Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

A League 選手達を見習ってほしいなぁ....

2006-09-17 | Aussie & Kiwi
Suncorp Stadium はラグビーやサッカーを開催する為の球技場で、陸上競技場用のトラックが無い。その上ピッチと観客席の間にある塀が大変低く試合の迫力感がものすごく伝わってくが、こういう競技場の利点はそれだけでない、マナーさえ守れば選手達との交流も充分に可能だ。ベンチ裏の観客席の最前列には子供達を中心に多くのオレンジ色の Roar のレプリカを来たサポーター達がサイン帳やペンを持ってまっている。そこにRoar の選手達がCool Down を終えるのを待っている。 すると1人のジャケットを着た男性がゆっくりとピッチ内に現れるや、子供達にサインをせがまれて、差し出された帽子やレプリカ、サイン帳に丁寧にサインを始めた。“あの選手誰?”隣にいたご夫婦に尋ねると “ Ben Griffin “ と教えてくれた。20歳のディフェンダーでこの試合は負傷の為に欠場との事。 やがて Cool Down を終えたRoar の選手達がこちらにやって来て殆どの選手が丁寧にひとつひとつ差し出された帽子やレプリカにサインを始め出した。 私もジョシュ・マックラハム、ササ・オグネノフスキそしてソ・ヒョク・スにサインをプログラムにして貰った。 パースではラザリデスにもサインを貰った。 
オーストラリアはワールドカップで決勝トーナメントに進出し、サッカー人気も上昇中とは言え、 A-League の人気はオージーフットボール、ラグビーリーグ、ユニオンにはまだまだ叶わない。 選手達はワールドカップ熱の醒めないうちに何とか、と思っているだろう。 ここで思い出すのはJリーグ発足時だ。あの爆発的な人気はその前の低迷期を良く知る我々にとって確かに嬉しい事であったが異常がしてならなかった。そして選手達は突然芸能人の様に扱われ、シーズン中にはCFにシーズンオフには色々なバラエティ番組に引っ張りだこであった。
1993年5月15日、国立競技場で行われたJリーグ開幕試合、ベルディ川崎(当時)対横浜マリノスの試合の観戦チケットを幸運にも私は入手できた。そして国立のスクリーンに木村和司をはじめラモス、水沼、加藤久、都並、松永、菊池、武田、柱谷弟そして三浦カズ達が映し出されたとき“長かったねぇ。よかった。本当によかった。”と胸の熱くなる思いであった。 しかし私が違和感を感じる様になるには時間がかからなかった。チケットは手に入らない。それはまぁなんとか我慢できたが、Jリーグ人気に乗ってファンをないがしろにする選手達も現れ出したことには腹が立った。試合終了後にピッチでサインをすることはセキュリティ上や競技場のつくりの問題でなかなか実現しないが、若い女の子とそうでない人への態度の違いには唖然とさせられた。そして日本はワールドカップ予選ではドーハに散った。オーストラリアは32年ぶりの進出を A-League 発足時に果たしたが、今の当地でのサッカー人気はあくまでも Socceroos の事でこれからは自分達があたらしい歴史を作らねばとの思いがあるに違いない。競技場を後にしホテルへの帰途につく間、さっきのご夫婦とワールドカップの事やMCGでの悲劇そして子供達に丁寧にサインをするこの日の選手達の事を話した。 この日の観客動員数は 15,517人。きっとまた Roar の試合を観に来ようと思う人は半数以上いるだろう。 そして私はご夫婦に言った。“日本が Socceroos に負けた理由がわかりましたよ。”

ブリスベン入り Queensland Roar 快勝

2006-09-17 | Aussie & Kiwi
4日間のメルボルンでの展示会を終えて、Queensland の州都ブリスベン入りしました。 何故かメルボルン~ブリスベン間のこの日のフライトは殆どの便が満席だったらしく、ようやく1つ空席が見つかったと旅行代理店の担当者の話し。 メルボルンの天候が珍しく暖かかったが、ここブリスベンは曇り空。空港から市内に向う途中では小雨が。しかし路面の様子から午前中は雨が振っていた模様。 仕事を終えて夜7時前に相手方の事務所を出るともう日は暮れていた。しかし、気温は上がってきており正に春先の心地よい生暖かい雰囲気がする。
ここブリスベンを本拠地とする Queensland Roar は前節、激しい雨の中 Central Coast Mariners に 敵地で0-0 で引分け3戦してまだ負けは無い。この日はホーム Suncorp Stadium にニュージーランドの Knights を迎える。この Suncorp Stadium はラグビーのテストマッチも行われる52,000 収容出来る オーストラリアでも屈指の競技場。10月7日に Socceroos がパラグアイ代表とのテストマッチをここで行う。ロケーションも中心街から徒歩15分程度で悪くない。競技場に足を入れる前から Perth Glory の本拠地Members Equity Stadiumとの違いを感じずにはいられない。そして入場するや、そこは欧州の一流スタジアムにも劣らないと感じさせる。その広さのおかげで着席する前にキックオフの笛が吹かれてしまった。対する New Zealand Knights は開幕2戦を1勝1分で乗り切る好スタート。しかし先週、大雨の中で Melbourne Victory を迎えての地元オークランドでの試合を 0-3 と落とした。昨シーズンの様にずるずると行かないためにも今日は敵地で勝点を上げたいところだ。Paul Nevin 監督は前節のVictory 戦からスタメンを4人入れ替えてきた。特にA-League ナンバーワンGKと言われる ダニー=ミロセビッチを替えたのは少し驚きだった。そして前節も怪我で欠場した FW のノア=ヒッキーがこの日も使えず、ダニ=ロドリゲス、アダム=カーシーの2トップ。2列目には左サイドに注目のガーナ人選手 マリック=ブアリ、右サイドにはヨンティ=リヒター。特にリヒターは昨シーズン主に交替出場ではあったが Roar の選手として途中出場ではあるが17試合プレーした。そのリヒターが開始早々にスコット=ゲミルのスルーを受けて素晴らしいシュートを放つが惜しくもサイドネット。その直後に今度は Roar のFWサイモン=リンチがマチュー=マカイのスルーを受けてゴールに迫るがそのシュートはGKターンブルがブロック。リンチは昨シーズン、第1回ジャパンカップ(今のキリンカップ)に来日したスコットランドの Dundee United に所属し28試合スタメンで13得点。1999-2003 シーズンには Celtic でもプレーし、翌年は England の Preston でプレーしたキャリアを持つ。最初のビッグチャンスを逸した Roar だが、その1分もしないうちに再びレイナウドからのスルーを受けたマカイがそのまま持ち込み今度はGKターンブルを破って先制ゴールを決めた。開始8分。前節に続いて Knights は立ち上がり早々の失点だ。それでも Knights は20分を過ぎたあたりから主導権を握り出し、ロドリゲスの突破から掴んだチャンスを最後はリヒターが再び惜しいシュートを放ったり(クロスバーのわずかに上)ゴール前で連続してFKのチャンスを掴んだりと同点機を探り出す。起点になるのはブアリとリヒターの両サイド。だがゴール前は Roar DF陣、ブース、マックラハム、オグネノフスキが立ちはだかる。この3人は身長があるので制空権を握られている。そして自軍のセットプレーでは積極的に上がってくる。そしてもう1人の注目選手は昨シーズン Roar の Player of the Season に輝いた韓国人DF ソ・ヒョク・ス。昨年は守備力もさることながら、得点にも絡んだり、自らゴールを決めたりと前線への動きが効果的だった。しかし、今年はFW選手を補強してきたせいか、あまり上がってこない。前半はブランチ的なポジション。相手の攻撃の目を中盤で摘んでしまう効果的な役割を果たす。 その攻撃陣、マーカス・ヴェダウはリンチと並んで欧州からやって来た。2部チームを渡り歩いたとは言えリーガ出場数も90以上を数え、かつてはドイツの U-21 代表。アンテ・ミリッチはオーストラリア代表歴もあり今季は Newcastle United からの移籍。またテクニックの高いブラジルジン選手レイナウドも健在だ。 しかし前半はスペースに出すものでなく、足元に出るパスが多く追加点が奪えない。スペースを使うパスを出そうとするのはソ・ヒョク・スくらいであった。こうして Roar の追加点を凌いだ Knights であったが、後半は Roar のゴールラッシュが続いた。 後半開始早々から Roar のブライバルグ監督はソ・ヒョク・スを右サイドバックに入れて4バックに。これは相手のキーマンでもあるブアリの上がりを抑えるのに効果的であった。そして55分、レイナウドがドリブルで左サイドから切れ込んでくるところを、振り切られた Knights DF コバセビッチが後ろから抱え込んでしまいPKを献上する。このPK自身、 Roar 史上初の( A-League で ) 獲得であった。これをレイナウドが自ら冷静に決め、待望の追加点を上げた。ゴールを決め、喜びを爆天で表すレイナウド。 Knights にとっては痛い追加点であったが、まだ時間がある。ここはまず1点をと思うが、さらにRoar が分厚い攻勢をかける。前半は足元にしかいかなかったパスが後半はスペースに出る様になった。特に攻撃的MFのマッカィと昨年覇者シドニーFCから移籍してきたパーカーが前線にスルーパスを供給し、ミリチッチ、リンチ、レイナウドの前線が縦横に動く。Knights DF陣はかれらを捕まえきれない。CK等のセットプレーではオグネノフスキやマックラハムら長身DFが上がってくる。 Knights DF陣はまったくマークがずれてしまっており、CKでは Roar の選手が3人固まってフリーになっていた。(それでもゴールネットは揺れず) 71分には交替出場のディレヴェスキーが右からクロスを上げてリンチがこれをあっさりと決めて3点差とする。 Knights のネビン監督はロドリゲスに替えてベテランFWデヴンを投入するが中盤のキーマン、ブアリの動きをソ・ヒュン・スクに抑えられていたのでここは中盤を厚くした方が良かったのでは?3点差で余裕の? Knights ブライバルグ監督は74分得点者のリンチに替えて、元中国代表の張玉寧を投入する。2004年のアジアカップではアリー・ハーン(当時)監督に代表を外された元上海申花のスター選手。プログラムにも“中国のデヴィット・ベッカム”と述べられている。身長186cmと長身ながら足元も“タッチが柔らかい(隣の席の Roar サポの表現 )。他の選手と比較してもアジアとは言え代表クラスの片鱗を見せ 80分にはヴェダウのスルーを受けて Knights ゴールに迫り、DF陣を振り切りフリーになるが、右に上がったフリーのミリチッチに絶妙のパスを送り、ミリチッチは無人のゴールに流し込み4点目。そして85分には強烈なミドルを放ち GK ターンブルが前にこぼしたところに詰めたマカイがこの日2点目を決めて遂に5点差とした。張玉寧、挨拶代わりのプレーは地元サポにとって充分すぎるほどの期待感を持たせただろう。 こうなると視点は Knights が開幕戦以来3試合ぶりにゴールを挙げて、 Roar のホームでの今季無失点記録(といってもまだ2試合目だけど)を破るかだった。しかし、攻撃の起点がブアリとリヒターのドリブル突破頼みでは状況を打開できず、リヒター、コバセヴィッチと警告を貰う始末。そしてそのままタイムアップ。これで Roar は4戦負けなしの勝点10で後日4連勝目を挙げた Melbourne Victory に次いで2位の座を守った。昨シーズンは上位4チームで行われる Final Stage に進出できなかった2チームが上位を走るリーグ序盤となった。 一方の Knights は開幕戦こそ 1-0 で勝利を収めたが、以降3戦連続無得点。まだ Newcastle, Central Coast が未勝利で6位につけており、3位のAdelaide とはまだ2勝点差であるが、早急に立て直さねば昨シーズンの2の舞になりかねない。 
グランドでは Roar の選手達が Cool Down を行っている。やがて彼らがベンチに引き上げてきた。そしてロッカールームに消えていくと思いきや、そこにはJリーグでは見られない光景が始まった…..