Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

アジア中で激戦が…..

2007-10-24 | 五輪 U-20, U-17
先日日本U-22 はカタール・ドーハで残念ながら惜敗をし五輪予選の厳しさが増しているが、それは日本の所属する Group C だけでなく他の Group も同じだ。五輪予選にかけるアジア諸国の思いの強さは他の大陸では見られない。AFC のWEBサイトでも五輪予選のページがあるくらいだ。ワールドカップでは出場枠の拡大により昔は1つしかなかった出場枠が今は最大5カ国まで門が広がったが、五輪はまだ昔と同様アジア枠は3のまま。今回は五輪が北京で開催されるので中国を含めてアジアから4カ国の出場枠が確保されている。前回アジアで五輪が開催されたソウル五輪時は開催国の韓国を含めて出場枠は3つのままだった。それに今回はオーストラリアが編入してきた。日本、韓国をはじめサウジアラビア、イラン、イラク……これだけで出場枠の2倍の国名が挙がって来る。日本だけでなく他国のサポーター達も試合ごとに激しく一喜一憂しているのだ………

Group A
イラク             2勝 2分 0敗 7得点 0失点 8勝点 +8
オーストラリア  2勝 2分 0敗 4得点 0失点 8勝点 +4
レバノン        1勝 1分  2敗 1得点 8失点 4勝点 -7
北朝鮮          0勝 1分  3敗  0得点 4失点 1勝点 +4

10月17日、オーストラリア五輪代表はレバノンの首都ベイルートに乗り込んだ。9月にホームで行われた北朝鮮、レバノンとの2連戦に連勝を飾った五輪代表こと Olyroo 。ホームで 3-0 と一蹴したレバノンをアウェーで叩けばアジア代表として五輪切符を掴むチャンスでもあった。しかしベイルートのMunicipal Stadium ではゴールを奪えず勝点は1止まり。幸い当面のライバルイラクが平壌で北朝鮮と0-0 で引き分けた為勝点では並んだまま、しかしオーストラリア関係者は平壌で北朝鮮が勝つ事を見込んでいたのではないか….. 確かに Olyroo はAdelaide United striker の FW Bruce Djite そしてNewcastle Jets の MF Stuart Musialik の中心選手を欠いていた。それでも試合を支配していたのは Olyroo だった。 27分にはJets の中心選手 Mark Bridge が7mの距離から決定的なヘッドを放ったがレバノンGK Hassan Moghnieh. の台ンセーブに阻まれた。前半終了直前には James Troisi が Bridge とのワンツーから抜け出しGK と1対1になるこの日最大のチャンスを掴んだが僅かに右に外してしまった。レバノンも後半エースストライカーの Akram Moghabi がGK Danny Vukovich のいない無人のゴールにシュートを放つチャンスがあったがNewcastle Jets のAdam D'Apuzzo がブロックし失点を逃れた。その後も Olyroo の攻撃は止む事がなかったが最後までゴールは奪えなかった。9月8日にイラクはベイルートでレバノンを 5-0 で一蹴している。そのレバノンをアウェーでオーストラリアは得点を挙げられずに引き分けに終わってしまった。これが現在の得失点差そして星勘定でイラクが優位立っている分岐点だ。Olyroo は ホームでのレバノン戦でもゴールを挙げたDjite の欠場が痛かったか….. それにしてもイラクの攻撃力は恐れ威入る。中でもレバノン戦で2得点,北朝鮮戦で1得点の Khashen Alaa は次代のイラクのエースストライカー候補だ。そして同じくレバノン戦でもゴールを決めた Muhamed Karrar はアジア大会そしてアジアカップのメンバーでもあった。イラクの実力は政情不安な為ホームゲームをイラク国外で行っているにも関わらずグループの首位にいる事でも証明される。次節11月17日 オーストラリアのGosford、 Central Cost Mariners のホームグラウンドにイラクが乗り込みオーストラリアと対戦する。8月22日ドーハでのイラクの“ホームゲーム”では0-0 であった。イラクの攻撃力が Olyrooのゴールを割る事が出来るだろうか。イラクとオーストラリアは前回のアテネ五輪では準々決勝で対決。その時はイラクが1-0 で勝っておりベスト4進出を決めた。この組には前回のベスト8とベスト4が入っている最も厳しいグループと言えよう。この組で注目していた北朝鮮であるが、これまでわずか勝点1、そして無得点。9月8日 Newcastle でのオーストラリア戦を観戦したが、中盤では時折早いボール回しを見せるがゴール前で決定的な仕事が乏しかった。それは日本も一緒か……

Group B
韓国         3勝 1分 0敗 4得点 1失点 10勝点  +3
バーレーン       3勝 0分 1敗 6得点 3失点  9勝点  +3
シリア          0勝 2分 2敗 1得点 3失点  2勝点  -2
ウズベキスタン  0勝  1分 3敗 2得点 6失点   1勝点  -4

10月17日シリアの首都ダマスカスで行われたアウェーでのシリア戦。ひと月前のホームでのシリア戦には 1-0 で勝利を収めている。韓国の関係者達は当然この試合も勝ち、4連勝を飾るものと思っていただろう。そして北京行きをより現実的に出来るものと思っていただろう。9月12日のホームでのシリア戦は金勝龍のゴールで手堅く勝利をしている。しかしよく考えればホームで 1-0 の勝利であればアウェーでも勝利とは胸算用出来なかっただろう….ダマスカスでのシリア戦の前には UAE で調整合宿を行いその際には日本との試合で0-3 で敗れたとの事。GK鄭成龍を含めて5人の9月のシリア戦でスタメンでなかった選手を入れて臨んでアウェーのシリア戦は朴主永と金勝龍をツートップとして起用したがMFの白智勲と呉章銀が引き気味のプレーに徹したため、普段の攻撃とは違い、迫力が感じられなかった。朴主永は、前半13分に左足からシュートを放ち、29分にはペナルティーエリア左からFKのチャンスをつかむも、ともにゴールポストを大きく外した。前半のポイントは、19分に放った李相湖のヘディング・シュートがゴールポストに阻まれたところ。これが前半最大の見せ場だった。後半に入り、朴成華監督は、李青龍と徐東鉉を投入したことにより前半に比べてパスワークが良くなり、試合の主導権を握るようにはなったものの、今度はシュートが決まらなかった。後半20分、李根鍋が決定的なシュートを放つも、ゴールキーパーのファインプレーに阻まれ、その後も徐東鉉や朴主永がシリアゴールを狙ったが、結局得点に結びつけることはできなかった。むしろ試合終了間際にシリア選手の放ったシュートがゴールポストに当たるなど、冷や冷やさせる場面もあった。

次戦、韓国はタシュケントに遠征しウズベキスタン戦に臨むが、最終戦はトップ争いをするバーレーン戦をホームで行う。韓国の予選突破は堅いと思う。 今大会はまだ終わっていないが、韓国のアジアでの勝負強さは脱帽だ。1986年のメキシコワールドカップに出場以来20年間でワールドカップ6大会、五輪5大会連続出場中だ。(地元開催も含む)五輪予選では前回はイラン、中国と同じ組でありながらその両国を寄せ付けずアテネ行きを決めてアテネ五輪ではベスト8に進出している。シドニー五輪予選も中国、バーレーンをものともせずに予選突破を果たしている。
しかし、韓国とてメキシコワールドカップ前までは1964年東京五輪以来20年以上に渡ってアジアの壁を突破出来なかった。特に現五輪チームの朴成華監督が現役時代であったモスクワ五輪予選はアジア中の誰もがと言って良いほど韓国の予選突破が予想されていたが、マレーシアでセントラル開催であった予選が始まって見れば地元マレーシアに予選リーグ、決勝戦で連敗、関係者の落胆ぶりは大変なものであったらしい。マレーシアには1971年ソウルで開催されたミュンヘン五輪予選でも苦杯をなめている。

11月17日、21日アジア中で開催される五輪予選。 最後に3カ国が笑うのだがその中に我々が含まれている事を祈るよ…….