Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

Asian Cup それから  Socceroos の世代交代は... 1

2011-02-13 | Football Asia

Socceroos 次のワールドカップに向けての世代交代は

2月7日。10カ月ぶりに再開された日豪 EPA 交渉。4日間の協議は最終的には結論持ち越しとなった。
オーストラリアはコメについて関税撤廃の例外扱いを認める一方、牛肉などでは撤廃要求を譲らず、合意は4月のキャンベラでの開催が決まった次回交渉に持ち越した。日豪交渉は6月に判断する日本の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加の試金石とされ、合意の道筋をどう付けるかが焦点になる。今回の交渉で、政府はコメ、牛肉、小麦、砂糖、乳製品を重要品目に位置づけ、自由化の例外と主張した。これに対し、オーストラリアは自国からの輸出量の少ないコメの関税撤廃は求めない代わりに、その他の4品目の自由化を強く求めた。
交渉筋は「オーストラリアは要求を軟化させておらず、まだ先が長い」として、交渉が引き続き難航する見通しを示した。 政府は昨年11月の閣議決定で、「全品目を自由化交渉の対象に、高いレベルの経済連携を目指す」とした。菅直人首相も今年1月の施政方針演説で、「豪州との交渉を迅速に進める」と宣言し、重要品目の例外化にこだわる態度は自己矛盾に陥っているといえる。

オーストラリアはTPPでも、主要交渉国の一つ。EPAで農業分野の譲歩を決断できないようでは、「TPP交渉参加すら認められなくなる との事だけど
まず米の関税撤廃の例外を認めたのは今オーストラリアではここ数年“米どころ”だった Victoria 州で長期の雨不足からまったく米が収穫できずオーストラリア国内での米はカリフォルニア米が主体となっている為。早い話が国外に輸出するほど米が獲れないと言う事。
日本政府としては何とかして“レア・アース”の供給源を確保したいところだけどこの件はオーストラリア側が“売り手市場”を見せつけ“日本だけ特別扱い出来ない。”との事。それよりもオーストラリアは今天然ガスがガンガン獲れておりその輸出先として中国が鉄鉱石と共にお得意さんとなっている。
ラッド前首相は娘さん達が中国語を勉強するほど大変な親中家。オーストラリア史上初めての女性首相Julia Gillard 現首相はどちらかと言えば外交は右派。
昨年のワールドカップ開催国を決める FIFA Congress にも帯同していた。オーストラリアにとって結果は伴わなかったが日本の首相とは違うなぁ…と思った。まぁそれだけで首相の価値が決まるわけではないが…


今回の Asian Cup 決勝戦に進出した日本代表が対戦したオーストラリア代表との試合は2006年のワールドカップで対戦して以来約4年半で5度目だった。
そして初めて日本が勝利を収めた試合だった。( PK 戦は公式記録は引分 )
できれば90分間で勝ってほしかったけど。オーストラリアでもサッカーの世界では日本は一目も二目も置かれている様だ。
昨年のワールドカップでは“アジア実力 No.1 ”として勇躍乗り込んだ南アフリカの地。初戦のドイツ戦で完膚なきまでに叩かれ最後までそこから立ち直れなかった。
そんな Socceroos のプライドはこの Asian Cup ではかなり回復されたと思う。
しかし長年云われ続けて来た世代交代は今度こそ目前に迫った早急に解決すべき問題とされている。
昨年末から今年初めに Brisbane, Gold Coast の一部を襲った大洪水の被害は 1974年以来の大災害と地元では云われているが、最も地元の人達を怒らせているのは洪水そのものでなく、37年前の教訓が生かされていない、即ち洪水対策が全くなされていなかった事が露呈した事らしい。 37年前は、私の尊敬する Johnny Warren 率いる Socceroos が初めてワールドカップに進出した年だった....

手元にある2002年に刊行された彼の著書 Shelias, wogs & Poofters には MCG のイラン戦のスタメンの集合写真が掲載されワールドカップは逃したが将来を期待出来る Young Gun として紹介されている。そしてそのメンバーの中には GK Schwarzer, Kewell, Emerton らが写っている。8年後彼らが中心となりウルグアイを破り32年振りのワールドカップ出場を決めてカイザースラウテルンでは日本を逆転で破りサッカー人気がオーストラリア大陸で一気に上昇したのは日本人でも周知だけどそのメンバーは偉大すぎた。5年後の Asian Cup では6人の選手がドイツワールドカップ組だった。そしてもし怪我さえなければ更に Beachamp, Kennedy そしておそらく Milligan も加わっていただろう。(だったら優勝したか??)。

今オーストラリアではこれから今後の為にいつ世代交代を行うか、それとも結果維持し次のワールドカップ出場権を勝ち取る為にまだベテランに頼るかの激論が始まるだろう。 

Their best and likely last .....

これは決してわれわれから取り去ることの出来ないオーストラリアの名前を silverware ( この場合は優勝トロフィー ) に刻む良い機会だ。 
この世代の選手達にとって残るのは思い出だ... 優勝を勝ち取る事が理想的な最後だ。ハードワークと犠牲への素晴らしい代償となるだろう。“ 
決勝戦を前に Sccoeroos の Lucas Neil 主将はこう語った。
“ピッチ上の至る所で繰り広げられる1対1の争いで競り勝ち日本が作るチャンスを最小限に留めねばならない。日本は決定力に長けた選手達が揃っている。しかし守備面では我々は日本に問題を引き起こす事が出来る事を解っている。”

地元紙では香川が離脱しても本田、岡崎、前田ら3選手が3ゴールずつを挙げている事から日本の攻撃力を懸念していた。これは昨年のワールドカップ前とは大いに異なる。
Neil 達ベテランにとっては最後の大舞台とならないかもしれないが、これが最後の代表としての大きな勲章を勝ち取るチャンスと云う事は本人以外も解っていただろう。  決勝戦を前に物議を醸しだしていたのが左サイドハーフを元通り Emerton を起用するのかそれとも決勝トーナメント以降代役として活躍している Matt McKay を起用し続けるのか...
しかし決勝戦前の Osieck 監督の McKay を使う、と云うコメントでピリオドが打たれた。 “トーナメントでは起こりうることだ。最初のメンバーで最後まで終えられる事は決してない。私は現場主義の監督だ。名前よりも選手のパフォーマンスを重視する。” 

They’re one of my favourites but also one of the most difficult

対日本戦通算4ゴールの Tim Cahill は“日本は私の好きな対戦相手だが同時に最も難しい相手でもある。”と語った。
“日本戦を思う人達は我々の対日本戦に就いて知っている。明らかに私はその中心にいるだろうがそれは悪い気はしない。”
31歳のCahill は他の同僚達と同様に Asian Cup を終えても代表から退くつもりはなく4年後 2015年に地元で開催される Asian Cup への出場についても喜んで辞退するわけではない。
“正直に云って私は身体が動かなくなるまで代表選手でいたい。もちろん2015年までプレーをしたいが多くの若い選手が出てくることも望んでいる。そして私が彼らの一部になれればと思っている。 ”
そして決勝戦に就いては “私はここに休暇に来たのではない。そしてここにただゲームに出場しに来たわけではない。ここでオーストラリアのサッカーの違いを示しに来たのだ。”と述べた。 

そしてオーストラリア地元紙はしきりに香川の離脱を伝えていた.....

    

Blue murder: A lightning raid, then Samurai strike guts Socceroos 

オーストラリアは充分に勝利に値するチャンスを作った。
しかし延長戦に入っての守備のミスが勝利を手にする事が出来ず次に持ちこされる事となった。その持ち去られたものは、綺麗なサッカーをしてくるであろう日本に対して広い地域で試合を流れ良く続けたオーストラリアが勝ち取るべくメジャー大会の王者の称号であった。
Blue Samurai に 1-0で敗れた彼らのパフォーマンスは特に体格に勝りパワフルなオーストラリアが自分達の強さとフィジカルで優位にたつオーストラリアが早くてより技術の高い日本を打ち負かすと考えた人達には関心を惹いた。試合の多くをオーストラリアはその通りであった。

  

彼らはよくボールを回し中盤でプレスを掛け日本がショートパスを繋ぐ時間やスペースを許さなかった。空中戦の強さを充分に活用した。それはただPA内にロングボールを放り込むだけでは無かった。 Soccceroos 達は中盤でボールを支配し時折素晴らしいコンビネーションを見せた。そして対戦相手からスペースを作った。彼らはただ Holger Osiek 監督が嘆いた様にフィニッシュが出来なかった。
日本戦で何度もゴールを決めている Tim Cahill はいくつものハイボールからの空中戦でそしてそこから繋がらなかったり日本が必死にクリアーしたが何度もチャンスを創り日本にとってはまたも脅威となった。
守備の方でも後半 Shinji Okazaki のフリーのヘッドをセーブし前半 Ryoichi Maeda のシュートを防いだ。オーストラリアの守備は広範囲で優位を保ちLuca Neil, Sasa Ognenovski は強固に真ん中を固め Luke Wilkshire とDavid Carney は何度も前線に絡んだ。
こういう状況下で疲労した脚と心が引き起こしたわずかなミスが命取りとなり Socceroos の2度目の挑戦でタイトルをのがした事をくよくよと考える事は酷な事だろう。 Harry Kewell と Tim Cahill はゴールを挙げられなかった。そして Mark Schearzer は決勝ゴールに対して殆どなにも出来なかった。 Carl Valeri と Nile Jedinak そして Matt McKay は相手DF陣を切り裂くパスを出せなかった。
そうだ109分には Luke Wilkshire が Yuto Nagatomo の突破を許しその日本のウィングバックに決定的なクロスを上げさせた。そうだそのDF選手は6回も7回も突破して来た。 そうだ左サイドバックの Carney は説明しがたくその時中盤まで上がっており Tadanari Lee をお手本の様なボレーシュートを放てるだけの時間とスペースを出来るだけフリーにしていいた。彼は大会前の準備試合には出ていなかったがそんなこと大陸地区の決勝戦では関係の無い事だった。

    

それは Carney がすぐに忘れられない失敗だった。
しかし時にはこんな事が起こり得る。試合は何度も一瞬の輝きの様な一方のエラーで決まる。それが人生で、スポーツは気まぐれな何かを写し出すたとえそれが退廃させるよくない結末だとしても。
“それは延長戦も終盤だった。 単なるポジションのミスだった。 そしてそれが致命だった。それに就いて誰かを非難したくはない。我々のいつもの守備のポジションでは無かったがそこに他の誰かを行かせるのは全く不適切な事だった。”
“我々にはチャンスがあった。試合後半にはピンチもあった。 我々は決定力に対してもっと機能的でなければならなかった。試合を支配したりチャンスを創るだけでは不充分だ。勝つためにはゴールを上げねばならない。”
“好チーム同士のたいへん面白いゲームだった。 我々がどれだけ落ち込んでいるか解るだろう。 我々の絶対に勝てる試合だった。ただそれを勝に結びつけられなかった。 しかし私はこう言いたい。私は選手達、彼らのパフォーマンスそして大会期間中の姿勢を誇りに思う。 選手達はファンタスティックな姿勢を貫きただ私は信頼していれば良かった。だから彼らの努力に対して報酬を与えられなかった事を非常に悔んでいる。”

試合後選手達の労をねぎらう Osieck 監督のコメントが印象的だった....  続く




Asian Cup それから 中国球迷達の苦悩は続く….

2011-02-12 | Football Asia

Asian Cup が開幕して間もない1月11日。中国政府はステラ戦闘機のテスト飛行を認めた。これは“丁度” Robert Gates 米国防長官が中国を訪問していた時だった。
勿論中国側は長官の訪問とテスト飛行の容認は“無関係”と話している。
その翌日今度は中国人民銀行がポルトガルに次いでスペインの国債を買い取る事に“前向きな”姿勢を見せている事を発表した。中国が購入したポルトガル国債は総額約5億9,900万ユーロになったらしい。スペインはいくらになるのだろう。
そして1月14日、ついに中国のGDPは日本を抜いてアメリカに次いで世界第二位になったとの発表があった。 中国の青天井の発展。日本経済の底の無い衰退を引き合いに出し比較する人がいるが、勿論私を含めそうは思わない人も多い。
これでもう “ ODA “ という名目でたかられることも無いだろう…. それに国民1人の頭割だと世界ではまだ94位だ…

だが中国経済が世界で影響を与えている事は間違い無い。欧州で“国債”を買い続けるのも米ドルと並んで回復の兆しの無いユーロの下落を防ぎ、中国製品の販売促進を考えての事だ。手法はどうであれ、円高対策に無策を続ける日本政府とは対照的だ…

経済では世界に存在感をしっかりと示しているが今回の Asian Cup でも存在感は全く示せないまま2大会連続1次リーグで消えた。
ワールドカップ予選は2大会連続で最終予選にすら進めず五輪も地区予選を勝ち抜いての出場はソウル五輪が最後(あの時最後に負かされたのは日本だったど)。

今やアジアでも Second Class に沈んでしまった中国サッカー。この Asian Cup では私の目論見では準々決勝で日本と当たって我が Samurai Blue に粉砕される事だったけど、日本とはもう同じ土俵に立てないレベルになってしまった。
昨年の東アジア選手権では“中国サッカー復活”の兆しを見た気がしたんだけどな……

中国 0-2 カタール 

中国は初戦Gulf Cup of Nations と西アジア選手権を共に制し“二冠”に輝いたクウェートを破る幸先の良いスタートを切り、第二戦地元のカタール戦に臨んだ。
カタールは開幕戦となった初戦、ウズベキスタンに 0-2 の完敗を喫しておりこの中国戦はまさに剣が峰。ホスト国としてそして決まったばかりの11年後のワールドカップへのスタートに向けて引き分けも許されない状況だった。
Metsu 監督はウズベキスタン戦で途中でベンチに下げた3人、 FW Yaser M. Abdukrahman, Jaralla Ali Al-Marri そして MF Fabio Montesin に替えてMohamed M. Sayed, Yusef Ahmed Ali そして DF Kasola Mohammed らがスタメン起用された。
この起用に Abdulrahman が不満を唱えチームから追放される事に。
一方中国代表もスタメンを3人入れ替えた。何故かGK楊智が曽城に、FWは楊旭に替って郜林。そしてMFが張琳芃に替って干涛が起用された。同じポジション同士の選手の入れ替えの様な気がした。昨年優勝を勝ち取った東アジア選手権の日本戦のメンバー9人が含まれていた。そしてGK曽城もそうだった…楊智は東アジア選手権では背番号22番だったがこの Asian Cup は1番だった。GK楊智はハートがやや弱いらしいが。

試合は両チームともなかなかシュートシーンに持ち込めない。開始25分に中国は最初のCKのチャンスを掴むが得点に至らずその2分後日本戦でも右サイドからの突破で苦しめた Yusef Ahmed Ali が鮮やかなボレーシュートを決めて先制ゴールを挙げた。カタールが欲しくてたまらなかった先制ゴールがこんな早い時間で決まりこれで試合の主導権を握る事に。
その後も Sebastian Quintana を中心に中国の左サイドをどんどん突いて来る。
そして前半終了間際、中国ゴール前でこぼれたところをまたも Ahmed Ali に押し込まれ前半で2点のビハインドを追う事となったがこの時点で中国の勝利は霧散していたのかもしれない。
この日スタメンに起用された楊昊はどちからと云うと守備の面で期待されたらしいが後半から蒿俊閔と替ってベンチに下がって行った。そして追加点を喫する前の前半42分でFW郜林がベンチに下げられたがこれはそれまでの韓国人のキムドンジン主審の判定に激高してイエローカードそしてレッドカードを貰わない為。前半で楊昊と曲波が警告を受け曲波は次のウズベキスタン戦は出場停止となった。 

後半に入ってもスコアーは動かず 2-0 でカタールが勝利を収めた。 中国は開始60分で交代枠3人を使いきる等選手起用にも疑問が残った。
試合後高共波監督は “この日は組織的な攻撃が出来なかった。2失点を喫したが我々は相手にプレッシャーを与える事は出来た。だから彼らの攻撃は外へ展開していた。 だがこの日の我々は攻撃力が乏しかった。 その一方でこの試合の雰囲気は大変経験になったと思う。そしてプレーの質をアップさせる手助けとなるだろう。 この試合には敗れたが次の試合は大変重要だ。我々はすぐに準備にかからねばならない。” この様に語った。
この試合は絶対に勝点3が欲しかったカタールの方が難しかったはずだ。中国は引き分けでも充分だった。高共波監督はそこを理解していただろうか…。 そしてこうも語ったカタールはシュート4本中2本が決まった。中国の枠内シュートは3本だけだった。 幸運も必要だ…

 

対カタール戦 Asian Cup 初黒星
中国の対カタール戦はこれで6勝4分3敗となったがこれまで5回対戦した Asian Cup では5連勝中だった。 1984年広州での Asian Cup 予選 ( 1-0 ) そしてバンコックでの Asian Cup 本戦 ( 3-0 ) 1992年広島大会1次リーグ ( 1-0 ) 2000年レバノン大会1次リーグ ( 3-1 ) そして2004年中国大会1次リーグ ( 1-0 ) 。
しかしワールドカップ予選ではカタールを苦手にしていた。1997年フランス大会最終予選。 大連でのホームは 1-1 で引分けドーハでのアウェー戦は 2-3 で敗れ、南アフリカ大会アジア地区3次予選でも両者は対決しておりドーハでは 0-0 の引分けに終わったが中国のホームゲームでは Sebastian Quintana のPKでカタールが中国を破っている。
2001年ワールドカップ予選、ドーハでのゲームは終了直前、李偉峰の起死回生のゴールで追い付き最後はホームで 3-0 で降して初のワールドカップ出場を決めた。 だが中国は対カタール戦では苦い思い出がある。1989年シンガポールとマレーシアで開催された最終予選のカタールとの最終戦。 1-0 でリードしていた中国は試合終盤に3分間で連続ゴールを許し逆転負けを喫し、手中にしていたワールドカップ出場権を逃してしまった。これを 黒色3分钟 と中国で言われている。

カタール戦の中国代表メンバーは下記の通り

GK 22-曾城 DF ;20-栄昊、4-趙鵬、5-杜威、17-張琳芃 MF ;15-于涛 ( 58分,6-周海浜 )、19-楊昊;21-于海( 46分,8-蒿俊閔 )、10-卓翔、11-曲波;18-郜林( 41分,9-楊旭 )


中国 2-2 ウズベキスタン
中国の1次リーグ最終戦は前大会と同じウズベキスタン戦となった。
4年前はウズべキスタンが1勝1敗( 5-0 マレーシア, 0-1 イラン ) 中国が1勝1分 ( 3-0 マレーシア, 2-2 イラン ) の1次リーグ第3戦で対戦。中国が引き分けても良かった試合だったが試合終盤に Shatskikh, Kapadze, Geynrikh に連続ゴールを決められウズベキスタンが逆転で1次リーグを突破し中国は本大会で初めて1次リーグ敗退となった。
今大会はウズベキスタンが既に2連勝しており1点差負けでも1次リーグ突破。中国は2点差で勝たねばなかった。
中国は李学鵬が怪我から復帰し今大会初登場。累積警告で出場停止の曲波に替って Bundesliga Schalke 04 で内田と共にプレーする今大会中国代表唯一欧州でプレーする高俊閔が起用され、卓翔に替って汪嵩がスタメン起用され郜林のワントップに。
ウズベキスタンは FW Novkarov が Tursonov に替って起用された以外はクウェート戦と同じスタメンだった。中国は杜威だけが、ウズベキスタンは Haydrov, Djeparov, Shatskikh そして Kapadze が4年前の直接対決での出場経験者。

開始1分53秒左サイドを Geynrikh のスルーパスを受けた Kapadze がファーサイドに折り返し Shatskikh が完全にフリーで放ったシュートはクロスバーを大きく越えてしまう。ウズベキスタンに先制されたら中国の1次リーグ突破はほぼ霧散してしまう。だがすぐに中国が先制ゴールを決める。5分9秒PA付近で得たFKを汪嵩が入れ李学鵬がヘッドを放つがGK Nestov が右に倒れ込んでナイスセーブで防がそこで得たCKを楊昊がショートコーナーで蒿俊閔とのパス交換から入れたライナーのクロスにネアーに飛び込んだ干海が頭で合わせてウズベキスタンゴールに捻じ込み中国が先制点を挙げた。
しかしウズベキスタンはまだ1次リーグ突破圏内で中国はもう1ゴール必要だった。 そして1点を失ったウズベキスタンが失点後のキックオフから攻勢に出てくる。16分にはPAエリアのすぐ外で得たFKを Djeparov が直接狙うがGK楊智がファインセーブでクリアー。しかし中国もカウンターで対抗。この試合はワントップの郜林のみならず干海と蒿俊閔が前線に飛び出してくる。20分にはCB趙旭日のミドルがクロスバーを叩いた。中国としては早く2点差にしたいところだった。しかし30分 Djeparov のスルーパスからAhmedov が抜け出してGKと1対1になり放ったシュートが中国ゴールに突き刺さり試合を振り出しに戻した。これで中国は再びあと2点は取らねばならなくなった。
そして更にウズベキスタンが試合を優位に進める。 Djeparov, Geynrikh そして Kapadze , Shatskikhらが空いたスペースに飛びだし、またポジションチェンジを繰り返すので中国DF陣は完全に後手に回っていた。それでも中国はカウンター攻撃から何度かシュートに持ち込む。 中央の汪嵩から右サイドを上がった蒿俊閔にボールが出てそこから上げられたクロスを郜林がフリーでヘッドを放ったが再び Nestrov が右手1本で掻き出した。前半だけで 中国はNestrov に2度決定機を阻まれた。Nestrov は44分にも張琳芃が放った強烈なドリブルシュートもしっかりと抑えた。
前半終了間際には Geynrikh が右サイドを上がった Novkarov からのマイナスのパスを受け出したスルーに Djeparov が抜け出し李学鵬と競りながらシュート体勢に入るがボールがヒットせずGK楊智に転がった。 前半はウズベキスタンが攻める時間が長かったが決定機は中国が多く思えた。実際に枠内シュートは中国7、ウズベキスタン4だった。そして両者1ゴールずつで前半を終えたが中国には不充分だった。 同時刻に始まっていたカタール対クウェート戦では前半終了で既にカタールが 2-0 でリードしていた。



後半中国はMF趙旭日が下がってDF劉建並が投入された。フォーメーションはどうするのだろう。ウズベキスタンのキックオフで始まった後半は31秒Geynrikh が放ったミドルが中国ゴール左上隅に突き刺さり逆転ゴールを決めた。 Geynrikh は4年前の Asian Cup中国戦でゴールを決めている。
これでウズベキスタンは一気に楽な展開に。中国はあと3ゴールを挙げねばならなくなった。それでも中国は同点ゴールを目指して攻撃に転ずる。そして55分郜林に肘を入れた Ismairov にイエローカードが出されて得たFKを高俊閔が右足で鋭いカーブを掛けて直接ゴール左上隅に捻じ込み試合を振り出しに戻した。 これで中国は今大会4連続でセットプレーからの得点となった。本田、遠藤、中村俊輔顔負けのFKだった。
同点ゴールから3分後中国は決定機を逃す。 中盤高俊閔からのスルーパスが左サイドを上がった汪嵩に通り入れたクロスに郜林が完全にフリーで叩きつけたヘッドは大きく弾んでウズベキスタンゴールを外れて行った。完全に1点もののシーンだった。 これが入っていたらこの試合は解らなかった。

 

60分中国ベンチは先制ゴールの干海をベンチに下げ楊旭を入れ郜林と2トップを組ませ汪嵩を干海のいた2列目左に回った。 188cm 楊旭、185cm郜林の長身選手を入れたが干海を何故下げたのだろう…
73分には楊昊に替えて卓翔を入れ次のゴールを狙うがなかなかゴールが決まらない。そして86分楊智のゴールキックを Geynrich が劉建並に覆いかぶさるようにが競り合いにオマーン人の Mohamed Masoud 主審のホイッスルが鳴り劉建並のファールとされると高共波監督がライン際まで出て行きイラン人の Faghani Alireza 第4審判に “ why why “ と連呼ししつこく抗議。 すると Masoudo 主審が高共波監督を退席処分にしてしまい、残り時間を高共波監督はスタンドで観戦する羽目になった。結局スコアーはそのまま動かず 2-2 で試合が終わり中国の2大会連続1次リーグ敗退が決まってしまった。
大会前の FIFA ランクで中国は87位。クウェート 102位、ウズベキスタン 109位、カタール114位。一応中国が一番上のランクだったのだが…

ウズベキスタン戦のメンバーは下記の通り。
GK 1-楊智;DF ;20-栄昊、2-李学鵬、5-杜威、17-張琳芃 20-荣昊、MF ;7-趙旭日 ( 46分 13-劉建並 ) 19-楊昊 ( 73分 10-卓翔 ) 21-于海 ( 60分 9-楊旭 ) 14-汪嵩 8-蒿俊閔;FW 18-郜林

対ウズベキスタン戦 公式戦3敗1分
今回のウズベキスタンで通算成績5勝3敗1分となった中国だが、その3敗全てがアジア大会、 Asian Cup での敗戦。1994年広島でのアジア大会決勝戦 ( 2-4 ) 、1996年 Asian Cup UAE 大会の1次リーグ ( 0-2 ) 2007年 マレーシアで行われたAsian Cup 1次リーグ ( 0-3 ) そして今回の引分。5勝は全て親善試合等のAマッチ。ワールドカップ予選での対戦はまだないが次の予選で対戦するとどうなるだろう…

中国の抱える勝負弱さの原因は…
今や五輪でも最高の金メダル獲得数を誇る中国ではあるがサッカーとは無縁の話だ。それはかつてのソ連邦もそうだった。 旧東側が“誇る”科学的トレーニング(それともドーピング)では個人の筋力や運動能力を高め水泳や個人種目では好成績に繋げられるがサッカーや球技の様な駆け引きやチーム戦力も必要とされる種目では成果を挙げられない。もっとも全ての球技で日本が中国を上回っている訳ではないが。

韓国のスポーツ朝鮮紙(中国では朝鮮体育)は中国男子サッカーが低迷する原因を下記の通りに表していた。

選手の個人能力の衰退
日本、韓国ともに欧州のクラブチームと契約出来る選手が特に若い世代で増えて来ている。中国は今大会蒿俊閔以外は全て中国超級でプレーする選手。 前回は登録選手の中では李鉄や孫継海ら4人の選手が欧州組だった。ただ李鉄は出番が無かった。それに代表では欧州組はあまり重宝されていない。個人プレーに頼り過ぎると言う印象がある。問題なのは中国超級のレベル。 ACL でも上位に残るどころか1次リーグを突破出来ないクラブが殆どだ。 まぁそういう意味では今シーズンの ACL での J-League 勢の躍進を期待したいのだけど…… 
80年代末から90年代初旬にかけて活躍した馬林、賈秀全、柳海光、謝育新、段挙らソウル五輪予選で日本を破った選手達が懐かしいという中国球迷もいる。
私も違う意味でその時代の選手が懐かしい….

一人っ子政策の弊害
1973年から中国で“施行されている”一人っ子政策の弊害がここにも表れているとの事。年代別にグループ分けして行う強化が欠けており、今中国協会でもこの強化に着手し始めているらしい。
韓国がどれだけ年代別の強化をしているかは不明だけど日本は年代を細かく分けての強化がなされている。(その強化方法はまだまだ途上段階と言われていが。)

少子化の影響でサッカーを初め人材の激減が懸念されている。 
ただ少子化における諸問題は日本も韓国も一緒と思われる。
アジア大会での女子サッカーの不振を見て負傷で大会に参加出来なかった美人ストライカー韓端は自分達の時代と比較して “サッカー少女”の激減を将来の女子サッカーの衰退になると懸念していた。
人材の枯渇もそうだけど、一人っ子政策の弊害は“子供”の性格。 スポーツの様に根性の必要な事をしようとする子供が激減する事の方が問題。 まぁ貧富の差がまだまだ激しいからその辺の“人材”はまだ無尽蔵か…

  

協会の体質
韓国紙で見られたある書き込みで “韓国協会も混乱しているが中国より強い。そして勝っている。少なくとも自分のポケットだけを満たそうとおもっている役人はいない。”
一昨年、選手、審判団そして協会役員まで連座したという八百長事件がおこった。 韓国や日本では考えられない事だ。東アジア選手権ではそれを乗り越えて日本と引分け史上初めて韓国を破り優勝を果たしのだけど…この大会は韓国、中国よりも調整が上手く行っていただけと言う事か…
高共波監督は就任後国内組を中心にチーム編成を行っている。今は途上段階。目指すは次のワールドカップ予選突破という地元専門家もいれば今回の Asian Cup の不振を “漫漫長夜才剛剛開始” 長い夜がたった今始まったばかり。と表現する地元紙も。 

2年後次のワールドカップ予選が終わって日本と中国の立場が替っていない事を望む。

そして最後に云わせてくれ。 日本のマスコミ媒体は中国選手名を“日本読み”で“発音”する。杜威 ( Du Wei ) は“とい” 曲波( Qu Bo ) を“きょくは“ 卓翔 ( Deng Zhuo Xiang ) は”とうたくしょう” GK 楊智 ( Yang Zhi ) は”ようじ”。
テレビで見ていても誰か解らない時がある。中国語促進も兼ねて普通話の発音で行ってくれないかなぁ…. 韓国人選手だと韓国読みだろう…朴智星をだれも“ぼくちせい”とは云わない。まぁ70年代は金大中氏を“きんだいちゅう”と呼んでいたけど…


Asian Cup それから…. 開催国カタール

2011-02-06 | Football Asia

日本の4度目の大会制覇で幕を閉じた Asian Cup 2011。
今大会は中東勢が1カ国も準決勝に残れなかった。その原因は色々挙げられているがかつて湾岸諸国、西アジア諸国に対抗出来たそれ以外の国は韓国でしかなく1990年代に入りようやく日本がそして2006年オーストラリアが AFC に加盟し西アジア、アラブ諸国勢力一辺倒から勢力図が書き換えられる様になってきた。
中国は1988年のソウル五輪では“東アジア地区”での予選を最後は日本を破って出場を果たしたので本当に西アジア諸国を破っての予選突破となると2002年のワールドカップの時くらいだ。
今回23年振りに Asian Cup ホスト国となったカタールは11年後のワールドカップ開催国。大会運営ぶりも注目されたと思う。 実際に現地に行っていないので詳細は解らないが改善の余地はまだまだあったらしい….

カタールは Football が出来る事を証明した。 1月22日 日本戦を終えて….

ワールドカップへのチェック、スタジアム計画。それらは済んだ。今やカタールはピッチの外でも共に壮大な計画を共有するサッカー代表チームを携えている…
カタール代表チームはFIFAランクで76位も上回る日本を相手に2度のリードを奪いながらもわくわくする様な準々決勝戦で敗れた。Al Gharafa 競技場に集まった約20,000人のカタールサポーター達は絶え間なくカタール代表に声援を送り続けたが終了直前の Masahiko Inoha の得点により10人の日本代表が 3-2 で勝利を収め準決勝進出を果たした。

我々は世界中にカタールチームが Football が出来る事を見せる事が出来た。 日本選手達のリアクションをみて彼らにとってこの試合がどれだけ難しかったかが解る。 もし良いチームを相手にしたのでなければ、2度もワールドカップで成功したチーム( 2002年大会と2010年大会の事か??) で成功したしームがあんなに喜んだりはしないだろう。“ 試合後 Bruno Metsu カタール代表監督は語った。

カタールは Asian Cup に感銘を受けた…
1月24日 準決勝進出戦を前に 1月24日、準決勝戦を前に Mohamed Bin Hammam AFC 会長はカタール主催の Asian Cup を賞賛しこの経験は2022年に当地で開催されるワールドカップへの良い予兆をなると語った。

“大会運営は非常によく準備されている。2022年まで12年(実際は11年半?)あるが今大会は大変良いリハーサルとなっている。” “今大会には非常に優れたチームが参加している。少なくとも10チームは大変レベルが高い。 ウズベキスタンは高い前評価は無かったが今や素晴らしいチームだ。それに日本、韓国、オーストラリアと云ったアジアでもトップクラスのワールドカップ出場国が残っている。
しかしカタールもよくやった。それにイラン、イラク、 ヨルダン、シリア。多くの国が良いプレーを見せた。” とこの様に語り、 Al Jazeera 紙はこのアジア大会と 2022 年ワールドカップの違いは華氏 122度 ( 摂氏50度 ) にも上るコンディションで試合を行わないと言う事でこの事に就いては今後も協議され続けるだろう。 と述べている。また今年5月に開催される今は Sepp Blatter 氏が就いているFIFA 会長選挙に就いては出馬を諦めないとも語っているらしい。アジアのレベルが上がり Asian Cup が世界でも認められる大会になる事が彼の会長になる手助けとの事だった…

この声明が地元紙に掲載されるなど発信されたのは準決勝戦が始まる前、まだ大会の全日程が終了していなかった。




決勝戦 入場出来なかった多くの人が… 

日豪対決の決勝戦が行われた裏では… 日本対オーストラリア戦の1時間前に多くの人達が競技場に入れずに騒ぎになったらしい。(日本のマスコミはあんまり伝えていないらしいけど。)
決勝戦翌日 Jassim Al Romaihi 大会運営委員長は “前日 ( 決勝戦当日 ) 競技場敷地内に入ろうとした数千人の殆どがチケットを持っていなかったと発表したが約700人はチケットを持っていたのに警備上の都合からキックオフの1時間前に入場門を閉められ競技場への入場を拒まれたらしく、大事な事はこういった事が2022年ワールドカップで再び起きない様にすることだ。我々は試合前に“早く来るように”促した。前日は警備上の都合から約3,000人の観衆が中に入れなかった。多くの人達がチケットを持っていたので問題が大きくなってしまった。チケットを持っていた人には申し訳ないと思う。この事が大会に悪印象を与えない事を願っている。 と語ったらしい。

しながら事実は異なる様でこの件に就き地元放送局 Al Jazeera には数え切れないくらいの抗議文が寄せられ Facebook, Flicker にも実情が寄せられていた。

決勝戦当日 Khalifa 競技場にいたあるボランティアによると“午後3時15分にゲートの1つが空きインド、フィリピン、パキスタンからの労働者達が競技場内に入って来て午後4時までには両方のゴール裏が満席となった。そしてまだ他のバスが待機していて午後4時半から5時の間にバスから降りて来た人達がスタンドの真ん中あたりに着席し始めた。”と語っていたらしい。
大会の観客の入りは比較的乏しく、世界に中継される決勝戦を満席にするだけでなく当日観戦に来た Sepp Blatter FIFA 会長への“デモンストレーション目的”も考えられ、空席を避ける為に海外労働者を動員したのだがそれが裏目に出た様だ。

Jassim Al Romaihi 運営委員長はチケットを持っていない人達がグランドに入ろうとした、とこの事実を認めていないが、前出のボランティアは

“外にいて入れなかった人達はみなチケットを持っていた。彼らはそのチケットを手に持って訴えていた。 競技場内に入れられた人達はみな風船や旗を持って本当のファンの様に自らを装っていた。”

と語ったチケットを持っていながらん入場を拒絶された人達の中にはこの試合を見ようと地球を半周してやってきた人もいたらしい。 チケット代金は払い戻されるそうだが Al Jazeera 紙に寄せられたコメントはそんなことで済まされないと言うコメントばかり。
“払い戻し? そんなのは忘れるべきだ。 大変な目にあった人達はどうするんだ。”  “失望感まで払い戻しできない。 無作法で冷淡な警備員が肩をすくめたり、せせら笑っていた事をどうやって払い戻せるのだ?” 
“私は100人くらいの人達と共に次々に別のゲートに案内された。グループの中には女性も子供もいた。” “警官達は普通の人達をフーリガンに見立てた。かれらこそ危険で無責任だ。”

日本が優勝を飾った決勝戦の裏側ではこんな悲劇が起こっていた。
100% 大会当局の責任者達は罪の意識を感じていないだろう。それに被害者達の為に再試合等出来ないので救済処置は事実上ないわけだ。

チケットがあって入れない…

思い出すのは1993年10月私がルーマニアに行った時だ。ワールドカップ予選のルーマニア対ベルギーの試合があるので現地事務所の人がチケットを手配してくれた。 試合開始30分ほど前に競技場に着いたのだけど多くの人達が中に入れない。そしてみんなチケットを振りかかざしている。最後は遂に警官隊が物を投げた群衆に突進した。幸運にも?私は警官隊との衝突には巻き込まれなしなかったが結局あきらめてホテルで数人に現地スタッフ達とピザとビールを飲みながらテレビ中継を見ていた。
試合はルーマニアが 2-1 で勝った。 ハジ、ポペスク、ラドチョイ、ペトレスク…ルーマニア歴代最強のチームだった。ベルギーもシーフォがいて結構なゴールデンカードだった。 そしてテレビに映し出された観客席は超満員だった… ドーハの悲劇の2週間程度前だったなぁ……

もし自分が Asian Cup でこういうトラブルに巻き込まれていたら…悔しくて何をしでかすかわからない…カタールだったら牢屋にぶち込まれる様な事をしたかもなぁ…

でもこれで1つの教訓。やっぱりキックオフ前に競技場に入らないとなぁ….ここ最近キックオフの笛を競技場で聞いた事が無い、要するに遅刻を繰り返しているのだ….. でも4時間前には行けないなぁ…
2022 年のワールドカップと云わずに次の Asian Cup オーストラリア大会ではこういう事が無い様に祈る。 何しろ現場観戦を考えているのだから……




Egyptian Premier League 延期
1月27日エジプトサッカー協会は反政府デモが三日目に突入した事を鑑み Premier League の延期を決めた。
今シーズンの Egyptian Premier League は15節まで終了しており1月28日から後半戦となる第16節の試合が始まる予定であったが以降まだ再開されていない。  Ismailia と云う Premier League の試合が行われる街では数百人の一般市民と警官隊が衝突し催涙ガスが使用された他との事だった。ここを本拠地とする Ismaily は目下首位を行く Zamalek とは勝点3差の2位につけている。 2月18日にはこの両チームが直接対決の予定であったがそれまでにリーグ戦は再開できるのだろうか…




今のエジプト情勢を見て思い出すのは自分の大学時代。
当時のサダト大統領こと Muhammad Anwar al-Sādāt 氏が暗殺された事。
大学の図書館にあった英字新聞でその記事を見つけたのだけど、夥しい流血がショッキングだった。その3年前にノーベル平和賞を受賞して名前だけは知っていた。

当時はイランがアジア代表で出場した1978年ワールドカップアルゼンチン大会後にイランでイスラム革命がおこったり、1980年8月にイランイラク戦争が勃発したり、中東事情と云うよりもイスラム教を背景にした紛争が絶えまなく起こっている気がした。 大学の教授からは“こう言った事をしっかりと掌握しないと世界に出て行って仕事なんて出来ないぞ….” と言われた。
そして自分なりに勉強した。イランイラク戦争の時には米ソを初め後に侵攻を受けたクウェートまでイラクを支援していた。そしてイスラエルがイランを支援する様になり形勢が逆転して行った。 イスラエルがまだAFCに加盟してた時からワールドカップ出場権を争って両国は対戦していたからなぁ….とその当時思った…
まさか自分がその後イスラエルに行くなんて思わなかったし、ワールドカップがアジアで開催されるとも思わなかった。 




この Asian Cup を気にまた中東、イスラム事情を勉強しなおそうかなぁ….もちろんサッカーがらみで。


日本戴冠 !! これからの日豪対決は... Japan 1-0 Australia 後半

2011-02-04 | Football Asia

両チーム選手交代のないまま始まった後半もオーストラリアの攻勢で始まる。
48分、右サイドを上がった Wilkshire に Holman からボールが渡りファーサイドに上げられたクロス、それとも直接狙ったか、Cahill が飛び込むがクロスバーに当たりそのまま真下にこぼれたところを更に Kewell が詰める、吉田と長谷部が必死に掻き出し Kewell がゴールインをアピールするがウズベキスタン人のイルマトフ主審はノーゴールの判定。

   

   

Soceroos, Aussie サポーター達にとっては先制ゴールと思った瞬間だっただろうがリプレーが映し出されたがゴールラインは完全に越えていなかった様だった。 ピッチサイドの Osiek 監督はしきりにロングボールをもっと入れろと指示を出している様だった。
53分に Zaccheroni 監督はピッチサイドに岩政を送り出すが、今野がバツ印を出している。この時点では今野が怪我をして交替を欲しているのかと思ったけど試合後、チームはまだアンカーに人を入れなくて良い…という意味だったらしい… こういうやり取りが出来ること自体代表はずっと進化しているんだなぁ…と思った。
そして56分に岩政が投入された時にピッチを後にしたのは HF の藤本だった。
香川離脱後大舞台にスタメン抜擢された藤本だったが向こう側のサイドから手を叩きながら退場して行ったが攻め込まれる時間が長く、ボールを受ける回数は限られただろうなぁ…
だがこの交代から日本は劇的に試合内容が好転する。岩政がCBに入り今野が左SBに移り長友が中盤の左サイドに上がった。それにより長友のサイド攻撃が更にオーストラリアに脅威を与えオーストラリアの右サイドからの攻撃が全くと言っていいほど見られなくなった。
62分には長友からパスを受けた岡崎が前田に送りシュートに持ち込むがここは Ognenovski がカット。65分36秒には長友がサイドを上がり送ったセンタリングを岡崎が走り込んでダイレクトでシュートを放つが惜しくもポストの右に外れて行った。
もう少し左に転がってくれたら名手 Schwarzer は完全に反応出来ていなかったので先制点だったんだけどなぁ…
しかし約5分後の71分13秒今度はまたもこちらがヒヤリとさせられるシーンが、真中で Cahill がボールを受けそこに吉田がマークに入るが Cahill は上手く左前方の Kewell に浮球を送る。 Kewell には岩政がマークに付いたがバウンドを利用して身体を入れ替えたKewell がフリーで抜け出し GK 川島と 1対1になる。そして川島の出鼻を左下を狙ってシュートを放つが川島が右足でストップ。Aussie サポーターはこの日2回目に大きく天を仰いだ瞬間だっただろう。

オーストラリアベンチは65分に Holma を下げてEmerton を投入。スタメン落ちした 185cm のEmertonは意地を見せたいのか前線でくさび役になったり自らドリブルで持ち込むなど積極的に攻撃に絡む。 78分には Luca Neil から Jedinak を通じてボールを受け右サイドを突破しゴールラインぎりぎりのところで折り返すとそこにKewell が走り込むがここは吉田と岩政が Cahill を挟み込むようにマークしシュートを許さない。

  

86分 にはまたも Kewell が今度は右サイドで抜け出してフリーで日本ゴールに迫るが最後のドリブルが少し大きくて身を呈して止めに言った川島がしっかりと掴んだ。  Kewell この日2回目の1対1だったけど共に川島に止められた。
オーストラリアは80分頃からサイドからのクロスが上がらなくなりそして後方からのロビングも正確さが落ちていた。前線の2人特に Cahill の動きに膝の調子が悪いのか切れが無くなっていた。頼みは途中出場の Emerton からの起点そしてドリブル突破となっていた。
2分あったロスタイムを過ぎても両チーム得点は上げられず延長戦に入った。 Asian Cup の延長戦は 1988年、同じカタール大会のサウジアラビア vs 韓国戦以来でこの時はPK戦までもつれこみサウジアラビアが大会2連覇を飾った…

オーストラリアのキックオフで始まった日本は準決勝戦に続いての延長戦。 Socceroos は主力選手が30歳前後になっており共に体力勝負そして交代選手を含めたベンチワークの戦いになると思った。そして試合時間が無くなって来ると文字通りパワープレーを掛けて来られフィジカルの差が出て来るか…と少し心配になった。 98分日本ベンチは2人目の交代選手李忠成を準備する。だれと交代かと思うとワントップの前田との交代だった。韓国との準決勝戦でも延長後半にピッチサイドに立ったけどその直後に長谷部が故障して交替出場はならなかった。韓国戦という事で忠成は出たかっただろうに…

100分49秒、内田が倒されボールがこぼれたがホイッスルが鳴らず Cahill が拾って Emerton に繋ぎ左サイドを上がった McKay に送ると McKay がゴール前に上げたボールを川島がキャッチしようとしたところを Cahill が身体をぶつけて来る。
ホイッスルが鳴ったけど当然出るものと思われたイエローカードは出なかった。
101分50秒には中盤でボールを受けた McKay が岩政がマークに来る前にワンタッチで前方の Kewell に送るとマークに入った内田をハンドオフで倒して右から切れ込んだ Emerton に送ると今野がマークに入る前に Emerton はシュートを放つ。
この直後オーストラリアベンチは動きの落ちた Kewell をついにベンチに下げて若い Kruse を投入する。 自身3度目の日本戦で恐らく対日本戦最高のパフォーマンスを見せただろうがゴールを上げる事は出来なかった。

   

103分17秒、入ったばかりの Kruse が左サイドでEmerton が右から上げたクロスをヘッドで狙うが、ゆっくりと日本ゴールに向かった弾道は最後は川島が一杯に伸ばした右手で掻きだす。 これが入っていれば翌日のオーストラリア紙は“世代交代”の見出しが躍っていただろう…
104分45秒にもCKからのこぼれ球を拾って McKay が強烈なミドルを放つがクロスバーを越えてくれた。延長前半終了間際に長友のドリブル突破から最後は本田がほぼ正面から狙いすましたミドルを放ったがポストの左に外れて行く。韓国戦でもそうだったが長友の無尽蔵のスタミナは陸上の中長距離でも通用するだろう…とこの時思った。だけど延長前半もオーストラリアが日本ゴール前に迫るシーンが多かった。

 

延長後半が始まる前に両チームの選手達が示し合せた様に水分補給をして休息をとる。本当はインターバルはないのだけどイルマトフ主審も特別試合再開を促す様子も無かった…

そして試合再開5分後の120分、ついに決勝点が決まる。左サイド長友からの素晴らしいクロスをフリーで待ち受けた李忠成が完璧なボレーを Schwarzer が守るオーストラリアの右側に豪快に叩き込んだ。こればかりは Schwarzer も弾道を見送るしか出来なかった。

  

    

忠成のボレーも素晴らしかったが長友のクロスそしてクロスを上げる動きが素晴らしかった。最初に本田からボールを受けてサイドを上がった時は CB の Lucas Neil がマークに付いた、長友は一旦は後ろの遠藤に下げ、今野にまでボールが戻されたが、再び遠藤から戻ってきたボールを受けると左サイドをドリブルで上がり次にマークに着いたサイドバックの Wilkshire を振り切り矢の様なクロスを待ち構える忠成に送った。最初に長友を Neil が対応している時から忠成は中央やや右に上がってクロスを待っていたがオーストラリアDFは彼を全くケアーしていなかった。本来は David Carney がマークをせねばならなかったのだか疲労と元来が攻撃的な選手だった事が忠成をフリーにしてしまったのだろう…
李忠成も2007年五輪予選のドーハでのカタール戦に先発出場して67分で退いている。あの時決められなかったゴールをこの試合で決めてくれた。
狂喜乱舞する Samurai Blue イレブン、対照的に座り込んでしまう選手もいた Socceroos …

しかし時間はまだ10分残っていた。5年前はラスト8分で3失点を喫した。オーストラリアが同点に追い付けば Socceroos 達はまた生き返る…そして韓国戦の悪夢も思い出す。 だが試合再開直後に今度は Cahill が下がって MF Kilkeny が入り中盤に入り Emerton がワントップに入る。 オーストラリアはこれで2トップが退いた事に。
最後の交替の1枚を DF 選手だけど 193cm 長身のSpiranovich または FW McDonald を入れられるのが怖かったのでこの人選には少し胸をなでおろした。

111分25秒 岡崎がオーストラリアゴールに迫ったところをMckay がバックチャージで倒してイエローが出される。絶好の位置のFK,時間を懸けて遠藤と本田がボールをセットする。デンマーク戦の様に遠藤が….と思うが右上隅を狙った遠藤の直接FKを何と Schwarzer は大きな掌でキャッチ.。彼の凄さを見せつけられた。
115分Wilkshire のCKから Ognenovski が長谷部と吉田と縺れながら放ったヘッドはGK川島の正面だったがそこに Jedinak が肩からぶつかって来る。だがイエローは出ない。 117分オーストラリアは WIlkshire のCKに数人の選手がなだれ込み川島がぶつかられて倒れるがノーホイッスル。この日のイルマノフ主審はPA内でのハンドやこう言ったプレーにはかなり寛容だった。

119分内田を下げて伊野波を入れる。韓国戦の様に5バックになるなよ…と思うがここはDF同士の交代。そしてロスタイムに入り119分45秒最後の力を振り絞って日本ゴールに迫るオーストラリアは Kilkeny が日本ゴール前にボールを放り込むが McKay の前に入ってクリアーに入った岡崎の手に当たりハンドを取られる。ゴール正面、絶好の位置でのFKだったが幸運にも Kewell も Cahill もベンチに下がっていた。 誰が蹴るのだろと思うと Carney が直接狙ったFKは壁にそのまま当たり、こぼれ球を拾って何とかクリアーをすると 122分ついに試合終了のホイッスルが鳴り、8年振りのアジア王者のタイトルを奪還した。

試合に勝って嬉しかったが内容は2006年ワールドカップの時の様に押されていた。

敗れたオーストラリアは若い選手が出て来た反面肝心なところで頼れるのは前のワールドカップメンバー…結果と今後の課題残した。 ( だけどこの課題は今に始まった事ではないけど )

    

日本は大会への準備が全くと言っていいほど出来ない中での優勝だった。7月の南米選手権が楽しみになって来た。
楽しみと言えば4年後の Asian Cup はオーストラリア開催だ。オーストラリア大陸は私の庭だ。その時まで身体がしっかりと動く事を祈るよ。

そして大会が終わって約一週間が経ち、長友のインテルへの移籍やポスト Asian Cup の話題も尽きないようだけど、私の睡眠不足はまだまだ解消されないままだ……

だけど次の豪州出張が楽しみでもある…


日本戴冠 !! 日豪新時代になればいいなぁ… Japan 1-0 Australia 前半

2011-02-04 | Football Asia

日本列島は Asian Cup の快挙がまだ冷めない。
決勝ゴールを決めた李忠成は今や時の人だ。
ワールドカップで好成績を残し、学生、若手主体のメンバーで臨んだアジア大会で優勝。(なでしこも優勝して男女アベック優勝。)そして Asian Cup タイトル奪還。
政治、経済で出口の見えない閉塞感漂う日本列島でサッカー界が次々に国民の前に見せてくれる快挙の連続こそ抜本的な解決にはからないが人々の顔を上向きにしてくれる明るい話題である事は間違いない。全てのスポーツに於いてこの様に発展してくれることを願う…
Asian Cup のタイトルを欲していたのは当然日本だけでは無い。決勝戦の対戦相手オーストラリアもそうだった。エース Harry Kewell はLiverpool 時代に FA Cup, UEFA Champions League のタイトルを勝ち取ったけど Green and Gold のユニフォームを着た時の最高のタイトルは…2004年の Oceania Nations Cup らしい…
昨年 AFC Women’s Asian Cup ではオーストラリア女子代表こと Matildas が見事に優勝。今大会は Socceroos もアジアのタイトルを勝ち取り男女そろってアジアの頂点が大きなモチベーションだったとの事。 この6年間で激増した地元サポーター達は我らが Socceroos がワールドカップに次ぐ大会で優勝する事を望んでいたのだ。それは“サッカーファン”が日増しに強くなる“市民権の獲得”を誇示出来る機会であったからだ…

注目の決勝戦。オーストラリアはOsiek 監督口約通り左HF に McKay を、そして香川の離脱した日本は藤本をそれぞれスタメン起用した。 

 



                 GK 1 Schwarzer 194 / 85
                     ( Fulham )

3 Carney 180/70   6 Ognenovski 195/95   2 Neil 185/80  8 Wilkshire 178/71
   ( AZ )         ( 城南一和 )      ( Galatasaray )   ( Dynamo Moscow )

      16 Vareli 175/70               15Jedinak 189/88
        ( Sassuolo )                 ( Genclerbirligi )

   17 McKay 171/69                      14 Holman 177/72
      (Brisbane )                            ( AZ )

       4 Cahill 178/65                10 Kewell 180/77
        ( Everton )                   ( Galatasaray )

                  11 前田 183/80
                     ( 磐田 )

  14 藤本 173/69       18 本田 182/75         9 岡崎 174/76
     ( 清水 )         ( CSKA Moscow )           ( 清水 )

        7遠藤 177/70 17               17長谷部 177/65
          ( G 大阪 )                   ( Wolfsburg )

     5長友 170/68      4 今野 178/73        22 吉田 187/81    6内田 176/62
      ( Cesena )           ( FC 東京 )            ( VVV Venlo )      ( Schalke 04 )

                                       GK 1 川島 185/80
                                               ( Lierse )

 


              
前の Asian Cup の日豪戦出場経験者は日本では遠藤1人に対してオーストラリアは GK Schwarzer, CB Neil, DF Davis Carney それに Cahill, Kewell。他にベンチスタートの Emerton, 4年前出番は無かったが今回スタメンなのが Holman だ。そしてCahill, Valerri, Holman Neil , Schwarzer らが2009年2月に横浜で行われたワールドカップ予選でのスタメンだった。
それにしても欧州のクラブチームがよく選手を離してくれたものだ....

日本のキックオフで始まった決勝戦。開始51秒で Kewell がミドルシュートを放った。このシュートはおそらく本人も決まるとは思わなかっただろう距離からのゴロのシュートだったがイラク戦で見事に決勝ゴールを決めたエースの“この試合も決めてやる。”と云う強い気持ちの表れだっただろう。そのシュートに象徴される様に前半はSocceroos が攻勢をかける時間が長かった。1分20秒には左の Vareli から中に切れ込んだ McKay に渡りそのままシュートを撃たれるがポストの左に外れて行く。7分にはカウンターから Kewell がドリブルで日本ゴールに迫るがここは今野がマーク。  15分22秒には 攻撃参加した Ognenovski のヒールパスを受けた Wilkshire がマークに入った長友の股間を抜くセンタリングをゴール前に送るとそこに Cahill と Kewell が走り込むが何とかコーナーに逃れ、 McKay が入れたCKを今野に競り勝った Cahill がヘッドで前に送り今度は Kewell が頭で合わせるが何とかGK 川島がクリアー。 
 
27分 McKay からボールを受けた Kewell が Cahill にスルーパスを送るが吉田がマークに入りシュートは撃たせなかった。
オーストラリアの攻撃は至ってシンプル。ボールを拾うとすぐに前線の Cahill か Kewell を狙って直接ボールを放り込む。受ける方は 178cm の今野の方に寄って受けようとする。対日本戦通算4ゴールの Cahill は滞空時間の長いジャンプ力で日本DF陣を圧倒する。 そのロングボール攻撃が効果的なので日本のMFそして遠藤、長谷部がなかなか押し上げられず攻撃陣をサポートできない。Socceroos 達のロングボールがこれだけ正確とは思わなかった。かつて正確なクロスやロングボールを上げられるのは Bresciano だけだと思っていたが両サイドハーフの Holman と McKay のみならず 右SB の Wilkshire ボランチの Valeri もどんどんクロス、ロングボールを入れて来る。…オーストラリアが対日本戦を2トップで臨んでくるのは 2007年の Asian Cup の時くらいだった。あの時は Viduka と Aloisi の2トップだったけど今回の Kewell と Cahill の2トップは、より得点力が高そうな気がした。
また日本が攻撃に転じても DF と MF の2ラインがブロックを形成してシュートに持ち込ませない。それは一昨年のワールドカップ予選でも同様で今回も予想できたが、今はボールキープ力のある本田がいるからチャンスは多いと思ったが本田がボールを持つと Jedinek を初め、2人、3人と寄って来て周りを囲む。 ただ本田がボールを持つとスタジアムから歓声が沸き上がり、例えマークが着いても振り切ってドリブルで上がると更に大きな歓声が上がった。それだけ彼は大会を通じて注目をされていたと言う事か…それだけに香川の離脱が痛かったなぁ…と思った。

 

そしてオーストラリアの攻守の切り替えの速さも意外だった。前半日本のもう一つの攻撃の起点は長友だった7分59秒には Wilkshire を振り切りクロスを上げるなど韓国戦に続いて左サイドを駆け上がり大奮闘だった。サイド攻撃と言えば右サイドの内田にも期待が掛かっていた。相対する Carney は守備にはやや難のある選手。むしろこちらのサイドから攻撃の起点が多く作られるかと思ったが左HFの McKay そして押し寄せる2トップのケアーに腐心させられたのか相手左サイドを崩しての攻撃はあまり見られなかった。今大会の McKay は大いに A-League の存在をアピールしたに違いない。
守勢に回る時間の長かった日本は36分、岡崎からボールを受けた本田からPA内に走り込んだ遠藤にスルーパスが出てワンタッチで戻したところを前田がシュートに持ち込むと言う見事な連続攻撃を見せたが、前半に Socceroos サポーターを震撼させたのはこのシーンだけだった。あとは8分30秒に前にボールを蹴りだそうとした Schwarzer が芝生に足を取られ転倒し蹴り損なったボールが長友に渡り転倒時に膝を痛めて Schwarzer が戻れない無人のゴールに長友はそのまま蹴り込んだが弾道はゴールを外れフォローに戻った Carney がゴールインした場面….くらいだった。 前半は両者無得点で終わったがその差は平均身長差 ( オーストラリア 182.9cm 日本 178.6cm ) 以上に感じさせられた前半だった。それにしても Socceroos はこんなに強かったのか…

        

後半に続く....


キックオフ 2時間前 Socceroos スタメンはこれだ!!….と思う

2011-01-29 | Football Asia
いよいよ…と云う感じがする…
日豪でアジアの覇権を争う舞台が来るなんてあのMCGの悲劇の時は考えられなかった。著名なオーストラリアのサッカージャーナリストがこう言っていた。
“オセアニアで優勝したってちっとも嬉しくない。ワールドカップは南米の強豪が立ちはだかり本当に遠かった….”

商用で頻繁に訪れるオーストラリア大陸ではサッカーの話をする顧客は皆無に等しい時期が長かった。欧州系の移民とは昔のサッカー談話が楽しめたけど…
わずか10年前,今のオーストラリアでのサッカー人気なんて誰も想像できなかった。 2005年 A-League の発足、そしてウルグアイとのプレーオフで勝利を収め、決定的な転機になったのはあのカイザースラウテルンでの日本戦だった。ラスト8分のあの夢の様な、日本にとっては悪夢の、逆転勝が無ければその後の興隆は絶対に起こらなかった。云ってみれば日本はサッカー人気そして Socceroos 人気の育ての親ともいえるだろう… 

 

地元サポーター達は代表チーム Socceroos が Oceania Nations Cup の様なレベルでは無く AFC に加盟した事から Asian Cup に出場し、ワールドカップ予選でアジアの列強と対戦する等ハイレベルな国際試合の激増に熱狂し、それにつれてSocceroos ファンも激増。 Qantas 航空がスポンサーになる等オーストラリア大陸でのサッカーを取り巻く環境は大いに改善されている。

しかし“育ての親”の役目はそれだけでは無い事を知る人は少ないか? 
オーストラリア、ニュージーランドのサッカーと言えば“サッカー識者”達は判で押したように“フィジカルの強さと高さ。”ばかり強調するが現実は異なる。 A-League を見ても上位常連のチームはきちんと中盤でボールを繋ぎ、ボールを直接やり取りしない選手はスペースを作る動きを怠らない。そしてバックアップも忘れない。まだ雑なプレーや試合展開に応じてフォーメーションを細かく替える様な戦術は頻繁に見られないがそこに高さと強さが交わり J-League とは異なった特徴がみられる。
その変化の表れは現地のサッカーフリークに云わせれば “ジャパンスタイルを取り入れたんだ。”との事らしい。
2006年のワールドカップ、翌年 Sydney FC と戦った浦和REDS そしてAsian Cup , ワールドカップ予選と日本サッカーとの関わりが急速に多くなり日本サッカーの長所を取り入れる傾向が有る様だ。
それは2008年ACL準々決勝で 試合終了時に地元テレビアナウンサーが “Historical !! “ と叫んだAdelaide United が鹿島アントラーズを破った試合が良い事例だった。
代表監督も前任の Pim Verbeek はかつて愛する京都サンガの指揮を執り(短期間だけど)そして今は浦和レッズで ACL タイトルを勝ち取った Holger Osiek が監督に就任してる…

スタメンはこれで決まり…?
ワールドカップ予選と異なり集中開催で約3週間で、6試合目となる Asian Cup の決勝戦ともなればスタメンは予想し易い。
唯一問題になるのは左サイドハーフであるが、これは準々決勝を累積警告で出場停止だった Brett Emerton の代役で出場した Matt McKay を使うと Osiek 監督は明言している。 だからスタメンは下記で決まりだろう…と思う。           

           4 Cahill 178/65    10 Kewell 180/77      


      17 McKay 171/69             14 Holman 177/72


          16 Vareli 175/70    15Jedinak 189/88   


3 Carney 180/70  6 Ognenovski 195/95  2 Neil 185/80  8 Wilkshire 178/71


             GK 1 Schwarzer 194 / 85

ただ日本攻撃を警戒し右サイドバックに Brett Emerton を使うかもしれない。
左SB の Carney は本来は攻撃的な選手。Wilkshire はMFの選手で日本のSB長友、内田の攻撃力を考えれば Emerton の守備能力を置いておきたくなるかもしれない。 
GK Schwarzer はまさに鉄壁。
今大会のオーストラリアの決勝進出は Schwarzer のファインセーブ連発を無しに考えられない。それは今大会だけでなく前回、前々回のワールドカップ予選、多くの対戦相手がSchwarzer の軍門に下っている。アジアのレベルをはるかに超えているがもうアジアと云うよりも長年プレーする Premiership でも高い評価を受けている欧州でも屈指のGKからゴールを奪うのは容易ではない。
日本が勝つためには絶対に先制点を与えてはいけない。リードしたオーストラリアは逃げ切り方をしっている…



DFラインは両サイドバックの裏が狙い目か…

今大会オーストラリアが失点を許したのは1次リーグの韓国戦の1点のみ。
前回のワールドカップ最終予選でも失点は8試合でわずかに闘莉王のヘッド1発しかも予選通過を決めた後のメルボルンでの最終戦のみだった。
ワールドカップ終了後 Craig Moore が代表から引退し Lucas Neil とコンビを組むCB探しが急務だったが、大会直前のエジプト戦で召集された Sasa Ognenovski が今大会は定着している。
これまでのDFラインは高さというよりも Neil – Moore の絶妙のラインコントロールが特徴だった。( 確かに Moore も185cmあったけど ) 城南一和所属の Ognenovski は高さはあるが左右の動きに何があると韓国のマスコミに韓国戦の前に指摘されていた。両サイドバックの Carney , Wilkshire は元々中盤、攻撃的選手。 Wilkshire は2006年大会の日本戦ではMF ( ただあの試合は3バック ) 2010年大会では3試合ともスタメンで右SB だった。
Carney はもっと攻撃的な選手。 2007年ACL では Sydney FC の一員として浦和 REDSと戦ったがMFで起用されており攻撃に絡んでいた。特に左サイドの Carney と McKay は守備の面ではまだまだ難があるので対峙する岡崎、内田が積極的にがんがんついてくれば良いと思う。

      

2006年ワールドカップでの得点は中村俊輔の得点は本来はSchwarzer にぶつかった高原がキーパーチャージを取られてもおかしくなかった幸運な得点。
2009年ワールドカップ最終予選の最終戦での得点は CK からの闘莉王のヘッド。2007年 Asian Cup で高原が決めた様な流れの中でのゴールが観たいものだ…
出来れば2回以上..でもゴールならどんな形でもいいか

新ボランチは…
これまでは Jason Culina , Vincze Grella がボランチを組み、攻撃的なのが Culina , 1対1に強い Grella が守備的 MF と役割が決まっていた。
Carl Vareli はワールドカップで3試合ともスタメン出場。 劣勢の中攻撃にはよく絡んでいた。 しかし一緒に組んだのがドイツ戦こそ Grella だったが以降ガーナ戦、セルビア戦は Culina だったので役割が中途半端だった。ドイツ戦は Culina が左SHFで起用されると言うサプライズがあったのだけど…. Jedinak の特徴は 189cm の上背だ。 セットプレー、パワープレー時には前線に上がるだろうがその分守備を埋めるのは誰だろう? 

  


攻撃時にはこの2人が上がって来てこぼれ球を拾ったり、数的優位を作ったりするだろう。 しかし守勢に回った時には上手く対応出来るだろうか? 格が落ちる相手では攻め続けられるが今回の対戦相手でアジアトップクラスの韓国戦では韓国MF陣にボールを回されるシーンも少なくなかった。 ウズベキスタン、イラク戦でも押し込まれるシーンも。
ワールドカップ予選そして今大会のオーストラリアの特徴は守備ブロックを構成し、バイタルエリアを狭める守備戦術だ。日本はこのブロックの外でばかりボールを回し決定機をなかなか造らせて貰えなかった。
前のワールドカップ予選のMF,FW陣はスピード系の選手ばかりで強引に中に割って入れる選手がいなかった。しかし今大会は当たり負けしない本田がいる。彼が中に割って入りボールキープをし次への起点になる事が出来るのではないか?そして空いているスペースにどんどん入りドリブルで切れ込む事だ。 
ワールドカップでドイツがオーストラリを切り刻んだ様に…

サイドハーフは好クロスを配球する…
イラク戦では Kewell の決勝点を演出した素晴らしいクロスを上げ、ウズベキスタン戦では何度もスルーパスを通しチャンスを作り、得点を導いた。決勝トーナメントに入り Matt McKay 無しに決勝進出は語れない。しかし対戦相手は彼へのマークはやや甘かった。( ウズベキスタン戦は相手がリードされリスクを追ってでも前線に人を送る必要があったけど。) だけどウズベキスタン戦でのスルーパスを通すそのセンスはこれまでの Socceroos にはあまりいないタイプだ。
Holman はワールドカップで2得点を上げ今や Cahill に続く Socceroos の得点源と言われている。ロングレンジからのシュートが得意だが最近はクロスも上げる。
そして2トップの動きばかり気に取られていると Kewell , Cahill が2列目に下がって来た時にはよく前に飛び出してくる。前線の2トップを生かす動き、配球をサイドハーフ2人はこなしている。反対に日本のMF陣がこの2人を抑えれば前線の攻撃力が低下すると思われる。 香川が出られない分細貝を入れてサイドハーフ2人をケアーさせると言う手もあるか….

好調の2トップ
こんなに生き生きとした Harry Kewell を見るのはいつ以来だろう…
2006年ワールドカップではクロアチア戦で起死回生の同点ゴールを決めて以来怪我で泣かされ続け、 Socceroos のユニフォームを着た Kewell がこれだけ縦横無尽に走り回るのは….昨年のワールドカップでは不運なレッドカードを突きつけられ…もしワールドカップで納得のいくプレーが出来ていたらきっと Asian Cup には参加しなかったのではないかな…
ワールドカップ南アフリカ大会でのオーストラリアは前線は1トップだった。その為に Scott McDonald まで最後はメンバーから外された. Kennedy が1トップに使われる事もあったがワールドカップでは初戦が Cahill のワントップ。Cahill を出場停止を失ったガーナ戦は Kewell 。その Kewell を失った最後のセルビア戦では遂に Kennedy の1トップに Cahill のシャドー。この戦術に Verbeek 監督は地元マスコミに“消極的な守備的。”と言われた。しかしオーストラリアとは言えワールドカップでは格上との対戦になる。前線を減らして守備を強化すると言う戦術が最優先で取り上げることは不思議ではないと思っていた。
だが Osiek 体制になり2トップを採用する事をいち早く“公言”。これはRugby Union, Rugby League , Aussie Football が盛んなオーストラリア大陸で歓迎された。彼らは 1-0 で逃げ切る事は誰も期待していない。何点取られても相手よりも多く点数を取ってくれる攻撃的な試合を期待しているのだ…
しかしおそらくOsiek 監督の描いていた2トップは Josh Kennedy と Kewell または Cahill の2トップでそのどちらかは中盤から…であったと思うが Kennedy の負傷で思惑は崩れたと思う。
それでも今大会はこの2人がポジションチェンジを繰り返しながら素晴らしい動きを見せている。対日本戦4試合4得点の Cahill は最も警戒すべき選手だけど、足首の調子が懸念されるらしいが、ウズベキスタン戦の試合内容がこの2トップを途中でベンチに下げて休ませる事が出来た。これも大きいと思う。
日本がリード、あるいは同点の場合、投入される前線は McDonald かそれとも193cm 長身DF浦和レッズ所属の Spiranovich が入れられて前線に高層建築を施すか….

  


何度も云うが勝つためには先制ゴール. これさえ決まれば今回はかなり主導権を握れると思う。
前の試合で日本は120分+PK戦、オーストラリアは最後は余裕のあった90分。 共にインターバルは中三日だけど、3日あればかなり回復しているのではないかな…

キックオフまであと2時間。 明日はすがすがしい朝を迎えられる事を祈るよ。

決勝戦は日豪対決

2011-01-29 | Football Asia
Asian Cup もいよいよ大詰め。最後まで日本が残っていると言う非常に喜ばしい大会経過だ。そして迎える日豪対決の決勝戦は1次リーグを終えた時点で最も望んでいた決勝戦のカードとなった。こういう日が来るなんて Socceroos フリークとしてはたまらない、というか信じられないと言うのが正直気持だ。

終了直前エースの一発。Australia 1-0 Iraq 23. Jan.

2大会連続で準々決勝進出を決めた Socceroos の対戦相手は前回1次リーグで 1-3 で完敗した相手で大会覇者のイラク。今大会では初戦のイラン戦では逆転負けを喫したが UAE, 北朝鮮を連破して実力を示し1次リーグを勝ち上がってきた。
オーストラリア戦はメンバーを3人替えて来た。前大会の重鎮 Younus Mahmood Khalaf 得点者の MF Nashat Akram Abid Ali Hawar Taher Zeebari らがスタメンに名を連ねた。

一方のオーストラリアは怪我で離脱していた Wilkshire と Carney が戻って来たが、Jason Culina は怪我の為に戦列を離れ Emerton が累積警告で出場停止だった。
Jedinak と Valeri が前の試合に続いてボランチを組むこととなった。

試合は Socceroosが支配率ではリードしながらも90分を経ても勝敗は決まらず無得点のまま時間は過ぎてもうPK戦突入かと思われた118分、左サイドの Matthew Graham McKay が素晴らしいライナーのクロスを送り Basem Abbas と Ahmed Ibrahim の間に割って入った Harry Kewell がドンピシャのタイミングで頭で合わせて GK Mohammed Kassid の守るゴールを破り劇的な決勝ゴールを決めた。
Kewell は2008年6月に Brisbane で行われたワールドカップ予選のイラク戦でもヘッドで決勝ゴールを決めている。

上半身裸でユニフォームを振り回す Kewell を見ていると25分の出場で終わった不本意なワールドカップの無念さを少しばかり晴らす事が出来たのではないだろうか…と思わずにいられなかった。
オーストラリアの立ち上がりは素晴らしく開始から4分間イラクはハーフウェィラインを越える事が出来なかった。
それは地元紙の表現を借りれば  “あたかもイラクに試合開始から前回バンコックでの 3-1 の勝利は今は何の役にも立たない、今夜新たな歴史を描くのは前回王者ではなく我々であると言う事を知らしめてやろうと決めた様な” スタートだった。
そして明らかに1次リーグ最終戦のバーレーン戦の時と試合の入り方は違っていた。 
Lucas Neil から Kewellに入れられたロビングは Ali Ethaima が何とかクリアー、Holman はあわやのシーンを引き出した。
しかし対戦相手は前回王者。次第に落ち着きを取り戻し Nashat Akram を中心に中盤でボールを回し始めた。彼がボールに近づく度に Valeri または Jedinak がマークに入る。序盤この二人のマークが無ければオーストラリアはもっと苦戦していただろう。そして McKay が前線に上がって来る回数が増え、放ったボレーシュートを何とか戻った Saeed Mejbel がヘッドでクリアーするシーンも。 
そして CB Sasa Ognenovski が Carney の FK に飛び込むがそのヘッドはサイドに外れて行った。前半終了直前には連続でチャンスを作る。 McKay が Holman のスルーパスに走り込んでフリーでシュートを放つが GK Mohammed Kassid の正面に。 Kewell が Erhaima Al-Kaabi を振り切りGKと1対1になり GK Kassid の頭越えを狙ったループはゴール上に外れた。 そしてSchwarzer のゴールキックを受けた Cahill が Kewellにボールを送り決定機を演出するが Kewell のシュートはまたもポストの右に外れてしまった。

後半に入ると今度はイラクが攻勢に出る。55分にYounis Mahmoud が右サイドを上がった Emad Mohammed に絶妙のスルーパスを送り GK Schwarzer と 1対1になるが逆サイドを狙ったシュートはわずかにポスト左に外れていった。 60分を過ぎて相手へのプレスに拍車をかけたのはオーストラリア。 Jedinak のロングシュートは GK Kassid がナイスセーブでストップ。 Cahill のクロスに Ognenovski がヘッドで狙うがここは GK Kassid の腕に収まる。延長戦に入り両チーム決定機を掴むが オーストラリア Schwarzer, イラク Kassid の両GKがファインセーブを連発し得点を許さないまま試合はPK戦の様相を呈していた…. PK戦になったら面白そうだなぁ….と思っていたら McKay のクロスが上がった………

やはりベテラン頼りか…
Vince Grella, Craig Moore, Mark Bresciano そして Scott Chipperfield 昨年のワールドカップまで10年以上に亘って Socceroos,を支え続けていたベテラン達の名前は今大会のメンバーリストにはなかった。 
ワールドカップでの成績を見てオーストラリアのジャーナリストたちは世代交代を急ぐ論調が強い。ワールドカップ 大会期間中はベテラン選手達は地元紙に“ use-by-date : 賞味期限切れ “ と比喩された。 
だが Neil, Kewell, Schwarzer , Cahill , Holman, Wilkshire怪我で大会途中離脱した Jason Culina …何人かの2006年組はまだ中心選手。今大会の結果次第では平均年齢の高い人選が問題視されただろう。
しかし Kewell の決勝ゴールはベテラン選手の存在感を示した。 “ゴールを決める事が重要だった。何が起こるか分からないPK戦だけは避けたかった。アジアでは楽なゲームが無い事が今日証明された。 ”試合後 Kewell が語った。

”ベテラン選手達は懐疑主義者達の多くが間違っていたと証明できただろう。
私は今日の選手達のパファーマンスには大変満足している試合は延長戦に入ったが90分間でももっとやれたと思う。もし私が間違っていなければイラクの決定機は1度だけだった。他は決定的なチャンスでは無かったと思う。90分間で終えられるべき試合だったと思う。
“ ウズベキスタン戦に就いては“最初に我々はエネルギーをリチャージせねばならない。次の試合までの休息と準備の時間は対戦相手より1日短い。 そして今、選手達は適切な治療を受けてよく睡眠をとり適切な回復を施す事である。” 試合後こう語った。 

 

次のウズベキスタン戦では Emreton が戻って来るがイラク戦では Neil, Kewell そしてCarney が警告を受けてしまった。
代表デビューとなったOgnenovski だけど31歳。2年前はマケドニア代表のオファーもあった選手。 Emerton の累積警告で出番の回って来た Brisbane Roar の Matt McKay は28歳。初代表キャップは2006年8月の Asian Cup 予選のクウェート戦だった。  ( 鍼灸さんの情報では Hiddink 政権前の Frank Farina 政権下で招集歴があるそうです。)

ベテラン頼りは変わらないか?しかしGK Schwarzer を脅かす若手GKがまだ現れてこない現状もある…

 

ウズベク倒して決勝は日豪対決 25. Jan Australia 6-0 Australia

日本が激戦の末に韓国を降して先に決勝進出を決めた次の準決勝戦で Socceroos はウズベキスタンを 6-0 で粉砕し決勝進出を決めた。
オーストラリアはイラク戦と同じスタメン。Osiek 監督は出場停止明けの Emerton は起用せず McKay をこの試合もスタメンで左SHでスタメン起用した。
一方のウズベキスタンは GK を含めて5人も選手を入れ替えて来たけど GK まで替えた Abramov Vadim 監督の意図はなんだったのだろうか…

試合は開始からオーストラリアが攻勢に出てくる。3分 Holman が右サイドでこぼれ球を拾い前の Cahill に預けそのまま逆サイドに走り込むと Cahill がぴたりと Holman にクロスを上げる。フリーの Holman はそのままボレーを放つがGK Juraev が右に倒れ込んでストップ。攻撃シュートも見事だっだけど Juraev もファインセーブだった。その1分後左サイドで Valeri からボールを受けた McKay が上手くターンをしてDFをかわして左から走り込んだ Kewell に絶妙のスルーパスを送ると Kewell は Ismailovがマークに入る前に左足を振り抜き先制ゴールを決めた。
Kewell のドリブルも早かったが Valeri からボールを受けた McKay の相手DFのかわし方 Kewell へのスルーパスを出すタイミング、素晴らしい一連の動きだった。

Osiek 監督の起用に応えたプレーだった。
16分Wilkshire がUlugbek Bakaev をPA付近左サイドで引き倒したプレーにイエローカードが出されてFKを献上する。そのFKを Djeparov が蹴ると見せかけ Shatskikh が直接狙ったがポストの右に外れて行った。, Kewell とCahill は頻繁にポジションチェンジを行い2列目の Holman, McKay らはナイスパスを終始供給し続けた。 そしてサイドバックの Carney ( 左 ) と Wilkshire のオーバーラップが効果的。
ボランチのJedinak, Vareli は攻守に良く動いていた。しかしウズべキスタンもショートパスを繋いでビルドアップをはかる。21分にはビルドアップから左から右にボールを繋いで Djeparov がゴロのミドルシュートを放つがGK Schwarzer が右に倒れてキャッチ。多くのサポーター達が“ウズベッキスタン !! “ と何度も声援を送る。それに後押しされる様に26分に Ahmedov のミドルが炸裂するがクロスンバーを大き
く越えた。 ウズベキスタンはしきりにオーストラリアの右サイドを突いてきた。 しばらくウズベキスタンの攻勢が続いたが左サイドで35分 McKay がShatskikh に倒されて得た FK をCarney が中にいれるとファーサイドに送ると Cahill が中に折り返したところを Ognenovski が左足でウズベキスタンゴールに蹴り込み追加点を挙げた。
代表初ゴールを決めた Ognenovski は天に視線を挙げ無くなった父親にゴールを捧げた。上腕にキスをしたがそこには子供の名前が書かれていたらしい。

     

何とか1点を返したいウズベキスタンは時折 Shatskikh がトップ下に入る等Djeparov とポジションチェンジを行い得点機を狙うがオーストラリアはしっかりとブロックを形成し得点を許さなかった。
オーストラリアベンチは53分 Kewell を下げて Robbie Kruse を投入し前線に置く。準々決勝は延長戦120分戦っているので決勝戦の為に消耗を短くする為だった。
後半に入ってもウズベキスタンがよくボールを回す、と云うよりも早い時間からリードを奪ったのでしっかりと守備ブロックを形成し無理に前線からプレスを掛けずある程度ウズベキスタンにボールを持たせていたので“ボール支配率”は高くなっていた。 そして64分この試合を決めるオーストラリアの3点目が決まるがこの得点も McKay から。中盤でボールを持つと相手DFを引きつけ左サイドを上がった Carney にスルーパスを通し Carney がフリーで放ったシュートがウズベキスタンゴールに突き刺さった。

そしてこの直後相手DFの厳しいマークに手を焼いていたヨルダン戦2ゴールの Bakaev が Wilkshire を引き倒したプレーに UAE 国籍の Albadwawi 主審からこの日2枚目のイエローカードが出され退場になってしまった。

      

1人少ない人数で3点のビハインドを残り20分足らずで追わざるを得なくなったウズベキスタンにはもう勝ち目はなく堤防が決壊した様に失点が重ねられるのは目に見えていた。
それでもこの日起用されたGK Juraev Temur は懸命に相手の決定機をファインセーブで防ぐ。Cahill のスルーパスを受けた Kruse そしてその直後の Emerton のフリーでのシュートをストップしたが73分に Emerton, 82分に Vareli 最後は Kruse に83分に連続してゴールを割られ終わってみれば6点差がついてしまった。

    

ウズベキスタンの Abramov 監督はこの試合結果に“競技場にまで来て声援を送ってくれたサポータ達に申し訳ない。この日の我々の試合内容は言い表せない。我々は準備をしてきたがこの日のプレーは悪かった。多くのミスをしてしまった。”とサポーター達に謝罪を表明。
そして“今までオーストラリアとの差はそれ程あるとは思えなかった。我々も攻撃に転じようとしたがこの日は守備面でのミスが多く、それが問題となった。“と試合ぶりを総括した。

オーストラリア代表の Osiek 監督は“ファンタスティックであった。勝利の秘訣はピッチ上で自分達の力を発揮できた事だ。調整も上手く行き多くのチャンスを作る事が出来た。” と結果に満足していた。 そしてこの大勝を国民に贈る、と語った。

ウズベキスタンとは前回のワールドカップ最終予選で同じ組となりアウェー ( 1-0 ) ホーム ( 2-0 ) 共にオーストラリアの勝利に終わったが共に接戦だった。

決勝戦の日本戦を前に…
日本戦通算3ゴールの Tim Cahill は決勝進出を決めた後に 
“次の日本戦は選手達のキャリアーにとって最も偉大なゲームの一つとなるだろう。 日本戦には良い思い出がある。我々は決勝に進出する事を期待されていた。 そしてファイナリストになる為に努力を惜しまなかった。 我々にはゴールライン(フィニッシュライン ) が見えているが、日本戦に向けてやらねばならない事がたくさんある。” と語りOsiek 監督は Premiership でプレーするBrett Holman ではなく A-League の Matt McKay を起用した事に就き“経験は考慮しないパファオーマンスが大事だ。” と答えた。 

Japan intimidated by us, says Socceroos defender Sasa Ognenovski 

2010年 Asian player of the year を受賞した Sasa Ognenovski は日本を知らないわけではない。 代表経験は無かったが A-League Adelaide United の一員として、また現在は城南一和のメンバーとして ACL でJ-League 勢と戦った経験がある。 
“私は日本が我々の試合のやり方を見て我々を恐れいてる事を良く解っている。 我々が出場した ACL の試合でさえ我々の体格とオーストラリア選手がみせる攻撃的な当たりに恐れをなしていた。だから同じやり方を決勝戦で取り入れ勝利を得たい。 我々は準決勝戦のウズベキスタン戦よりもプレーの質を上げようとしている、日本は運動量も多くパス回しの優れたチームだからだ。

 


Ognenovski は昨年の AFC 最優秀選手賞だけどその選考理由が“表彰式に参加出来る人。”が条件の一つ。当然本田圭祐か遠藤、または李正秀か朴智星といったワールドカップや所属先の欧州で活躍した選手に送られるべきだと思っている。

確か大きなオーストラリア選手達のフィジカルの強さはアジアの域を大きく越えている。 Ognenovski 自身Adelaide 時代は鹿島と城南時代は川崎Fとそれぞれ相対し好成績を残している。特に2008年ACL準々決勝ではマルキーニョスをストップしチームの勝利に貢献した。
しかし1次リーグでの韓国戦を前に韓国の地元紙は彼のスピードを問題視していた...
まぁ恐れているかどうかは別にして、これからじっくり Socceroos を分析してみようと思う。(誰も頼んでいないか??)

    

宿敵倒して日豪対決 !! 日本 2-2 ( PK3-0 ) 韓国 25 Jan. 2011

2011-01-28 | Football Asia
昨日から何度も同じニュースが…
でもこういうニュースは何度見ても良い。 PK戦まで縺れ込んだけど日本は韓国を振り切り2大会ぶりの Asian Cup 決勝進出を決め、アジア王者の覇権をオーストラリアと競う事となった。
韓国に勝って次のラウンドに進出するなんてあったかな….2003年 FIFA U-20 の決勝トーナメント1回戦くらいかな…

日韓対決が決まってからと云うよりも最近は日本でも韓国との対決を煽る傾向がある。日韓ワールドカップ以降、所謂韓流ブームが沸き起こり ( 私もけっこうはまっているけど )最近は KARA , 少女時代、4 Minuets 等のK-POPブームも…
しかし韓国を知れば知るほど韓国社会が日本の事を日本人が想像していた以上に嫌っている事が明らかになり “嫌韓流”の動きも出てきた。
日韓併合( 韓国では植民地 ?? ) 竹島( 獨島 )問題 そして従軍慰安婦問題 ( 私は軍や日本国家が関与していないありもしない“問題” と調べがついているけど..) 。
しかし私には韓国人の友人が多く、スポーツや生活の事を何度も楽しく話した。
そしていつも ”個人だとこんなに仲良くできるのになぁ…..”と思う。
ある韓国人が私にこう言った。“韓国人なんて口では日本の悪口を言っているけど本当は日本が一番気になっているんですよ….”

サッカーとなると私の様な70年代からのサッカーファン(オールドファン??)は韓国戦となるとまず勝てる気がしなかった。1959年ローマ五輪予選から 1974年の日韓定期戦まで15年間勝てない時期もあった。あの釜本を擁しても韓国戦の勝利はこの試合だけだった。その“恐韓症”は今でも拭い去れない。例え日本のホームゲームでも、韓国の主力が数人離脱していても…最低でも引分けに持ち込む勝負強さ….それが韓国戦の印象だ。いつの日か私と同じ年頃で同じ期間、“濃く、熱く” サッカーに興味を持ち続けている韓国人と話をして、対日本戦の印象の変遷を訊いてみたいなぁ…と思っている。出来れば日本語か英語を話せる人と、…そして一晩語りつくしたいなぁ…

韓国のスタメンは出場停止の李正秀の替りのCBに趙容亨が起用された以外はイラク戦と同じメンバー。愛するサンガの郭泰輝はベンチスタートだった。
日本のCB出場停止の吉田の替りはベテラン岩政が起用された



                 GK 1 鄭成龍
 
      22 車ドゥリ   3黄載元  4趙容亨   12李栄杓

           16 奇誠庸        6 李英来
 
     17 李青龍        13 具滋哲     7朴智星

                   19池東元

                   11前田

     10 香川         18本田圭       9 岡崎

           7 遠藤         17 長谷部

     5 長友      4 今野    3岩政    6内田

                   GK 1 川島




両チームの力はほぼ同じ、例え前の試合からのインターバルが短いとはいえ1人で局面を変えられる朴智星がいる韓国がやや有利か..と
そして“日本を恐れた事がない現役時代も今も..” というコメントが発された様に日本が圧倒されていた時代にまさに現役だった趙広来氏が監督である事が精神的に優位にたてている…最後はそこが結果を左右するんじゃないかな…と思った。

日本のキックオフで始まった一戦。開始から体力温存の為か韓国は日本の出方を見る動き、1分28秒本田からのパスを受けた内田が右サイドを突破しCKを得る。
2分13秒には前田にボールが入り韓国DF4人が対応して何とかコーナーに逃れ、そのCKから岩政がヘッドを放つがポストの右に惜しくも外れていく。
日本は内田が積極的に上がり対峙する李栄杓は少し対応が後手になっている。
6分13秒に岡崎の突破からCKを得て遠藤がいれたCKに岡崎が趙容亨とせりながらヘッドを放つが惜しくもゴールを捉えれない。
日本は前線の4人がよくセカンドボールを拾っていた。中盤では朴智星に長谷部がマークに付いていた。
しかし立ち上がりのローギアーからテンポアップさせたのはやはり朴智星。11分には右にまわり中にドリブルで切れ込むがここは長友がクリアー、14分58秒には左サイドでボールを受けて中に相対した内田をまた抜きでかわして中に切れ込もうとしたのを内田が倒してFKを与える。
そのFKから奇誠庸がゴールを狙い川島がパンチングしたクリアーボールを趙容亨が直接ヘッドでゴールを狙われるが今野がヘッドで弾きだす。この時間帯から韓国の中盤でのワンタッチパスが回り始めた。
序盤から何度も朴智星を倒しては笛が吹かれて朴智星を止めるのはカード覚悟でなければ止められないか…と彼の存在を感じさせられた。
だけど17分には長谷部への朴智星のチャージにイエローが出された…

     

しかし次のチャンスは日本。16分50秒に本田を経由して長友にボールが送られ一気に左サイドを突破し上げられたクロスに岡崎がヘッドを放つが惜しくもポストを叩きその跳ね返りがGK鄭成龍のところに収まり惜しくもゴールラインは割らなかった。
18分53秒には前田がボールを受けドリブルで中央を突破するが最後は何とか黄載元がコーナーに。再び主導権を握り出した様に見えたが先制ゴールは韓国だった。21分53秒後方から入れられたロングボールに朴智星が走り込むそこに今野が競りに入りPA内で朴智星が倒れたこころでサウジアラビア人の Khalil Al Ghamdi 主審の笛が鳴った。今野はしきりに肩でブロックしては出していないとアピールするが判定は変わらない。Ghamdi 主審は今大会韓国対インド戦でも主審を務め“ファール無しでは朴智星を止められない” という印象を試合前から持っていたのか…この試合も何度も日本DF MF 陣にファールで止められていたから…
このPKを奇誠庸が右側にライナーで蹴り込み日本ゴールネットに突き刺した。
押されている試合展開でもゴールを奪うところはさすがに韓国だった。(褒めている場合でもなかったけど。)

   


だけどこの後の奇誠庸のパフォーマンスが物議を醸す事に。

先制ゴールを奪われた日本だったが再開後も攻勢に出て来る。22分57秒、香川から内田に渡り上げられたクロスに本だがヘッドで合わせるがGK鄭成龍の正面。
早い時間に追い付いてくれよ…と思うも中盤戦で劣勢に立たされた韓国はスタミナの配分を考えてかロングボ-ルを多用し始めた。
ワントップの池東元は 187cm 。178cmのCB今野の方によってボールを貰いに行く。 他にも奇誠庸が 187cm , 具滋哲が 183cm と長身揃い。
28分にはFKを与え180cmの李青龍を経て具滋哲に渡るが今野がマーク、その直後にもロングボールが池東元に渡りファールでストップし奇誠庸の蹴ったFKから具滋哲が長友と競りながらヘッドを放つがバーの上に。
33分43秒には池東元が今度はドリブルで突破し今野をかわしてシュートにもちこむが長友が必死のスライディングでコーナーに。池東元は足元の脅威も示す。厄介な若者が出て来たなぁ…と思った。
空中戦に対抗できるMF陣は本田くらいだなぁ…だけどあまり後ろに下げたくないなぁ…とおもっていると日本がチャンスを掴む。36分中央で本田がボールを持つとドリブルで上がり相手DFを引きつけたところで左サイドを上がった長友に。長友は車ドゥリを振り切り中に送ると走り込んだ前田の奇誠庸がマークに入る前に放ったシュートがGK鄭成龍を破り同点ゴールが決まった。

      



韓国戦4試合ぶりのゴールだった。本田のドリブル、そして周囲との連動から生まれた見事な攻撃だった。本田が右サイドの長友にボールを出した後に中央に動き何人かの韓国選手がそれに釣られた。本田は立ち上がりからボールキープの強さを見せており、頻繁に左右に動いていた。ボランチの奇誠庸と李英来が彼を捉えられないのでそこを起点に両サイドにボールがよく出る。右SBの車ドゥリはもとより左SBの李栄杓も内田を捉えられないシーンが続く。41分17秒には内田から香川を経由して岡崎に渡り放たれたショットは惜しくも決まらず、その直後には今度は岡崎から香川にボールが渡り撃たれたシュートはクロスバーを越えた。43分には本田が前線にロビングを上げ前田が趙容亨を背負いながら反転して振り切りフリーで放ったシュートはクロスバーを越えてしまったがここは決めて欲しいシュートだった。
日本は前線の4人が起点になったりシュートを放ったりと多彩な役割をするので韓国DF陣は完全にマークがずれていた。しかし前半はこのまま 1-1 で終了した。劣勢でも追加点を許さない韓国のタフさを見たけど、カタール戦同様、同点に追いついてからのチャンスをものにできなかった事が苦戦を招いたと言えよう。

   


後半に入り韓国は両サイドを固めて来た。日本の右サイドは李栄杓が本領を発揮し守備に何のある車ドゥリの左サイドには黄載元と李栄来がケアーして来る。
こうなると真中で本田、香川、岡崎が連動してボールを回せばと思ったけど後半からマンマークに替えて来たのでスペースに走り込んでボールを自由に受けられなくなって来た。
韓国も連動し動きは乏しく朴智星をはじめとした個人能力に頼る攻撃ではあったがシュートシーンは日本より多かった。
52分パスミスを拾った池東元が放ったミドルはクロスバーを越えて、57分20秒李青龍からのパスを受けた具滋哲が正面から撃つがこれもバーを越えた。
57分には池東元がドリブルで切れ込み左サイドに寄った具滋哲がまたもシュート持ち込むがサイドネットを直撃した。
58分、韓国ベンチが動く。具滋哲を下げる動きがあったがその間に池東元が交錯して倒れて起き上れないので交替に待ったがかかった。池東元は一旦ピッチに戻ったが結局64分にベンチに下がり替りにDF洪正好が投入された。洪正好の役目は本田を徹底的にマークする事だった。でこれで日本の攻撃は供給される起点が激減したことから日本はシュートに持ち込めなくなった。
韓国は具滋哲がワントップ。左に李青龍、左に朴智星が入り(たまに朴智星は右にも移って来たけど) アンカーに洪正好が入った。65分ごろから車ドゥリのサイド突破が顕著になりだし 69分には車ドゥリからのクロスに朴智星のヘッドが捉えたがクロスバーを越えてくれた。こうなると車ドゥリの上がった裏を長友が入り込めればいいのだけど…と思った。
71分左に寄った具滋哲からパスを受けた李青龍のシュートがクロスバーを大きく超えたが李青龍が倒れて動けない。Ghamdi 主審が駆け寄りイエローカードを遠藤に出す。遠藤の李青龍へのタックルが late tackle に取られた様で真正面で距離もあまりないいやな位置でのFKだった。あぁこれが日本のチャンスだったら遠藤か本田が決めてくれるのになぁ…と思っていると李英来が直接狙ったFKは右ゴールポストをかすめて行った。GK川島は全く反応出来なかった。そして私も硬直してしまった。
チャンスらしいチャンスを造れない日本は80分に左サイドに回った本田が入れたクロスを岡崎のヘッドが捉えるがゴール枠を外れた。これが後半初めて韓国サポーターをヒヤリとさせた瞬間だったのでないか??

82分韓国ベンチは李青龍を下げて18歳 HSV Hamburg 所属の孫洪敏を投入したこれで具滋哲と2トップになるのか孫洪敏がトップに残り具がトップ下か右サイドハーフにさがるのか..と思っていた。
準々決勝を120分戦いしかもインターバルが1日短い韓国は是が非でも90分で決めたかっただろう。こうなると日本ベンチの対応は..と思うも立て続けに韓国が日本ゴールに迫る。ここで失点してはこれまでの努力が水泡と化す、と思っていたら87分日本ベンチが選手交代を。香川がベンチに下がって細貝が投入された。
後半は時間を追って目立たなくなって来ていた香川だけど翌日右足中指第五間接を骨折していたと報道された。決勝戦というよりも今シーズンの香川が心配になった。 

   

そして2分あったロスタイムも過ぎ 1-1のまま延長戦に入った。
後半韓国は中盤を厚くし日本の攻撃を封じたがFWを少なくした分猛攻撃にさらされることは無かった。しかし後半は終始攻められていた印象はぬぐえなかった。
延長戦に入りベンチ全員で円陣を組む日本。1997年ジョホールバルでのイランとのワールドカッププレーオフを思い出した…
ここはドーハ。1988年のここで開催された Asian Cup で日本は黄善洪、金鋳城に決められ0-2 でやぶれたけどあの時の日本は学生主体のチーム(フル代表でも勝てなかっただろうけど ) ドーハの悲劇の時は韓国には勝ったんだと勝手に自分に言い聞かせてテレビ画面を見ていた。(俺も小心だなぁ…)

延長戦も立ち上がりから奇誠庸がシュートを放つなど韓国が攻勢に出て来る、最初に失点したくないなぁと思っていると97分中央でボールを受けた本田がスルーパスを送り岡崎が突破を図ったところを黄載元がマークに入って倒す。Ghamdi 主審がペナルティースポットをさす。黄載元は明らかに岡崎の行く手をさえぎるオブストラクションだったけど倒した場緒が微妙だった。
この絶好のチャンス、この人なら大丈夫だろう…と思われた本田がボールをセットし…蹴った弾道は何とGK鄭成龍にぶつけてしまう…しかしこのこぼれ球に脱兎のごとく走り込んだ細貝が韓国ゴールに蹴り込んでついに日本がリードを奪った。 

 

韓国から2点を奪うなんて…と思わず記憶を辿った。
それにしても Ghamdi 主審はこの試合を面白くするのに一役買ったなぁ…
しかし時間はまだ20分以上も残っている。もう1点取ってくれれば試合は決まると期待したと同時に1982年ワールドカップスペイン大会の準決勝戦を思い出した。1-1 で延長に入りフランスは2ゴールを上げたが西ドイツも連続ゴールで同点にしPK勝ちしたあの伝説の一戦。思えば西ドイツは本当に強かったんだなぁ…と関係のない事を再認識した。
101分日本が自陣でボールを奪うと長友が左サイドを駆け上がる。そしてボールを受けた長友は更に韓国PA付近に迫ったが入れられたクロスがポストを直撃してしまった。長友の無尽蔵のスタミナが頼もしく思えた。

  

103分韓国は最後の交代選手 FW金信を入れて趙容亨を下げ、洪正好がDFラインに入った。 これで本田がまたボールを受けられると考えたけど試合時間を考えれば前半の様に都合よく行くわけはなかった。
日本リードのまま韓国のキックオフで突入した延長後半も1点ビハインドの韓国の攻撃で始まる。
日本はもうカウンター狙いだ。108分には本田、岡崎を経由して長友が走り込んで受けて、110分には岡崎がドリブルで持ち込みシュートで終わらせる。
韓国も107分交替出場の18歳孫洪敏がポストのわずか右に外れるシュートを放つ。 日本のラインが徐々に下がって来るのが気がかりだけど韓国も朴智星の動きが止まってくるなど疲労感がましている。お互いに中3日、2日で4試合を消化して来ての準決勝、最後は本当に精神力の勝負だけどリードしているのは日本、早く時間が過ぎてくれ.と思う。
116分長谷部が倒れて動けない、韓国サポーターからは早く立てとばかりにブーイングが。一旦は車で外に運び出されピッチに復帰したが結局本田拓也と替ってベンチに下がった。そしてその前に準備をしていた李忠成はベンチに戻った。
長谷部の離脱はちょっと痛いなぁ..と思った。日本は前線にボールが出ると岡崎と本田がボールをキープして時間を稼ぐ。
そして時計は120分に近づく、ロスタイムがあるからあと2,3分だと思ったら左サイドで李栄杓が本田拓也に倒されFKが与えられるが李栄杓の倒れ方はちょっと演技賞ものだった。
韓国としては最後のチャンスだっただろう。ほぼ全員がPA前に集結するけど日本もほぼ全員がエリア内に入る。ラインが深すぎるとしきりにNHKの解説をしていた早野氏が指摘する。そして中に放り込まれたボールに赤と青のジャージーが犇めく、何度もクリアーするがPA外にボールが出ないそして最後に日本ゴールネットを揺すられてしまった。 延長前半にPKを与えた黄載元が蹴り込んだ執念のシュートだった。

あぁ何しとんのやぁぁぁぁ、 これで5年ぶりの日本の公式記録の勝利が潰えてしまったと思った。 女性韓国サポーターが感涙を流しているシーンが映った。 韓国の底力を見せられた気がした。そして勝負はPK戦に委ねられた。

PK 戦はルーレットの様なものと多くの専門家が云う。だからPK戦に持ち込まれた試合は引分けと記録されるのかな…
勝負は1人目で決まると思った。本田圭祐が決めて韓国は具滋哲が外した。この時点でかなりの確率で日本が勝てると思った。
マスコミは前回の Asian Cup での3位決定戦を繰り返すが私は1992年北京で開催されたダイナスティカップを思い出した。あの試合も鄭在権に先制されて中山のゴールで追い付き延長戦に入り高木のゴールで逆転してその直後に金正赫に同点ゴールを許したがPK戦で韓国を破った。
得点経過はこの試合と同じだった。だから今度も…と思った。そして願った。

この試合MVP級の活躍をした長友が失敗し、先制のPK戦を与えるきっかけを作った今野のPKで終止符が打たれた。
黄載元、今野、共に試合で負った負債を償還出来たのでは、と思った。

そして試合に勝ってくれた嬉しさと120分で勝てなかった事が複雑に絡み合った。
でもじわじわと“韓国に勝った。”と云う実感が沸き上がり、次の試合オーストラリア対ウズベキスタンの試合を何の気無しに “眺めていた。”
そして気がつけば前半が終わり後半も半ばにさしかかっていた。日豪対決が実現すると言う嬉しさがこみ上げて来た。 

試合翌日でも、奇誠庸、香川、話題は尽きない。
最終日まで日本が残るその喜びが再浮上する。
相手はオーストラリア、これから私と“サッカー識者” “サッカージャーナリスト”との一戦が始まる。そして睡眠不足の日々もあとわずかとなった………



  
  

日韓対決今度こそ……

2011-01-25 | Football Asia
昨年11月、商用先ではアジア大会で日本選手団の好結果が届くのを糧に仕事をこなしていた。云うまでも無く男女のサッカーの結果を知る度に力が湧いてきたが25日、驚きのニュースを朝鮮日報の日本語版で目にした。

ア大会ハンドボール:韓国女子、日本にまさかの敗北
広州アジア大会では25日、女子ハンドボールの準決勝が行われ、韓国は日本との準決勝で接戦の末、28-29の1点差で敗れ、大会6連覇を逃した。韓国が日本に敗れたのは、2007年の北京五輪アジア予選に続き2度目。韓国はハンドボールがアジア大会の正式種目に採用された1990年の北京大会以来、06年ドーハ大会まで22戦無敗だった。
韓国は前半10分、5-5から連続5得点を許し、前半を11-15で折り返し、後半18分には17-25と最大8点差をつけられた末に敗れた。韓国は後半にオ・ソンヒが4得点を挙げるなど猛追したが、及ばなかった。 韓国はこれまで五輪で金メダル2個、銀3個、銅2個を獲得するほど、世界トップクラスの実力を誇るが、この日は守備が崩壊し、攻撃もノーマークチャンスを何度も逃すなど、拙攻が目立った。
イ・ジェヨン監督は、「慢心してはいけないと戒めたが、ミスが多すぎた。責任を痛感する」と話した。

それまで日本女子ハンドボール代表は韓国代表に対して3勝しかしたことがなかった。(はずだけど…) その3勝のうちの1つが昨年8月カザフスタンで開催された北京五輪アジア予選。しかしこの勝利は “カザフスタンを勝たせる為の中東の笛が日本に有利に働いたもの” と日本協会関係者も認めている。

日韓女子ハンドの力関係は日本が韓国を苦手にしているというよりもソウル、バルセロナ五輪で金メダルを勝ち取り、欧州の列強と堂々と肩を並べる韓国とは完全に“格が違う”と言える関係だ。
その韓国を相手に勝利を収めた女子ハンド代表チームの快挙を相変わらずマスコミは取り上げない。
9得点の藤井紫緒、6得点の植垣、5得点の中村香理、東濱裕子に早船愛子姫、3年前の北京五輪予選で覚えた名前が…. 彼女達の快挙に私は“全ての球技に置いて恐韓症はもう取り除かれたのだ….”と勝手に自己宣言した……

      

Asian Cup の準決勝戦は日韓対決となった。この2年間で4回目の対戦となるが、そんなに立て続けに対戦するなんて有ったかなぁ….とまず思った。
イランとの準々決勝を見た時には両国ともちょっと調整、仕上がり具合が日本と違うなぁ…どちらが勝っても.苦戦するやろなぁ….と思った。
そして70年代からサッカーを見て来た私はあぁ韓国かぁ…(さっきの自己宣言は何じゃ? )とやや悲観的になった。
Asian Cup での直接対決は確か4回目。それまでは1勝( 2-1 1968年大会 )1敗 ( 2-0 1988年大会 ) 1分 ( 0-0 2007年大会 ) 以外に対戦が少ないのは日本がこの大会に積極的に代表を送らなかった時期が長かった事と日本が本格参加を始めた時は日韓両国シード国となり決勝トーナメントに入らないと対戦機会がなかったからだろう。

アジア杯サッカー:日本戦に向け課題山積み 朝鮮日報より (1)
終盤の体力と集中力韓国はイラン戦で、前半のゲームを支配した。中盤で強いプレスを掛け、主導権を握った。
だが、後半に入ると動きが目に見えて重くなった。体力が低下してプレスが甘くなり、イランに頻繁にカウンターを許した。シュート数は、前半は6本対1本で韓国が上回っていたが、後半は12本対13本でイランが優勢だった。
日本との準決勝は、体力が鍵となる。韓国は準々決勝で120分の死闘を繰り広げた上、試合スケジュールも不利だ。準決勝まで中3日の日本に対し、韓国は中2日しかない。趙監督は、23日には練習をせず、終日オフとすることを決めた。

かつては韓国に90分間力で押し切られる事が常だった。
しかし1992年のダイナスティカップ以来、試合終盤になると韓国選手達ががっくりと運動量が落ちる試合が多く目に就く様になった。 日本の個人技術の高さと戦術が韓国の独特の強さをフェードアウトさせられるようになった。
しかしこれは対日本戦に限らずアジアの中でも80年代で既にイランやサウジアラビアそしてクウェートと云った西アジア、中東の列強を相手にした時に既に見られていた。さきのイランとの準々決勝もそうだった。
日韓共に日本が1日インターバルが長い事が日本有利なポイントと指摘しているがそれはどうだろうか…メンタルも大事なスポーツ。勝った後の疲労感は敗戦後のそれとはまったく違う。 韓国の疲労をあてにしている様では勝てないと思う。

(2)不正確なクロスと低い決定力 
「スペイン式のサッカー」を目指す趙監督は、速いテンポのパスゲームを強調する。イラン戦では精密なパスワークで休みなくイランのゴールを脅かした。クロスの数では韓国が37本で、イランの18本を上回り、コーナーキックも韓国の6本に対し、イランは2本にとどまった。左右サイドからの攻撃はイランより圧倒的に多かったが、ゴールに結び付くものはなかった。決勝ゴールは、ユン・ビッカラムの個人技から生まれたものだった。現代サッカーでプレッシングが強調されるのは、結局はゴール前でチャンスをつくるためだ。韓国は、ボールを持つ回数は多かったが、決定的なシュートチャンスをつくれなかった。
趙監督は「シュートのタイミングが少しずつずれており、シュートに対する欲が足りなかったのが残念」と語った。また、日本戦については「より速く緻密なサッカーをしなければならない。決定力も上がると信じている」と話した。

サイド攻撃は日本も課題だ。得点をみるとセットプレー(レバノン戦の吉田)やシリア戦の岡崎が貰ったPKやカタール戦の3得点の様に中盤からのワンタッチでの展開や長谷部のスルーパス等から創られたチャンスからだった。サイドの崩しが少なかったのは引いた相手が中を固めて来た為だ。 韓国は対等な相手。かえってサイド攻撃の機会が増えるかもしれない。それは韓国も日本をそう見ている事だろう。

(3)李正秀の抜けたセンターバック
韓国の「アキレスけん」といわれるセンターバックは、課題を抱えたままだ。最も信頼の厚いセンターバックの李正秀(イ・ジョンス)は、警告累積で日本戦に出場できない。李正秀はイラン戦終了後「仲間たちがよく戦ってくれるはずだ」と話したが、表情は暗かった。
センターバック二人の組み合わせは、いっそう難しくなった。イラン戦にフルタイムで出場した黄載元(ファン・ジェウォン)は、守備全体をリードするには力不足だ。郭泰輝(クァク・テフィ)は1次リーグの2試合で相手にPKを与えており、洪正好(ホン・ジョンホ)は大舞台での経験が足りない。ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会で韓国のセンターバックを統率した趙容亨(チョ・ヨンヒョン)は、今大会では出場機会がない。
日本は、準々決勝のカタール戦で2ゴールを決めた香川真司らFW陣のスピードが優れている。センターバックの吉田麻也がカタール戦で退場処分を受け、準決勝には出場できないが、韓国も李正秀が出られないため、条件は同じだ。 これも日韓共に当てはまる課題。 

韓国は愛するサンガでプレーした李正秀が累積警告で出られない。
愛するサンガから唯一 Asian Cup に参戦している郭泰輝はどうも趙広来監督から信頼を得られていない様だ。趙容亨 と洪正好ではないかな…個人的には郭泰輝が観たいんだけど….
日本のCBは誰だろう。カタール戦で雪辱ゴールを決めた伊野波を吉田の替りに使っても面白くないかなぁ…

      


アジア杯サッカー:準決勝を制すのは?=韓日戦 朝鮮日報より
似たスタイルの日本を破るには?優勝まであと2歩というところまで来たが、決して容易な戦いではない。韓国は25日午後10時25分から、カタール・ドーハのアル・ガラファ・スタジアムで、決勝への切符を懸けて日本と対戦する。
通算対戦成績は40勝12敗21分けで韓国が勝ち越しているが、韓日戦には常に張り詰めた緊張感が漂う。ライバルとの一戦に負ければ「逆賊」になるということは、選手たちも分かっている。だから日本戦は気持ちの戦いなのだ。
「憎む者同士は似ている」という言葉がある。今大会の韓国と日本は、似たようなチームカラーで優勝を目指している。ショートパスを重視する基本的なプレースタイルをはじめ、要となる選手、弱点などもそっくりだ。

■どちらが「バルサ」に似ているか基本フォーメーションは4-2-3-1だ。
韓国はチ・ドンウォン、具滋哲(ク・ジャチョル)が攻撃をリードし、日本はワントップの前田遼一をトップ下の本田圭佑が支えている。中盤で短いパスをつなぎながら、相手にプレッシャーを掛ける攻撃スタイルも似ている。
趙広来(チョ・グァンレ)監督は「日本はパスがいいため、より速く精密なプレーで相手を抑えたい」と語った。両チームとも、速く正確なパスを主体とした「スペイン型サッカー」を目指している。スペインのスポーツ紙「マルカ」は「韓国はアジア・カップで、FCバルセロナに近づいている。ショートパスと速いポジション移動を武器に、攻撃を展開している」と報じた。
一方の日本も、同様の称賛を浴びている。カタールのブルーノ・メツ監督は「日本は『アジアのバルセロナ』といえるほど、組織力が優れている」と評価した。

日本の勝利数を12としていたのは意外だ。 
“私の記録”では11勝だ。1992年と 1995年のダイナスティカップでの勝利はPK勝。公式記録では引分けとされるところ。また 1995年のダイナスティカップで派遣されたのは韓国五輪候補チームだった。先述した 1968年の Asian Cup 予選での勝利を入れたら12勝になるけど。
まぁ2005年の東アジア選手権以来日本は韓国に勝っていないんだけど…

ワントップの池東元は19歳。先のAFC U-19 で日本 U-19 は彼に翻弄された。
今大会2得点だけど共に格下のインド戦。しかし怪我で合流出来なかった朴主永の代役と云うよりもこれからも充分に起用されるのではないか?
今大会3得点の具滋哲はイラン戦ではアジア大会では“ライバル”尹比家林 ( ユンピッカラム ) にポジションを奪われた感じだったがこの Asian Cup では起用に応えていた。イラン戦までは。
そのイラン戦で決勝ゴールを決めたのが尹比家林。このどちらがスタメンだろう? 具滋哲がスタメンか…
韓国は4試合で8得点。日本は11得点。しかしインド戦と無気力だったサウジアラビア戦は割り引いた方がいいだろう。そうすると韓国が4得点、日本が6得点。韓国がオーストラリアと対戦した事も考慮すれば互角の実績か…
日本が気をつけたいのは立ち上がり。サウジアラビア戦では開始数十秒であわや失点のピンチがありカタール戦でも立ち上がりに失点を喫した。
中2日の韓国は全力で先制を奪い、あとは守りを固めるか….

■中盤を守るベテラン対決 
ベテランMFが攻守の要となっている点でも、両チームは似ている。韓国は、国際Aマッチ100試合目となる朴智星(パク・チソン)、日本は、すでに代表100試合を超える遠藤保仁が戦術の核となる。背番号は二人とも「7」だ。 朴智星は左サイドのMF、遠藤は中央の守備的MFとポジションは異なるが、中盤で攻守のラインの間隔やプレスを統率する点では似ている。遠藤は「京都でチームメートだった朴智星との対決が待ち遠しい」と話した。 両チームの得点源となっているのは、共に21歳の具滋哲(ク・ジャチョル)と香川真司。具滋哲は今大会4ゴールで得点王争いに絡んでおり、一方の香川も準々決勝のカタール戦で2ゴールを決めている。二人ともアシストも2本決めており、チャンスメークの能力も高い。


何と言っても朴智星。
かつては愛する京都サンガでプレーし天皇杯優勝を置き土産に渡欧したアジア屈指の選手。今大会の彼を見ているとやはり役者が一枚上手。ポジショニング、局面を好転させるワンタッチパス、強いドリブル、早い攻守の切り替え。イラン、オーストラリアの選手達は誰も彼を止められなかった。彼を止める事よりも、彼の仕事量を最小限に食い止めねば。 どうすればよいのだろうか…
イラン戦では具滋哲が無得点だった。 尹比家林の個人技で決勝点を奪ったけどサイド攻撃なくして大会制覇は考えられない。( もっとも日本に勝ってほしくないけど。) 香川がようやくゴールを挙げられる様になった。これで彼への警戒が強まり他の選手のマークが薄くなれば更に得点のチャンスが生まれる。日本は韓国戦3試合無得点。5年ぶりの勝利に繋がる得点をここで見せて欲しい。 

  

■センターバック、サブGKが弱点 日本の弱点はセンターバック。アジア・カップを前に、DFの要だった田中マルクス闘莉王、中沢佑二がけがで離脱した。準々決勝ではセンターバックの吉田麻也が退場処分を受け、韓国戦には出場できない。世宗大のイ・ヨンス教授(KBS放送・解説委員)は「チ・ドンウォンがDFの間でスペースをつくり、李青竜(イ・チョンヨン)や朴智星のスピードでサイドを揺さぶる『陽動作戦』に出れば、日本のDF陣の組織力を崩せる」と語る。
韓国も、李正秀(イ・ジョンス)が警告累積で出場できないため、センターバックのコンビに頭を悩ませている。また、ゴールを守る守護神が、共にW杯南アフリカ大会で正GKに昇格したという点でも共通している。
日本は、正GKの川島永嗣を除くサブGK2人に、国際Aマッチの出場経験がほとんどない。韓国も、鄭成竜(チョン・ソンリョン)の代役を務められるGKの人材が不足している。


日本DF陣が感じる脅威は朴智星もそうだけど平均身長で4cm日本を上回る高さ。キムシンウォクの様に 190cmを越える選手もいる。 それにしても韓国の若手はタレント揃いだ。 李青龍 ( Bolton ) 寄誠庸 ( Celtic ) 、池東元 洪正好  HSV ハンブルグのソンフンミン( 孫興民 )。だけど 2002年組も朴智星 ( Manchester United ) と車ドゥリ ( Celtic ) 李栄杓 が残っている。 バランス結構取れていると思う。 
それにしても本当に欧州のクラブはよく選手達を放してくれたと思う。
それが無ければ大会の面白さは半減しただろうし、中東、西アジア勢が上位を占めていただろう。

 

私の予想するスタメンは下記の通り

                        10 池東元

  7 朴智星          13 具滋哲      17 李青龍
                       ( 尹比家林 )

             16寄誠庸         6李容来

 12李栄杓    4 趙容亨      3 黄載源    22車ドゥリ
                ( 5 郭泰輝 )

                       GK 1 鄭成龍 

    

何人当たるか解らないけど、結果は我々の希望通りになって頂きたい…..

そして決勝戦は日豪対決になることを祈る。

伊野波、雪辱の逆転ゴール Japan 3-2 Qatar 22 Jan. 2011

2011-01-25 | Football Asia

70分日本は香川のゴールで 2-2 の同点に追い付いたが以降も相手ゴールに迫るのは大歓声に後押しされる地元カタール。 この日のNHKの解説をしていた福西氏は何度も “日本は1人少ないので延長戦には持ち込まれたくない…”と云っていた。

こういう大会では勝ち抜くたびに総合力、それは選手層だけでなく怪我、体力の温存が大事になってくる。 87分攻撃参加した長谷部が中央を上がると Hasid Ismael, Wesam Rizik が挟むようにタックルをいれファールを貰う。
ほぼ正面距離もそれほど遠くない。セットしたボールに遠藤と本田が寄る。 どちらでも良いから決めてくれ…と思う。しかし本田の蹴った弾道は落ち切れずにクロスバーを越えて行く。あぁそんなに思い通りにならないか… 
1人足らない日本は長谷部が上がると言う事はそれだけリスクを負うと言う事だった。89分、今度は長谷部が中盤から前線に送るが相手MFに当たり CB Bial Mihamed が足元に納める。しかしそれを本田がかっさらいドリブルで中に切れ込むが Khaled Muftah がタックルでブロック。そのこぼれ球を遠藤が拾うが Hamid Ismael が遠藤を倒してクリアー、その左を上がった長友も相手MFに倒されているが笛は鳴らない。しかしクリアーボールを拾ったのは長谷部、前線にグランダーのスルーパスが香川に通りゴール前にフリーで抜け出す。 Ali Am Alhamad が後ろからタックルに入るが香川は倒れない。続いて Khaled Muftah が後ろからタックルに入り香川は転倒する。笛は鳴らないのかよ…と思うとこぼれ球を拾ったのは右SBで起用されている伊野波。 伊野波は落ち着いてそのこぼれ球をカタールゴールに蹴り込みついに日本が終了間際にこの試合初めてリードを奪った。 

2007年10月17日。 北京五輪予選で日本はカタールと同組になり9月12日に国立で行われたホームゲームでは 1-0 で勝ったものの試合内容はカタールに押されていた。そしてドーハ Al Saad Stadium で行われたアウェーゲームでは43分青山直晃のゴールで先制するも77分に追い付かれ、ロスタイムに入り献上したPKを決められ勝点を逃したがその痛恨のハンドを犯したのが伊野波だった。 
結局日本は北京五輪出場権を勝ち取ったが、五輪メンバーには伊野波の名前は無かった。 最終予選6試合中5試合フル出場を果たしていたのだけど……
その伊野波が決めた勝ち越しゴールだった。
それにしてもこのシーン、何度も日本選手が倒され、特にPA内で香川に入れられたタックルはその時点で笛が吹かれても良かったと思ったけど、マレーシア人のSUBKHIDDIN MOHD SALLEH 主審はアドヴァンテージでも見ていたのかな…

これでスタジアムの雰囲気は完全に変わった。大歓声は消え日本人サポーター達からの声が目立つ。 しかしロスタイム4分と表示され再び地元サポーター達から歓声が上がる。 日本は92分香川が下がりDF永田が投入され逃げ切り態勢に入る。 
93分, ロスタイムに入って Alhamad に替って投入されたFW Al Marri からのパスを受けた右SB Al Ghanim が放ったシュートは GK 川島がパンチで弾きカタールのCKに。 そのCKを本田がヘッドでクリアーし再び Fabio Cesar がショートコーナーのパス交換から左足で入れたクロスに Sebastian Quintana がシュートを放つがサイドネット。 川島のGKから大きく前線の本田に送られるがカタールも最後の力を振り絞りそこからカウンターに転ずるが日本ゴール前に入れられたロングボールは永田がクリアー。そして91分40秒試合終了を告げるホイッスルが鳴り日本が4大会連続の準決勝進出を決めた…. 最後まではらはらしたけど、日本の底力を見せつけた試合でもあった……

  

無気力のサウジアラビアを撃破して準々決勝進出を決めた日本の対戦相手はカタール。私の希望は日本がGroup B を首位で勝ち抜き、 Group A はカタールに1位で抜けて貰い、中国が2位で抜けて準々決勝で対戦し、中国を殲滅してくれる事だった。しかし初戦でカタールがウズベキスタンに敗れたので“思惑”がすっかり狂ってしまった…
ホスト国のカタール相手に主審の“ホームアドヴァンテージ”な判定をされたり、PK 戦に持ち込まれそうな気がしてなるべく当たって欲しくなかった。
ワールドカップや五輪予選と異なり何試合もの試合結果で勝点数を競う試合の1つではなく、トーナメント戦の1発勝負。負けても残り試合で取り返しましょう…なんて事は出来ない。

カタールと言えば私にとってはワールドカップへの出場経験こそないがイラン、イラク、サウジアラビアに並んで中東の強豪国と云う印象が消えない。ロス五輪、バルセロナ五輪にはアジア地区予選を勝ち抜き出場権を獲得している。 U-17 U-20 となると日本がメキシコ五輪以来初めてアジア地区予選を勝ち抜いた1994年の AFC U-16, U-19 の前に何度もFIFAの大会に進出している。
確かにロス五輪予選以外の年齢制限のある大会では常に“年齢詐称”疑惑が点いて回ったけど… ただバルセロナ五輪予選は圧倒的な強さでアジア地区最終予選を1位で通過し五輪でもベスト8に進出した。

試合の前日FW HUSSAIN YASER M ABDULRAHMAN が監督の起用方法に不服を唱えたのでチームから追放された事が報道された。
しかし Sebastian Quintana とコンビを組む2トップは中国戦でスタメン起用され2ゴールを上げた Yusef Ahmed Aliだと思っていたのでそれほど“吉報”でもないと思った。一方の日本はGK 川島が復帰するが松井が怪我で離脱し内田が累積警告で出場停止。前線は岡崎を起用、内田のポジションはサウジアラビア戦で途中出場した伊野波 だった。
サウジアラビア戦で出て来た時にあの北京五輪予選のカタール戦を思い出した。 その試合に出場したメンバーで再びこのカタール戦に出場を果たしたのは他に本田圭祐がいた。李忠成、柏木が五輪予選ではスタメン起用され内田とGK西川は控え選手だった。
また前回大会のカタール戦に出場した選手は遠藤1人だった、というよりも今大会のメンバー自体、2007年大会経験者は他に今野、伊野波そしてGK川島の4人のみ。
それだけ世代交代が進んでいるのか?

一方のカタールは前のクウェート戦からメンバーとほぼ同じスタメン。試合終了2分前に投入された 本来DFのMesaad Ali Alhamad が起用され2列目右に入った。
これは香川、長友対策か?
GK は不動のQasem Abdullhamed Burhan 。左SB Hamid Ismaeil Khaleefa はと CB BilalMohammed Rajab左SB Ibrahim Abdulla Al Ghanim らは北京五輪日本戦に出場。そしてもう1人のCB Ibrahim Majed は前回の Asian Cup 日本戦のスタメン。DFラインはみな“日本戦” 経験者。ボランチにガーナからの帰化人選手 Lawrence Awuley Quayne が前大会の日本戦にも出場した Wesam Rizik Abdulmajid と組む。
2列目右は上述した Hamid Ismaeil 左にはMohamed Elsayed AM Sayed 。
そして2トップはお馴染みの Sebastine Quintana と中国戦2ゴールのYusef Ahmed M Ali 。 Bruno Metsu 監督が日本と相対するのは確か4度目。どういう対策を講じて来たのだろう…

  

選手入場の際にまず審判団が映し出されマレーシア人の Subkhiddin Mohad Salleh 主審とわかりちょっと安心した。
2004年 Asian Cup のヨルダン戦で宮本の抗議を聞き入れてPKのゴールを替えてくれた主審だ。他にもACL等の国際試合で何度か主審を務めたのを見た事がある。この Asian Cup を最後に国際試合の審判から身を引くとの記事を見た。

  

日本のキックオフで始まった試合はまず日本が攻め込む。2分36秒には本田のパスを受けた香川がシュート体勢に入るが Hamid Ismael がCKマークに入りCKに。その前にマークに入った Mesaad Al Hamad の手に当たった様に見えたが.. 4分41秒には岡崎が本田とのパス交換で抜け出すが倒される。しかしここも笛はならない。 Salleh 主審ここは笛を吹いてくれても…と思った。
8分に今度はカタールがチャンスを作る。 Quintana のシュートが今野の足にあたりこぼれたところを Al Hamad がシュートを撃つが川島がナイスセーブで防ぐ。
11分、CB Ibrahim Majed が岡崎と交錯して倒れて動けずピッチの外に運び出される。 かなり傷んでいるらしいがなかなか交替選手が出てこない、と云うよりも準備が出来ていなかった様だ。 
しかしその1人少ない間にカタールが先制ゴールを挙げた。 中盤で吉田から岡崎のへのパスを拾った Al Hamad が前の Sebastian にフィード。そしてそのままドリブルで持ち込み最後は吉田をかわして中に切り返して日本ゴールにシュートを蹴り込んだ。今大会 Sebastian の初ゴールだった。
リプレーが何度か出たがSebastian にボールが出る時に逆サイドの伊野波が上がり切れておらずオフサイドにならなかった。 元々CBの伊野波にとっていきなり厳しい場場面に遭遇してしまった。

  

地元サポーター達の大歓声が上がる。その歓声の中、失点を許した川島の表情が映し出されるが唇が異様に紫色だったのが気になった。前の試合に出場停止だったので試合勘がちょっともどっていないと自身がかんじているのか…

日本はサウジアラビア戦でも開始早々あわや失点..という場面があった。この時期 Jリーガー達はシーズンオフ中。まだ試合モードに入るには時間が掛かるか??

そして試合再開のキックオフ時に交替選手 18歳のKhaled Muftah がピッチに入った。 先制点を挙げたカタールは攻撃に転ずるとボランチの2人の押し上げが早く前線の Sebastian と Ahmed M Ali の2人にどんどんボールを入れて来る。そして Sebastian はDFを背負いながらうまく相手を抑えたり転んでファールを取ろうとしたり。ドリブルの速さと力強さはやはりアジアでもトップクラスだ。
また両SB も高い位置をキープし攻撃に絡んでくる。そして日本選手がボールを拾うと早くに守備態勢にはいり攻守の切り替えが早い。こういうときにはDFの裏にボールを放り込んでラインを下げさせるなどすれば良いと思うのだけどパスは足元ばかりに。 その足元への縦パスが何度もカットされた。
24分24秒、右サイドで得たFKからカタールゴール前にボールが入るがクリアーされる。そのこぼれ球を拾った長友がミドルを放つがポストの右に外れて行った。これが日本が撃ったこの試合最初のシュートだった。だがようやく落ち着きを取り戻したのか前線でもボールが回る様になった。 
そして日本に同点ゴールが生まれる。前線で香川からのボールを中央で受けた本田が相手DFの裏に飛び出した右の岡崎にボールを送るとフリーで抜け出す。 そして逆サイドにループ気味にボールを上げるとそこに香川が Al Hamad に後ろから押されながらも身体ごとボールと一緒にカタールゴールに飛び込んだ。 

  

バイタルエリアでの見事なボール回しと岡崎、香川の裏への飛び出しだった。
大会前 AFC のホームページで Goal Machine と比喩された香川の大会初得点でった。
25分あたりから相手コート内に入ってワンタッチでボールを回す攻撃が非常に効果的だった。中東では天候のせいもあってかショートパスを速く回されたりワンタッチ、ツータッチのパスを回す動きに対応するのは苦手とするチームが多い。同点にしてからも試合の主導権は日本が握り本田が相手ゴールに御迫るシーン等何度かあったチャンスは得点に結びつかずに前半を終えた。 
それにしても日本サポーターの数も少なくない、あぁ見に行きたかったなぁ....

    

後に調べた公式記録では気温は17度だった。後半は日本の運動量が更に勝り優位に試合を進めるだろう..と思った。雨が降ってくれればカタールに不利になるのに…と思うもこの日は降雨の気配は無かった。

後半開始直後 Sebastian と吉田が交錯して転倒し吉田にイエローが出される。 ちょっといやなスタートだったが思えばこれが災難の始まりだったかもしれない。 Sebastian は前半にもまして日本DF陣に身体を預け何度も倒れる様になった。そして Yusef Ahmed とのコンビネーションも徐々に時間が経つにつれて脅威となる。 50分には Yusef Ahmed が右から中に切れ込んでシュートを撃つが川島の正面に。 52分には Sebastine がYusef Ahmed からのパスを受けフリーで日本ゴールに迫るが伊野波が必死に戻ってシュートを撃たせない。 開始からこの2トップめがけて放り込まれるロングボールを警戒してDF陣が押し上げられず中盤との間が空いてきていた。 そしてボランチ遠藤、長谷部が相手ボールになった時に入るマークがやや後手になっておりその分DFがマークに腐心する時間が続く。 ただこういう状況で攻守に渡って…と云うのは酷だろう。まずは相手の攻撃を抑えて…と思った。

  

57分に長友がサイドを上がりいれたクロスに岡崎が飛び込み CB Ibrahim Majed の前でヘッドを放つが惜しくもポストの右に。60分にはようやく前田にボールが入り左に振り走り込んだ長友がミドルを撃つがGK Qasem Abdull の正面に。
これで日本もペースを掴むか…と思った63分、とんでも無い事が起こる。 
カウンターから Yusef Ahmed がドリブルで上がったところに吉田がスライディングでストップ。両者ともに脚をぶつけた様で立てないところに Salleh 主審が歩み寄り胸ポケットからカードを取り出そうとする…あぁ吉田退場か。厳しいなぁ…と思うと案の定この日吉田に対して2枚目のイエローカードを提示しすぐにレッドカードを出した。 
大歓声が沸き上がる厳しい判定に見えたがリプレーを見るとスライディングで倒した Yusef Ahmed が起き上ろうとした時に吉田の脚に再びカニばさみの様に脚がはさまり吉田が故意に行く手を阻んだと取られたのだろう。日本はこれでシリア戦に続いて1人少ない状況になりカタールは絶好の位置でFKを得た。しかも4分前にブラジルからの帰化人選手 Fabio Cesar Montesin が投入されたばかりだった。
左足得意の Montesin がボールをセットする。上げられると吉田がいないのでちょっと...と思うと直接日本ゴール目がけて蹴り込まれた弾道は両選手の間を縫う様にそのままゴールネットを揺らした。

ベンチ裏に引き上げる道中だった吉田の表情がアップになる。
Montesin の見事なFKだった。そしてナイスタイミングの投入だった。でも壁が香川1枚だけというのも…人数が減ったから仕方なかったか… Montesin はワールドカップ予選にも出て来た選手なので特徴は解っていたと思うんだけど…

スタンドはもう大歓声にお祭り騒ぎ。 流れは完全にカタールだ。 こんなに苦戦するとは…やはりホームゲームは特別な力が備わるのか…
試合再開直前にCBに岩政を入れてトップの前田を下げ、岡崎の1トップに。この劣勢はどう挽回するのか… 再びリードを奪ったカタールは日本が攻撃に転じてもファールでプレーを止めて守備を整える。 Sebastian も前線からプレスに入る。それにしてもこの大会の Sebastian は必要なことなのだけど攻守に献身的だ。
2006年アジア大会で“衝撃のデビュー”を飾って以来こんな Sebastian は前のワールドカップ予選ではお目にかかれなかった。
まさか 2022 年の地元開催のワールドカップに出場しようとは思っていないだろうが次のワールドカップ予選も本当に要注意だ。
このまま負けてしまうとは思わなかったけど、相手もなかなか研究しているかなぁ…と思った。ワールドカップ予選でも2試合対戦しているし….

しかし次のゴールを奪ったのは日本。70分香川が相手から奪ったボールを本田に送り、本田は前線に出す。そこには岡崎、香川、Bilal Rajab 、Muftah が犇めいているがボールはピンボールの様に選手間に当たって最後は右前方にこぼれ、香川が抜け出しフリーでコントロール。最後は左足で振り抜いたシュートがカタールゴールに突き刺さり、日本は再び同点に追い付いた。 
   

フリーで抜け出たとはいえ香川の落ち着いて放った見事なシュートだった。
再び追い付かれたカタールは3点目を狙いボランチのドリブル得意の Lawrence が前に出てくる。そしてその度に大歓声が後押しをする。82分Montesin がドルブルでPA内に切れ込んでくるが伊野波がクリアーでCKに。そのCK に Bial Rajab が岩政と今野の間に割り込んでヘッドを放つが外れて行く。
Sebastian はサイドによってチャンスメークを試みる。これも彼のプレースタイルが変わった一面。前はそういうプレーが見られなかった。83分には Montesin がシュートコーナーを Bial Rajab に送り、そのままシュートを撃つが川島がキャッチ。 Lawrence がしっかと詰めていた。 85分には Montesin から右サイドでボールを受けた Sebastian が岩政がマークに入る前に放ったミドルはサイドネットを直撃。一瞬ひやりとさせられた。 1人少ない日本は前線に人がいない。香川が中盤より後ろに下がって来ている。延長戦に入るとさらに劣勢を強いられる。こうなるとワールドカップで見せた良い位置でのFKに期待するしかないか…
87分長谷部が倒され絶好に位置でFKを得た………

何とかカタールを振り切った日本だった。
この3年半で3回日本と対戦している Metsu 監督はかなり研究をして試合に臨んだのではないかな….

Semi-Finalist は他にウズベキスタン、オーストラリア、韓国。 中東、西アジア勢は全滅となった。この結果をみて湾岸諸国そして西アジア諸国は五輪、ワールドカップ予選に向けてどう巻き返して来るだろう..

  

日本は準決勝で韓国との対戦が決まった。 
韓国はカタールよりの力があると思う。苦戦は免れない。昨年は2敗1分。

今はでも韓国戦よりもカタール戦の勝利の余韻に浸りたい…

そして睡眠不足はどこで穴埋めしようか…

そして一言云わせてくれぃ。 伊野波 ナイス雪辱ゴールだったぞぉぉ…


   


日豪対決 実現するかなぁ.....

2011-01-22 | Football Asia

Asian Cup はやはり面白い。ワールドカップ、五輪に並んで面白い。
UEFA Champions League, 欧州選手権も面白しろいがまた違った面白さがある。
いやそれ以上の面白さが。それは日本が参加できる大会だからだ。
その Asian Cup 開幕からあっという間に2週間が経った。そして日本がカタールを激戦に末に破り、ウズベキスタンが今大会“台風の目”となったヨルダンを振り切り Semi Finalist となった。そして大会はあと6試合を残すのみとなった。
参加国はワールドカップの半分の16。従ってワールドカップと異なり大会期間は約3週間。
でもワールドカップ本大会出場枠が16しか無かった時、憶えているのはアルゼンチン大会….もっと長かった気がしたけどその大会(と、その前に西ドイツ大会 )は1次リーグを勝ち抜いた8カ国が4カ国ずつ2つのグループに分けて決勝進出2カ国を決める為に総当たりを行う2次リーグが行われた。だから1次リーグ以降トーナメント方式を採用した今回のアジア対かよりも 6試合も多かったんだなぁ…

1次リーグが終わって上位8カ国が残って始まった決勝トーナメント。
いよいよアジアの強豪同士の激突が始まるとなると思うとわくわくする。それは3年前 EURO 2008 の決勝トーナメントを前に感じたものとは異なった楽しみだ…
今日の準々決勝はオーストラリアvs イラク、 韓国 vs イラン。 キックオフ時間が楽しみなカードだ。
最終戦のバーレーン戦を 1-0 の勝利で飾り、韓国がインドに1失点を喫したおかげでSoccoeroos は Group C を首位で通過したので準決勝の対戦相手は前回の覇者イラクになった。 
イラクとは前回1次リーグで対戦。しかし高温多湿のバンコックの中で全く動く事が出来ない Socceroos は 1-3 で完敗した。
そして両者は翌年から始まったワールドカップ3次予選でも相対し Brisbane で行われたホームゲームは Kewell のヘッド1発で勝利を収めたもののアブダビで行われたイラクの“ホームゲーム”ではスコアーこそ 0-1 だったが内容は完敗だった。しかしホームで勝った試合も試合内容はイラクに押されており Schwarzer が連発するファインセーブが無ければイラクの“ホームゲーム”と同じ結果になっていただろう….. 

 


Jedinak scores as Australia make quarter-finals

バーレーン戦の Soceroos のスタメンは肩の負傷の David Carney に替り Jonathan McKay, 負傷者ボランチ Jason Culina に替って Carl Valeri , Luke Wilkshire に替って Jade Northらが起用された。 Valeri はワールドカップメンバーだったが North, McKay はメンバーから漏れたもののこれまで何度も召集されAマッチ出場経験のある選手。一方のバーレーンは韓国に敗れインドに勝ったがインド戦では2失点を喫した。引き分けると得失点差でオーストラリアが1次リーグを勝上がる。しかし勿論バーレーンが勝てば準々決勝進出を決める。
オーストラリアは 2試合を終えて韓国と同じ1勝1 分。韓国は最終戦、誰も勝利以外予想しない今大会最弱のインドが相手。(まぁ何が起こるか解らないのがサッカーだけど。)  Group 1位で勝上がらないと準々決勝の相手はイランが確実。
今大会のイランはかなり調子が良い。初戦のイラク戦での鮮やかな逆転勝。第2戦の北朝鮮を見て大会参加16カ国 No.1 じゃないかなぁ…と云う印象だった…だからまず当たりたくないだろうなぁ…と云う相手と思った。

したがってこのバーレーン戦は負けられない試合でもあった。
バーレーンとはワールドカップ最終予選でも同組となっている。マナマで行われたアウェーゲームは徹頭徹尾押しまくられており終了直前 Bresiano のゴールで辛勝をした相手。GKが Premiership でも屈指の Schwarzer でなければ負けていた試合内容。 この前のワールドカップ予選の Socceroos のMVP は何と言っても Schwarzer だったなぁ…

試合開始からサポーターの歓声に後押しされるのはバーレーン。
選手がボールを前に運ぶ度に大歓声が沸き上がる。それでもオーストラリアは Brett Emerton, Tim Cahill が惜しいシュートを放つ。だがバーレーンにこの日スタメン起用された左サイドバックのMatt McKay を狙われHamd Rakae, インド戦で4ゴールを挙げたIsmaeel Abdulatif, Abdulla Fatadi Abdulla Omar ら日本でもなじみのある選手が前線に上がって来る。 CB にベテラン Lucas Neil で無ければとっく失点してしていただろう。 
しかし中盤で徐々に主導権を握りだした Socceroos はKewell Holman からのクロスを受け強烈なシュートを放つ。このショットはGK Mansoor のファインセーブで防ぐがJedinak が37分に相手クリアーボールを拾いそのままハーフボレー気味に放ったロングシュートがバーレーンゴールに吸い込まれこのゴールが決勝点になった。
これでトルコのGencelerbirligi でプレーしている Jedinak は韓国戦に続いて連続ゴール。 A-League Central Coast Mariners 時代からパワフルなロングシュートは定評が高かった。



先制直後にも Jedinak はロングシュートを放つが今度は GK Mansoor がファインセーブを見せる。前半終了前に Emerton が今大会2枚目のイエローを受け次の準々決勝戦には出られなくなってしまった。
後半に入り最初のチャンスを掴んだのはバーレーン。Abdulatif の強烈なミドルシュートは Schwarzer がストップ。
52分オーストラリアは決定的なチャンスをものにできなかった。 カウンターからKewell がドリブルで突破し上手く GK Mansoor をかわして右サイドに走り込んだ Cahill に素晴らしいクロスを送るが力が入りすぎたか Cahill はこれをミスショット( いやミスヘッド ) 地面を蹴りあげて Cahill は悔しがる。 
57分今度はバーレーンがカウンター攻撃に転じOmar が中央をドリブルで上がり Fatadi が Ognenovski がマークに入る前にミドルを放つがまたも Schwarzer が弾き出す。Jaycee John の動きにDF陣がつられて Abdul Fatadi にボールを持たせすぎた。 66分 バーレーンは更に大きなチャンスを掴む。右サイド Isa から入ったアーリークロスが逆サイドのフリーの Fatadi に渡りシュートを放つが Schwarzer が足でクリアー。 更にそのリバウンドにバーレーン選手達が飛び込むがオーストラリアDF陣も必死のディフェンス。
Fatadi は68分にも絶妙のスルーパスを受けるがここは Ognenoski が長い脚を入れてシュートを撃たせない。この試合前半からカタールでは珍しい雨が降り続いていたが60分過ぎからバーレーン選手は雨のピッチに慣れて来たのか収まる様になった。それに両チームとも中盤のマークが甘くなりミドルシュートの応酬となった。
ただ優位に攻めるバーレーンは高さではオーストラリアDF相手では苦戦を強いられCKでも Ognenovski らに跳ね返される。前のワールドカップ予選では Mohamed Adnan と云う長身のヘッドの強い選手がいたがこの大会には招集されていなかった。
77分オーストラリアベンチは Kewell を下げ Scott McDonald を投入し Cahill と2トップを組み、更に2分後 Jade North が下がり Neil Kiljenny が投入され 中盤に入り Emerton が右サイドバックに入り、 Valreri が右の2列目に入った。
試合時間が無くなり85分にバーレーンは Omar が強烈なミドルを放つがGK Schwarzer の正面。最後の数分、両者得点を狙い当たりがきつくなって来る。西村主審もゲームコントロールに忙しくなる。 87分 Cahill を下げ、 Melbourne Victory の若い Robbie Kruse が投入される。脚を痛めてしまった様だ。 そしてロスタイムが4分と表示される。92分 Omar からのパスを受けた Malood が Ognenovski をかわしてシュートを撃つがポストの右に外れる。終了間際にOmar がドリブルでオーストラリアゴールに切れ込む。 Neil がマークに入り転倒するが、ここは西村主審が“私は見ていたよ”というジェスチャー。 そしてスコアーはそのまま動かず試合終了のホイッスルが鳴り響いた……

中東で珍しい雨がこの日も降った。これが無ければもう少しバーレーンが優勢に動けただろうか…..

怪我人続出…

決勝ト-ナメント進出を決めたオーストラリアだが、怪我人と出場停止選手がいてメンバー構成がどうなるのか.. Luke Wilkshire と David Carney は戻って来れそうだが Jason Culina は膝の怪我がまだ完治せず練習を切り上げている。Holger Osiek 監督も Culina はイラク戦には起用出来ない見通しと漏らす。
更に深刻なのは Tim Cahill の怪我と Brett Emerton の出場停止。バーレーン戦では終了間際に相手DFとの空中戦で肩を痛めた Cahill は若い Kuruse と交替でベンチに下がった。まだイラク戦でのプレーに就いては言及されていないが、 Cahill 抜きだと攻撃は….

ドイツ人のWolfgang Sidka イラク代表監督は同じドイツ人監督である対戦相手の同じドイツ人Holger Osieck 監督に就いては 
“彼を良く知っているが残念ながらお互いのドイツ人監督は準々決勝で直接対戦するので大会が終わってから会いたいね。” この様に語った。

“試合は難しいものになるだろうが、我々は充分な準備を行いそして何を次にすべきか解っている。 重要な事は自分達の試合を心配する事で、対戦相手に就いて考えすぎると次に何をすべきかと云う事を忘れがちになる。”
Kewell 同様ワールドカップ予選のイラク戦、ホーム、アウェー共にプレーした Jade North は “イラクと対戦した時は、彼らはあまりにも動きが早くて流動的であったということ。彼らは良いサッカーをするチームの一つで彼らは前回の Asian Cup 王者でそれを皆に証明しようとしている。”
この様に述べた。
Emerton の不在に就いては“これが最初では無い。彼の出場停止は残念だがしかし我々は最後の日曜日もまだ残っているだろう。我々のプラン通りには事が運ばないだろうが、大会でも良いチームの動向を見て彼らは必ずしもいいプレーをしていなくても勝つ事があると言う事を思い出すだろう。”
DFの要 Lucas Neil はこう話した。 

 

ここまで来たら今年の Asian Cup の決勝戦は日豪対決にならないかなぁ.... その前に日本は準決勝で韓国かイランに勝たねばならない.....


Asian Cup 2011 開幕1週間が経過….

2011-01-15 | Football Asia
1月7日。中東カタールで 出開幕した Asian Cup は1週間が経過した。寒さの厳しい日本で中東の暑さを羨ましく思いながら見る Asian Cup の熱戦も後に思い出になるだろうなぁ…

初日にホスト国カタールがウズベキスタンに 0-2 で敗れ、翌日は Gulf Cup , West Federation Championshipで連続優勝したクウェートが中国に敗れ、更に9日には Group B というよりも大会優勝候補のサウジアラビアがシリアに敗れ、そして同じく優勝候補の日本がヨルダンに引き分ける等波乱のスターと。 
しかし大会4日目に搭乗したワールドカップ出場国の韓国とオーストラリアは共に白星を挙げ (オーストラリアは対戦相手が完全に格下のインドだったのでこの結果は当然だけど..) , 以降カタールが中国を降し、やや苦戦をしながらでも日本がシリアを破るなど1次リーグ勝ち抜け候補国が順当に勝点を積み重ね始めている。
そんな中サウジアラビアは2連敗で1次リーグ敗退が決まった。
1984年シンガポール大会以来2004年中国大会を除いて全て決勝進出を遂げていたサウジアラビアの1次リーグ敗退はちょっとした驚きだった。(2004年大会も1次リーグ敗退。)昨年のGulf Cup では決勝に進出。12月6日に行われた決勝戦では上述の通りにクウェートに敗れたが引き続きポルトガル人の Jose Peseiro 監督が指揮を執る事になり今大会に臨む事が出来たのだけど…

初戦のシリア戦に 1-2 で敗れその Peseiro 監督が更迭されサウジアラビア人の Nasser Al Johar 氏がチームの指揮を引き継ぐここととなった。 Al Johar 氏は2000年レバノン大会でも初戦の日本戦に 1-4 で敗れた後にあの Milan Macala 氏が更迭された後に監督の座を引き継ぎ見事にチームを立て直し決勝戦までチームを引っ張った。その決勝では日本が望月のゴール1発でサウジアラビを破った事を覚えている人も多いと思う。だから次のヨルダン戦以降はチームを立て直すと思ったのだけど…

AlJohar 氏は2002年ワールドカップでも監督として参加初戦、ドイツに 0-8 と歴史的な大敗を喫するなど3連敗0得点で大会を後にした。この大会のアジア地区予選ではセルビア人の Slobadan Santrac 氏がチームを指揮していたが途中で更迭され Al Johar 氏が引き継いだ。 
Al Johar 氏はAsian Cup 2000年大会途中で監督就任以来この10年3カ月で4回目のサウジアラビア代表監督就任となった。だけど大会後はまた替えられるのではないかな…

Asian Cup は私にとってはワールドカップの次に好きな大会だ。欧州選手権も面白いが Asian Cup は日本が参加する大会。面白さは断然違う。
1976年専門雑誌で西ドイツがチェコスロバキアにPK戦の末に敗れた記事を見つけて初めて欧州選手権の存在を知った。その時に“アジアでもこういう大会は無いかなぁ…いくら日本でもアジアの上位8カ国には入るだろう。そうすれば日本も参加できるのになぁ…韓国だけでなくて他のアジア諸国と対戦するのをみたいなぁ….” とそう思った。 

しかしそれから数年後専門雑誌に”アジアカップに今回も日本は代表を送らない決定を降した。“旨の記事が小さく紹介された。
後で調べて解った事だけど 1956年に始まった Asian Cup で日本は1968年イラン大会予選にようやく初めてエントリーをし、1967年11月に台湾で開催された予選大会では韓国を 2-1 で破る等したが得失点差で台湾に次いで2位となりに本大会出場はならなかった。しかしこの予選大会に派遣されたのはBチームらしく、Aマッチとしては数えられていないらしい。
1976年イラン大会にはAチームが派遣され1975年6月香港で開催された予選大会では準決勝戦で中国に敗れ本大会出場はならなかった。
次に日本がAsian Cup にチームを送ったのは1988年カタール大会。しかし派遣されたのは学生選抜チーム。だがこのチームが1988年4月にマレーシアで行われた予選大会では初戦こそクウェートに 0-1 で敗れたものの続く地元マレーシアを相手に 1-0で勝利を収め第3戦のヨルダン戦を 1-1出引き分けると最終戦ではパキスタンを 4-1 と粉砕し史上初めて本大会進出を決めた。
そして年末にカタールで行われた本大会にも日本は井原(筑波大)松山(早稲田)堀池(読売クラブ)ら現役A代表選手がいたもののまたも学生を中心としたチームを送った。それは学生選抜で予選をとっぱしたからか、それとも主力を天皇杯に集中させる為か…私はその両方だと思う。
当時協会は五輪出場を最大の目標としており限られた予算もそこに“つぎ込まれて”いた。そして“所属先”の企業も“五輪に出られるなら。”と云う事でチームと社員(選手)の維持を決めていた。 Asian Cup はおろかワールドカップなんて熱心なサッカーファン以外は誰も知らない時代だった……
その学生主体チームで臨んだ1988年カタール大会は1次リーグで韓国、イラン、カタール、UAEと同組。全てフル代表チームを相手にイランと引き分ける健闘を見せたが1分3敗0得点6失点で大会を後にした。 
この結果は専門誌で報道されたのみ。そして他国の報道陣が“日本は何故フル代表を送らないのか?”と非難していた事も書き加えられていた。 
しかしそのチームには井原、堀池らの他に後に代表入りする事となった黒崎久(当時本田技研所属)、ゴン中山(筑波)高木琢也(大阪商大)前田治(全日空)大嶽(順大)阪倉(順大)ら後にA代表を果たした選手らがいた。監督は当時A代表監督だった横山謙三氏。横山氏独特の将来を見据えての選考だったのかもしれない…… 今ではとても良い思い出だ。 

  

1次リーグ14試合を終えた。大会5日目のイラン対イラク、翌日のカタール対中国、なかなか見応えがあった。イラン対イラクを観ていると “日本は大丈夫かいな…” と思ってしまった。 
韓国対オーストラリアは出来れば準々決勝以降に観たい試合だったなぁ…韓国は現時点では日本より調子が良い。日本はこれからどれだけ調子が上がるだろうか…
かつて中東、西アジアで開催された Asian Cup で東アジアの代表が優勝したのは 2000年のレバノン大会で勝った日本だけとのことだけどこの時の開催時期は10月。
今大会の様に年末、年始に開催された大会 ( 1984年シンガポール大会 、1988年カタール大会:共にサウジアラビア ) ではまだ東アジア勢は勝てていない。というよりも1990年代に入るまでアジアの勢力図は中東勢が圧倒的に優勢でそれに対抗できるのが韓国だけだった。( 1984年は中国が準優勝 )

今夜19年ぶりに Asian Cup 本大会に出場を決めた北朝鮮がイラクと対戦するがこの試合も楽しみだ。 

  

ワールドカップに日本は出場出来るようになったけど、 1992年大会以来Asian Cup に毎回日本が出場してテレビ中継があるのも有難く思う。
そういえば前回は4カ国の共同開催。ベトナム、タイ、インドネシア、マレーシア。 今回は全て予選で姿を消した。地元開催を全く生かせていない証拠だ。でもこれらの国々で開催してくれたおかげで現場観戦できる機会にも恵まれたんだけど…
カタールはちょっと遠かったかなぁ….時期的にも暇な時期でもなかったし。イスラエルに行ったのでパスポートを何とかしないと中東諸国にはいけないんだよなぁ……

決勝戦は1月29日。 日本がそれまで残っている事を祈るよ。

それにしても今年の冬も寒いなぁ……

 

Cash Cow の国で跳ねられるか Socceroos

2011-01-09 | Football Asia
12月2日。FIFA公式サイトの動画で2018年と2022年に開催されるワールドカップのホスト国の発表を見ていいた。2018年大会の開催地はロシアに決まった。 
あぁ…England だめだったのか…. そういえば数時間前の英国のブックメーカーの最新の予想では2018年がロシアで 2022 年がカタールがそれぞれ本命視されていたなぁ….. 2022年大会は日本も立候補していたけど、共同開催とはいえ2002年に既にワールドカップを開催したばかりなのでちょっと難しいかな…まだ未開催国にということとなればオーストラリアが有力でそれが平等かな・・・と思いつつ、固唾をのんで凝視していたディスプレィを通してブラッター会長が封筒から出した白い紙に書かれていた“開催国名”は QATAR だった…

  


オーストラリアに票を投じたのはドイツの皇帝ベッケンバウアーだけだったらしい….. 翌日から英国と豪州の落胆ぶりはそれぞれの地元紙の社説やコラムを含む報道記事をみれば手に取る様に解った。ある英国紙はカタールの事を Cash Cow ( 金のなる木 ) と比喩するなどそして怒りの矛先は FIFA にも向いていた( また詳しくアップします…誰も見ないか….)

Socceroos は2回目の挑戦となる Asian Cup 。
前回 Asian Cup に臨んだ Socceroos はオーストラリアのサポーター達絶大なる期待を背景に初出場初優勝を目論んでいた。 Gold and Green と呼ばれるオーストラリアのサポーター達も我らが英雄達の快進撃を見られると1次リーグが行われたタイに多く集った。前年ドイツので日本を撃破した事を回想しながら..
しかしそこに待ち受けていたのは大いなる落胆と経験した事無い高温多湿の気候だった。幸運にも私は現地観戦する機会に恵まれたが、ピッチ上の Socceroos 達を見て彼らは本当に前年、我が Samurai Blue を打ちのめしたメンバーなのだろうか…と眼を疑った。暑さの為に運動量は全く見られず脚元で受けるパスばかり。初戦のオマーン戦は先制を許し終盤に Cahill のゴールで追いつくのがやっと。続くイラク戦は1対1で競り負けるシーンが続き 1-3 で完敗。オーストラリアから駆け付けたサポーター達の信じられないという表情は忘れられない。
試合後当時の Arnold 監督が “いやいやここに来た選手が何にかいる。” と言ったとか言わないとかで、その発言にコメントを求められた Viduka が “ Disagree !! “ と語ったシーンを見てチーム崩壊もあると思われた。
そして剣が峰で迎えた地元タイとの第三戦は 4-0 と快勝し1次リーグ敗退の危機から逃れられたが、その勝因はこのタイ戦がナイトゲームで終盤には降雨が始まるなど“動きやすい気候”に助けられたことにも大いに寄与した。そして準々決勝戦では Aloisi のゴールで先制しながら高原のゴールで追いつかれ日本にPK戦で敗れワールドカップのリベンジを喫してしまった。

それでも大会翌年から始まったワールドカップ南アフリカ大会予選ではメルボルンで行われた最終戦で日本を逆転で 2-1 で破る等圧倒的な強さを見せてアジア地区予選を通過しその存在感を見せつけ、本大会前は地元メディアも前回大会とは比べ物にならないくらいの報道を繰り広げ前回以上の戦績が期待された。
しかし初戦、若いドイツ選手の早い動きに老齢化したMF,DF陣はさっぱり対応できず8分に Podolski 26分に Klose に連続ゴールを決められこの時点で2大会連続1次リーグ突破の期待は事実上霧散してしまった。

新監督 Holger Osieck の就任
8月11日 Socceroos のワールドカップ挑戦が終わって約1カ月後 Holger Osieck 新監督就任が発表された。日本人からすればOsieck 氏が浦和レッズを ACL 優勝に導いた監督として有名だけど、オーストラリアではそうでもなかったらしい。
地元紙ではドイツで数年プレーした後に Fenerbache と Urawa Red Diamonds で指揮を執った経験があり、1999年から4年間カナダ代表監督に就任した間、 2000年CONCACAF Gold Cup で優勝を果たした事と1990年 Beckenbauer 率いる西ドイツがワールドカップで優勝した際にアシスタントコーチとして優勝チームに従事していたことが説明されていた。
そしてワールドカップ南アフリカ大会終了後、 Socceroos の監督候補として元南アフリカ代表監督だったCarlos Parreira 氏 やカメルーン代表監督だったPaul Le Guen 氏の様に候補に入っていなかった事を述べる記事もあった。就任翌日の地元紙のアンケートでは彼の存在を就任発表前から知っていた人は11%程度であったらしい。その11%にはおそらく2007年浦和レッズと ACL を戦った Sydney FC のサポーターが多く入っていただろう…

  

Slovenia 2 Australia 0 Ljubljana 12.AUG. 2010

新監督就任の翌日、 Socceroos は Slovenia の首都 Ljubljana に乗込みスロベニア代表との親善試合に臨んだ。両チームとも6月23日、ワールドカップ1次リーグ最終戦以来のAマッチとなったが、スロベニアはベンチスタートのエース Ljubjiamkic 以外は全てワールドカップでのレギュラーメンバー。一方オーストラリアは Cahill, Kewell そして Kennedy ら攻撃的選手や RSB Brett Emerton らが遠征に帯同せずワールドカップではドイツ戦とガーナ戦途中出場だった元 Perth Glory の Nikita Rukavytsya ( Hertha Brelin SC ) とA-League Gold Coast United の Bruce Djite,らの2トップスタメン。しかしワールドカップ2ゴールの Brett Holman 。GK Schwarzer, CB Lukas Neil LSB David Carney ( Twente ) MF Luke Wilkshire ( Dinamo Moscow ) らワールドカップメンバーがスタメンに。スタメン11人中 Djite と DF Jade North ( Wellington Phoenix ) を除く9選手がワールドカップメンバーで期待された?世代交代はこの試合ではまだ見られなかった。

試合は開始からホームのスロヴェニアが押す展開。15分にはこの試合のスロヴァニアのスタメン選手の中で唯一ワールドカップでは 控え選手だったTim Matavz ( Groningen ) が決定的なシュートを放つが Shcwarzer がファインセーブで防ぎ35分にも Andraz Kirm (Polonia Warszawa ) のシュートもセーブし存在感を見せる。
オーストラリアは前半 Djite, が決定的なシュートを放つが GK Samir Handanovic ( Udinese ) の好セーブで得点にならなかった。後半に入りスロヴェニアは Matavz に替えて Dedic ( Bochum ) , 68分に Illicic ( Maribor ) そして74分にエースLjubjiamkic ( Gent ) が投入され主導権を握り78分に Miso Brecko ( 1FC Köln ) からボールを受けたDedicが 90分に Ljubjiamkic ら交替出場選手達が連続ゴールを上げた。
オーストラリアは後半 56分 Djite に替えて Vidosic ( Nurunberg ) 70分に Rukavytsya に替えて Nathan Burns ( AEK Athens ) らワールドカップ予選では起用されたがワールドカップメンバーから漏れた選手達を投入し得点を狙うがスロヴェニア DF 陣から得点を奪えなかった。
後半からはGK Federici ( Reading ) が Schwarzer に替って投入されたが2失点を喫した。 Holger Osieck “新監督”はスタンドからこの試合を観戦していたらしい…..

M. Schwarzer ( 46’ A.Federici ) , L.Neil, D.Carney, J.North, B. Holman, L. Wilkshire, C.Valeri, M. Jediniak ( 88’ J.Holland ) , R.Garcia, B.Djite ( 56’ D.Vidosic ), N.Rukavytsya ( N. Burns )

  
Switzerland 0 Australia 0 St.Gallen  4.SEP.2010

Holger Osieck 新監督の“デビュー戦”となったスイス代表との試合はスコアレスドローに終わった。この試合のスタメンも CBに浦和レッズの Spiranovic 、そしてFWに McDonald ( Middlesbrough ) が起用された以外のスタメンはワールドカップメンバー。 Spiranovic は怪我でワールドカップに選ばれず McDonald も Verbeek 元監督のワントップ起用に適していない為に最後にメンバーから外れた選手で実質“新戦力”は起用されなかった。一方のスイスはスタメン11人中8人がワールドカップメンバーであったがレギュラーだったのは Lichsteiner ( Lazio ) , Inler( Udinese ) , Frei ( Basel ) Derdiyok( Bayer Leverkusen ) の4人。これは3日後 Basel で行われたが欧州選手権予選の England 戦に向けて主力の半分をベンチスタートとさせた為。そして MF Tranquillo Barnetta ( Bayer Leverkusen ) はインフルエンザの為に試合に出られなかった。
それでも試合は地元スイスが主導権を握り続けGK Schwarzer がまたもファインセーブを連発しかなりの時間帯でピンチが続いたがDF陣が頑張り何とかドローに持ち込んだ。ワールドカップが終わり代表に復帰した Scott McDonald も何度かチャンスは有ったのだがゴールは奪えなかった。

“選手達は良くやったと思う。いくつかのチャンスも作り得点機もあったがファインプレーの為の最後のワンタッチが不足していた。選手達の姿勢は大変良かった。後半にはいりスイスは4人の交替選手を投入し他の事により我々は混乱を招き何度かミスパスを繰り返した。” 試合後 Osieck 監督はこう語った。
それでも数週間所属先の Blackburn で出番の無かった Brett Emerton が良いパフォーマンスを見せ、得点こそ挙げられなかったが McDonald も何度かチャンスを掴んだ。
しかしこの試合でもチームを救ったのは守護神 Schwarzer 、前半は至近距離からの Albert Bunjaku ( Nurunberg ) のシュートをストップし、後半開始早々の Margairaz ( F.C.Zurich ) のヘッドは指先で弾き出した。
60分にはPKを献上し、この試合で通算77試合40得点を決めていた Alexander Frei はSchwarzer が飛んだ方向と逆に蹴ったがゴールを外してしまった。 4日前の8月31日に Shcwarzer は Arsenal への移籍を断ったばかりであったが、
“先週起こった事を彼は払拭した。なぜなら彼は素晴らしいプロフェッショナルであるからだ。”と Osieck 監督は称賛を惜しまなかった。

M. Schwarzer , L. Neil, M. Spiranovic, D. Carney, T. Cahill ( 66’ D. Vidosic ) ,
J. Culina, B. Emerton , B. Holman ( 83’ T. Oar ) , L, Wilkshire, C. Valeri ( 81’ M. Jedinak ) , S. McDonald

   

Poland 1 Australia 2 Krakow 8.SEP.2010

スイス戦から4日後 Poland の Krakow で行われたポーランド代表との親善試合でオーストラリアは 2-1 で勝利を収めワールドカップ後初勝利を上げた。
試合は71分に Brett Emerton が退場になり1人少なくなったがポーランドの同点ゴールを許さず Osieck 監督が就任後初勝利を上げた。この日の最大の収穫はスタメン起用された GK Federici がRobert Lewandowksi ( Borussia Dortmund ) のPKをストップするなど他にもピンチを好パフォーマンスで防ぐなど GK は Shcwarzer だけでは無いとばかりに存在感を示した事だった。
Osiekc監督はスイス戦のスタメンから4人の選手を替えた。 GK にはFederici がMark Schwarzer に替ってスタメンに起用されMile Jedinak ( Genclerbirligi ) , Garcia ( Hull City ) そしてJon McKain ( Al Nasr : Saudi Arabia ) らがJason Culina, Emerton そして Matthew Spiranovic らに替ってスタメン起用された。そして前線はスイス戦に続いて McDonald と Cahill が2トップを組んだ。
試合は14分ワールドカップで2得点を上げたBrett Holman ( AZ ) のミドルシュートが GK Przemyslaw Tyton ( Roda JC ) が守るゴールを破り先制ゴールを上げたが18分、 Socceroos DF陣のルーズなマークを掻い潜った Lewanodowski が同点ゴールを決めた。
しかしその8分後 Holman がまたもポーランドDF陣を切り裂き最後は R.Garcia に決定的なスルーパスを送るとポーランド代表の主将Michal Zewlakow ( Ankaragucu : Turkey ) がGarcia を倒し、Ivan Bebek 主審が素早くペナルティースポットを指す。そのPKをLuke Wilkshire が冷静にGKTyton が飛んだのと反対方向に流し込みオーストラリアが再びリードを奪った。
Holman は29分に負傷の為 Emerton に替ってベンチに下がり、その4分後ポーランドは再び同点にするチャンスを掴んだ。オーストラリアゴール前に迫った Blaszykowski を McKain が倒してしまいPKを献上。しかしLewandowski ( Borusia Dortmund ) のPKはGK Federici が左に飛んでブロック。最大のピンチを救った。
71分に Emerton が2枚目の警告を受け退場となると Osieck 監督は75分に Cahill を下げて D. Vidosic をそして81分には McDonald に替えて N. Burns を投入する等守備を固め何とか逃げ切った。これで9月の欧州遠征はFIFA ランク 17位のスイスと引分け 56位のポーランドに勝利を収め1勝1分で終える事が出来た。

Lukas Neil 主将はこの欧州遠征での成果を手放しではないものの満足な様子。
“アウェーの地において1勝1分で終えられた事は大変嬉しい。まだ多くの事を学んだり行ったりする必要があるがここには才能と潜在能力が秘められている。我々は自分達の失敗から1月に向けて学んで行かねばならない。”
“まだやらねばならない事が多くある。”試合後 Osieck 監督は守備に就いてこの様に示唆した。そして前線は Verbeek 時代とは異なり2トップを起用して行く様に思われた。そしてまだこの時点ではワールドカップ後出場機会のない
Harry Kewell, Josh Kennedy そしてMichael Beauchamp らの復帰も待ち望まれた。

A. Federici , L. Neil, D. Carney, J. McKain, T. Cahill ( 75’ D. Vidosic ) , B. Holman ( 29’B. Emerton ) , L. Wilkshire, C. Valeri ( 55’ J. Culina ) , M. Jedinak, S. McDonald ( 81’ N. Burns ) , R. Garcia

     


パラグアイ戦以降に続く

ワルシャワで聞いた吉報 なでしこアジア大会制覇 !!

2010-12-04 | Football Asia

11月22日、9年ぶりに訪れたワルシャワの早朝は曇っていた。
そして昼前から雨が降り出して来た。日中でも気温は10度まで上がらなかった。
氷雨のワルシャワの中心街を歩きながら携帯でアジア大会女子サッカー決勝戦の結果をチェックする。

    なでしこ北朝鮮を破り金メダル   

と云う見出しが映し出された。

よしっ !! よぉぉぉ~っっし !! ナデシコ !! ナデシコ !! 拳を握りこう叫びはしなかったけど、声には出した。
ついにアジアの公式大会で優勝を飾った。AFC主催でないのでオーストラリアは出ていないけど…

前回はPK 戦で北朝鮮に敗れていただけに、今回は優勝というよりも北朝鮮に勝てたことが嬉しかった。海外に商用で訪れている時ほどこういう日本代表の快挙に力づけられる事は無い。それはサッカーに限らず。ドイツ訪問時に
“来年はなでしこが来ますからね。今から楽しみなんですよ。” 
こう話す現地の邦人の方がおられた。彼もこのニュースを聞いてさぞ喜ばれた事と思う…… そして早く帰ってこの試合を見たいなぁ…と思った。

   

会社の同僚に録画をお願いしたアジア大会女子サッカーの決勝戦、普通結果の解っているスポーツの録画試合ほど面白くは無いものだが、こういう録画試合はいつでも歓迎だ。
なでしこも北朝鮮も3日前の準決勝戦は120分を戦っている。北朝鮮は準決勝の韓国戦ではスタメンだった李芸に替って17歳の全明花がMFでスタメン起用された他は同じメンバーだがなでしこは準決勝の中国戦と同じスタメン。1次リーグの北朝鮮では終了1分前に投入された矢野が右サイドバックでスタメン起用された。
北朝鮮は先述した全明花とこれまで3得点の羅恩心が1次リーグではベンチスタートだったがこの試合はスタメン起用された。特に羅恩心は準決勝の韓国戦では延長戦に入って2連続ゴールを挙げたストライカーで金英愛と2トップを組んだ選手。
 5月に中国で行われたワールドカップ予選を兼ねたアジアカップの1次リーグでも両者は対戦しているがその時は既に1次リーグ勝ちぬけを決めた後の試合でなでしこは欧州組みの宇津木、永里、安藤は起用されたが澤が起用されなかった。
そしてこの試合のスタメンの中では交替出場選手も含めて矢野、近賀、上尾野辺、宮間、熊谷ら5人が起用され、北朝鮮は MF 許恩別以外はすべて5月のアジアカップで日本戦を経験していた。

テレビ中継が始まった時は前半20分あたりだった。
大野が後方からのパスを上手く受けバウンドを利用してマークに入った鄭福深の前で強烈なシュートを放ちネットを揺らすが残念ながら弾道が直撃したのはサイドネットの外側だった。
そしてここから北朝鮮が攻勢に出てくる。ロングパスは早くて正確。そして中盤から後ろの押し上げも早い。日本がクリアーしたボールも直ぐに拾うのは北朝鮮の選手達。日本選手にボールを入っても寄せが早い。そして北朝鮮のDF、MF 陣は戻りも早い。17歳の許恩別、全明花は積極的に攻撃に絡んでくる。なでしこのエース澤は守備に腐心して前に出て来れない。
37分、金英愛が左サイドから上げたクロスから李芝が正面からヘッドを放つがGK山郷が左に飛んでナイスセーブ。その弾いたこぼれ球に全明花が走り込むが左サイドバックの上尾野辺がフォローに入りクリアー。 

42分にも金英愛が右から入れたクロスが熊谷の足に当たり金貞心の足元にこぼれるそしてそこから放たれたミドルはクロスバーを直撃する。 

観客席の一角には恐らく他の競技の北朝鮮選手団が陣取り声援を送る。
そして北朝鮮が攻撃に転じると地元観衆から大歓声が沸き上がる。“加油 !! “ の掛け声も当然北朝鮮選手団に向けてのものだ。ここにも反日教育の成果が表れているが、最後に彼奴等を黙らせてくれたのか、と嬉しく思っていると前半はスコアレスで終えた。シュート数は日本が4本に対して北朝鮮は3本だったけど試合内容は北朝鮮が優位に進めていた。

 

後半に入っても北朝鮮が試合をやや優勢に進める。しかし先に動いたのは北朝鮮ベンチ。MF金貞心を下げてベテランの李芸を入れる。
56分、大野が全明花に倒されイエローカードが出される。そしてそこで得たFKのこぼれ球を拾った高瀬がシュートを撃つが惜しくも外れる。
前半の大野のシュート以来初めて見た日本の攻撃らしい攻撃だったがそれよりも印象的なのはFKの時に聞こえた“ニッポン!ニッポン!”の声援。現地邦人の方達だろうか….試合終了後には彼らの勝利の歓声が鳴り響いた。

60分から再び北朝鮮の攻勢が展開される。李芝が阪口のマークに入る前に上げたクロスにCB熊谷、岩清水の間に割って入り羅恩心がヘッドを放つがクロスバーを越えた。61分には左からのクロスを受けた金英愛が後ろに戻し走り込んだ李芝が放ったミドルはポストの右に外れ、62分には右からのクロスをキャッチしようとした山郷に金愛英が体を寄せボールをファンブルして倒れるそのこぼれ球を拾った羅恩心のシュートは日本DFに当たってゴールラインを割ったが、これはキーパーチャージではと思わされたプレーだった。63分には上尾野辺が羅恩心を倒してFKを与える。李芸が入れたFKは中央に走り込んだ趙燕美と李英愛が交錯して倒れ誰にもボールは触れられなかった。 

劣勢続きのなでしこは64分上尾野辺に替って鮫島を投入するがこの選手起用が試合を左右した。これで北朝鮮の右からの攻撃をシャットアウトし北朝鮮の攻撃を大きく低下させた。そして北朝鮮の運動量が落ちて来た事により中盤でスペースが出来始めた。
そして73分、高瀬が栄貞仙に倒されて得たFKを宮間が中に入れるとGK洪明姫がパンチングでCKに逃れると再び宮間が入れたCKにCB岩清水がヘッドで合わせ見事に北朝鮮ゴールを割り決勝点を挙げた。崔英心と栄貞仙がゴール前に上がっていた澤の動きに惑わされマークが中途半端になったところを上手く岩清水が入り込み決めた見事なヘッドだった。 

  

     

先制を許した直後、北朝鮮ベンチは全明花を下げて金卿花を、83分には金英愛を下げて175cmの尹賢姫を入れるが金卿花も尹者姫も1次リーグの日本戦でスタメン起用された選手達。尹賢姫がトップに入り高さを生かして落としたところを羅恩心らが拾ってと云う戦術なのだろうが李英愛を下げてくれたのは助かったのではないか?

  

北朝鮮女子の金光民代表監督が映し出される。あのドーハでのワールドカップ予選では右サイドバックの選手だったが相対した勝矢に完封された事を思い出した。

なでしこの佐々木監督も82分に近賀を下げて川澄、89分にはFW大野を下げて北本を入れる。そしてロスタイムが4分と表示される。そんなに時間が止まっていただろうか??これも反日の影響かもしれない。
91分、CKから173cmのCB崔英心がヘッドを放つが僅かにポストの左に外れ、93分には左サイドから逆サイドのフリーの李芝に送られる。そこに熊谷、鮫島の2人が必死に戻りシュートを撃たせないが、あの距離からでも李芸がミドルを放っていたら解らなかった。
そして49分13秒、タイ人の Kamnueng 主審のホイッスルが鳴り響きなでしこのアジア大会初優勝が告げられた。

オーストラリアはいなかったが、北朝鮮、中国を降してのタイトル獲得は大きいと思う。しかも安藤、宇津木、永里といった欧州でプレーする選手抜きで戦った大会だった。だが何と言っても中国で開催された大会で中国を倒して決勝に進出し“アウェー”の中で勝ったことは嬉しかったし、その精神力には来年のワールドカップに向けて期待させられた。

女子サッカーの世界ではアジアの大会は結構ハイレベルだと思うけど今大会を見ると優勝した日本が決して頭一つ抜け出しているという訳ではなく、最近は韓国女子も急速に力を付けて来ている。今後の勢力図はどうなるだろう…..

アジア大会が終えて来年の女子ワールドカップの組み分けが決まり世界ランク5位の日本は23位ニュージーランド ( 6月27日 ) 、22位メキシコ ( 7月1日 )、10位イングランド ( 7月5日 ) と同組になった。何とかベスト8以上の期待が高まる。 

来年は5年ぶりにドイツでワールドカップ観戦を楽しもうか….

だけど家族にどういって説得しようか….これからゆっくり考えるとしよう。

 


中国女子は凋落か世代交代か…

2010-11-24 | Football Asia
日中両者は今年5月30日、来年ドイツで開催されるワールドカップ出場権を懸けて中国 Chengdu スポーツセンターで行われた Asian Cup の3位決定戦で対戦しており日本が安藤梢と澤のゴールで中国を破り来年ドイツで開催されるワールドカップ出場を決めた。中国女子は北京五輪の準々決勝でも敗れているのでこのアジア大会準決勝は是非とも勝たかったに違いない。さもなくば日本戦、公式戦しかも地元で3連敗となるからだ。

両チームのスタメンとベンチ入りの選手は下記の通りだった。

中国:GK 13-張越 DF 3-周高萍 4-李丹陽 5-袁帆 6-翁新芝, MF12-王一航 18-屈珊珊 9-馬君
10-李琳 11-古雅莎  FW 17-庬豊月

控え:1-張艶茹 2-劉華娜 7-孫凌 14-孫莉莎 15-于雅慧 8-徐媛 16-張娜

日本:GK 1-山郷望 DF :3-矢野喬子 2-岩清水梓 4-近賀由香里 13-熊谷佐己 MF :18-高瀬愛美
6-阪口夢穗 10-澤穗希 8-宮間綾 7-上尾野辺恵 FW :11-大野忍

控え:5-鮫島彩 9-北本綾子 12-海掘鮎上 14-山口真美 15-長船買奈 16-川澄奈穂美

于雅慧が韓国戦怪我でベンチに下がったせいか周高萍が左SBに入る。袁帆と組むCB は170cm の李丹陥。韓国戦スタメン右SBだった162cm の劉華娜に替って韓国戦CBだった 168cm の翁新芝が右SBスタメン。 FW韓国戦MFだった庬豊月の1トップ。韓国戦MFは総入れ替え、韓国戦FWスタメンの2トップの1人王一航はMFに下がり徐媛はベンチスタート。
孫凌、孫莉莎の韓国戦スタメン組みはベンチスタートで交替出場だった屈珊珊と古雅莎そして170cmの馬君がスタメン。高身長を並べたか?だけど孫凌は 175cm 。張越は 186cm の長身GK。 日本は北朝鮮戦とスタメンを並べた。

中国女子代表は Asian Cup までエースストライカーだった美人選手でアジア大会の前怪我の為に代表入りがならないことが表明されていた韓端他、5人の選手が入れ替わっていた。そしてその試合でスタメンでこのアジア大会もメンバー入りしていた4人の選手、GK張越、DF劉華娜、MF 孫凌、FW徐媛らがベンチスタートとなった。 FW孫凌は Asian Cup 日本戦では30分に怪我でピッチを後にしていただけにこの試合、スタメン出場したくなかったのかな?
今大会のなでしこは Asian Cup の中国戦でもスタメン起用された Budesliga でプレーするFW安藤、MF 永里らは召集されず、山口がベンチスタート。FWに大野、MF 高瀬、上野辺ら控えだった選手がスタメン起用された。北京五輪での中日戦のメンバーと比較してみるとDF 翁新芝がこの試合スタメンの中では唯一スタメン出場した選手で、MF 古雅莎が途中出場、この試合ベンチスタートのGK張越、劉華娜、そして徐媛が五輪では日本戦にスタメンに名を連ねていた。
なでしこのスタメンでは岩清水、矢野、近賀、阪口、宮間、大野そして澤穂希が五輪の中国戦でスタメン出場だった選手達。中国代表の方がそれだけ世代交代中ということだったか?

試合は地元の大観衆の声援に後押しをされた中国女子が優勢に試合を進めたらしい。
最終的なボール支配率日本が45%, 中国 55% 。シュート数中国12 に対し日本が10。今年に入り東アジア選手権、Asian Cup での対戦に比較すると最も厳しい戦いだったともう。 
前半終了終盤には中国の21歳のFW庬豊月にゴールを割られたがオフサイドの判定に救われ、59分には徐媛が王一航に替り投入されトップに入る。延長前半1分には馬君のヘッドがポストを叩いた。
延長前半7分には今大会サイドバックとして良い働きをしていた翁華娜が投入されるが先制したのはなでしこ。延長後半3分に近賀が放ったシュートはGK張越に弾かれたがこぼれ球に詰めた大野忍が中国ゴールに蹴り込み見事に先制ゴールを挙げた。
そして中国ベンチはもう1人左サイドバックの干雅彗を投入して同点を狙うもなでしこは虎の子の1点を守りきり、三度連続、中国の地で中国女子を破った。 

ネットの試合経過を見ていて、先制してからは本当に1分が長く、時間が経つほど更に長く感じられた。しかし勝利が解った時は何とも言えない安堵感に包まれた….. なでしこにまたも敗れた中国女子だったけど、ここ4試合の敗戦では“最も健闘出来た。”との報道が目立った。
 

   

中国女子サッカーは自信を失っていた。次は勝利を求める。 馬君

アジア最強の日本相手に 0-1 と云う敗戦はある程度予想されていたが、この試合で自信をもってプレーした若い中国女子選手達を見ると将来への希望が感じられた。試合終了後佐々木日本女子代表監督は“タフな試合だった。中国はかなり変わった。”とのコメントを残した。
中国女子代表はこの2年間、日本と北朝鮮に勝った事は無く、凋落の一途をたどり選手達は自信を完全に失っていた。若い選手達は自信回復がまず必要とされた。そしてゴールは認められなかったものの21歳の庬豊月は “我々はよく戦う事が出来た。翌年から始まる五輪予選で日本と当たるだろうが自信を持って戦う事が出来るだろう。”と語った。

李霄鹏監督に攻撃的MFにコンバートされ日本戦では惜しくもポストを叩いてしまったヘッドを放った馬君は “これで今年日本戦は3敗となったが、この試合は他の試合よりは内容が良かった。我々はまだ発展途上段階。次回は勝利を収めたい。”と試合後に話した。
3試合連続でスタメン出場を果たした186cmのGK張越は日本の連続攻撃を何度も凌いだ。 彼女は“ この試合は最後まで 200% の力を出し切れた。越秀山に集った数万人のサポーター達に感謝したい。彼らにパワーを貰った。”
中国女子チームの李霄鹏監督はこの準決勝戦のメンバーが今後の中心選手となるだろうと語った。スタメン選手6人が1989年以降生まれの選手だ。 “私が20歳の時は彼女達ほど上手くプレー出来なかった。ここには希望がある。”

       

袁帆:アジア大会があの主審の最後の試合とすべきだ

アジア大会準決勝の日本戦の敗戦を選手達は受け止める事が出来たが韓国人の洪恩娥主審の判定は受け入れがたいものだと語られている。 
中国女子チームは2回連続で同じ主審の疑惑の判定に泣かされた、試合後中国DFの袁帆は“次はベストな主審を。彼女を見るのはこれが最後にしたい。”
中国チームの先制ゴールが認められなかった事に就いて袁帆は怒りを抑えられない。そのシュートシーンを彼女はエリア外から見ていた、洪主審はもっと近くの良く解る位置で見ていたはずだった。 “ボールの位置は明らかにオフサイドではなかった。我々選手は主審の決定には逆らわないが彼女はルールをよく解っていないことも考えられる。” この日主審を務めたのは韓国人の洪恩主審。中国選手達の反則は細かく取ったが袁帆は中国女子はこれまでこの様な仕打ちを受けたのは最初ではないと語った。
“今年の Asian Cup 準決勝戦で中国は日本に敗れたが、日本ゴール前で明らかに手でクリアーされたシーンがあったが彼女は反則を取らずにその結果今の日本がある。この試合でも日本のハンドを見逃す等日本を勝たせようとする意図があった様に思われても仕方が無いジャッジだった。この試合を最後に彼女が起用されない事を望む。”

例えこの試合に敗れ決勝進出はならなかったが袁帆も敗戦の中に自信は得る事が出来たと述べていた。 “この日、我々は良くやれたと思う。自信を持つことが出来ただろう。 勝てはしなかったが翌年の五輪予選は自信を持ってプレーできると思う。”
5月の Asian Cup の日本対中国戦でも洪恩娥氏が主審を務め日本選手の“疑惑のハンド”を見逃されたのが原因で中国はワールドカップ出場を逃したとも言われた。そして再びこのアジア大会でも主審を務めたのが洪恩娥主審。 外交の世界では日本叩きの為には喜んで手を組む韓中両国だけど、それとも歴史問題ではけっこうバトルを繰り広げる両国だしなぁ…. 今年の女子サッカーでは結果的に日本に味方しているのか?いやいやこれは絶対に実力だ。


韓端:私はこのチームが気に入った。将来がある。心の底から李霄鹏監督に拍手を
怪我の為チームに合流できなかった韓端は試合のあった越秀山競技場から数千マイル離れた大連でこの試合をテレビ観戦し、試合後地元スポーツ紙に“選手達は本当に将来性がある。このチュームが好きだ。彼女達は自分の特徴を生かし李霄鹏監督のスタイルでプレーをした。私は本当に李霄鹏監督に拍手を送りたい。”と語った。
120分間の激闘のテレビ観戦を終えた韓端は“今回は本当に辛かった。よく知っている競技場にチームメイト達、本当にとんで行って一緒にプレーをしたかった。”
この試合を終えて最初に出たコメントだった。
”ここ数年の日本との対戦では最も良い内容だった。いつも日本におされているのだがこの日は日本を支配する時間が長かった。主審の誤審が無ければ90分以内で勝負が付いたかもしれなかったのに本当に残念な結果になった。”

韓端はこの試合でチームが3つの点で大きく改善された事を指摘した。
まずポジショニングが良くなった。以前はボールに対して1人、2人と重なっていたがこの試合はみな集散が早く位置取りが早くなっていた。日本を恐れずに選手達はみなプレーしていた。
次に試合中のフォーメーション構築が良かった事を指摘していた。前線から3ラインが敷かれていたが各ラインとの間の距離が適度に保たれていた。特に2列目と3列目の受け渡しが良く、日本の侵入を容易に許さなかった。韓端は屈珊珊、庬豊月ら多くの若い選手達を賞賛した。“彼女達はパニックに陥ることなく若さ独特のエネルギーを見せた。人々は彼女達の将来性を見られただろう。 GK 張越も特に称賛した。彼女のロングキックは攻撃に転じるには必要な武器だ。そして大変落ち着いていた。代表での No.1 GKとなり得るだろう。”

韓端は第3点目としてチームスタイルの確立を指摘した。
この試合で我々は明らかな李霄鵬スタイルを見出すことが出来た。これまで我々は足を地に着け対峙する相手とファイトして来た、そしてその為のトレーニングを続けて来たが我々は充分に強さが無い。この日のチームはまさに規律ある戦術の施行が栄誉ある敗戦の中に見られた。我々は李霄鵬監督のこのスタイルを指示し、全ての試合でこれが続けられれば本当にすぐに進歩するだろう。

   

私も気に入っている中国美人ストライカーの韓端は Asian Cup 終了後、代表から引退するかもと噂されていたし本人もロンドン五輪まで続けるか白紙だと言っていた。今大会の新チームを見てと云うよりも李霄鵬新監督の方策に感銘を受けたようだ。彼女が居ると良無いとはやはり違うのかもしれない。そうなれば私も中国戦が楽しみになるんだけど… しかし3位決定戦では韓国に 0-2 で敗れてしまう。 アジア大会で女子サッカーがメダル無しに終わるのは初めてだ。最近の韓国女子は U-20, U-17 も台頭が目覚ましい。そして1次リーグでは0-0 で引き分けている。だけど世間はまさか韓国に負けると言うよりもメダル無しで終わるとは思わなかっただろう。 今大会、金メダルを量産し続けている中国代表だけどサッカーはそうはいかなかった…… そして一気に李霄鵬新監督の進退問題にまで発展してしまった。だけど日本も来年のワールドカップ、そして2年後のロンドン五輪が終わった後の世代交代はどうなるだろう。 U-17, U-20 を見ているとまだ当分の間安心していられるか…

 

なでしこ達の快進撃に忙しい出張中にかなりの力を授かった。でももっともっと、パワーを貰う事になった……