Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

MCG にて Australia vs Argentina 後半 Adios Skoko

2007-09-15 | Aussie & Kiwi

ハーフタイム中にどこかもっと見易いところは無いかと競技場内を徘徊する。結局ゴール裏のオーストラリアサポーター席に紛れて立ってみる事にした。もちろんここには立見席は無く、彼らとてそこの座席を指定しているのだろうが。 ここ MCG はサッカーではあの 1997 年のワールドカップ予選のイラン戦、MCGの悲劇と呼ばれた舞台でシドニー五輪の際も Olyroo がここでイタリア戦を行った。そして Aussie Football の Grand Final が行われる競技場としてでも有名だ。昨シーズンは A League の Melbourne Victory が優勝し、 Telstar Dome でさえ満員札止めになるのだからここで開催してはと言う案もあるらしいが、サッカー観戦には少し大きすぎると感じた。



さてエンドが替わって後半、ゴール裏に回ったこちらにアルゼンチンが攻めて来る。アルゼンチンの攻勢を見越しての席替えなのだけど。49分にあっさりとアルゼンチンに先制点が入ってしまった。 Messi がドリブルで突破し倒されてFKを貰うとやや右サイドから Manchester United の Carlos Tevez が入れたFKのクロスに Martine Demichelis が飛び込んで頭で合わしてゴールネットを揺すった。 Tevez のFKは本当に早かったがそれを合わせた Demichelis も見事だった。 潮が引く様にサポーター達が静かになってしまった。
しかし51分に拍手が沸く。ベテラン Skoko がベンチに下がるのだ。大歓声に拍手で応えピッチを去る前に Zanetti と抱き合いそしてオーストラリアの選手達と握手をする Skoko 。この出身地 Melbourne はそして MCG は本当に思い出のスタジアムになるであろう。2000年はシドニー五輪をこの競技場でプレーし、昨年のワールドカップ前の壮行試合試合のギリシア戦ではゴールを決めた。ワールドカップでは出番が無かったがアジアカップ予選のバーレーン戦でもゴールを決めた。代表試合出場数は10年間渡って50を数える。また1人 オーストラリアのサッカー史を支えた選手が去った。



この Skoko の交替を機に?オーストラリアが攻勢に出る。52分には Carl が53分には FK からBreschiano が強烈なショットを放ちそれぞれ GK Abbondanzieri のファインセーブを引き出す。 さすがワールドカップでもアルゼンチンゴールを死守したGK。
準々決勝ではクローゼと激突し交替を余儀なくされた。もしそれが無ければ・・・・・Breschiano はこの日2本目の惜しい直接FKだった。58分にはその Breschiano に替って Holman が投入される。アジアカップにも出場した Holman は Socceroos 期待のFWだ。18歳の時に当時小野伸二のいた Feyenoord と契約するもすぐにレンタルに出されるたがオランダ生活も6シーズン目の今は NEC Nijmegen のレギュラーだ。67分には地元の大歓声を後に Thompson が下がり昨シーズンまで Newcastle Jets でプレーをし今はトルコリーグの Gencelerbirgli に移籍した Nick Carle が入る。 Carle もアジアカップの日本戦に出場した。
若い攻撃陣の投入に刺激されたのか David Carney の左サイド攻撃がこの時間から目立つ様になって来た。そのサイド突破から見事なクロスが入ったが僅かに Kennedy に合わなかったが、1対1でも堂々と渡り合う様になった。そして前半の終盤から Messi に対しても身体を張って突破を食い止めるシーンが。77分にはインターセプトを見せ、 Holman のシュートを引き出す。 
また Culina も負けじとアルゼンチンゴール前の右サイドでテクニックを見せDF二人をかわし観衆を喜ばす。

前半冴えに冴えた Messi のドリブルもやや陰りが。疲れが出てきたかな?何度か倒されてもファールを取ってもらえず主審に激しく抗議をする場面も。85分には Grella に倒されちょっとした小競り合いも。その直前には Tevez がアルゼンチンサポーターから大歓声を浴びながら Saviola と交替でベンチに下がる。その Saviola が90分に久々の Messi の左からの突破からシュートを打つがこれは力なく Shcwarzer が片手でキャッチ。そしてその直後に Messi が FIFA U-20 に出場した Sergio Agueroと替ってベンチに下がったがこの時ばかりはアルゼンチンサポーターだけでなく競技場全体から拍手が沸き起こる。 だが周りのサポーター達は何とか同点をと声援を送るが3分なったロスタイムも過ぎて 1-0 のままタイムアップとなった。 

翌日の新聞はこの試合を非常に肯定的に評価しており、特に Messi, Tevez にゴールを許さなかった事と、 Carney や Breschiano, Kennedy ら攻撃陣を評価。 Viduka, Aloisi 無き後の新戦力となるだろうか?この試合が最後の指揮になるかもしれない Arnold 監督は A League の進化こそ Socceroos の底上げとコメントしていた。彼が指揮した13ヶ月間で起用した選手は延べ53人となるらしい……
アルゼンチン側には何か収穫はあったのか??ノルウェー戦には敗れたがこの試合後も“今は勝敗は度外視する”といったコメントを寄せていたけど…..
この試合の勝利を最も喜んだのはアルゼンチンからのオーストラリアに移り住んだ移民達だろう。試合後もしばらく競技場の外で彼らの Fiesta が続いていた。  
この日私は Warren のユニフォームを着ていたけど、マラドーナのイラストの入った白と水色の縦じまのレアもののレプリカを着たらよかったかなぁ…….とも思った。




翌日私は朝6時の飛行機で再びニュージーランドに向かった……

Match Details Australia 0 Argentina 1 (Martin Demichelis 49’)

Australian line-up: GK 1 Mark Schwarzer ; 2 Lucas Neill (c), 4 David Carney,
5 Jason Culina, 6 Michael Beauchamp, 7 Luke Wilkshire, 8 Josip Skoko ( 17 Carl Valeri 51’), 9 Joshua Kennedy ( 22 Nik Mrdja 82’), 11 Archie Thompson ( 19 Nick Carle 62’), 13 Vince Grella, 23 Mark Bresciano (10 Brett Holman 58’)

Argentina line-up : GK 13 Roberto Abbondanzieri ; 2 Martin Demichels, 6 Gabriel Heinz, 8 Javier Zanetti, 11 Carlos Tevez ( 7 Javier Saviola 85’ ) 14 Javier Mascherano , 15 Gabriel Milton 17 Nicolas Burdisso, 18 Jonas Gutierrez
( 5 Fernando gago 72’ ) 19 Lionel Messi ( 2 Sergio Aguero 91’ ), 20 Federico Insua ( 16 Cristian Ledesma 82’ )

Referee: Michael Dean (England) 

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MCG にて Australia vs Argentina  前半 メッシの高速ドリブル

2007-09-15 | Aussie & Kiwi

9月11日。オーストラリア第二の都市 Melbourne の市街地にある Melbourne Cricket Ground にオーストラリア代表はアルゼンチン代表を迎えて親善試合を行った。このカードは元々アジアカップ前の6月6日に開催される予定であったが、アルゼンチン側が6月2日にスイスとの親善試合を組んでいた為、中3日で南半球まででかけ万全の調子で試合が出来ないと延期を申し入れてきた為にこの日の試合開催となった。
それなら初めから試合なんか組まなければ良いと思うのに、それに強く抗議出来ないのは FIFA ランク2位が相手だからか?
今オーストラリア国民の最大の関心はフランスで開催されているラグビーのワールドカップ。その地元フランスは初戦でアルゼンチンにまさかの敗戦を喫したので、ここにいるアルゼンチン系の市民は大いに沸いているそうだ。そしてかれらの英雄 “Los Gauchos “ ことサッカーの代表が来豪したのでメルボルンの街には白と水色の縦じまのユニフォームを着て闊歩する人がけっこう目立った。
ここでアルゼンチンサッカーの栄光を羅列するまでもないが、過去オーストラリアとは6回対戦してアルゼンチンの4勝1敗1分。得点はアルゼンチン11、オーストラリア7だ。そのうち2回は1993年行われたワールドカップアメリカ大会のプレーオフ。南米地区予選の最終戦、ブエノスアイレスにコロンビアを迎えたアルゼンチンは何と0-5 で敗れてしまい、オーストラリアとのプレーオフ戦にまわる事に。その試合をスタンドで観戦していたマラドーナがオーストラリア戦への代表復帰を表明した事を憶えている人も多いだろう。ホームゲームではアルゼンチンが1-0 で勝利を収め、シドニーで行われたゲームでも 1-1 で引き分けマラドーナは母国をワールドカップに導いたが、もし日本代表がワールドカップ予選の様な試合でアルゼンチンと戦った時にホームゲームででも引き分けられるだろうか??
そして1988年シドニーで行われた親善試合でオーストラリアはアルゼンチンを 4-1 で降している。マラドーナは居なかったが GK イスラス、オスカー・ルジェリ、ディエゴ・シメオネ、エルナンド・ディアスらがいたらしい。そしてオーストラリアは Charlie Yanko の30m のFKをイスラスの守るゴールに直接叩き込み、それは Socceroos の中でもトップ10にはいるゴールとされているらしい。 

仕事を何とか終えて MCG に向かうがここは到着してから入場口に辿り着くまでが時間がかかる。ようやく着席出来た時は既に試合が始まっていた。それにしても一番高い AS$150 ( 約16,500円 ) の席を買ったのに2階席で見通しが悪かった。救いはテレビモニターが随所にありリプレーをすぐに流してくれるところ。しかしここまで来てピッチでなくモニター観戦をしに来たわけではないのだが…..



アルゼンチンは8月21日のノルウェー戦のスタメンからLionle Messi, Gabriel Milton, Macherano そして Zanetti 以外はメンバーを入れ替えてきた。 Copa America のメンバーも Messi をはじめ9人入っている。そしてワールドカップには怪我で出られなかったJavier Zanetti もいる。

一方のオーストラリアは GK Schwarzer, そしてDF は4バック。左から Sydney FC から Sheffield United に移籍した David Carney, Beachamp, Lukas=Neil そして Willkshire とアジアカップと同じDFライン。ボランチに Grella と Culina を置き、昨年ワールドカップの日本戦に途中出場した長身 194cm の Kennedy がワントップ。2列目の右は地元 Melbourne Victory と言うよりも A League のエースストライカー Archie Thompson 左に Bresciano そして2列目やや後ろの真ん中にベテランの Josip Skoko が配置される。実はこの試合は Skoko の代表引退試合でもあった。

立ち上がりはどちらかと言えばオーストラリアが大歓声に後押しされて前の出るシーンが目立った。しかし10分を過ぎると Messi のドリブル突破が目立つようになる。16分には Grella, Carney をかわして放ったドリブルシュートが左ポストを直撃する。

そのシーンが何度もリプレーで映し出されその度にゴール裏のアルゼンチンサポーター達から大歓声が沸き起こる。オーストラリアは Kennedy の頭を執拗に狙う。20分には Kennedy が頭で落とした所を Bresciano から Thompson に繋がりシュートが惜しくも外れる。地元のエースに大歓声が沸く。23分にはまたも Kennedy にハイクロスが送られ、Burdisso, Gabriel Milton に挟み込むように倒されゴール正面でFKを得る。このFKを Bresciano が直接狙うと GK Abbondanzieri が何とか弾き出すもクロスバーの内側に当たりそのまま下に落ち再び Abbondanzieri の頭に当たりゴールの外に弾き出されたが、その時にゴールを割ったような気がした。このFKのリプレーに場内から大きな溜息が洩れる。すると今度はまたも Messi がドリブル突破を見せ Beachamp を振り切ってシュート。これをGK Schwarzer が何とかキャッチ。流石バルセロナの Messi はドリブルを始めるとファール以外では止まりそうにない。日本のDF陣だったらどう対応するのだろう??しかしオーストラリアの攻撃が続く。28分には左サイドを突破した Willksher がそしてその直後には FK から Lukas Neil が Kennedy の頭を狙う。その後も Kennedy が落とした所を Thompson が詰めて惜しいシュートを放つ。そうかと思えば35分に Kennedy は左サイドにより見事なクロスを入れるが僅かに Thompson に合わない。37分にはCKから攻撃参加の Neil がミドルを放つが大きく外れた。アルゼンチンは最前線と最後尾が非常にコンパクトなのでその間をパスで通そうとしてもすぐに網に引っ掛かってしまう。従って攻撃の糸口はセットプレーかサイドか後方から Kennedy の頭を狙って放り込む事しか選択肢が限られてくる。しかしその後がなかなか続かない。アルゼンチンのDF陣、Zanetti, Heinz, Milton, Burdisso も出足が早くてこぼれ球に寄れない。ベテラン Javier Zanetti の読みも良い。アルゼンチンの攻撃は Messi のドリブル突破からがほとんどだ。44分にはこの19番のドリブル突破から Heinz に渡りシュートに持ち込まれるがなんとかコーナーに逃げる。そして前半はスコアレスのままハーフタイムの笛が鳴った。 Viduka, Kewell, Cahill 抜きのオーストラリアは攻撃力がやや迫力不足か? それにしてもメッシのドリブルの印象が残る前半であった。 後半に続く

 

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