Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

オーストラリアにて Wallabies vs Cherry Blossoms

2007-09-09 | Weblog
Windy Wellington からカンタスのフライトで約3時間半、オーストラリアのシドニーに到着。そしてここから約140km離れた都市 Newcastle にやって参りました。 Wellington からタスマニア海峡を越えて Sydney までが飛行機とは言え3時間半。そして空港からシドニー中央駅で乗り換えて Newcastle までが電車で約3時間。本当に疲労が増す行程だった。その上車窓からは5分おきに大雨と晴天が繰り返されていた。この地域の特徴か?それとも…. しかし目的地のここ海沿いの街 Newcastle は晴天で Wellington の様に強風、冷風でなく非常に穏やかな天気であった。

到着した9月8日はラグビーのワールドカップがフランスで開幕した。日本は第一回大会から6大会連続出場。しかし世界の壁は本当に厚くこれまでの戦績は1勝15敗。当然世界の8強である IRB 加盟国 England, Scotland, Ireland, Wales, France, Australia, New Zealand, South Africa との対戦では勝星は無く、1995年大会は New Zealand ALL BLACKS に 17-145 とワールドカップ記録の得点差をつけられて大敗している。健闘だったのは 1993年大会の Ireland との試合でこの時は 16-32 であった。
過去の IRB 加盟国以外との対戦は下記の通り
1987 年 vs アメリカ         21-18
1991 年 vs ジンバブエ     52-8
1999 年 vs サモア         9-43
1999 年 vs アルゼンチン 12-33
2003 年 vs フィジー       13-41
2003 年 vs アメリカ         26-39

1991年大会でのジンバブエ戦以外は勝利を挙げられていないがそれだけあの1勝は価値があると言う事なのかもしれない。きっと我々が考えているよりかワールドカップで勝利を挙げる事はずっと難しい事なのだろう。
ニュージーランドでもオーストラリアでも優勝候補の国らしく連日テレビ、新聞の報道ではワールドカップ特集を組んでいた。そしてここオーストラリア、期待の Wallabies の初戦はなんと我が日本代表であった。 9月8日の地元紙には Wallabies ready to shake off the rust ( Wallabies rust ( サビ ) を払い落す準備に入る。) と言う見出しが。この rust は大会前の合宿で選手達がよく口にしていた rusty ( へとへとに疲れる ) と言う単語と掛けているのだろう。そして選手達は7月21日に Auckland で ALL BLACKS に12-26 と破れて以来約7週間ゲームから離れている事がワールドカップ開幕に向けて肉体的にも精神的にも不安視されているとの事であるが、それならジャパンはどうなのだろう? 6月24日に Jr. ALL BLACKS に 3-51と完敗してから中1ヶ月半をおいた8月10日、格下のアジア・バーバリアンズを69-10 で一蹴し、欧州遠征に向かい8月18日にイタリアに 12-36 で敗れて8月25日に最後の調整試合となったポルトガルに 15-13 と勝利を収めている。オーストラリアが試合をしない7週間の間に3試合行ったが、問題は南半球のオーストラリアはまだまだシーズン真っ最中で日本は既にシーズンが終わって何か月も経っていると言う事だろう。確かに南半球の国々とは比較できないが日本のラグビーシーズンは短過ぎ無いか?? 日本選手権を含め最後まで勝ち残っても2月までがシーズンで殆どのチームが9月から12月までのわずか3カ月の間でシーズンが終わってしまう。まぁ学生の場合はどうしても2月迄に全ての行事を終える必要があるから仕方ないけど…..

この日本相手に勝敗よりも50点差をつけてられるかが一つの観点とされたとか… 社説には日本はスピードがあり、構造化されておらず(おそらく型にはまっていないと言う事か)小ぶりだがそのスクラムは多くの人々が考える以上のものである、としながらも50点差の勝利は現実的な点差だろうと書かれている。

日本の事で書かれているのはこれくらいで後はメンバーの事に触れていた。 NO.10 の Stephan Larkham のバックアップとして Tommy Tourist に替って抜擢された Berrick Burnes のこの試合での出番はあるのか?彼の出来次第では準々決勝以降に備えて Larkham を良い状態に保てる、要するに1次リーグの試合ごときで Larkham が怪我などで調子を落とされてはと言う事だろう。 Connolly 監督としても出来るだけ多くの選手を起用したい旨のコメントが。優勝候補国の余裕だろう。新聞にもピークに照準を合わせるのは開幕戦でないとの事が書かれている。
しかしメンバーの事なら日本の方が深刻だろう。大畑、安藤がポルトガル戦で離脱。大会までの2週間でどれだけBKラインの再構築などを施せるのだろう… そして経験のある大畑の精神的支柱の役割は誰が代行できるのだろう…….

不安一杯の中でついにキックオフを迎えた。私はこの日はAuckland の ALL BLACKS SHOP で買った桜のジャージーで過ごした。昼間には何人かの Wallabies のジャージーを着た人から話掛けられる事も。しかしその日はワールドカップやアジアカップ期間中で中村俊輔のユニフォームを着ていた比では無かった。殆どの Aussie 達は日本ではラグビーなんかやっていないと思っている。日本人でさえ ALL BLACKS のユニフォームは知っていもわれらが Cherry Blossoms のユニフォームは知らないだろう。そんな状況を少しでも好転させてくれればと思いテレビの前に座った。(正しくは寝ころんだ。) 




試合開始前にJohn Kirwan ジャパン監督が映し出され、彼の事が解説者に紹介される。昨年のドイツでのワールドカップ同様代表監督の知名度が一番高いのだろう。君が代が流れるときは私も起立した。 誰も日本が Wallabies に勝つなんて思っていない。勝てるのはPlay Station の世界だけだろう。でもラグビーのゲームソフトはあったかな?ニュージーランドでクリケットの Play Station 用ソフトは見たけど…..

立ち上がりは日本も素早い動きでよく対抗していた。少しでも見せ場を作ってくれよと僅かに期待する。最初のラインアウトは相手にボールを取られなかった。Wallabies の突進を一人で止められなくても後に二人目、三人目と続いて突破を防ぐ。8分にはGeorge Gregan がモールの上から飛び乗り反則を取られるがそのプレーに怒ったジャパンの選手達が Gregan 達に詰めよる。ここで大人しく引き下がると後が舐められるので大いに怒って欲しいところでもあった。




しかしその直後に渡辺泰憲が怪我で一旦下がり、10分にはPG を与えそれを Mortlock に決められ先制を許してしまった。



それでもまだ持ちこたえ苦手のラインアウトでも互角に渡り合う。PGでも何でもいいから早く得点を返してほしかったが16分にラックの中のボールを手で掻き出したと言う反則を取られまたもMortlock にPGを決められ 0-6 とされた。そして更に2分後に Nathan Sharp にトライをき決められ 0-11 とされた。しかしジャパンは次第にエンジンを吹かし始めた Wallabies 相手に大崩れせず、前半終了小野がPGを決めて 3-23 で前半を終えた。 

この調子で何とか後半もと思うも 41分にRocky Elsom 46分には Adam Ashley Cooper に連続トライを決められ 3-37 とされてしまった。そして50分を過ぎると Wallabies は選手交代を始める。53分には Chris Latham にトライを決められ、Mortlock にまたも Conversion を決められ 3-44 とされると注目の Berrick Burns が Larkham に替って登場した。中継アナウンサーも少し声高に彼の登場を紹介した。



日本もニュージーランド育ちの小野晃征が随所に細かいステップなどを見せるが相手陣内になかなか入れない。あの120kg の侍バツベイのタックルでさえ Wallabies の選手は跳ね飛ばしてしまう。私も朝3時半起きであったのが徐々に堪えて来てうとうとと寝入ってしまった。何点取られてもいいから、1トライを返してくれと願いながら…… 最終試合結果を知ったのは翌朝であった。

…….3-91……

60点くらい取られたのは覚えていたけどその後どうやって30点も取られたのだろう…. 時間はそんなにあったかな….72分からの3トライ、ゴールを含めて結局10連続トライ68失点を喫したのだった。 地元ニュースでも Perfect Start と称賛と言うよりも当たり前、50点差どころか88点差もつけての余裕の勝利。交替出場の Burns もトライを決め、また Lathma も2トライ、そのうちのトライがサッカー選手のドリブルの様にボールを前にゴロで蹴り出してそのまま持ち込んで決めたものでその2つのシーンが何度もテレビに映し出された。



そして68分に途中交代出場をしながら僅か1分後に怪我でピッチを去ったMark Gerrard の事も。でも Gerrard がピッチを離れてジャパンを1人少なかった Wallabies に更に3トライを喫したのか….

オーストラリアの解説者は日本について“何とか、ようやく ”コメントをしている。日本の課題であったラインアウトで少し進歩が見られたことと立ち上がりの動きを少し賞賛していた。そしてKiwan 監督の事も。これまでワールドカップで1勝しか上げていない日本ラグビーにワールドカップ2勝目を挙げる為に12日の FIJI 戦には違ったメンバー、モチベーションで臨むだろうと…..

大敗の翌日も私はジャパンのジャージーを着続けた。負けて脱ぐなら初めから着なければ良いのだから…. たのむぞこの次は....


 
 御支援のワンクリック宜しくお願い致します。