Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

駒場にて 浦和 vs 高槻 その2

2006-09-25 | Weblog
ハーフタイム中に試合前に購入したプログラムをパラパラとめくる。モックなでしこリーグと名付けられた女子サッカーでは日本最高峰のリーグ戦。モックとはリーグ戦のスポンサーで1994年に設立された新興の会社で、外食、ブライダルビジネスを手がけている。ブライダル市場に参入するあたり、なでしこ達にふさわしいかもしれない。Division 1は8チームで構成され、2回戦総当りで順位を決め、上位,下位4チームずつが順位決定リーグ戦を総当りで行うがレギュラーリーグでの結果はそのまま加算される。そして Division 2 も8チームで構成され3回戦総当りで順位を決めて、1位が自動昇格。2位が Division 1 の7位チームとホームアンドアウェーでプレーオフリーグを行い昇格を争う。Division 2にはアルビレックス新潟や ジョエフユナイテッドがいる。そしてかつて女子サッカーの代名詞とも言われた清水第八がここにいる。全盛期は静岡県の鈴与グループのスポンサーを受け、女子サッカー全国制覇8連覇を成し遂げた古豪だが、はやく1部入りをして欲しい。 そして Division 1 の各チームの代表的な選手1名の“生活ぶり”も紹介されていた。学生あり、主婦あり、そしてOLあり。殆どの選手がプロではなく限られた時間で精進している。かつて(男子の)日本リーグサッカーは企業に所属しておりサッカー部に居る間は給料の心配は少なかった。その後ライセンスプロ選手制度が出来、プロリーグ発足に繋がったが、女子の今の現状は男子の日本リーグよりも厳しい。そんな中で世界を相手に戦うのだから、判官贔屓の私は彼女達の応援に拍車をかけたくなる。 
後半も浦和の攻勢で始まる。47分には右から北本、安藤、そして柳田に渡りシュートを撃たれるが惜しくも外れる。54分にはカウンターから安藤に撃たれるがGK正面。55分にはDF笠嶋の左からのナイスクロスが入るが惜しくも安藤には合わない。エンドが替わって今度は高槻がこちら側のゴールに攻め込んでくるので初めて浦和DF陣がよく判るのだが、この笠嶋は身長170cmと長身。清水第八にも所属したベテランではあるが色白でこの身長だからモデルでも行けたのではないかな(関係ないか?)。どうりで、前半なかなか高槻はサイドからクロスが入れられないわけだ。細田監督はここで二人目の交替選手、MF櫻田有幾子をFW伊丹絵美に替えて投入し中盤を厚くする。これが功を奏して中盤で高槻のボールが廻るようになった。(だったら前半の交替時にそれをやっていれば?・・・)64分にはFKを得て庭田が直接狙うが惜しくもバーを直撃し、またもや我々高槻サポは天を仰ぐ。高槻は交替出場の金房が左に開いてそこにボールが渡ればなにか可能性を見出せるようになってきた。しかし、浦和の攻撃の要、安藤が守備に戻って来るのでなかなかシュートが撃てない。その安藤は66分にミドルを撃つがGK海堀がナイスキャッチ。 浦和ベンチの永井監督がここで立ち上がった。永井良和と言えば、地元、市立浦和高校出身で全国優勝を果たし“赤き血のイレブン”のモデルとなった。だが私はむしろ、後に古河電工に入社し、日本代表のFWとしても活躍し、特に韓国戦では強いところを見せてくれたという印象の方が強い。だから彼が浦和で指揮を取るのは少し違和感を感じるが、地元の人にとっては心強い経験者と映るのかもしれない。永井監督はMF法師人に替えて地元埼玉栄高校出身の保坂のどかを投入。どちらも身長150cmに満たないが早くて細かい動きをする。これで高槻中盤での攻勢を抑えに出て、カウンター攻撃が増える。69分には北本がドリブルで上がってそのままシュートに持ち込むがGK海堀がキャッチ。76分には保坂が左からクロスを入れて若林があわせるがこれも海掘の正面。海掘はこの日大忙しだ。78分にはその若林が下がり同じFWの松田典子が入るがこれで前線からのプレスを掛ける。浦和はこの2試合ベレーザ、TASAKI と強豪相手に連敗中なのでこの試合は何とか勝ちたいと言う執念が徐々に伝わってくる。それでも高槻は79分、相澤がドリブルで上がりそのままシュート。そのこぼれ球に伊丹が迫るがゴールは割れない。85分にはDF高見を下げてFW藤川を投入して同点ゴールを狙うが、結局ボールは届かず無情のホイッスルが鳴った。試合終了後は我々の所に挨拶に来る高槻イレブンに精一杯の声援を送り、高槻サポの方からエールの交換を始める。私も力いっぱい“うらぁ~わレッズ”と叫ぶ。浦和サポ及び観客席からは拍手が送られ、続いて“高槻FC!!”のエールが返ってくる。10人にも満たない我々の応援席から精一杯の拍手を送る。 学生スポーツの様だが、ここには共通の意識がある。女子サッカーを盛り上げようとする意識だ。我々に出来る精一杯の事だ。そして関西から着たサポーターの人達に労いの言葉をかける。昔、高槻FCが全国優勝したときに私は西が丘競技場でその現場に居合わせたことを話した。“時間が有ったら高槻に来て応援してください。”といってくれた。スペランツァ高槻のホームゲームは高槻総合、高槻萩谷、神戸ユニバー等で行われた。浦和の様に“聖地”を持たない。だが彼女達のプレーに郷土意識を再び齎してくれた。 最後にもう一度言わしてもらおう。

“私、女子サッカーのファンです。”

駒場にて 浦和 vs 高槻 その1

2006-09-25 | Weblog
先週末、9月23、24日はこれぞ秋晴れと言う天気、そして絶好の屋外スポーツ日和。それは Do Sports ( ちょっと表現が古いか?) とスポーツ観戦に共通した。この週末は前から楽しみにしていた。土曜日には我が愛する京都パープルサンガがフクダ電子アリーナにやって来て JEF United との試合が。日曜日には私の故郷からスペランツァ高槻が駒場競技場で浦和レッドダイヤモンズレディースと対戦する。本音は両方とも競技場に出向きたかったのだが、そこは独身時代(もう16年前)とは異なり自由時間の限られている身。悩み抜いた揚句、駒場に行く事にした。当日は秋晴れの涼風に誘われて何と私は自宅から駒場まで自転車で行ったのです。それでも気ままにペダルを漕いで45分程度でもう競技場近くの本太坂付近まで着いた。この近くにある本太中学校。今、横浜マリノスで指揮をとる水沼監督が卒業された中学校との事。在校当時は全国優勝を果たしたとの事。卒業後、彼は浦和南高校に進学しそこでも全国優勝を果たした。駒場競技場のサブグラウンドでは浦和南高校と浦和レッズユースが練習試合をしていた。その本太中学は昭和52年度も全国優勝を果たした(と思う。)が、その時の全国中学校大会に私の同級生達が大阪代表(高槻市立第九中学校です。)で出場をした。残念ながら1回戦で千葉県の宮本中学校に破れたが、彼らの頑張りは大変な刺激になり、私の陸上競技人生と言うよりも、人生そのものに大きく影響を与えてくれたと今でも感謝している。その陸上競技人生でもここ駒場競技場は縁がある。実業団時代、何度かここで練習や5000mのタイムトライアルを行った。当時はまだJリーグが発足する前で、観客席はまだ増設されておらず、スタンドの壁によく五輪等で出て来るサッカー選手を象った大きな“ロゴ”が貼ってあった。 Jリーグが発足してからここが一般開放される事も少なくなり、陸上の練習で使う事は滅多に無くなったらしい。競技場横には Red Voltage のテントが設営されそこで当日券が販売されている。価格は1000円。日本リーグ時代と同じ価格だ。そして驚いたことに日本サッカー後援会の会員証を見せれば入場は無料との事。昔は個人だと年会費1万円で日本サッカー後援会に入会できて、五輪やワールドカップ予選などの代表の試合が無料で観戦出来た。今はそんな特典等ないだろうが、まだこの後援会が存在するとは吉報であった。入会方法を尋ねるも、ここでは判らないとの事。それではこちらで調べてみましょう…とスタンドに向う。 モックなでしこリーグの第12節の浦和レッズレディース対スペランツァF.C.高槻戦。浦和レッズの試合では毎試合前売りチケットは完売であるが、レディースのこの試合、観客は1000人入ったかな?ヴィジターブロックに足を入れる。するとエスペランサのブルーのユニフォームを着た男性が5人。横断幕を張ったり応援旗のチェックをしたり。訊ねてみると高槻からわざわざ来られたらしい。“私は高槻出身でこの試合を楽しみにしていました。”と言うと彼らも応援頑張りましょう、と。 そしてメインスタンドの方では赤いシャツを着た一角が。お馴染みのレッズサポーターだ。スタメン紹介の時にはレディースの試合とは言えあの手拍子と掛け声が発せられて、良い雰囲気を醸しだしてくれる。 浦和はGKの山郷のぞみ、MF柳田美幸そして安藤梢が先月アデレードで開催されたAFC女子選手権兼ワールドカップ予選での日本代表メンバーそしてFW北本綾子が昨年の東アジア選手権での日本代表。他にもDF笠島由恵、MF高橋彩子が代表経験有りと、タレントぞろい。一方の高槻は、FW相澤舞衣が代表経験者。主将の庭田亜樹子が京都の龍谷大学所属のユニバーシアード代表選手。昨年のトルコ、イズミールユニバーでは銅メダル獲得のユニバー代表の主将。しかしそれ以外、代表経験者は無く個人能力の差は歴然だが、それを戦術でカバーできるのがサッカーの醍醐味、と期待をかける。 しかし地力に優る浦和の猛攻で幕が開く。開始2分、右から北本のスルーが安藤に通ってGKと1対1になるが最後は高槻DF高見惠子がブロック。4分に今度は安藤からのスルーを右に流れて受けた北本がそのまま持ち込み再びGKと1対1になるも、高槻GK海堀あゆみがブロック。その直後には浦和DF西口柄早がミドルを放ちそれがクロスバーを直撃。こぼれた所をMF法師人美佳が詰めるがその前にオフサイド。いつ失点してもおかしくない立ち上がりだ。クリアーボールを拾われ、というよりも女子の筋力では大きく飛ばないのか?常にボールの先には赤いユニフォームがおり、波状攻撃を許す。高槻はようやくFW庭田がサイドからドリブルで上がって相手ペナルティーエリア内まで持ち込んでチャンスを作る。14分にはMF小野村亜矢のロングフィードを受けた庭田が粘ってCKを得る。そのCKから167cm長身の奥田亜希子が惜しいシュートを放つ。高槻はロングボールを入れてそこにボールキープの出来る庭田を走らせる。なんとか早いうちに先制出来ないかと思っていると、浦和に先制されてしまった。18分にFW若林エリが前線にロブをいれるとそこには北本がおりそのまま持ち込まれてループ気味にシュートを撃たれてゴールネットを揺すられた。どうしても欲しかった先制点は浦和に決められてしまった。尚も浦和は当たり前だが攻撃の手を緩めない。21分には安藤のスルーを受けた北本がフリーで撃つがGK海堀がブロックし、こぼれ球はDF奥田がクリアー。25分にはMF高橋に粘られて何とかコーナーに逃げるもそこから波状攻撃を受けて最後は安藤にシュートを放たれるがそれは外してくれた。26分、法師人のスルーを受けた安藤のシュートはGK正面。35分には再び法師人がドリブル、奥田を交わしてクロスを入れられるが安藤のヘッドはクロスバーのやや上に。安藤のシュートがゴールネットに届くことはないが、彼女の決定力が上がらないと反対に11月のワールドカップ最終予選となる北中米国とのプレーオフが心配なのだが。個人能力で優る浦和は中盤でも細かいパスを繋ぎ、若林がすばしこい動きで高槻の中盤を翻弄。後方からも法師人が良いフィードを入れてくる。高槻はロングフィード頼りだがその後のサポートが遅くバイタルエリアでボールが廻らない。女子は男子と決定的に違うのはパワーとスピード。しかし、そのせいでロングボールがぎりぎりラインを割らなかったりするのでロングボールは有効に見える。しかしテクニックはなかなか男子顔負けだ。36分には高槻、細田監督は早くも中江真紀に替えて金房夏希を投入しFWを入れ替える。そして41分、庭田がミドルを放ちそれがクロスバーに当たって真下に落ちるが僅かにゴールラインを割れない。数少ない高槻サポは全員立ち上がって天を仰ぐが、これが前半最初で最後のチャンスだった。 以降浦和の攻勢が続き44分には安藤が3人に囲まれてもクロスを上げて柳田がフリーで撃つも左に外れ、ロスタイムには岩倉三恵が左からナイスクロスを入れるが安藤がまたもフリーシュートを外してくれた。更に前半終了直前には北本がミドルを放つが枠を越えて行った。 こうして前半は何とか1失点で済んだが、後半、高槻は打開策があるのだろうか?…..