Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

Referee 1-0 Sydnye FC ??

2007-10-08 | Aussie & Kiwi
10月6日。 A-League で最もエキサイトするゲーム Sydney FC vs Melbourne Victory を観戦した。 A League 元年の覇者は Sydney FC そして昨シーズン、2年目の覇者が Melbourne Victory 。そして Sydney, Melbourne と言うオーストラリアで 1,2 の規模の都市でのライバル意識向きだしの争いは東京対大阪と同様、いやそれ以上のものがあるかもしれない。なにしろオーストラリアの首都がキャンベラとされているのはあまりにも両都市の首都誘致争いが激しくその間をとったものとされている。また、A-League もこの両チームのゲームを一つの“目玉商品”としている。
しかしこれまでの直接対決では今回ホームの Sydney FC の1勝2分3敗と分が悪い。2005/06シーズンはアウェーで Thompson の2ゴールと Mascut の2本の PK で 0-5 と大敗している。
この試合は3月に ACL の浦和戦で知り合ったサポーター達と一緒に COVE と呼ばれるゴール裏のシートで共に観戦をした。試合前から対面の Vicotry サポーター達と大変なシュプレヒコールの応酬を繰り広げる。まぁお互いに何を叫んでいるかは聞こえないであろうが。 Sydney サポーター達の期待は前節から怪我の癒えたジュニーニョ。そしてベテランDFでワールドカップメンバーでもあった Popovich。要注意選手は当然 Socooeroos の Thompsonこれまで Sydney FC 戦で5ゴールを決めている。そして元 Socceroos 主将の Kevin Muscat 。Thompson と Muscat に対する野次もすごい。選手達が入場し、シドニーの選手達がこちらに手を振りながらポジションに着くと、大歓声が彼らを迎える。しかしコイントスですぐにエンドが替わり Vistory の選手達がやって来るとこれまたすごいブーイングが。同じ事は向こう側でも起こっている事だろう。 
立ち上がりから中盤での潰し合いが続きゴールシーンがなかなか見られない。そんななかSydeny は五輪代表の Adam Casey が右サイドを突破してチャンスを作ろうとする。そして試合が大きく動いたのは25分、中盤で Victory DF のSteve Pantelides がボールを持った所にSteve Corica がチャージに入ったが Pantelidas は Corica がタックルに入る前にボールを放すが、そのまま Steve の足が Pantelidasa の膝に入ってしまった。ここで Mark Shield 主審はすかさずCorica にレッドカードを出した。これにはサポーターのみならず Culina 監督も怒りを露に。一連の流れを見れば Corica のタックルは故意的なものではなく、イエローカードが妥当であっただろう。
主審の Shield 氏はワールドカップでも笛を吹き、アジアカップの決勝戦の主審も務めた著名な審判。この大一番に起用されるにふさわしい主審だったのだが…….
ACLの浦和戦でも活躍した元 Socceroos の Corica の退場は Sydney には計り知れないものであった。 Corica は攻撃と守備の両方の能力を持っており前節ではジュニーニョと絶妙のパス交換を見せていただけに……. その直後、ジュニーニョのスルーパスが Brosque に渡りシュートチャンスであったがその前に倒されたプレーにはホイッスルが鳴らず、Sydney Supporter からは主審に対して “ Oh Referee  !! Your wife were shit “ とのコールが起こる。




試合後 Culina 監督は“もし警察の加護が必要ならそれは良いサインではない。”と Shield 主審に言ったと伝えられた。そしてそれに対して Shield 主審は何と答えたかと記者会見で訊かれた Culina 監督は “ 彼をみてくれ、そして私に尋ねないでくれ、罰金を払いたくないから。“と答えた。36分には Victory MF Grant Brebner にイエローが出されたがこれも妥当な判定では無いと思われる。そして41分には Victory DF Jospeh Keeren にイエローが出されるがこれはむしろ相対した Sydney FC の Mark Rudan に出されるべきであった。これらの判定は Corica 退場の補填だったのだろうか?しかし64分にジュニーニョにイエローカードが出された時は怒りと言うよりも理解に苦しんだサポーターがいたのではないか?ゴール前にドリブルで持ち込んだジュニーニョが倒されたがノーホイッスル。そしてジュニーニョが軽く主審にファールじゃないのか?とポーズをとっただけでイエローが出された。  
Corica を失った Sydney は明らかに劣性続きであった。ジュニーニョはタイトなマークに苦しみスペースが見つけられず、トップの Brosque にはロングボールしか供給されない。そしてそこには屈強な Kevin Muscat が待ち構えていた。そしてジュニーニョは70分にブラジル人 FW の Patrick と交替でベンチに下がった。そして Melbourne は Thompson が真ん中のトップ、右にDaniel Allsopp 左に Leonard Love を拝していたのだが、 Thompson が2列目に下がり 最前線が左から Matthew Kemp がMFから上がり、真中に Love が回り、右はそもまま Allsopp が入る。これによりボールキープ力もありスピードのある Thompson が中盤を完全に試合し何度も彼から前線にボールが送られ Victory のチャンスが続く。そして81分、それまで Victory の攻撃を堪えて来た Sydney FC であったが、Adrian Caceres の左からのクロスを最後は Allsopp が押し込んで均衡を破られてしまった。 昨シーズンチームの得点王であったAllsopp はこれで対 Sydney FC 戦4得点目。 COVE には静寂がはしる。そして対面のバックスタンドは大騒ぎだ。そして後で知ったのだがバックスタンドの右側にあるスタンドに陣取る Sydney サポーター達に物が投げられたとか。
Sydney ベンチは同点を狙って Ufuk Talay, Brendon Santabla のFW 選手を相次いで投入するが、シュートレンジに届かない。結局3分あったロスタイムにもこれといったチャンスは作れずタイムアップ。この大一番で完封負けを喫した。 
ブーイングを浴びながらピッチを引き上げる審判団。しかし敗因は審判だけではないだろう。後半、 Sydney サポーターを沸かせたのは79分に得たゴールまでのFKを Brosque が直接狙い僅かに外れたシーンのみ。中盤を完全に制され最前線と分断されてしまっていた。期待のジュニーニョはタイトなマークに苦しみ、またそれを中盤でサポートする選手がいなかった。前節は Coirca がいいサポートをしたのだが。
これで Melbourne Victory は7試合負けなしで勝点を11に伸ばし、 New Castle Jets に替って2位に浮上。敗れた Sydney は2勝2分3敗とまた黒星が先行してしまった。試合後の Culina 監督は“ここに来てくれた18,000の観客(正確には 18,436人 ) の観客に申し訳ない。こんな偉大な試合を1時間以上も10人対11人で演じた事を申し訳なく思う。”とコメントを残した。そしてサポーター達と競技場近くのバーで語り合ったが皆、あの判定が試合を壊した、11人対11人で負けたのなら納得するのに…. と言っていた。しかし Victory サポーター達からしても Shield 主審は鬼門だったらしい。 Kevin Muscat は何度か彼に退場にされているのだから….
楽しみにしていた大一番であったがいまいち消化不良といったところか……. でも彼らのチームを思う熱い気持ちはよく分かった。なにしろ A League 発足前はサッカーの話をする人とは知り合えなかったから……


Wallabies リベンジならず

2007-10-08 | Weblog
現地時間の10月6日に行われた ラグビーワールドカップ の準決勝戦では世界ランク1位の New Zealnd そしれオーストラリアが相次いで敗れた。誰がこんな結末を予想できただろう?

England 12-10 Australia

78分 Stirling Mortrock がPGをセットする距離は48m、左タッチラインから5m中に入った位置だ。このPGが決まれば Wallabies は逆転だ。彼が蹴りあげた楕円形のボールはゆっくりと弧を描いてゴールに飛んで行く。
大会が始まりここオーストラリアでは Wallabies のメインスポンサーでもある Qantas 航空のCFを何百回もテレビで見たシーンを思い出す。PGを蹴った弾道が右にカーブを描く様に蹴った選手、観客席のサポーター、そしてテレビで見ている人たちが皆“ボール良右に曲がれ”とばかりに首を右に傾け、最後は Qantas の航空機が機体を右に傾ける。そしてボールはポールとポールの間を通過し見事にゴールが決まると言うシーンだが、恐らく多くの Aussie 達はこのシーンの様に首を傾けたのではないか…….. そして3分前にJonny Willkinson がPGを外した事を思い出した England サポーター達は首を左に傾けたか……
ボールはポールのわずか右側を通過し、England サポーター達の大歓声が上がった。それでも時間はまだ数分残っていたが Wallabies は追い付く事が出来なかった。
4年前のシドニーでは1つのドロップゴールが Aussie 達を悲しみの底に突き落とした。そしてシドニー時間の10月7日午前1時。今度は復活してきた Jonny Wilkinson の4つのプレースキックが再び Wallabies の野望を打ち砕いた。そして準決勝にはWallabies ではなく England が残る事に。そして Wallabies の George Gregan はテストマッチ139試合出場で膝の怪我でこの試合に出場出来なかった Stephan Larkin は102試合出場で Wallabies のキャリアーを終える事になった。
試合は開始7分に Mortrock のPGゴールで Wallabies が先制する。その2分前には PG を失敗していた Mortrock が今度は決めた。そして下馬評では優位だった Wallabies が先制した事によってさらに安堵をおぼえた Aussie 達は多かっただろう。14分にはこの日3本目のPGを Mortrock が決められない一方で、23分、26分連続して Willkinson が PG を決めてEngland が 6-3 と逆転をするが、まだ Aussie 達は余裕があっただろう。29分に Willkinson がPGをはずし、33分には期待の Winger, Lote Tuqiri がトライを挙げ、更に Mortrock がConversion Goal を決め、39分に Willkinson がPGを外し 10-6 で前半を終えた時、後半の Wallabies の猛攻そして勝利を期待した Aussie 達はかなりいたと思う。
しかし、歓声を上げたのはEngland サポーター達ばかりであった。50分には Willkinson のPGで10-9 と一点差に迫ると 59 分には Willkinson がこの日4本目のPGを決め遂に逆転をしてしまう。このPGは Wallabies ボールのスクラムから最後は England FW陣のプレッシャーからオフサイドの反則を取られ与えたものであったがこの試合の England のFW陣のプレスが試合の明暗を分けた一つの実例であろう。 Wallabies は 10-12 とリードされたがそれでも時間は20分以上残っていた。充分にチャンスはあると思われた。しかし England もタフだ。本当に南アフリカに 0-36 と破れたチームなのだろうか?確かにこの日は Willkinson ら6人の選手が南アフリカ戦には出ていないが。それだけ Willkinson は偉大な選手ということなのだろう。
オーストラリアの Guy Sherhardson と England の Andrew SheridanがそしてWallabies のMatt Duninng と England のMartin Corry がオフ・ザ・ボールになっても掴みあいをする。 Wallabies に焦りが出てきたのか?それとも England のプレッシャーが強いのか? Wallabies はボールが手に付かない、そしう England のターンオーヴァーが繰り返される。時は刻一刻と過ぎる 62分には Berrick Barnes がドロップゴールを失敗した後、交替選手を投入し現状打開をはかる。75分には Willkinson がPGを外してくれた Wallabies にはチャンスが残っているとまだ多くの人が思っていたはずだった……..
ターンオーバーは Wallabies の5に対して England は9。 Territory は Wallabie 55% に対して England は45% しかしボール支配率は Wallabies が48% に対して England は 52% 。 Wallabies の方が相手陣内にいる時間が長くてもそれがマイボールでは無かった時間も長かったと言う事かも知れない。
この試合の殊勲者でもある Wilkinson のプレースキックをする前の独特のあのポーズ。Aussie 達は悪夢の象徴として記憶に残り、England のラグビー少年達の間ではしばしはやりのポーズとなり、公園などで繰り広げられる草ラグビーで多くの子供たちがこのポーズをとるであろう……..
あぁ今もテレビでカンタス航空の宣伝が……

Flying Fiji Send Wales Home

2007-10-08 | Weblog
9月29日ナントのStade de la Beaujoire で行われた Pool B のグループリーグ最終戦。共にオーストラリアに敗れ、日本、カナダに勝利を収めた2勝1敗同士のウェールズとフィジーが直接対決した。この試合前までの IRB ランキングではウェールズが8位、フィジーが11位。そしてグループリーグでの試合結果を比較すると下記の通りとなる。                         
                               ウェールズ   フィジー    
対オーストラリア戦         20-32          12-55
対日本戦                     72-18          35-31
対カナダ戦                   42-17          29-16

それぞれの試合結果だけを見ると Wallabies 戦で接戦を演じ、日本、カナダを一蹴したウェールズが優位に立てると見られる。しかし直接対決となると解らないのがスポーツと言うものだ。だから非常に興味を持ってこの試合をテレビ観戦する事に、いやここオーストラリアにいたからテレビ観戦できたのだ。 試合は開始5分に Stephan Jones のPG でウェールズが3点を先制するも18分にフィジーの Vilimoni Delasau が二人のウェールズ選手をかわして逆転のトライを挙げる。実況アナウンサーも Incredible を連発する素晴らしいトライ。25分には Kele Leawere のトライ、Nick Little の Conversion がきまり 25-3 とフィジーがリードを広げる。しかしウェールズも45分から51分までの間に3連続トライを挙げるなど29-25 と逆点に成功。さすがはかつて5 Nations でグランドスラムを達成した強豪。だがフィジーは再び Nicky Little が連続してPGを決め再逆転。 71分にはウェールズ Gareth Thomas の突破をトライ寸前で Seremaia Bai がストップ。流れはフィジーに傾くかと思われたが73分に Martyn Williams がインターセプトからそのまま走りこんでトライを決め今度はウェールズが 34-31 と再逆転。しかし続く Conversion Kick をStephan Joes がゴールポストに当ててしまった。結果的にこの Conversion Kick が試合の明暗を分けた。5分後の78分には Graham Dewes が左サイドを突破する、そこにタックルが入るが Dewes がサイドラインを割りそうになる前にゴールラインを突破しトライをボールをグラウンディングした様に見えた。しかしトライかどうか、オーストラリア人の Dickinson主審は無線で確認を仰ぐ、なかなか判定がされない。実況アナウンサーも “ Hard Decision “ と言っていたが、結局トライが認められ再々逆転に成功。大喜びのフィジーフィフティーン。そして観客。判官贔屓とも言える Stade de la Beaujoire の観客の殆どはフィジーの応援だ。そして Little がこの日3つめの Conversion Kick を決めて 38-34 と点差を広げた。しかし残り時間はあと2分程度とはいえ、トライを挙げればウェールズは逆転となる。 Jones のキックオフからウェールズの選手達が一斉にフィジー陣内になだれこむ。しかしフィジーも必死の防戦。そして81分31秒、実況アナウンサーが “ Turn Over !! “ と叫ぶ。フィジーがボールを奪い返した瞬間だった。そしてホイッスル。これでフィジーの第1回大会以来5大会ぶりのベスト8進出が決まり、第一回大会で3位になり、ここ2大会連続でベスト8に進出していたウェールズは大会を後にすることとなった。最後の Conversion Kick が本当に勝敗を分けた。

IRBのランクではウェールズは第一グループ。そしてフィジーは第二グループだった。翌日の英国紙には “ どれだけの偉業を求めているのか?恐らくワールドカップ史上最高のゲームで、おそらくラグビーの最高の宴で、最高の攻撃のレベルで、恐らく最大の番狂わせ、そして恐らく、偉大なラグビーの列強国がフィジーの様なマイナーな国と自ら認める様な国が大会に波乱を起こしたと最後に言われる事となるであろう。この敗戦を受けてウェールズの監督Gareth Jenkins 氏は解任された。昨春監督就任以来の20試合でこのワールドカップでの2勝を含めてわずか6勝しかできなかったらしい。今大会はグループリーグを終えて南半球勢がベスト8に5カ国が進出。IRBの老舗8カ国以外のユニフォームは2色以上で1色なのは England をはじめ老舗8カ国のみ。 しかしフィジーは“第二グループ”とはいえ、第一回大会でベスト8に進出し、セブンズでも上位に入る実力国。そのフィジアンマジックを侮った訳ではないのであろうが…..
日本はそのフィジーと死闘を演じ惜敗した。この日のフィジーの戦い方がウェールズ等“第一グループ”への抗い方のヒントが隠されていると考えるのは早計か? このフィジーは決勝トーナメントで南アフリカと対戦する。この試合の結果よりも彼らがどういう戦いをしてどの程度やれるのかが、日本が世界の列強達と戦う参考になるのではと思うのだけど……