Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

終了直前 炎の同点劇  ワールドカップラグビー 対カナダ戦

2007-09-27 | Weblog
時計の針はもう82分を指そうとしていた。ラインアウトから思い切ってオープンに展開。フランカー・マキリがインゴールへけり込んだ。ボールは右隅に転がる。FB有賀が追ったが、ボールはエンドラインを越えた。あぁもうこれで終わりやわ…と思った。しかし南アフリカ人の Jonathan Kaplan 主審がなにやら無線を通じて話をしている。テレビのレプレイには何度もマキリが蹴り込んだボールを追う日加の選手達が映し出される。広告看板に激突したカナダ選手もいたけど、怪我を心配するほどの事も無さあそうだった。すると主審はボールを追ったカナダ選手がボールをはじき出したとしての反則を取った。それを確認していた様だ。これはついていた。恐らく誰がボールを触らなくてもそのままボールはラインを割っていただろう。そしてそのままノーサイドとなっていただろう。
敵陣ゴール前5メートルライン上から九死に一生を得た日本が攻め込む。大観衆の声援に後押しされるようにしてFWがラックを連取。素早い球出しからSH金、マキリ、そしてCTB平とつながれたボールは、ついにゴールラインを越えた。ホテルで一人この試合中継をテレビ観戦していた私は思わずヨシ!! ヤッタ!ヤッタゾォ~!! と叫んだ。中継するオーストラリアチャンネル10のアナウンサーも “ Dramatic !! “ を連発する。



しかしまだリードされていたのだ。でももうなんだかそれで良いと思った。これで良いとも思ってしまった。しかしゴールキックをセットする大西が画面に映し出されると私は“大西、大西、大西”と何度も叫んだ。そしてゆっくりと時間をかけてこのキックに集中した大西が助走に入る。アナウンサーも“全ての日本のサポ―ターが見守る”と言葉を発する。カナダの選手達が突進をして来る中……. そういえば先制トライのあと、そんなに難しくないゴールキックを決められなかったなぁ..一瞬頭をよぎったけど



それよりも更に難易度の高そうな右タッチラインからほぼ5メートル内側のゴールキックはそのままポールの内側に吸い込まれ、同点に追いついた。
そしてノーサイド。 第2回大会のジンバブエ戦以来のワールドカップ連敗を13で止めた。あぁあれからもう16年が経つのか…俺はまだ20代だったなぁ………. 時計の針はもう午前4時近くになっていた。試合の余韻に浸る暇なく部屋の明かりとテレビを消して翌日の仕事に備えねばならなかった…….



日本を出発してオーストラリア入りして2日目の夜の“イベント”は ラグビーワールドカップ の日本対カナダ戦。Wallabies, Wales には歯が立たなかったが Fiji には健闘しただけに最後のカナダ戦には何とか….との思いが強かった。心配だったのはこの日本戦が現地で中継されるかということだったが、そこはラグビー先進国。日本対カナダ戦もしっかりとしかも地上波 Channel TEN で生中継されることに。キックオフは日本時間の午前1時。シドニーと日本の時差は+1時間だから午前2時試合開始だ。これが Wallabies のグループリーグだと現地時刻でのキックオフ時間が下記の通りになる。
初戦  9月  8日 日本   23:45  第2戦  9月15日 ウェールズ23:00
第3戦   9月23日 フィジー 22:00  第4戦 9月29日 カナダ   23:00  
これらの時刻は東部(シドニー)標準時刻なので西側のパースでは更に2時間早くなる。 また All Blacks の New Zealand は 下記の通りだ。
初戦   9月8日       イタリア 23:45  第2戦 9月15日 ポルトガル 23:00
第3戦 9月24日スコットランド 03:00   第4戦 9月29日 ルーマニア 23:00

試合時間も試合日程もかなり考慮されている気がする。まぁ試合日程はシード国だからかもしれないが Group A のイングランド、南アフリカ、 Group D のフランスよりも日程は恵まれているか????

選手達が入場する前にコイントスで日本が勝ったことが字幕に出て来る。これは縁起が良いか?そして日本の君が代が先に流れる。頼むぞ!!と思わず声が出る。日本のキックオフで始まった試合は前半12分に吉田のパスを受けた遠藤が40m の独走で先制トライを決めた。何度もRyan Smith と Adam Kleeberger そしてVan der Merwe を細かなステップでかわすところが映される幸先の良いスタートだ。



しかし以降は防戦一方。本当に足が徳俵にかかった状態が何度あったことか。前半の終盤に映し出さされたボールポセッションでは何と日本は36%しかなかった。 
前半を何とか無得点に凌いだもののこれは失点は時間の問題。その前にPGでもいいから何とか次の点を先に取ってほしかった。しかし49分に Pat Riordan にやや左側に同点のトライを決められてしまった。せめてあと5分持ちこたえてほしかったなぁ….しかしゴールキックは Ryan Smith がミスしてくれて同点どまり。まだツキはあるぞ….と思うもまだまだ防戦のシーンが続く。52分にはその前から目の上を切っていた相馬がベンチに下がる。相馬は英国紙には Key Player として名前が挙がっていただけに少し残念だ。 絶対絶命のピンチが箕内が身を呈して防ぐだシーンも…..
それでも60分過ぎに久々にカナダ陣内に侵入。ペナルティーを得てそれをコーナー付近に蹴り込みラインアウトからチャンスを伺う。ゴールラインまであと5mもない。しかし最後はバツベイの突進を押し返されてチャンスを生かせなかった。そして65分。遂に逆転ゴールを許す。ペナルティーを与えてしまい Morgan Williams の速いリスタートを直接左サイドに走り込んだ Van der Merwe に繋がれそのまま逆転のトライを許した。そして James Pritchard がゴールキックを決めて 5-12 とこの試合初めてリードを許した。しかし、ペナルティーとなったあの not release the ball の判定は少し疑問だ。その判定にブーイングも沸いたのだが。逆転されてからの日本は オープンに展開する様になりカナダ陣内で試合が展開されるようになる。76分過ぎには “ジャポン!ジャポン!!”の声援も沸く。これも体格で劣る日本への判官贔屓か?それともオープン攻撃を展開する日本への声援か? しかし試合時間は刻一刻と過ぎる。英国紙も書いていたなぁ

“体格がすべてでは無い。勇敢な Blossoms は大きなハートを持っている。しかし彼らの主な野望は2011年大会でのベスト8進出だ…。”

試合前の Channel 10 の解説者も

“日本が2015年にワールドカップを自国開催したいのであればこの試合は勝たねばならないだろう…”

あぁこれがワールドカップなのだろう。日本が“射程距離”と思う相手も“日本には勝てる”と思っているのだ。どんな競技でも………..

試合後のコメントは下記の通り。

Japan coach John Kirwan:
"恐らくこの試合は日本、カナダ両国にとってワールドカップの決勝戦の様なものであっただろう。40,000人の観衆はきっと満足して帰途についたであろう。この試合のパフォーマンスについては極めて平均的だ。実質的によくやれたとは思えない。もっとやれたと思う。引き分けに終わったのはほろ苦い結果だ。しかし我々はまさに最後まで意地を見せ続けられたと。“

Canada coach Ric Suggitt:
"我々は自分たちを見つめ試合に勝つためには何をすべきかを遂行せねばならなかった。我々は後半引き離すチャンスがあったがそれをしなかった。“

Canada captain Morgan Williams:
"ボールが最後にラインを割ったのは81分だった。そしてその後更に3分試合が続けられた。主審の時計が壊れていたのか目が見えないのか私は知らない“

Williams が語った様にこの試合のロスタイムの長さが物議を醸しており、“勝利を盗まれた”と言うカナダ人サポーターも。まぁそれを言うならあの not release the ball も議論してくれよ。最後にこの試合の中継で日本では問題が発生していたらしい。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070926-00000148-jij-spo

あぁあのシーンが中継されなかったのかぃ????? 日本のテレビ局は何をしているのだろう????この日、この試合をオーストラリアで見られた事に幸福を感じるよ。