中村憲剛 ( 川崎F ) ⑩香川 ( Manchester United ) ④本田 ( CSKA Moscow )
HT 21 酒井宏樹 : Hanover 96 ( 内田 ) ⑨乾 : Eintracht Frankfurt ( 中村憲剛 ) 62’ ⑬細貝 ( Bayer Leverkusen ) 90‘ ⑯栗原 : 横浜FM ( 吉田 ) 90’⑲宮市 : Wigan Athletics (清武 )



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