Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

世界王者の日本人ボクサーは他に......

2007-10-20 | Weblog

WBC世界フライ級タイトルマッチが行われたのが10月11日。既に10日が経っているが、未だに世間というよりもマスコミはこの試合から話題を絞りだそうとしている様だ。タイトルマッチ翌日にははやくも長男の興毅が“敵を取る”と言ったとかの報道がなされたかと思えば10月25日に予定されていた興毅のノンタイトル戦は延期となり、更に亀田陣営が目を狙えと言ったとか言わないとか…..
10月15日に JBC から処分が発表され倫理委員会は亀田大毅にボクサーライセンス停止1年、セコンドについた父親の亀田史郎にセコンドライセンス無期限停止、同じくセコンドを務めた亀田興毅に厳重戒告、協栄ジムの金平桂一郎会長にクラブオーナーライセンス停止3カ月の処分を満場一致で決めた、と発表されるまでどの様な処分が果たされるのか連日スポーツ紙の一面を飾った。そして処分発表後も17日に渡海文部科学相までが“当然の処分”と言及し、同日金平会長を始め、亀田大毅、亀田史郎氏の陳謝記者会見が行われ、一言も発しない大毅にそして会見の短さに世間はブーイングの嵐。さらに史郎氏ががんを飛ばしたとかとばさないとか、内藤に謝罪に行けとか…..しかし、反則をしたからと言って謝罪を強要するのもなぁ.......

18日には大毅がアポ無しで謝罪に行き、史郎氏も携帯電話で謝罪をしたとの報道… しかし報道はグローブを交わらせた当事者だけに留まらず18日には兄の興毅が“一言も発せなかった大毅に替って謝罪したい”とのコメントが報じられ、史郎氏がかつて興毅に宛てた手紙がアニメのセリフに酷似しているとかいないとか….. 協栄ジムの金平会長は協会に辞表を提出し、それが留保されたらしく、20日には亀田家の自宅兼練習所が葛飾区から移転するとかしないとか…. そして今後の練習場を含めた件を含め今後について史郎氏と金平会長で話し合い、場合によってはジム移籍も……
マスコミは常に“世間を騒がせている…..” との常套句で報道を始めているが、騒がせているのはマスコミで、騒いでくれなければ困るのもマスコミだろう。このタイトルマッチが決まってから、いやタイトルマッチが行われてからも、殆どのマスコミはチャンピオンである内藤大助の事を全く知らなかったのではないか?
今年7月アジアカップで沸く(そうでもなかったか…..) タイのバンコックに商用で訪れたが7月18日、まさに内藤が6年半タイトルを守り続けたポンサクレックを判定で降し新チャンピオンに輝いた日に私はバンコックにいた。翌19日には地元紙そして英字新聞にまで写真付きで大きくこのタイトルマッチが報道された。(この新聞を持ち帰るのを忘れた事を非常に後悔している。)内藤にとっては正に3度目の正直、2002年4月19日にはわずか34秒でKOされフライ級史上最速のKOタイムの汚名を, 2005年10月10日は途中で負傷し7R判定負けであった。そして7月18日の試合も一旦は放映予定局が放映をとりやめスポンサーが集まらず試合が出来なくなるかと心配された。 
亀田興毅は2002年と2004年にタイでポンサクレックとスパーリンクを行った経験があり、特に2004年は帰国後ポンサクレックの実力を疑問視する発言を憚らなかったのでポンサクレックが抗議すると言う一幕もあった。しかしその17度タイトルを防衛したポンサクレックをついに王者から陥落させたのが他ならぬ内藤だ。
亀田ファミリーと内藤大助、日本以外では内藤の方が断然有名だ。しかしこのタイトルマッチで初めて内藤大助を覚えたマスコミが多いだろう。実績と日本以外の知名度は内藤大助が圧倒的に上だ、しかし肝心の日本国内では彼の功績どころか彼が誰だか知らないマスコミが多い、それは決して正しい状況では無い……内藤が世間に知らしめたかったのはその事では無いか…….

世界ランクでも亀田大毅は14位。一方は6年半に渡って17度のタイトルを防衛したポンサレックを破った世界王者。試合前から亀田陣営は内藤への“口撃”を休める事はなかったが、本当に内藤に勝てると思っていたのだろうか??ゴングが鳴って3ラウンドもすると誰もがその実力差を確認できただろう。ただ大毅の逆転ワンパンチも考えられなくは無かったが…….TBSもそうだったのか????

日本人の世界チャンピオンは他にも WBA ミニマム級の新井田豊、WBAフライ級坂田健史、WBCバンタム級長谷川穂積がいるが、それを知っているマスコミはどれだけいるだろうか……. 特に長谷川穂積のバンタム級は世界では“黄金のバンタム”と呼ばれているクラスだ。
私は子供の時からボクシングを見るのが好きで、大場政夫、柴田国明、輪島功一、ガッツ石松、具志堅用高そして渡辺二郎らのファイトを見て興奮したものだ。時代は替わったとは言え今の様に世界王者の内藤よりもタイトルも持ってない亀田ファミリーに連日スポットがあたるなんて考えられない。

亀田ファミリーの今後はさておき、内藤大助には次の防衛戦でも結果を残してほしい。今回の防衛戦は“亀田大毅”と言う比較的容易な相手であった。そして今内藤は時の人となりこれまでの生活リズムがかなり変わっているはずだ。それを乗り越えて次戦もタイトルを防衛し彼の様な世界王者がプロボクシング界を盛り上げ、日本人世界王者をもっともっとえてほしいと思う…….

今度久しぶりにボクシングマガジンを買いに行こう……….


ドーハの悲劇?いやまだ優位だと思うけど…..

2007-10-20 | 五輪 U-20, U-17
10月17日、いや日本時間の18日深夜カタールの首都ドーハで行われた北京五輪アジア地区予選 Group C の大一番、日本はカタールに痛恨の逆転負けを喫してしまった。勝てば大きく一歩五輪に、しかし引き分けでもかなりの前進となるはずであったが、勝負事は相手があっての事、簡単に勝点を積ましてはくれなかった。
それにしても負けるにしても負け方がいけなかった。前半43分に欲しかった先制点が入り、後半時間が経つにつれて劣勢になる時間が増える中で同点にされ、さらにピンチを何度か招くも何とか耐え、これで引き分けと思ったロスタイムと言うよりのも終了数十秒前に伊野波が痛恨のハンドを犯しPKを取られ、時間を追って勝点が減って行く内容。久々に夜中に起きてテレビ観戦をした私はゴール前に入れられたボールが伊野波の前で弾んだ瞬間に “あっ” と叫んだが、主審は本当に良く見ていたと思う。しっかりとハンドを取りPKを与えると言う公平は判断を降した。

この日のスタメンはカタールが前節の東京での日本戦に累積警告で出場出来なかったFWのサイードと左ボランチのムバラクが新たに起用された以外は同じメンバー。一方の日本は前節で警告2枚で退場となった本田拓を筆頭に4人の選手を入れ替えてこの大一番に臨んだ。それが良かったのかどうかはわからないが…..

カタールの事を最近力をつけてきた…..と言う表現をするマスコミがあるが、それは正しいとは思えない。ワールドカップ出場こそないが、ロス五輪、バルセロナ五輪にはアジア代表で出場を果たしバルセロナ五輪ではベスト8。FIFA U-20では1981年大会で準優勝を収め, FIFA U-17大会でも 1985, 1987,1991, 1993, 1995,2001 と5大会出場を果たし1991 年大会では3位、1987年大会でも ベスト8に入っている。また1995年は FIFA U-20 大会のホスト国となったがベスト8に進出出来なかった。そしてその大会には日本のU-20 チームも奥、松田直樹、森岡そして中田英寿らを擁してアジアの壁を突破し、メキシコ五輪以来初めてアジアの壁を突破して世界の舞台に出場した大会であった。まぁ、年齢別の大会でしか成果を上げていないのは年齢詐称の疑惑もあるが…… 一つ言えるのは日本がアジアの中でも埋没していた80年代からカタールの方が既に成果を上げていたのだ。

FIFA World Youth Championship Australia 1981

そして昨年の地元開催のアジア大会では若手主体で遂に優勝を収めた。今年7月のアジアカップでも10人の五輪候補世代を含んでいる。(ヴェトナムは12人)  右サイドバックのメサド、FWワリードはアジアカップの日本戦ではスタメンでボランチのマジディ、FWハッサンが途中出場、FWヤハヤ, DFイブラヒムも出場は無かったがアジアカップメンバー。特にイブラヒムは怪我さえ無ければアジアカップでもレギュラーメンバー間違いなしの中心選手。 試合内容は前半は先月の東京での試合よりかは内容がいい様に見えた。そして前半終了前の良い時間に先制する事が出来た。後半に入って最初からホームのカタールが押してくる展開に。それでも日本はカウンター気味にサイド攻撃を、特に後半から登場した家長が何度かチャンスを作るが追加点を奪えない。そして次第にカタールがチャンスを作り出す。特に日本の左サイドをFWザイード、MFマジディそしてサイドバックのメサドがどんどん突いてくる。それでも2列目の柏木が豊富な運動量で守備に貢献し失点を食いとめたが77分にCKからのこぼれ球が交替出場のアルヘイドスの後ろに転がりそのままヒールで決められてしまった。こぼれたところがあと数十センチずれていたら…. そしてCK直前のワリードのFKをGK山本がナイスセーブをした後だけに…..それでもまだ同点。日本も得点のチャンスがあるだろうし、このまま押し切れば五輪は近づく。79分には攻撃力のあるワリードを下げてくれた。85分には交替出場の森島に警告が出されるが、ちょっと厳しいなぁ…と思う。そして87分には柏木が下がった。残り時間を考えても最後まで守備で貢献していた柏木が下がった事でカタールは生き返ったのではないか…….. そして時間が過ぎ、あと30秒足らずを耐えれば勝点1だったのだが……

届かなかったGK山本 

マスコミはドーハの悲劇再び…. と表現するが、あの時はそれが最後の試合だった。そしてこの五輪予選はまだ2試合が残されている。そして今や五輪予選はワールドカップ予選よりも厳しい戦いと言う事を忘れてはならない。出場国枠の拡大でアジアから4カ国そして最大5カ国がワールドカップに出場出来るが、五輪はアジアから3カ国しか出場出来ない。今回は開催国がアジアの中国であったので合計4カ国確保できたがソウル五輪では開催国の韓国を含めても3カ国(他に中国とイラク)であった。それほど今や五輪予選はワールドカップよりも厳しい戦いなのだ。

これでカタールに同勝点ながら総得点で1位の座を譲った日本だが、まだまだ星勘定では有利だと思う。日本は次節ハノイでヴェトナムと戦うが、この試合に勝てば最終戦を前にかなり優位な立場に立てる。カタールに敗れたとはいえ、直接対決では1勝1敗。そしてサウジアラビアもカタールもアウェーのヴェトナム戦は引き分けている。次節日本が勝利を挙げられればその分ライバル達に勝点2の差をつける事が出来る。そして…….

サウジアラビア対カタールが引き分けの場合
同日11月17日、カタールはアウェーでサウジアラビアと戦うが、ここで引き分けてくれるのがベストだ。そうすればサウジアラビアは圏外に落ちる事となり、最終戦を日本と東京で戦うサウジアラビアのモチベーションは一気に下がる。それでなくてもこう言う状況になればサウジアラビアはほぼ絶対的にベストメンバーを派遣しない。そうなると日本は勝利を計算でき、カタールの最終戦の結果にかかわらず五輪切符を手にする事が出来る。

サウジアラビアが勝った場合
サウジアラビアがカタールを抜き日本との最終戦に臨むこととなり、その直接対決が雌雄を決するが、そこは日本のホームゲーム。そして11月21日はかなり気温が下がっておりサウジアラビアはアウェーの厳しい戦いを強いられる。9月のアウェーでのサウジアラビア戦を見る限りホームでは日本に勝機が断然なると考えるのは容易だ。

カタールが勝った場合
少し厄介な事になる。サウジアラビアは圏外に落ちて、日本とカタールだけに可能性が残されることになる。最終戦はホームにヴェトナムを迎える。そしてこのヴェトナム相手に大量得点を奪われるとカタールが何点差でサウジアラビアに勝利するかが観点になるが、日本も可能性のなくなったサウジアラビアを相手とは言え大量点は期待できない。そしてカタールの攻撃力だと可能性の無くなったヴェトナム相手にホームとで大量得点勝利は非現実的では無い。

しかし、カタールとてアウェーでサウジアラビアに勝利を収めるのは容易ではない。サウジアラビアの勝利か引き分けが妥当な予想ではないか….

上記の星勘定はあくまでも日本が次節のヴェトナム戦に勝利を収めることが前提であるが、既にほぼ可能性の潰えたヴェトナム相手にアウェーとはいえ勝てないようではもう五輪もなにもあったものではない。サウジアラビア、カタールが引き分けたのはまだ予選突破レースに乗っていたという状況下での事だ。家長、森島の出場停止は痛いが本田拓の出場停止が解け、今度こそ平山が本来の実力を発揮すると思う。 DF陣の高さに難のあるヴェトナム相手に平山の高さは効果的だ。そして何よりも平山の奮起に期待したい….. それと水野の怪我の回復も....

アトランタ五輪予選の激闘を憶えている人は少なくないだろう。その後シドニー五輪最終予選ではカザフスタンとタイ、次のアテネ五輪最終予選では UAE, バーレーン、レバノン。こうして見ると過去2大会は比較的容易な国を相手にしていた。今回はサウジアラビア、カタール、ヴェトナムが最終予選を戦っているがこれが本当のアジア予選だ。それだけにこの予選を勝ち抜けばこの世代の自信になると思う。その為にも次節のヴェトナム戦でしっかりと結果を出して我々を喜ばせてほしいものだ.

顔をしかめる平山