Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

Newcastle にて Olyroo vs 北朝鮮 後半

2007-09-13 | 五輪 U-20, U-17
ハーフタイムの間、この試合のメンバーリストを貰おうと“記者席”を探しに競技場内を徘徊し始めるが既存の記者席には Press 関係らしき人は誰も座っていない。そこで2階席に行きいくつか並んでいる小さなプレスルームらしきものの中で電気の点いている所に行くと2,3人記者らしき人がいた。5月にさいたまスタジアム2002で行われたACL の試合で顔見知りになり、バンコックではアジアカップのゲームで偶然再会した地元のジャーナリストを探したのだが彼は見当たらなかった。若い記者に彼の事を訊くと“多分まだ陸上競技の世界選手権の取材で大阪にいるのではないか?”とのことであった。大会が終了してからもう1週間以上が経過していたのに….. そこでその彼に事情を話してこの日のメンバーリストを書き写させてもらった。その替わりに私の知る限の北朝鮮の選手の事を教えたけど役に立ったかな……
ここに座って試合を観ても良いと言われたけど、2階席では全体の見通しは良いが選手間の迫力は伝わってこない。御礼を言って席に戻る事にした。でも本当に日本の五輪予選のゲームでは考えられない出来事の連続だなぁ……

後半に入って両チームメンバー交代は無かった。フォーメーションは… と確認しだす前の48分、オーストラリアが後半2本目のCKを得る。Sarkies が上げたCKを Milligan がドンピシャのタイミングで頭で合わせて北朝鮮ゴールネットを揺らした。前半の半ば過ぎから好セーブを見せていた Ri Myong Guk も成す術はない見事なヘッドだった。しかし北朝鮮DFのゴール前でのマークもやや甘かったか…..



ようやくの先制ゴールで湧き返る観客の後押しを受けて更にオーストラリアが攻勢に出る。53分には右サイドをドリブルで突破した Sarkies が Cha Jong Hyok と Pak Chol Jin に挟まれながらもフリーの Ward にスルーを通すが Ward のシュートはバーを越える。56分には Leijer のミドルが飛ぶ。北朝鮮も中盤でボールが回るのだがPA付近でのラストパスのタイミングが1歩遅い様な気がする。それでも59分、オーストラリアゴール前に持ち込み一旦はクリアーをされたボールをそのまま狙い澄まして放ったミドルはクロスバーを直撃にその真下に落ちたボールがオーストラリアDFにクリアーと言うよりも頭のてっぺんに当たってゴールを割れ無かった。完全に入ったと思った瞬間だった。このミドルを放った選手を見損ねてしまった…….そしてその直後のプレーで Kim Yu Chol にイエローが出された。まだ焦る時間じゃないんだけど… それともさっきの惜しいシュートを思い出したのか??
オーストラリアは64分 Ward に替えて61分頃から交替の為にピッチサイドで待機していたAdelaide United のストライカー Bruce Djite を投入した。追加点を狙う交代だ。 しかしこの時間から徐々に北朝鮮が前に出てこれるようになる。 Pak Nam Chol をトップにあげワントップだった Choe Chol Man と2トップを組み、2列目の右に Kim Yu Chol 左に An Chol Hyok を張り出させた。66分には Kim Yu Chol の上げたクロスを Leijer に競り勝った An Chol Hyok がヘッドで狙うがクロスバーを越えた。こうなるとまた Topor-Stanley が上がってきて中盤を抑えようとするが2列目の両サイドがワイドに開くので前半よりもボールが回る様になる。68分には An Chol Hyok が左サイドをドリブル突破。マークするDFに手を掴まれてもそれを引きずる重戦車の様に更にドリブルで持ちあがりファーサイドめがけてゴロのシュート。しかし僅かにポストの右を通過する。“あああああああぁぁぁぁ~”と大声を上げたのはあの韓国人女性。彼女を振り返ると本当に惜しそうな表情。やっぱり同じ民族なんだなぁ…目と目が合ってしまった。 “前半より良い。 Next ! Next !! “と声をかけると大きく頷いた。69分に Choe Chol Man に替って Kim Kwang Hyok が投入された。まだ時間は早いかもしれないがアジア大会でもベンチ入りした長身の Jong Su Hyok を前線に張らせてはとも思ったのだが… 74分には William に替って Perth Glory の David Micevski が投入される。後半の William はあまり目立たなかった。ここで中盤の守備固めか?? 75分から北朝鮮はパス回しが早くなるが得意のワンタッチで何本も繋ぐ展開がこの日はまだ見られない。オーストラリアは前線がやや引いて中盤を厚くし攻撃はカウンター狙いとなった78分には Zdkovich がカウンターからシュートを放つが GK Ri Myong Guk がブロック。79分には今度は北朝鮮が Pak Chol Man と Joh Kwang Ik の粘りからCKを得るが得点には結びつかない。オーストラリアのアーノルド監督は席を離れて大声でピッチの選手に指示を出しているが、北朝鮮ベンチはみな静かに座っている。87分には Kim Yu Chol に替って Kim Kyong Il が投入される。 Kim Kyong Il は7月の FIFA U-20 のメンバー。他に GK の Ju Kwang Min 、FW の Pak Nam Chol が FIFA U-20 のメンバーでベンチ入りを果たしている。



オーストラリアは89分に Celeski に替えて Perth Glory のLeigh Broxham を入れて逃げ切りをはかる。75分過ぎからボール支配率の上がった北朝鮮はPAエリア付近まで何度も迫るが、最後のパス、そして競り合いでボールが取れない。
結局2分あったロスタイムも過ぎてタイムアップ。そして大歓声があがる。オーストラリアはアウェーでのイラク戦の引き分けに続きホームゲームで勝利を収め勝点4とし、同日アウェーでレバノンを 5-0 と降したイラクに続いて得失点差で2位につける事に。12日に Gosford の Central Coast Mariners のホームスタジアム Bluetongue Stadium にレバノンを迎える。この試合に勝てばいよいよ予選A組はイラクとオーストラリアに絞られて来そうだ。 
一方の北朝鮮。試合後はオーストラリア選手達と握手を交わしスポーツマンらしくピッチを後にして行った。ホームのレバノン戦そしてこのオーストラリア戦と連敗スタートの苦しい展開。次はカタールに移動しイラク戦を迎える。ここからどういう経路でカタールに乗り込むのだろう?移動と時差の影響は少なくないと思う。しかしこれに打ち勝ちイラク戦に勝って、オーストラリア対レバノンが引き分ければまだまだ先は解らない。このチームに必要なのは強豪国との試合経験だろう。最後の1対1、ラストパスの差が勝敗を分けた。しかし後半は惜しいチャンスも作った。



試合後競技場の外で子供達を含めたサポーター達が選手の出て来るのを待っている。そして選手達は丁寧に一人一人にサインや写真撮影に応じている。この国の今後のサッカー人気を自分たちで更に盛り上げるのだ、“欧州組みばかりが Socceroo, Olyroo ではないぞ。”と、思っているのかもしれない。試合直後に子供達にサインをしているOlyroos 達を見ていて日本リーグ時代を思い出した。でもあの低迷していた時代には戻りたくない……. 日本も北京五輪に出場出来る事を祈るよ…….

Australia team: GK 1. Danny Vukovic , 2. Ruben Zadkovich, 3. Adrian Leijer,
4. Mark Milligan, 6. Stuart Musialik, 7. Kristian Sarkies, 9. Mark Bridge, 15. Nick Ward (11. Bruce Djite 64’), 19. David Williams (39. David Micevski 74’), 20. Nikolai Topor-Stanley, 22. Billy Celeski (16. Leigh Broxham 89’)

朝鮮民主主義人民共和国 : GK 1. Ri Myong Guk, 2 Cha Jong Hyok, 3 Ri Jun Il,
5 Ri Kwang Chon, 8 Kim Yu Chol, ( 23. Kim Kyong Il 87’ ) 9 Pak Nam Chol,
11 Joh Kwang Ik, 17 Choe Chol Man ( 7 Kim Kwang Hyok 69’ ) 19 Jong Su Hyok, 20 Pak Chol Jin, 22 An Chol Hyok

 

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