Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

アジア大会 8強が出揃う  中国はもうアジアでも第二線級か….

2010-11-18 | Football Asia

日本がインドを破って準々決勝進出を決めた前日、初戦で日本に完敗後はキルギスタン、マレーシアを連破し1次リーグを突破した地元中国は決勝トーナメント1回戦で韓国に完敗。タイ、ウズベキスタン、イラン、北朝鮮韓国そして日本らが残る準々決勝に残れなかった。

アジア大会サッカー:韓国、中国に3-0で快勝 ( 朝鮮日報紙より )

金正友、朴主永らゴール 準々決勝はウズベキスタンと対戦広州アジア大会の男子サッカーは15日、決勝トーナメント1回戦が行われ、韓国は中国を3-0で破り、準々決勝に進出した。韓国は19日午後8時から、カタールを1-0で破ったウズベキスタンと対戦する。
中国の人口は13億人を超えるといわれる。1億人当たり一人ずつ選手を選んでも、レギュラーの11人を上回る。そんな中国のサッカーがアジアの二流から脱することができないのは、現代スポーツのミステリーの一つだ。
洪明甫(ホン・ミョンボ)監督率いるアジア大会韓国代表は、今大会で1986年以来の優勝を狙っている。U23(23歳以下)代表の韓国と中国の通算対戦成績は、韓国の8勝1分け。この日も中国サッカーは依然として旧式だった。守備でも攻撃でも、積極性が見られなかった。
組織力に欠ける中国を相手に、韓国は前半19分、先制ゴールを奪った。中盤の左から上がったクロスを、ペナルティーエリア右にいたチョ・ヨンチョルが受けて中に素早くパス。走り込んできた金正友(キム・ジョンウ)がゴールネットを揺らした。
5万5000人の観衆は、中国にとってプラスにもマイナスにも作用した。大歓声で応援しながらも、劣勢の場面やパスミスの場面では、自国チームに容赦ないブーイングを浴びせた。
韓国は後半4分、朴主永(パク・チュヨン)がフリーキックを決めて2点目を挙げ、同13分にはチョ・ヨンチョルがダメ押しの3点目を決めた。落胆した中国ファンは、席を立ち始めた。洪監督は、「前半に1点入れれば、試合運びがうまくいくと思った。予想通りになった。次の試合(ウズベキスタン戦)が今大会で初のヤマ場になるだろう」と語った。だが、韓国にも反省すべき点はあった。1-0でリードしていた前半、守備の乱れが何度か見られた。エースのFW朴主永は、オフサイドの笛が鳴ってからボールに触れるという無用の動作で、警告を受けた。

韓国、開催国・中国を下してベスト8進出!! (大韓サッカー協会 ホームページより )
アジア大会韓国代表が中国を下し、大会ベスト8進出に成功した。 アジア大会韓国代表は11月15日、中国・広州で行なわれたアジア大会・16強戦で、キム・ジョンウ(光州)、パク・ジュヨン(モナコ)、チョ・ヨンチョル(新潟)のゴールで3-0の勝利を飾った。 韓国は4-2-3-1のフォーメーションで中国戦に挑んだ。
最前線にはパク・ジュヨンを配置し、その下にチ・ドンウォン(全南)を投入。左右ウイグにはキム・ボギョン(大分)とチョ・ヨンチョル(新潟)が起用され、MF中央ではキャプテンのク・ジャチョル(済州)とキム・ジョンウが呼吸を合わせた。4バックには、CBにホン・ジョンホ(済州)とキム・ヨングン(FC東京)、左右サイドバックにはユン・ソクヨン(全南)とシン・グァンフン(浦項)が先発で起用され、GKはキム・スンギュ(蔚山)が務めた。
試合全般的に、ゲーム運びで中国を圧倒した完璧な勝利だった。前半20分にキム・ジョンウが先制ゴールを決め、後半5分にはパク・ジュヨン、後半13分にはチョ・ヨンチョルと立て続けにゴールが。アジア大会韓国代表は11月19日、カタールを下したウズベキスタンとベスト4進出をかけて準々決勝を戦う。

またも韓国に敗れた中国チーム。地元ではどう報道されたのだろうか…

11月15日中国五輪チームは朴主永ら over age 選手を含む韓国チームに敗れた。南アフリカワールドカップにも出場した朴主永、そして曹永哲、金正友らのゴールで0-3 で敗れ中国五輪チームは今大会 last 16 に終わった。
グループリーグで日本に敗れた後、キルギスタン、マレーシアに連勝したもののそれ以上の結果は残せず今後広きに亘りマスコミの批判にさらされるだろう。
韓国チームにはスター選手の朴主永をはじめ具滋哲、金正友、曹永哲そして尹比家林(尹ピッカラム)らのA代表経験者が含まれており彼ら韓国チームが言っていた自らの実績に基づく勝利のメンタリティーの前に成す術が無かった。

中国チームの立ち上がりは悪くなく最初にCKのチャンスを掴んだが得点に結びつけることは出来なかった。そして徐々に韓国チームが支配率を高めカウンターに転じても素早くロングボールを入れ最低でもCKを取るようになった。張琳芃を筆頭とした中国DF陣は開始からスクランブル状態に追い込まれた。
8分にはノーマークの尹銀栄が左サイドから低い弾道を放つがGK張世昌が弾き出す。10分には金甫がコーナー付近で呂鵬を振り切りドリブルシュートを放つがここも GK 張世昌が反応。 
中盤での組織化がなかなか構築できない中国MF陣にピッチサイドから監督の“もっとボールを奪いに行け”との指示が飛ぶ。しかし韓国の前線からのプレスに中盤でも容易にボールが繋がらない。 20分には金正友の左クロスを受けた曹永哲が胸でトラップし角度の無いところから素早く振り抜いたシュートを張世昌が止められず先制ゴールを喫した。
25分には朴主永がドリブル突破をはかりシュートに持ち込むが何とかGK張世昌が弾きそのリンバウンドが朴主永に当たるがゴールは割らなかった。 29分に中国が攻撃に転じる。吴曦が左から上げたクロスを受けた王选宏がシュートを放つがGK金正奎がブロック。その直後にも張健がヘッドを放つがゴールネットを揺らせなかった。韓国両サイドバックは積極的に上がっており対峙する中国MF 陣は後手を踏んだ。そして強固な韓国DF陣の前に中国攻撃陣は脅威を与え続ける事は出来なかった。 34分に朴主永はオフサイドの笛が鳴ってもプレーを続けた為警告を受けた。
39分には朴主永から絶妙のスルーパスが抜け出した池東沅に入るがトラップミスの為にシュートは撃てなかった。終了間際にも朴主永が中央から左サイドを狙ったシュートを放ったがGK張世昌のセーブで何とか前半を1失点でしのいだ。
しかし後半開始早々の48分、危険地域で李建斌がファールを犯しFKを献上。そのFKを朴主永が直接決めてリードを 2-0と広げた。 

         

尚も追加点を狙う韓国は54分朴主永が起点となり、左サイドを突破。最後は金甫が中国ゴールに迫るが張琳芃 吴曦らが必死に戻る。その後も交替出場の洪が強烈なショットを放つ。そして58分金甫が左サイドから送った低いクロスに走り込んだ曹永哲が合わせてゴールを決めリードを 3-0 と広げた。      


中国チームは相手ボールとなると陣容を整えてプレスに入る前に韓国の速いカウンター攻撃に後手を踏み続けた。60分には朴主永が危険地域でボールを持つと李建斌が倒してFKを得るが韓国チームのポジショニングを見ると丸で子供と高校生の試合の様だった。
60分に張遠、62分に呂分君らを投入し前線を替えるが王选宏を含めた攻撃陣は韓国に脅威を与えられない。 67分には MF 実堤江からボールを受けた呂文君が韓国DFを振り切り放ったシュートは力なくGK金成奎が掴む。
69分には攻撃参加した韓国DF申光韻がシュートをミスし74分には朴主永のファールで得たFKを張琳芃が直接狙うが大きく外れた。前線の枚数を増やした中国チームであったが中盤での構成力を欠きチャンスを作れない。
81分には韓国サイドバックの洪成昊のクロスから朴主永がシュートに持ち込むがGK張世昌が朴主永の足元に飛び込んでブロック。 4万人の観衆の前で繰り広げられた試合、試合終了のホイッスルを待たずに席を立つ観衆も多く目に着いた…

11月15日, 0-3 で敗れた韓国戦。広州 Tianhe 競技場に集った観衆は終了前に席を立つ人達や中国五輪チーム解散を合唱する人々で溢れていた。
強い韓国戦を前に苦戦は免れまいと思われていたが両者の差は個人能力でも戦術でも比べ物にならなかった。韓国チームは最後まで試合開始から見せた様な戦術で強さを示し続けた。最後の15分は中国チームもロングボールを使い出してゴールに迫ったが韓国選手達は余裕の笑みさえ浮かべていた。
観客席のサポーター達を見れば充分だろう。中国サポーター達は広東語で“五輪チーム解散”を連呼し、失望した多くの観客は試合終了を前に席を立ち出した。
試合終了後、失望と悲しみの表情に溢れた中国チームの選手達は足早にインタビューゾーンを離れる一方、韓国チームはレッドデボルズへのサポートに応えていた。
韓国戦に敗れアジア大会での戦いを終えた中国五輪チームの孫衛監督は試合後の記者会見に臨み下記の様に語った。

“まずファン、メディアそして4試合をベストを尽くして戦った選手達に御礼を述べます。この試合に向けて最高の準備を施したが対戦相手は中盤での攻撃時そして守備時に置いての経験に格段の違いがありました。単純なミスが多かった事は監督としては真摯に受け止めます。これは五輪予選に向けて重要な経験で次のステップに向けてそれらが生かされることを期待しております。”

0-3 と云う結果に着いて次への準備の為に反映されるものがあったかという問いに就いては。 “確かに対戦相手とはギャップがあったが、この日の得点差程では無かったと思う。もちろんもっとやれたとは思うがしかし両チームに差があったかと言えばあったと言える。” と答え、

監督職の続投に就いては“代表監督は今の私の仕事だ。続けられるかどうかは協会の回答待ちである。”と答え、試合前に選手達の間には楽観的な雰囲気や希望を持てないのではと云う考えのどちらが支配していたのかと云う問いに就いては 
“試合前には我々は充分な準備を行った。韓国戦への重要なポイントは選手間のコミュニケーションだった。選手達は韓国を相手にどこまでやれるかを楽しみにしていた。”と答えた。

最後に試合終了時に観客席のファン達から五輪チームの解散を要求するコールが起こった事に就いては“五輪チームが立ち上げられてからこの仕事は難しい事は解っていた。今日からファン達の解散要求の声はすぐに大きくなるだろうが、五輪チームの監督を継続するかは言えない。” と答えた。
    

かねてから孫衛監督は五輪チームの指揮に就いて時間が限られている事を繰り返し言っていたらしい。それは年齢制限のあるチームである事に寄与するが地元のマスコミは東アジア選手権からA代表の指揮を始めた高洪波監督も時間が無いのに日本と引分け史上初めて韓国を破り結果を残したと両者を比較している。

そして攻撃陣のアイデアの無さと云うか連携の欠如を大いに指摘するマスコミが多いらしい。例えば韓国戦では張遠がドリブルで韓国DFを2人かわし3人目で潰されたシーンがあり、潰される前には王选宏がフリーでいたらしいが個人突破力に乏しいのに個人突破に頼る選手達にも批判が集まった。それは選手個人の問題かチームの問題かは解らないが。
また 3-0 が本当の実力差ではないと記者会見で孫衛監督が応えた事に就いては“確かに実力差は最終スコアー通りの 3-0 ではなく 6-0 か 8-0 であるべきだった。”と皮肉る専門家も。
今やブラジルやスペインで無く先に日本や韓国に習わねばならない、と述べるコラムもあれば、例えワールドカップや五輪に出た事が無いチームでも若い選手達がここでやりたいと思う環境を作らねばならない。 このアジア大会で高い入場料を支払って観戦に来た子供の1人に“もし親と国家の援助があれば外国でプレーして上手くなって国家代表に加わりたい。”と言わせてしまっている、と云った報道もあった。

更にこれまで広州地区は古くは謝育新をはじめ優秀なサッカー選手が輩出されて来た地域であったが今回のチームには広州出身の選手はいなかったらしい。それも観客怒り爆発の遠因となっているかも…
そして恐韓症はまたもぶり返してきたとの危惧も。1992年マレーシアでのバルセロナ五輪予選では最後の韓国戦に 0-3 で敗れ得失点差で五輪出場権を逃し1996年のアトランタ五輪最終予選ではグループリーグ最終戦で 2-3 で敗れ準決勝に進めずここでも出場権を逃した。2000年アジアカップではグループリーグで 2-2 で引分け、今年の東アジア選手権では 3-0 で史上初めての勝利を収めたのにまた 0-3 で敗れてしまった。もうあと30年韓国へは苦手意識を払しょくするには更にあと30年はかかるのだろうか…と云う悲観的なコメントも出て来ている。

試合は見ていないけどボール支配率が韓国 54.1% に対して中国 45.9% はまずまずとしてもシュート数が韓国12 中国6 そして枠内シュートが韓国6に対して中国が0 これではこういう得点差が付いても仕方が無いだろう。

中国の足球迷達は私達が70年代から80年代に感じていた様に対韓国戦を捉えているのではないか…

日本が決勝に進んだ時はこの強い韓国か同等レベルの北朝鮮との戦いとなると思う。日本は純 U-21 韓国も U-21 に朴主永に金正友そして U-23 の選手が2人。 北朝鮮は U-23 に over age 選手でワールドカップメンバーが10人。大苦戦は免れないだろうけど、やっぱり負けて欲しくないなぁ…
でもその前に後2試合、次のタイ戦そして準決勝の恐らくイラン戦に勝たないとなぁ…でもタイもイランも中国よりは弱くは無いぞ…頑張れアジア大会代表チーム !!

中国:12-張世昌;17-趙宏略、5-李建斌、13-张琳芃、8-吴曦;16-実提江、
6-吕鵬、10-朴成、11-王选宏、18-張健(60分,15-張遠);9-李凱(62分,19-吕文君)

 

韓国:1-金成奎;6-洪正昊、3-申光員、5-金英権、17-尹銀栄;11-曹永哲(75分,16-徐订晋)、14-金正友、19-金甫、7-具滋哲(80分,8-尹比家林)、
18-池東沅(62分,2-洪);10-朴主永

       


アジア大会 男子サッカー 勝つのは・・・

2010-11-13 | Football Asia

幸先良く2連勝スタートの日本男子サッカー。
この時期J-League の優勝争いが佳境を迎えている事もありどうしてもベストメンバーを組めない。と云うよりも大会への位置づけ自体が80年代とは異なる故のメンバー構成となっているのかも知れない。
しかしそこは勝負事。選ばれた選手達は負けても良いなんてさっぱり思っていない事はスポーツ経験者なら解る事。初戦はあの中国相手に 3-0 の快勝。一つでも先のラウンドに進んでくれることを祈っています。  さて他国の事情はどうだろう…

優勝候補の北朝鮮。兵役免除のかかる韓国…

南北朝鮮が同居した Group C。韓国の方は選手選考から色々紆余曲折があったみたいだ。

朴主永、一転出場へ大会前に (朝鮮日報から)

over age 枠でメンバー入りしながらも所属先の AS Monaco のの反対により出場できないとされていた朴主永が、11月7日の韓国紙の報道によると一転して出場できる見込みとなった。
11月5日に「チームが降格の危機にあるため、朴主永を派遣できない」との公式文書を大韓サッカー協会に送っていたASモナコが、当初の方針を変更し、朴主永のアジア大会出場を容認することにした。 
朴主永の強い意志が、ASモナコの態度を変えた。兵役(免除)の恩恵が懸かる朴主永側は、クラブ側との交渉で、「チームの順位が18位まで降下したのは監督の責任であり、このことで選手の未来が犠牲になってはならない」と主張した。 朴主永側は、アジア大会で金メダルを獲得すれば選手としての価値が上昇する点を説明し、「切実な願い」から「脅迫」に近い主張まで展開してクラブ側に迫ったという。
話し合いでは、大声でやり合う場面もあったとのことだ。 
当初は朴主永の意思を確認せず、自分たちの立場だけを伝えてきたクラブと監督は、結局は朴主永の強い意志によって決定を覆すこととなった。
朴主永の参加が決まるや、代表チームもほっとしたムードに包まれた。朴主永は8日午後6時に中国・広州に到着するため、同日5時から行われる北朝鮮との試合には出場できないが、コーチ陣は代役探しの悩みから解放され、後輩選手らは精神的な安心感を得た。
洪明甫(ホン・ミョンボ)監督も、「朴主永の努力に拍手を送る」と喜びを語った。

一方、北朝鮮代表も週末に激しいトレーニングをこなし、韓国戦に備えた。
6日にはパス練習や9対9の練習試合など2時間にわたり練習を行い、試合前日の7日にも体をほぐしながら勝利への意欲を高めた。
北朝鮮のGKチュ・グァンミンは、「簡単にはやられない」と意欲を見せた。だが、北朝鮮は練習場を訪れた韓国の記者を締め出すなど、デリケートな反応を示す場面もあった。北朝鮮は、ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会に出場したメンバーが10人を占める上、2003年からユース代表監督を務めているチョ・ドンソプ監督がチームを率いているため、戦力は最強との分析も聞かれる

韓国は基本 U-21 、2年後のロンドン五輪候補選手に over age がプラスされている。
そして先月行われた AFC U-19 のメンバーからは日本を苦しめた長身の池東ウォンが選ばれている。 指揮するのは2002年大会の英雄、洪明甫。優勝へのモチベーションは何と言っても兵役免除。
韓国サッカーとてアジアレベルでもなかなか王者戴冠とはいかないのでサッカー選手は他の競技種目選手達と比較すると少し“気の毒”な気もしないではないが…
ただこういう国家代表選手はまだこういうチャンスがあるけど、“代表一歩手前”の選手が一番かわいそうな気がする….

“優勝の為“か”兵役免除の為“か解らないが今大会は当初、朴主水、金正友らが over age 枠として選出され金周栄、申光勲、の2人もロンドン五輪出場の年齢資格ではないがU-23 と云う事で選出されていたが21歳で今やA代表にも欠かせない選手となりつつある奇誠庸が所属先の Glasgow Celtic での出場機会が増えたので合流が不可能となってしまった。そして朴主水も大会合流が”危ぶまれていた。しかし心境著しく日本戦を含んだワールドカップ後の国際試合に国家代表として出場した尹ビッカラムは1990年5月7日生まれなので“堂々”メンバー入りをしている。

一方の北朝鮮は現時点の U-23 メンバーにワールドカップにも出場した over age 選手3人を加えていた豪華メンバー。ワールドカップメンバーは over age の3人だけでなく合計10人。その
内訳は DF 李俊一( Ri Jun Il ) , 李光川 ( Ri Kwang Chon ) , 李光栄 ( Ri Kwang Hyok ) , 朴男哲 ( Pak Nam Chol ) MF 李哲民 ( Ri Chol Myong ) , 金琴一 ( Kim Kum Il ) , 金永峻 ( Kim Yong Jun ) , 朴男哲 ( Pak Nam Chol ) , FW ; 崔金哲 ( Choe Kun Chol ) , 安哲赫 ( An Cho Hyok ) .
DF 李俊一, 李光川 はワールドカップでは3試合フル出場。 ワールドカップでは鄭大世と共に中心選手だった MF 朴男哲 も3試合にスタメン出場している。もし Bochum で鄭大世がガンガンプレーしていなかったら彼も over age で召集されたか??
その上金永峻の120試合を筆頭に登録選手全員がA代表でプレーした経験を持つ。

気になるのは"
16歳" でメンバー入りしている Ri Kwang Il 先の AFC U-16 でも同名の選手がいたけどその選手は FW 登録でレギュラーではなかった。
そして今大会に選出されたRi Kwang Il はGK 登録で1994年4月13日生まれと登録されていたがこれは1988年4月13日生まれの転記ミスだろう。一瞬先般の AFC U-16 に出場した Ri Kwang Il かと思ったけどこちらは FW 登録だから…

   


注目の南北対決  ( 朝鮮日報から )

過去のサッカー南北対決では、1点差のゲームがとりわけ多かった。
韓国と北朝鮮は国際Aマッチで14回対戦したが、そのうち13回が1点差以内のゲーム(引き分けを含む)だった。それだけ南北対決ではゴールが生まれないということで、先制点を奪ったチームが勝利する可能性が高い。
このような傾向は、中国・広州で開催されるアジア大会韓国代表のU23(23歳以下)でも繰り返された。

アジア大会は8日、開会式(12日)に先立ってサッカー1次リーグ6試合が行われ、
C組の韓国は北朝鮮と対戦し、0-1で敗れた。
韓国は前半序盤、中盤で相手を圧倒し試合をリードした。前半のボール支配率は7対3で韓国が上回り、パスも比較的正確だった。個人プレーでは韓国が勝っていた。しかし、北朝鮮の堅固な守備を崩すことができなかった。試合の主導権を握りつつも、拙攻を繰り返した。一方の北朝鮮は守備を重視しつつ、ミドルシュートを放つなどして食い下がった。
まるで、ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会の北朝鮮-ブラジル戦を彷彿(ほうふつ)させるような試合だった。当時、北朝鮮は1-2で敗れたが、徹底した守備でブラジルを焦らせた。今回もW杯代表メンバーが10人含まれており、高い守備力を見せた。 
結局、先制したのは北朝鮮だった。北朝鮮は前半36分、アン・チョルヒョクがヘディングで落としたボールを、リ・グァンチョンがダイビングヘッドで合わせ先制ゴールを決めた。
アジア大会韓国代表を率いる洪明甫(ホン・ミョンボ)監督は後半、ソ・ジョンジン、チ・ドンウォン、ユン・ピッカラムを投入し、総攻撃を仕掛けた。
さらに後半21分には、北朝鮮のパク・ナムチョルがイエローカード2枚を受けて退場処分となり、数的優位を得た。
しかし北朝鮮は、全員がハーフライン後方に下がって韓国の攻撃を封じ込めた。
試合を見守っていた韓国代表の趙広来(チョ・グァンレ)監督は、「北朝鮮のサッカーは精巧でシステムがよい」と評価した。
アジア大会韓国代表はU23の選手ではなく、昨年のU20(20歳以下)W杯で8強入りしたメンバーで構成されている。試合が思い通りに進まなくなるとパスミスを犯し、ゴール前で慌てるなど、経験不足を露呈した。 だが、あきらめるのはまだ早い。アジア大会ではグループリーグで上位2位、3位に入った4チームが決勝トーナメントに出場可能なため、韓国の決勝トーナメント進出は十分にある。韓国は10日にヨルダン、13日にはパレスチナと対戦する予定だ。 一方、A組の日本は中国を3-0で破った。

洪明甫監督の試合後のコメント 
「残念だ。相手の徹底した守備を崩すことができず、チャンスを作れなかった。失点は、GKキム・スンギュが9月以降試合に出ておらず、実戦感覚が戻っていないことだ。韓国がアジア大会で優勝できないのは、きょうの試合のように相手の守備を崩すことができないためだ。このような経験をトーナメントではなく、初戦で経験したのは幸いだった」

チョ・ドンソプ北朝鮮監督の試合後のコメント 
「一人の選手が退場処分を受け、数的不利の状況でも、選手らが敬愛する将軍様の高い指導力の下、最後まで集中力を切らさなかった。韓国が長身の選手を前線に置き、サイドからクロスを上げる戦術を展開するだろうと予想し、ゴール周辺の守備を強化したのが奏功した。ボール支配率が下回ったことや、初戦ということもあり、選手らのプレーに余裕がなかったのが残念だ」

チョ・ドンソプ北朝鮮チーム監督のコメントは定番と言うか…
スタメンは over age でワールドカップメンバーの  李光川、朴男哲、を並べ更に DF 李光栄, 朴男哲, MF 李哲民, FW 安哲赫ら合計6人のワールドカップメンバーを擁した北朝鮮に対して韓国は朴主水は初戦に間に合わず申光勲はベンチスタートで over age は金正友のみのスタメン。 更に尹ピッカラムもベンチスタートだった。 

各選手のコンディションは解らないが南北対決と云う事で4年前のアジア大会準々決勝では完敗している北側の方が負けられないと思ったのかもしれない。洪明甫監督は前半は Jリーガー4人( DF 金英権: FC 東京 , MF 曹永哲 :新潟、キムミンウ : 鳥栖、金甫 : 大分 ) をスタメン起用した。 金英権と曹永哲の2人は10月の韓日戦で召集されたメンバー。金甫はワールドカップ前の日韓戦で途中出場を果たした選手。 
そして74分に曹永哲に替って投入された池東ウォンは前述した U-19 のメンバー。どうもこの世代、日本は南北朝鮮に比べてちょっと出遅れているかな……

                     

かつての強豪マレーシア…

13日、中国戦に臨むマレーシア U-23 チーム。この試合は今後のマレーシアサッカーの将来を左右する試合となるかもしれない…
初戦、キルギスタンを 2-1 で破り続く日本戦は敗れたものの現時点では得失点差は日本に3点差で敗れた中国を抑えて Group A の2位につけている。
続く中国戦を引き分けると堂々2位で決勝トーナメント進出となる。

Malaysia hold edge against China ( New Straights Times より )

中国が次のラウンドに進出する為に13日のマレーシア戦に勝たねばならないとは誰が予想したであろう。今の星取表では得失点差で中国を上回っており、もし中国戦を引き分けられれば日本に次いで2位で1次リーグを通過できる。
そして中国も勝点4を確保出来れば次のラウンドに進出する為の1次リーグ3位の中での上位4チームに入る可能性が高くなる。 そしてもしマレーシアが仮に敗れても Rajagobal 監督率いるマレーシアチームはF組のモルディブ対パキスタン戦が引分けに終わったので C 組の最終戦ヨルダン対パレスチナ戦も引分けに終われば次に進めるチャンスがある。しかしその胸算用ももしキルギスタンが万が一日本を破ってしまえば霧散してしまう。
中心選手の Safiq Rahim は1978年大会以来マレーシアが1次リーグを突破出来るものと信じている。
“まだ1次リーグ突破のチャンスはあると考えている。我々はその可能性を確実にする為に中国戦に全力を尽くす。しかし日本戦で犯した様なミスは避けねばならない。さもなくば我々のチャンスは潰えてしまう。 ”
こう語った Satiq Rahim は日本戦では負傷で出場出来なかった Norhafiz Zamani Misbah に替って主将を務めた。

Rajagbol 監督は大会前に怪我を抱えていた選手達に就いてもまた前向な見解を抱いている。 “我々は中国戦を前に中3日空いたことが選手達のコンディションの回復の手伝いになると信じている”とのコメントも残した。
そして中国戦に就いては守備的な陣容になる事もほのめかしていた。

China keeper forced into humbling apology

多くのアジアのアスリート達が続々とアジア大会の雰囲気を楽しもうとする中、男子中国チームのGK王雷大は自身のブログに地元中国の観客の事を“ 低能”とか“犬の群れ”と表現した事が物議を醸した。
この21歳の将来有望な欧州王者の Inter Milan や Manchester City 入りの可能性をも秘めた GK は初戦の日本戦の2失点目を止められなかったことを指摘されこの様な言葉をブログに綴った。
事が明るみに出て続くキルギスタン戦はメンバーから外された王雷大は謝罪の意を表した。 “私はメディアとサポーターに対してこの様な言葉を用いて中国サッカー代表、中国スポーツのイメージを傷つけた事に対して深く謝罪します。これは私の失敗で、名誉を回復する機会が与えられることを祈っており、今後このような事は二度と引き起こさしません。”と述べた、と報道された。

                


ミュンヘン五輪、モスクワ五輪予選では韓国、日本を抑えて見事に出場権を勝ち取ったマレーシアだが以降は低下線をたどる一方。
アジア大会でも1974年テヘラン大会は3位決定戦で北朝鮮を破って3位となった実績を持つが今はそのかけらも感じさせられない。
2007年 Asian Cup ではホストカントリーながら3連敗で良いところなく大会を後にした。

マレーシアサッカーが浮上するきっかけがようやく…と思われる。
メンバーは U-23 に3人の over age 選手を加えた構成になっている。その中心となるのは over age のFW Talaha と 23歳の MF Rahim と Zambri 。Talaha はキルギスタン戦でゴールを決めている。
13日、もし中国が敗れる様な事になると、一体どうなるのだろう…
それにしても中国は今年2月の東アジア選手権で優勝して以来一体どうしたのだろう? AFC U-19, U-16 では共に1次リーグで敗退。そしてアジア大会では初戦に日本に 0-3 で完敗…. これも一人っ子政策の影響か ??

あぁアジア大会が見たいなぁ…


出張先に届いた吉報  官房長官ごめんなさいね…

2010-11-11 | Football Asia

10月後半はとにかく忙しかった…
丁度12日の韓日戦を境に強烈に仕事量が増えてしまいそのまま11月初旬からの出張に雪崩込んでしまった。そして商用で訪れているここ北欧のヘルシンキは氷点下の寒さ。疲れに寒さのダブルパンチ。しかも北欧独特の日の入りの早さで夕方は早くに暗くなり、日中は南中高度が低いので日差しがもろに目に入る..

そんな中、広州で始まったAsian Games 初戦、日本が中国を 3-0 で破ったという吉報が届いた…. 尖閣諸島問題(といっても中国が勝手に喧嘩を売っているだけと思うんだけど) もあり “完全アウェー” の日本U-21チームが中国を撃破し多くの日本人の溜飲を下げてくれたのではないかな…

この中国との問題で常に“中国様の御機嫌”を気遣っておられる官房長官の心中は…、まぁ御気の毒に…と言っておきましょう…

日本サッカー界と云うよりもアジアサッカー界においてアジア大会は結構重要な大会とされていた。そう、過去形だ。 1998年バンコック大会から日本はフル代表で無く2年後に向けた五輪候補チームを派遣するようになった。1980年代、五輪予選と並んでアジア大会は日本でも重要な大会であった…はずだ。
私は当時、アジア大会は数少ない国際大会として非常に楽しみにしていた。
特に1982年インド、ニューデリー大会。1次リーグではイラン、韓国の強豪を破り3連勝で準々決勝に進出。そして当時アジアナンバー1だったイラクと激戦の末延長戦で敗れて準決勝進出はならなかったが韓国を日本以外の地で初めて破ったNHKのダイジェストで見た5分ほどの試合模様は本当に良い思い出だ….

恐らくワールドカップフランス大会からアジア地域の出場枠も増え、ワールドカップと同年に行われるアジア大会のサッカーにアジアの列強もその位置づけが替って来たと思う….それに欧州ベースの選手も増えて次第にベストメンバーが組めなくなってきた事実もあったと思う。
1994年広島大会で当時 Genoa に所属していた我らが King KAZU がこの大会の為に帰国した時は嬉しかった。 

11月7日 アジア大会の開会式前に開幕を迎えた種目、男子サッカー。
10月20日から合宿を張り本大会に臨んだ地元中国五輪候補チームは Tianhe Sports Centre で日本U-21チームを迎えた。ここに集った約30,000人の観衆は誰もが地元中国が日本を粉砕する事を期待していたのではないかな…. そして初戦が地元中国戦と解った時、ちょっといやな気になった日本サポーター達もいたのではないかな…. しかし結果は 3-0 で日本の快勝。 
地元中国紙はこの結果を下記の通りに伝えていた。

全てにおいて日本が勝っていた…

試合後会見に臨んだ中国チームの 孫衛監督と張琳芃主将は下記の様に試合を総括したらしい。

試合には敗れたが我々は粘り強いモラルをフィールド上で示す事が出来た。
この日は対戦相手が強すぎたがまだ2試合残っている。残り試合に就いてはまだまだやれると思う。この日の中国チームのパフォーマンスに就いては本当によくプレーできており少しの改善さえあれば失点を防げた。
しかし3失点に就いては張琳芃主将をはじめとしたDF陣は初戦と云う事ですこし神経質になりすぎておりいくらかの責任はある。そして全体的に相手ボールになった時、マークが甘くそれが失点を招いた。
だがこれでグループリーグ敗退が決まった分けではないので残り2試合最後まで全力を尽くす。
( 負傷でスタメン出場が不可能視されていた ) GK王大雷の起用に就いては、怪我の回復も著しくチームドクターと相談し、何よりも本人がプレーを望んでいたのでスタメンに起用した。

36年振りの黒星スタート中国にとってこの日本戦の敗戦はアジア大会では1974年のテヘラン大会の初戦で北朝鮮に 0-2 で敗れて以来の初戦黒星スタートらしい。
その時のアジア大会は中国が何十年ぶりかほぼ初めて国際大会に出場した大会と記憶している。名前は忘れたけど幻の走り高跳びの世界記録保持者が中国の選手だったとも報道されていたなぁ…
そして3点差負けはアジア大会史上中国が最も得点差をつけられた敗戦との事。
確かに日本はアジアでも最列強国。年齢制限はあるとはいえ、この日本チームは J-League ではレギュラー選手でないメンバーと学生で構成されたチーム。
一方の中国はGK 王大雷、FW 栄博軒、DF 趙宏略 、楊博宇 そして張琳芃主将ら所属する中国超級でもレギュラーを張る選手達が揃っていた。
それだけにこの試合結果に中国マスコミは失望を隠せない様だ。

   

中国男子サッカーのアジア大会の最高記録は1994年広島大会での銀メダル。

今回は地元開催なので最低でもメダル。そして決勝進出を地元では期待されているらしい。しかしその初戦、1974年大会で北朝鮮に 0-2 で敗れて以来の黒星スタートとなってしまった。 前回のドーハ大会では初戦、イラクを激戦の末に 1-0 で破った。
そしてそのイラクは決勝まで進出した。
アジア大会での中国の入ったグループはそんなに厳しくは無い。
しかしスケジュールは厳しい。初戦が強豪である日本戦であったが中国超級との兼ね合いから大会直前に合流した選手も少なくない。日本戦の直前にランニングと軽い練習をこなして臨まざるを得なかった選手が多かった。
しかしこの日の日本のスタメンは最強のチームではなく永井、山村、實藤ら学生選手3人を含んでいた。

学生が含まれているチームに完敗したことがそんなに屈辱的かいな??
       

過去のアジア大会での中国チームの初戦の戦績は下記の通りだった。

2006 China 1-0 Iraq
2002 Chinese 4 - 0Turkmenistan
1998 China 4-1 Lebanon
19
94 China 4-0 Yemen
19
90 China 5-1 Singapore
19
86 China 2-1 India
1982 China 1-0 Malaysia
19
78 China 1-0 Saudi Arabia
1974 China 0-2 North Korea
0-2

1990年北京アジア大会では上位進出が期待されたが準々決勝でタイに 0-1 で足元をすくわれてしまった。タイは結構アジア大会に強いんだなぁ。

学生相手にあまりにも幼稚な試合展開…

中国五輪候補チームは大学生がリードする日本五輪候補チームに対してあまりにも幼稚な試合展開を繰り広げ初戦を 0-3 で落とした…
何人かの人達は五輪候補チームのトレーニングは不充分すぎると言っているがこれは今回に限った事では無い。確かに全員が揃った合宿期間は短かったかもしれない。しかし選手達は中国超級でプレーする選手が主体で日本はアマチュアの大学生ですらメンバー入りしたチーム。こう言ったチームにしかもホームで36年振りのアジア大会初戦敗戦を喫してしまうなんて…

過去36年間で最悪のスタート。 

今回のアジア大会に中国代表で最初に登場した中国五輪候補チームは日本相手に 0-3 の敗戦を喫した。 アジア大会で 3点差負けを喫したのもワースト記録。ワースト2の2点差負けは1994年アジア大会決勝戦のウズベキスタン戦の 2-4。
それでも2ゴールを上げる事が出来た。
10月18日にアジア大会メンバーが発表されて以来、20人全員が揃うのはこれが初めてであった。確かに大会に向けての合宿期間は長く取られたが多くの選手が合流できなかった。
日本戦は前線の2人は呼吸が合わない様に見えた。そして特に左サイドバック位置でのセカンドボールはことごとく相手に支配されていた。これらは練習不足が招いたものであった。このメンバーの中でA代表の経験があるのは GK 王大雷と DF の張琳芃の2人だけであったことから攻撃力不足を露呈したとも言えるだろう。
今年6月 Liu Chunming 前監督時代とは多くの選手が入れ替えられた。そして11月2日に UAE 五輪候補チームと対戦し 1-1 で引き分けた。
今年に入りアジア大会に向けて行われた五輪候補チームの強化試合は23試合で
9勝5分9敗の戦績となったが総得点は22得点で1試合平均1点以下である。
  

悲劇!日本の大学生が600 万元のDF陣を翻弄…

ここ数年間で見られなかった対日本戦での3点差負けに終わったアジア大会の初戦であった。中国チームは中国超級でプレーする選手達で構成され、日本は J-League のみでなく6人の学生選手を含み Jリーガーでも常時ベンチ入りする選手ばかりでは無かった。しかしそういった選手達に次々とゴールを決められた。日中の差は広がるばかりだ…
日本の得点シーンを見てみると 中国超級では外国人選手だけが見せる様な非常に高いテクニックが披露された。 
永井はフィジカルアタックを難なくかわして山崎にボールを送り、山崎のボレーは身体を一捻りしただけのプレーで、永井の2得点目は巧みにヘッドで落としてからのショットだった。 中国DF陣は日本の攻撃陣を掴む事が出来なかった。 そして日本の3得点目のDF鈴木大輔のヘッドに対しては誰も対応出来ていなかった。
今、日本の J-League は終盤を迎え優勝争いのクライマックスを迎えつつあるのでこの国際大会にレギュラー選手を送る事が出来ない。しかも有資格者である香川は現在 Dortmund でプレー中だ。なのにどうやってこんなに強いチームをこの国際 A Class の揃わない大会に送れるのだろう?? 
永井の将来は素晴らしいものだろう。恐らく神戸か福岡に入団するだろうが今の所属は大学生だ。それは中国チームには見られない事だ。 
他の選手達はどうだろう? 山崎亮平は磐田に所属しているが長期間骨折とハイパーシンドローム( と報道されていたが正確には甲状腺機能亢進症 )の為に戦列を離れていた。 
鈴木大輔は新潟で背番号4を付けているが今季Jリーグでは出場機会が少ない
5試合115分 )選手だ。

              

中国のDF陣はそんなに経験が無かったのか? 
この試合で動きの鈍かった楊博宇は大連実徳で急成長を見せていた。
かつて Manchester United にも所属した張琳芃は600万元の移籍金で広州に移籍し吴曦は上海申花で成功をしている選手。そして趙宏略も大連実徳では台頭して来ている選手だ。
ただ張遠( 成都) 、栄博軒 ( 上海申花) の2人のスピードは効果的なサイド攻撃を見せたがこの日の悪天候がそれを妨げた不運もあった。

日本は中盤に素晴らしい選手が揃っておりこの試合ではその差が如実に表れた。中盤は完全に日本に支配されていた。 

張琳芃は今年2月の東アジア選手権では中国代表選手として日本戦そして韓国戦にも出場した選手。

日本は続くマレーシア戦でも2-0 と完封勝ちし次のラウンドへの進出を決めた。 中国もキルギスタンを2-1 で破った。
このアジア大会、もっとも気になるのは北朝鮮。初戦で韓国を破った。北朝鮮は前回のドーハ大会では準々決勝で韓国に 0-3 で敗れている。
北朝鮮は今年の AFC U-19, U-16 で優勝しておりこの大会でも勝てば年齢別大会3冠王となる。 でもアジアでの列強であるサウジアラビアがエントリーしていないんだなぁ...
サウジアラビアは1994年大会に U-23 チームを派遣以来アジア大会には選手団を送っていない。
1982年のニューデリー大会も選手団を送らなかった。なぜなんだろう?宗教的な問題があるのか?

私の好きなアジア大会。本当はもっとゆっくりとテレビ観戦出来ればなぁ……

            


またも韓国に…. AFC U-19 韓国 3-2 日本 11.10. 2010

2010-10-24 | Football Asia

10月11日、ソウルでの韓日戦の前日に中国で行われた翌年のコロンビアで開催される FIFA U-20 のアジア地区予選を兼ねたAFC U-19 準々決勝戦で日本 U-19 前回に続き韓国U-19 に続き敗れ、 前回に続き U-19 でアジアの壁、と云うよりも韓国の軍門に降ってしまった。
70年代から韓国代表との戦績はフル代表はたまに引き分ける事があったが、学生選抜を含めた年代別代表には全く歯が立たなかった時代が続いた。1993年のJ-League 発足翌年に開催されたアジアユース大会では韓国に勝利を収め(と思ったけど)、これから日韓の力関係が激変すると喜んだ。しかし、1996年大会以降アジアユース、 AFC U-19 での日韓直接対決の戦績を見ると今回の敗戦を含めて2分( 1PK 勝、1PK負 ) 6敗となっている。この上の五輪世代になるともう少し良い勝負をするんだけど…

今年は特に日韓直接対決はどうも分が悪い。バンクーバー五輪では真央ちゃんはヨナちゃんに敗れ、スピードスケート短距離陣は韓国勢の後塵を拝し、FIFA 女子U-17 決勝でもPK戦で敗れ、バスケットの世界選手権でも1次リーグで1点差で敗れ次のラウンドに進出出来なかった。それだけにこの試合、頑張って欲しかったんだけど….

この日の試合を見る為に契約したわけではないが生中継をしてくれたテレ朝チャンネルに感謝しながらキックオフの瞬間を待つ事に。
日韓共に中2日で臨む準々決勝戦。日本は5日前、10月6日のベトナム戦で既に1次リーグ突破を決めており2日後、8日のヨルダン戦は主力を温存。GK中村を除くこの日のスタメン全員が中4日で韓国戦に臨む事となった。
一方の韓国は1次リーグ最終戦のオーストラリア戦を前にまだ1次リーグ突破を決めていな無かったので強豪相手に主力温存とは行かず、MF のキムギョンジュン(高麗大)とイギジェ(東国大)そしてFW鄭陞勇: チョンスンヨン(FCソウル)以外は全てオーストラリア戦のスタメン。前述の3人も交替で途中出場をしていた。 
長身 181cm 鄭陞勇の起用はもう1人の長身186cmFW池東ウォン(全南)と高さで日本DF陣を制圧する狙いだった。 またMFキムジョンジュンとイギジェの起用は “攻撃的に問題が無いから。” ( 試合後李グァンジョン監督談) との事だった。

日本はFW指宿こそ194cmだったが他のフィールド選手は全員180cm未満。韓国は2トップそしてCBのチャンヒョンス(延世大 ) 黄道然 ( フォンドヨン 全南 ) 右SBの金眞秀 ( キムジンス 新葛高校 ) そしてボランチの崔成根 ( チェソングン 高麗大 ) ら6選手が180cmを越える選手。年代が下がれば下がるほど体格、フィジカルの差が大きくのしかかって来る…と心配は尽きなかった。

日本のキックオフで始まった試合は開始早々から韓国がロングボールを多用して猛攻を仕掛けてくる。 1分もしないうちに金泳旭 ( キムヨンウク 全南 )が阿部(横浜FC)をかわして右サイドから中に放り込む。一旦はクリアーするものの再び右サイドで金泳旭が拾いクロスを上げようとするがその前にマークに入った酒井(新潟 ) を倒してファール。 その直後にも中央から池東ウォンが放ったシュートを日本DFがクリアーするも金眞秀が左サイドで拾って粘りスローインを得ると黄道然のロングスローに合わせてFW池東ウォン、チョンスヨンが日本ゴールに雪崩込む。 更のその直後にも右サイドからのクロスに池東ウォンがポストとなりピンチを招くが何とかクリアー。 中2日の韓国選手に対して日本選手は中4日。休養は充分のはずだが韓国選手達の早い一歩の前に後手を踏む。恐らく中4日空いたことで実戦感覚が少し鈍っていたのではないか?

それにしても開始からスタンドから韓国を応援する大歓声が選手達を後押しするかのように…. “加油!韓国隊 “の大合唱をするのは子供の声。折からの有りもしない”日中間の領土問題“、と尖閣諸島での”中国船問題“ を題材にした反日教育の現場実施か??? こう言った環境で相手を破ってスタジアムに静寂を呼び戻して欲しいと思った。

9分44秒、空中戦で菊池(草津)と金泳旭が交錯し共にピッチに倒れる。頭部を切った金泳旭がピッチの外に運び出されるが、どちらかと言えば金泳旭が後からぶつかっていったプレー。だけどこういう積極的なプレーを日本選手も見せて行って欲しいと思った。
立ち上がり韓国のプレッシャーに押され続けた日本は12分ようやく指宿からボールを受けた宇佐美( G 大阪 ) が右に送り菊池のクロスを導く。一旦は跳ね返されるもののこぼれ球を拾い宇佐美に繋ぐと宇佐美はそのままドリブルシュートに持ち込むが GK 盧東建 ( 高麗大 ) がナイスセーブでコーナーに。
宇佐美がさすがガンバ大阪のレギュラーと云う実力を見せた。 
そして劣勢続きの日本がその直後の13分に先制ゴールを挙げた。右サイドを上がった阿部が入れたクロスに中央に走り込んだ遠藤 ( 湘南Y ) がDF2人に囲まれながら右に落とすと走り込んだ指宿の豪快なシュートが韓国ゴールに突き刺さった。
圧倒的に押されていた中での先制ゴールだった。

  

しかし韓国は再び猛攻を繰り返す。 18分には中盤右サイドから池東ウォンとチャンスンヨンの待つゴール前に放り込まれると鄭陞勇に藤田( 慶応大 ) のマークをかわしてシュートを撃たれたがここはGK中村の正面に。 
19分24秒には右SBの李鑑真 ( FC ソウル ) のクロスからまたも長身の鄭陞勇、池東ウォンに渡りピンチを招く。24分にはFKから池東ウォンに渡り危ないシーンが。 FKはおろか前半は風上を選ばれた為GKまでもそのまま危険地帯に放り込まれてしまう。何とかそれを跳ね返してもボランチの崔成根、金泳旭が高い位置に押し上げこぼれ球を拾われる。更に金眞秀がガンガン上がってくる様になる。
日本もようやく酒井、阿部の右サイドコンビが時折突破を見せるが最後は宇佐美のキープ力頼りだった。

そんな中次に得点を挙げたのも日本だった。 29分コーナー付近でスローインを得て、阿部の入れたスローインをバウンドを利用した指宿が上手く身体を入れてシュート体勢に入ったところをCBチャンヒョンスに倒されてPKを貰った。そしてチャンヒョンスにはイエローカードが出された。 オマーン人の Mohamed Masoud 主審がよく見ていてくれた。しかしもっとよく見てくれたのは線審。 そのPKを指宿が一旦盧東建に止められたが、盧東建は指宿が蹴る前に前に出てきており止められた直後に旗を挙げてやり直しを命じてくれた。そのやり直しPKを決めて日本が追加点を挙げた。 この時点で翌年のコロンビア大会が大きく近づいたと思ったのは私だけでは無かっただろう。 

だがこの後この試合を大きく左右するゴールが韓国に生まれる。
リスタート直後、日本ゴール前に大きくフィードされたボールは鄭陞勇が CB遠藤を背にしてヘッドで前の送るとボールは阿部とCB平出 ( FC 東京 ) の間を転がりそこに脱兎のごとく走り込んだキムギョンジンが押し込み折角広げたリードがまた1点になってしまった。DF2人の中途半端な対応が招いた痛い失点であった日本の2ゴールの時には聞かなかった大歓声が沸き上がる。 
韓国相手に無失点で終えられるとは思わなかったけど、一番与えてはいけなかった時間帯での失点だった。

これで生き返った韓国は更に激しく日本ゴールに迫る。後方からそして両サイドからロングボールをどんどん入れてくる。特にサイドからはワンタッチで正確なボールを入れて来る。フィールド選手で唯一180cm以上あるワントップの指宿が自陣ゴール前に入ってハイボールに対応するのでカウンターに転じても最前線のターゲットが無いのでもう宇佐美のドリブル以外ゴール前に迫る術がなくなってしまった。
そして44分19秒遂に同点ゴールを許す。イギジェのCKからマークに入った平出より更に高い打点で黄道然が捉えたヘッドは一旦藤田がクリアーするがそのこぼれ球を黄道然自ら押し込まれてしまった。このCKもその前にGK盧東建からのGKが直接池東ウォンに渡りヘッドでそのままイギジェに繋がれ撃たれたシュートを何とかCKに逃れたもの。 

それでも試合はまだ振り出しに戻っただけ、残り数分を凌いでそのまま前半を終えてくれれば…と云う淡い期待も吹っ飛んでしまう事になる。 PAから少し離れたゴール正面で与えたFKをチョンスヨンが直接狙うと弾道はGK中村のセーブをものともせず日本ゴールネットに転がりこみリードを許してしまった。 このFK壁の間に入り込んだFW池東ウォンがチョンスヨンのキックに合わせてしゃがみそこを弾道が抜けて行ったもの。ここに何故池東ウォンを立たせたのだろう.. 同点ゴールからこの逆転ゴールまで僅か2分間だった。本当に天国から地獄と云った前半だった….. この状況、昨年のFIFA U-17 のスイス戦に似ているなぁ….. 

 

後半に入っても立ち上がりから韓国の猛攻にさらされる。 
46分、池東ウォンのFK,そしてカウンターからまたも池東ウォンがドリブルシュート。その直後、遠藤のパスをカットした金泳旭が前線に送ると遠藤、平出のマークを抜けたチョンスヨンが放ったシュートを、立て続けにGK中村がファインセーブで防ぐ。
どのシュートも決められてもおかしくは無かった。まだ運は尽きていない。韓国と言えども前半の総攻撃で体力を使っているので後半終盤になってくると同点、逆転のチャンスは生まれて来る、とこの時は思った。
しかし相変わらず頼りになるのは宇佐美のドリブルのみ。55分にはドリブル突破から指宿にスルーパスを送り、60分には自らドリブルシュートを放つが力なくゴール左に外れて行った。
確かに後半は時間を追うごとに韓国の出足も鈍りだし、タフなマークも緩んできたが、中盤でボールを持っても繋ぐ意識が高すぎてパスコースを探すうちに韓国MF陣にゴール前を固められてしまう。韓国の様にもっとロングパスを多用しても良くは無かったか? 

後半、スタンドからはあれほど鳴り響き続けた“加油!韓国隊!”という歓声が消えていた。 大会当局から指導が入ったとは思えない。恐らく後半は日本隊を応援しましょうと事前に指導されていたのが、それこそ大会当局からの指導で後半は黙って見ましょう、と言われた方が可能性が高いだろう。それとも共産党本部からの指示か…

64分日本ベンチはMF酒井を下げて同じ新潟所属の加藤大を投入する。 
しかしその直後またも大ピンチが。中央で粘った金泳旭が右前方に上がったフリー池東ウォンにロブを上げ、池東ウォンが落としたところをキムギュンジュン(高麗大)が至近距離から放ったショットはまたもGK中村がブロック。さらにそのリバウンドを拾った池東ウォンが至近距離から再び叩くがこれも中村がキャッチ。 
天は、いや中村隼人は我をまだ見捨ててはいない、と思い同点ゴールを引きよせてくれる….とまだまだ思っていた。

72分日本は2列目右の菊池(草津)を下げてC大阪の永井龍を前線に置く。永井は投入されて直後黄道然をかわして金泳旭、崔成根がマークに入る前にシュートを放つ。弾道はクロスバーを越えるがこのシュートを見てゴール前の宇佐美ともう1人ボールを持てる選手が出て来て得点シーンが近づくと思った。
79分には後半に入って前線で孤立していた指宿を下げて187cm長身の杉本 ( C大阪 )を入れる。専門紙に掲載されていた布啓一郎 U-19 監督のインタビューを読むと、試合前から韓国はロングボールを多用する事は解っていたので杉本を指宿と共にスタメンから使うかと思ったんだけど…

82分、右サイドを加藤大からボールを受けた宇佐美が中に送ると抜け出した永井の放ったシュートはクロスバーの下を叩いてゴールの外に飛び出してしまった。 あぁ、ひょっとしてここまでか….しかしまた10分弱時間は残っている。韓国のマークも出だしも鈍っている...と期待はしていたが...

しかし韓国ベンチも76分にFW鄭陞勇を下げて尹溢鹿(慶南Y/晋州高)を88分には奮闘していた MF 金泳旭を下げてペクソンドン(延世大)を入れて逃げ切りを図る。そして4分あったロスタイムにも得点は入らずタイムアップとなり日本は2大会連続で韓国に準々決勝で敗れ FIFA U-20 への道を断たれてしまった…. そう、またも韓国に…… 

 

日本はこの大会でも何故負けたのだろう……

メンバー選考は…
この試合後中学生の息子に “ レッズの原口元気が出てくれなかったから U-19 は韓国に負けてしまったぞ。” と、こう言うと、“行かなくて良いよ。原口はレッズでゴールを決めてくれれば良いよ。それに宇佐美以外は(所属 J-League の)レギュラーはいない。だから原口だった行かなくて良いよ….”
これは今のJ-Leagueの各チーム関係者の本音を代弁している事だろう…..

東京Vの高木兄弟、柏の茨田… CBにキローラン木鈴… 布監督が選ばなかったなんじゃなくて選んでも出して貰えなかったんじゃないかな…..そしてアーセナル入りの内定している宮市も…
確かに所属チームでの活躍も重要だけど、やっぱり海外の代表と対戦し世界を目指す事はもっと重要と思うのだけどなぁ…

専門紙の著名な解説者は監督の事も指摘していた。 “布監督は 2004 AFC U-16 でも指揮をとったけどアジアの壁を破れず、一昨年 AFC U-19 でベスト8止まりだった時の監督牧内氏がこのチームのコーチ。 何故失敗した2人を起用するのか….” 確かに一理あるけど、監督、コーチからすればベストメンバーを組ませて貰えなかった不満もあるんじゃないかな ?
そしてこの試合には協会上層部は誰も顔を出さなかったらしい。翌日にソウルで韓日戦があったにしても、この試合が終わってからでも間に合わなかったのかな??  
                              


大会日程…
日本は初戦の UAE 戦を何とか勝利を収め続くベトナム戦を 4-0 で快勝し勝ち抜けを決め、第3戦のヨルダン戦はレギュラーを休ませるといった余裕があった。 
しかし初戦の最難関の UAE 戦は何とか相手の自殺点で勝利を拾い、続くベトナム戦もスコアーこそ 4-0 であったが試合内容はそんなに完勝ではなかったらしい。 
一方の韓国は初戦で強豪のイランを 2-0 で破り続く格下イエメン戦は苦戦を強いられたが 1-0 で退け最後にオーストラリアと 0-0 で引き分けての日本戦。 
日本は初戦で最も手ごわいUAEと対戦しベトナム、ヨルダンとだんだん力の落ちる相手を経ての韓国戦。 韓国は強豪を相手にしたあとの日本戦…. 立ち上がりの韓国の猛攻と後手に回り続けた日本、それはこの日程も寄与したか…. 

      
              

やっぱり所属先も…
韓国は大学生が4人いた。そして左SBの金眞秀は高校生。 日本もボランチの藤田(慶応)六平(中央)が大学生でDF遠藤、岡本はユース所属。でも韓国の2トップ池東ウォン( 全南 ) とチョンスヨン ( FCソウル ) そしてボランチ金泳旭 (全南 ) CB 黄道然 ( 全南 ) らキーとなる選手は K-League の所属。でも今は高校生、 League では韓国の方が一枚上を行っているのかも…学生選抜は日本が少し上か..?

世代別はあくまでも育成が目的。だから FIFA U-20 に出られなくてもワールドカップ予選でアジアの列強を抑えられれば良いという人もいるらしい。
しかしやはり負けるのは悔しい。
決勝戦はテレ朝チャンネルで中継され、激戦の末北朝鮮がオーストラリアを 3-2 で破ったけど、ちょっとアジアのレベルも変わりつつあると感じた....

10月25日今度は U-16 がウズベキスタンでアジアの最終予選に臨む。 
この大会、韓国は予選ラウンドで北朝鮮に敗れタイ、ベトナムの後塵を拝して敗退しているのでここで韓国へリベンジとは行かないが、前回に続いて世界への扉を開いてほしい……


なでしこ世界へ !! 世界4強射程内 !!

2010-06-01 | Football Asia
5月30日、日本中が注目した Graz で開催された England 代表と日本代表がキックオフされる数時間前、中国成都で開催されていた AFC Women’s Asian Cup の3位決定戦でなでしこは地元中国を 2-0 で破り見事に来年ドイツで開催される FIFA Women’s World Cup への出場権を獲得した。 
かつては世界女子 Football 界を引っ張っていた中国は1991年に最初のワールドカップ が開催されて以来初めての“予選落ち”となってしまった。
なでしこ達の快挙を全く伝えないテレビ中継さえCSでしかない日本のマスコミは一体どうなっているのだろう?? そこで中国のスポーツ新聞等から彼女達の活躍を下記の通りに拾ってみた。

準決勝で日本はオーストラリア女子代表 Matildas に 、そして中国は延長戦の末北朝鮮にそれぞれ 0-1 で敗れワールドカップ 出場の為の最後の1枠を掛けて日中両国が激突した。 2月の東アジア選手権ではなでしこが中国を 2-0 で一蹴したが、今度は勝った方がワールドカップ 出場権を得られて負ければそれで終わりという大勝負の掛かった一戦。2月の様には簡単には行かないだろうなぁ….と思った。 
しかし中国側にもアクシデントが。中心選手の馬暁旭が怪我の為にこの大会に出場できなかった。 北京五輪も怪我の為にメンバー入り出来ず、ワールドカップ出場を掛けたこの大会に掛けていたはずだったのだが。東アジア選手権の日本戦ではそのボールキープ力に実力の高さを見せ、“5月の Asian Cup はこりゃ要注意だな。”と思った。そして準決勝で北朝鮮相手に120分も戦った後の疲労が3位決定戦にどう影響するか心配された。
以上の事からなでしこ達有利と思ったが、開催地は中国成都。 2007年女子ワールドカップ でなでしこ達は全くお門違いのブーイングを地元中国人達から受けた事を思い出し、正直 England 戦なんかどうでも良いと思った。(しかし真剣にテレビで観たけど。)

試合は開始からなでしこ達が主導権を握った。 10分には鮫島がドリブルで中国ゴールに迫りシュート体勢に入るが DF 翁新芝が必死に戻り彼女の伸ばした足に当たったシュートは弾んで中国ゴールポストをかすめそうになった。
15分今度は中国畢妍が中盤右サイドでボールを受け前線の庞丰月に送りドリブルで切れ込みCKを得る。そのCKからエース韓端がバックヘッドを撃つがゴール枠はとらえられなかった。
17分なでしこが幸運な先制ゴールを奪う。 近賀由香里がドリブルで突破を図ると張娜がたまらずファールで止めイエローが出される。そのFKを宮間が中国ゴール前に放り込むとボールはそのまま中国ゴールに吸い込まれゴールネットを揺らした。 中国選手達は一斉に主審に詰め寄る。ゴール前で澤の手に当たってコースが変わって入ったと澤のハンドをアピール。しかし韓国人の Hong Eun Ah 主審のゴールインの判定は変わらず日本は先制ゴールを決める幸先の良いスタートとなった。 政治なら韓中は必ず結託して日本を追い落とすのだけどスポーツの世界は公平だったのだろう?



26分中国にアクシデントが。徐媛が足を傷めてピッチの外に出される。結局徐媛はプレー続行不可能で代わりに張容が投入される事に。中盤の要であった徐媛の離脱はかなりの痛手だっただろう。 彼女の眼には無念の涙が浮かんでいたらしい。



33分李丹陽が日本DFともつれてピッチに倒れる。彼女は当然FKを得たと思って立ち上がったが線審は李のファールをとり李は猛然と抗議。 
38分交代出場の張容がロングシュートを撃つがこれは脅威にはならず、43分畢妍が岩清水のチャージで倒れ起き上れない。 
なでしこボールであったがボールを外に出す。 そして韓端がまたも主審に詰め寄る。こうして中国選手達は冷静さを少しずつ失って来たらしい。中国での試合であったがなでしこ達にとっては“ホームタウンテジョン”に悩まされることは無かった様だった。

47分、FKを得たなでしこは宮間がゴール前に入れ、山口麻美と庞丰月の2人が空中で競るが共にとらえることが出来ずにボールだけが流れた。
49分韓端がゴール前に足を高く上げファールを受ける。韓端焦りが出てきたか? 51分エース韓端が左サイドでボールを受けDF2人を引きつけ逆サイドの孙凌に送るが孙凌のシュートはゴールに至らず、52分にはFKを得て華妍がゴール前に入れるが誰にも触れることなくGK海掘がキャッチ。
59分韓端の粘りからCKを得る。華妍が入れたCKから庞丰月がヘッドで狙うがゴールに至らない、



60分には李丹阳 がシュートを撃つが澤がブロック。 後半は中国攻勢の時間が続くがゴールが遠い。
61分張容が相手を倒したファールでなでしこが得たFKを宮間が中国ゴール前に入れる。袁帆がクリアー出来ずそのまま流れたボールを澤がバックヘッドで中国ゴールに流し込み待望の追加点がなでしこに生まれた。



2失点目の直後に龐豊月が報復行為で警告を受け、67分には張娜が中盤で澤とのボディーコンタクトで澤のキッキングをアピールするも主審はノーホイッスル。
70分には山口麻美のシュートが惜しくもポストをかすめる等流れは完全に日本に。2点目が入った時点で既に勝負は決まっていたと思われる。
73分畢妍のCKに韓端が飛び込むがシュートが撃てない。76分なでしこは素晴らしいカウンター攻撃を見せ近賀がシュートに持ち込むがここは必死に戻った李丹陽がカバーに入る。
85分中国はなでしこゴール前にボールを蹴り込み、娄佳恵が落としたところを至近距離から韓端が渾身のシュートを放つがわずかにクロスバーを越え、これが最後のチャンスであった。
4分あったロスタイムもなでしこ達は無難に守り切り中国に失点を許さずワールドカップ 連続出場を決めた。



上記の経過は中国地元紙の記事から拾ったものなので主審がなでしこ達のファールを取らない様な事が述べられている。

中国女子代表にとって今大会は1986年の Asian Cup 以来ワースト記録である 4位となったばかりか第1回大会以来全てのワールドカップ に出場し続けてきた中国女子代表チームが初めてアジアの壁に跳ね返された大会となった。 試合後、商端華監督は当然の様に辞任を表明した。北京五輪の準々決勝でなでしこに敗れ、辞任、更迭の話が飛び交ったが引き続き指揮を執った商端華氏にとって最悪の結果となった。 17年前49歳で中国女子代表の座を一旦退いたが再び指揮を執る事になった時も専門家の間では特に北京五輪に向けて不安の声を上げる人もいたらしい…..



中国隊 GK 1- 張艶茹, 2-劉華娜, 3-袁帆, 5-翁新芝、14- 李丹陽 17-龐豊月, 7-畢妍, 6- 張娜 ( 63分 13-馬君 )15-孙凌(51分分,19-娄佳惠) FW 8徐媛 ( 29分 16-張容 ) 9-韓端

なでしこ: GK : 12-海堀步美 DF : 2-岩清水梓、4-熊谷纱希、5-近賀由香里、6-鮫島彩 MF : 8-宫間绫、10-澤穂希、14-宇津木瑠美 
FW : 13-山口麻美、9-永里优季、7-安藤梢

中国は東アジア選手権では韓端の1トップで2列目に左に尤佳 真ん中に馬暁旭 右に徐媛を並べたが馬暁旭の欠場もある徐媛をトップに上げ韓端と2トップを組ませたのだろう。

 敗戦後の地元マスコミの反応をみると、今大会は敗れるべくして敗れたとの見方が多い。
1次リーグの初戦。韓国戦にはエース韓端を温存してのスタートだったが蓋を開けてみればはボール支配率 ( 中国46.9% 韓国 53.1% ) で上回られたばかりかシュート数も中国5に対して何と韓国17 と差を付けられかつては“格下”であった韓国に敗戦を喫してもおかしくない試合内容。 
続くベトナム戦では韓端、徐媛の2トップで臨み 5-0 の圧勝。
そしてオーストラリア戦は Matildas が2連勝をして準決勝進出を既に決めていたことからメンバーを落として中国戦に臨んで来た事も手伝い、開始8分に決まった畢妍のゴールで 1-0 で勝利を収め、準決勝進出を決めた。 だがこの試合もボール支配率 ( 中国 43.3% オーストラリア 56.6% ) シュート数 ( 中国 11 オーストラリア 12 ) で相手が上回った。
中3日空いての準決勝の相手は北朝鮮。東アジア選手権は“棄権”をしており中国とてスカウティングに苦労しただろう。109分北朝鮮 FW 金景花の決勝ゴールに沈んだ中国だったが試合内容はボール支配率( 中国 38.9% 北朝鮮 61.1% ) シュート数 ( 中国 7 北朝鮮 27 ) が示す様に北朝鮮が中国を圧倒。
金景花1人に10本シュートを撃たれ、韓端、徐媛の放ったシュートは2本ずつ。徐媛は112分馬君と替ってベンチに下がった。
北朝鮮は選手交代なしに120分戦い勝利を収めた。東アジア選手権で彼女達を見たかったなぁ…….

オーストラリアが AFC に加盟し、アジア女子はまさに戦国時代。そしてこの地域を制すれば世界的にも欧州とブラジル、アメリカと肩を並べるレベルになる。 2007年ワールドカップ 、2008年北京五輪のメジャー大会は連続して地元開催で予選免除だった事もこういう結果となったと言われている。
中心選手の徐媛は自分が少女時代に在籍した地元のチームにはかつては100人はいた部員が今は20人程度になっている事実を嘆いていたとの事。 一人っ子政策のしわ寄せがここにも。 中国では女の子は戸籍上は少なく、もてまくることからスポーツ少女は激減しているらしいなからなぁ….. 卓球の世界選手権で中国女子がシンガポールに敗れた事もそれが遠い要因か?

そして人気の美人選手、エースの韓端は現在27歳。次のロンドン五輪更に2015年のワールドカップ まで現役を続行するかはわからない。
彼女がまだ代表でプレーできる間で無いと中国女子サッカーの再建は厳しいと言われている。 
それだけ後任が育っていないという事か.....?  試合後の彼女のピッチの去り方も印象的だったらしい。



しかし東アジア選手権の時も感じたけどなぜマスコミはなでしこに注目しないのだろう?なでしこは世界ランク6位。これだけ世界レベルで上位にいる球技なんて無いんだけどなぁ… ただ知らないだけか????

がんばれなでしこ。 世界4強は射程距離だ !!

ACL 2010  日豪対決は2勝2敗 

2010-04-16 | Football Asia

3月30日 サンフレッチェ広島 1-0 アデレード・ユナイテッド

A-League 発足から丸5年が経ちオーストラリアのクラブチームのAFC Champions League への挑戦も4年目を迎えた。
合計5ゴールの応酬となった前節、 Adelaide Hindmarsh Stadium は日本勢にとって鬼門であると思われたが、A-League 勢にとっても日本の地は鬼門の様だ。 

2007年 Sydney FC ( 0-0 浦和 )
2008年 Melbourne Victory ( 0-2 ガンバ大阪 )
           Adelaide United ( 1-1 鹿島 , 0-3 ガンバ大阪 )
2009年 Newcastle Jets ( 1-1 名古屋 )
           Central Coast Mariners ( 1-2 川崎 )

A-League 勢はまだ日本で勝った事がなく3月23日に等々力で行われた試合でも Melbourne は川崎に 0-4 と大敗をしている。 A-League 勢が苦戦する最大の理由は大会出場条件にある。 リーグ戦が9月に開幕し3月下旬に行われる Grand Final でシーズンが終わる為、“前のシーズンの Regular Season の優勝チームと Grand Final の覇者” に出場権が与えられる、要するに優勝してほぼ1年後に ACL に臨むこととなるので優勝時とは大幅に変わったメンバ-で臨まねばならないのが現状だ。しかもJ-League のみならず韓国、中国勢と異なりシーズンが終わった直後に臨む大会なので更に主力選手が移籍してしまったり契約が更新できなかったり、11人揃うのかよ?と大会前に思われるチームもあった。
今大会は 2008-09 の A-League の Grand Finalist の Melbourne Victory と Adelaide United に出場権が与えられた。 Melbourne は終わったばかりの昨シーズンは Grand Final まで進んだが Adelaide は下位に沈んだ。 
しかし不思議なものでこの ACL では Adelaide の方が快進撃を見せている。前節はホームでサンフレッチェを破り ACL 3連勝。そして第4節広島のホームでというよりもこれまで A-League 勢が成し遂げられなかったアウェーで J-League のクラブを破る事が出来れば2年ぶりの Round 16 進出となるところであった。

Joe Mullnen Sanfrecce は疲労に直面している……
Adelaide United の AFC Champions League 専任の Joe Mullen コーチは試合前日 Sanfrecce は疲労に直面しているとのコメントを出した。 先週24日、アデレードでのアウェー戦の為に広島を出発した Adelaide 一行は試合翌日、広島に向かって戻ったのであるが、1週間で片道ほぼ24時間かけての行程を往復した事からかなりの疲労蓄積があると思われると。そして初戦をホームで行った United はその疲労が半分以下である事からチャンスは大いにありと見られているのか…
中心選手の Dodd は “ 我々は自信を持ってこの試合に臨む。アウェーで敗れた広島がこの敗戦を取り返すべく、パファーマンスを改善し勝利を掴もうと高い意識で臨んでくる事は解っている。難しい試合になるのは解っている。広島は先週でも大変素晴らしいチームだった。しかし我々もベスト16に進出出来る様に勝点3を奪いたい。”

Adelaide 主力選手3人はベンチスタートか?

前日のアデレードでは United の主力、 Marcos Flores, Travis Dodd そして Serginho van Dijik の3人がスタメン出場出来ないのではとの報道がなされていた。 “ Marco 、Sergio そして Travis の3選手は何とか明日の試合に出場しようと腐心している。 “我々は今日の練習後の様子を見なければならない。 いつもの練習を終え、これからどうするかについては案はある。”と語ったのは Aurelio Vidmar 監督だ。



Dodd は恥骨炎と長期に亘るアキレス腱の問題をかかえており、 Flores は先週の試合でふくらはぎを痛め、 van Dijik は筋肉痛で出発直前のアデレードでのトレーニングを休み広島に到着しても別メニューで調整中だ。さらに警告を受けている選手が8人もいる。 Robert Comthwaite, Iain Fyfe, Travis Dodd, Lucas Pantelis, Daniel Mullen, Adam Hughes, Nathew Leckie そして Nigel Boogard らが警告を受け、トップに立っているとはいえ広島戦で敗れ、出場停止選手を出すと次の浦項そして山東戦も必ず勝点を奪えると言うわけでは無くなって来る。
“われわれはただイエローカードを按じているばかりではない、その事に就いては話をしていない。”指揮官はこう話していた。そして初戦でCB ストヤノフを前節退場で欠く広島は3バックでなく4バックの布陣を敷くのでは…と思われていたらしい。

広島雪辱 ベスト16にわずかな望み…しかし…. 3月30日。

広島ビッグアーチで行われた第4節。 Vidmar 監督は結局前節、ホームでの広島戦と同じスタメンを並べた。もっとも注目した Cassio はこの試合もベンチスタートだった。 一方の広島は出場停止のストヤノフの代役に高柳が起用され、他は前節と同じスタメンだった。 Adelaide は前の週の試合と異なり相手の出方を見る様な立ち上がり。広島入りしたのは28日日曜日。時差は日本時間+1時間半。あまり影響のでる行程でもなかったと思う。そして最初に主導権を握ったのはホームのサンフレッチェ。25分には山崎の強烈なショットが Adelaide ゴールを襲うがここは GK Galekovic がセーブ。 その4分後再び山崎が放ったシュートは Galekovic を破ったがポストを直撃した。 33分今度は Adelaide のDodd が広島ゴール前でフリーでボールを受けるが足元にボールが収まりすぎてシュートが撃てない。それが前半 Adelaide が作った唯一のチャンスらしいチャンスであった。 
その後も44分に山岸が素晴らしいシュートを撃つがここも Galekovic がファインセーブでCKに逃れられた。やはりホームでの戦いは違うと思った。しかし得点が取れないまま前半は終わると思われた。 だがロスタイムに入りそのCKからネアーサイドに走り込んだ佐藤寿人が Adelaide ゴールに蹴り込み待望の先制ゴールと云うよりも前節奪えなかった対 Adelaide 戦の得点を挙げた。



後半に入り59分に Cassio が投入される。64分、 Lucas Pantelis が Marcos Flores のヒールパスを受けてクロスを入れるが誰も触れる事は出来なかった。 78分に Paul Reid, Barbiero Fabian らが投入される。84分には Cassio のクロスに Dodd がヘッドで狙うがクロスバーを越え、その直後の Van Dijik が放った好位置からのFKは西川の正面を突き、ロスタイムに入り再び Van Dijik が至近距離から放ったショットは大きく外れてしまい、同点に追い付くことなくタイムアップのホイッスルが鳴った。 

“我々が思い描いていたように早く前に進む事がただ出来なかっただけだったと思う。中盤でボールを奪っても常に相手の戻りよりもはやく次の一手が打てなかった。 前半は特に相手ゴール前への展開に生彩を欠いた。”
試合後 Vidmar 監督はこうコメントを残した。 同じ日行われた Group H の試合では浦項スティーラーズが山東魯能をアウェーで1-2 で降し勝点9で Adelaide と勝点で並んだ。( 得失点差でこの時点では Adelaide が首位を守っていた。)
そしてこの試合は Socceroos 監督の Pim Veerbek 氏が観戦に来ていた。お目当てはGK Galekovic ACLでのパフォーマンスを含め、彼の第2GKの座はほぼ確定的となったらしい。 2年前北京五輪を棒に振っただけに喜びはひとしおだろう…. そして若いFW Mather Lecike も将来の為にワールドカップに帯同させるかもしれないとの事。 また JEF 千葉でプレーする CB Mark Milligan のワールドカップメンバー入りが急速に現実化してきた。ギリシアの Kavala でプレーする Craig Moore がオザピッチで怪我をしてワールドカップは絶望的との事で、更に昨年9月の韓国戦でゴールを決めた Patrick Kisnorbo もアキレス腱の負傷から彼もワールドカップは絶望的らしく、Lucas Neil とCBを組む候補選手として J-League でプレーする Mark Milligan そしてエスパルスでプレーする 194cm の長身DF Eddie Bosnar に白羽の矢が立っているとの事であった。更に浦和 REDS 所属の Spiranovich……
今年のワールドカップの出場選手の所属クラブを国別リーグでまとめると案外 J-League は上位に入ってくるかもしれない…….. 約2週間後の4月13日に行われた

第5節。 広島は山東に乗込み山東魯能との “サバイバルマッチ“に臨んだ。試合は壮絶な点の取り合いとなった。 先制を許した広島は27分、森崎、34分李忠成の連続ゴールで逆転をしたが85分ベンソンのゴールで同点に追い付かれる。そしてロスタイムに入った終了直前、再び李忠成がゴールを決め連勝を飾った。 だが浦項で行われた浦項対 Adelaide の試合は 0-0で引分け、広島、山東の2チームが1次リーグ敗退となった。 



Adelaide はこれで2年前に続いて連続で決勝トーナメント進出となった。

Victory 雪辱。 どちらかにチャンスは残されているのか…..

60分、ボールが小宮山の前に弾む。そして小宮山が触れたか、触れないかのタイミングで Robbie Kuruse が走り込み小宮山に接触して転倒した。イラン人の Saeid Mozaffani Zaden 主審はすかさずペナルティースポットを指す。 小宮山を始めフロンターレイレブンは納得できずに Mozaffani Zaden 主審に詰め寄るが判定は当然変わらない。  Replay を見ると少なくとも Kuruse が転倒したのはエリア内だが、ぶつかったのはエリアの外。しかも自分からぶつかっていったのだけど…..
試合後 Victory のErnie Merrick 監督はその決定に“私はペナルティーだったと思っている。”とのコメントを残した。

PKをセットするのは Kevin Muscat 。11日前の Grand Final のPK戦では失敗している。 しかしここは冷静にPKを沈めこれが決勝点となった。 



“前回のACLで我々は2勝1分7勝点しか挙げていない。しかし今回はまだチャンスは残されていると思う。A-League の Grand Final から10日が過ぎた。多くの選手達が今は次のステージに進む為に何をすべきかと言う事に集中している。我々は失うものは何も無い。ACLで勝ち進む事に集中している。トレーニングでは良いスピリットを見せていた。”試合前日 Victory の Ernie Merrick 監督はこう語った。

前節出場機会の無かった Kevin Muscat はスタメン起用の見通し。しかし MF の Leigh Broxham は累積警告で出場出来ない。 FW ではレンタル移籍中の Nik Mrdja の起用も予想されたがコスタリカ人FWの Marvin Argulo の起用が有力視された。そして Nick Ward がウィングバック、 Matthew Foschini のスタメン起用もそれぞれ予想された。そして実際にその通りのスタメンとなった。

前節アウェーでのフロンターレ戦から出場停止となった Broxham を含めて4人の選手が入れ替わった。 GK は All Whites の Glenn Moss に替ってシーズン途中からレギュラーポジションを奪った Mitchell Langerak , 予想通り Marvin Argulo, Matthew Foschini が起用され。そしてチームの重鎮 Kevin Muscat がスタメンに名を連ねた。 3月20日の Grand Final のスタメンから怪我の Archie Thompson と出場停止中の Broxham が抜けただけのほぼベスト布陣だった。
試合開始から Muscat のタフなプレーが目立つ。中には明らかにファールと取られるべきプレーもあったが元 Socceroos の激しいファイティングスピリッツにチームは鼓舞された。  “私は決してPKに対して特別な考えを持った事が無い。10日前の事から悪影響を受ける私では無い。あれは通常起こりうる事で今日は上手く決る事が出来た。我々は試合前お互いの目を見てお互い話合い、このチームのなせる事は無限だと言う事を確認し合った。…そしてGKの Mitch (Langerak )が素晴らしいセーブを見せた。”
Merrick 監督も“ Kevin の試合前にスピーチはファーストクラスだ。選手達は彼の話を聞いてステップアップし続ける。彼はPKを蹴るにふさわしくそしてそれを成功させた。完全なPKだった。ファーストクラスのPKだった。プレッシャーもあっただろう。しかし彼にとっては良かったと思う。”

そしてもう1人の立役者は GK の Langerak 。スーパーセーブを連発し、特に終了直前の決定機も防ぎ最後までゴールネットを揺らさなかった。


オーストラリアの地元紙によると、Kawasaki も勝利するには充分すぎるチャンスを創ったが60分のイラン人 Saeid Mozaffari Zabeh が Melbourne に疑惑のPKを与えた事で局面ががらりと変わった。“と報道した。
川崎は鄭大世が出場停止、そして中村憲剛、ジュニーニョが負傷で起用出来なかた事が痛かった。速さに弱い Victory のDFラインにとってジュニーニョの欠場は有難かったと思う。しかし、この日の Victory が本来の姿と気がつく人は少ないと思う。

同じ日に行われた Group E のもう一つのゲームは城南一和がアウェーで北京国安を破り Group リーグ突破を決めた。この結果 Victory, Frontale の両チームにも2位通過の可能性が出て来た。 
4月14日、等々力競技場で行われた第5節、川崎フロンターレ vs 城南一和の試合は川崎が 3-0 で快勝した。Victoryは北京国安をホームに迎えた試合をスコアレスドローで終えこの時点でグループリーグ敗退が決まってしまった。 北京国安には元 Soccoeroos の Ryan & Joel の Griffith 兄弟が所属する。 

J-League勢では広島が脱落し、鹿島、G大阪がグループリーグを突破し川崎は4月28日、北京に乗り込み2シーズン連続のグループリーグ突破を目指す。 A-League 勢では Adelaide がベスト16 入りを決めた。 今シーズン、 A-League の Adelaide United が再び J-League 勢と当たる事はあるのだろうか……


ACL 第3節 Adelaide United vs サンフレッチェ広島 後半

2010-03-29 | Football Asia

ハーフタイム中に隣の親子連れや周囲の人達と話をする。 
“広島の7番と8番は双子だ。そのうち代表入りするんじゃないかな?”
“それは Great だ。父親はハッピーだろう。” “母親もハッピーだと思うよ。” “Adelaide は何度も来るのか?”“商用でたまに来る。2年前の鹿島アントラーズとの試合はオーストラリアにいたがここには来られなかった。” 
“次回来る時は必ず言ってくれ。スタジアムの前にバーがある。そこでビールをおごる。” 

そういえば日本の競技場の近くはビールをひっかけるところはちょっとないかなぁ…… 中の1人はセルビアからの移民らしく、広島の Petrovich 監督の話をしてきた。セルビアはワールドカップではオーストラリアと同じ組だ。 
そして今グランパスで監督をしているストイコヴィッチの話をすると“オォ!ピクシー!!”と叫んだ。そして3年前まで日本代表監督だったのがイビチャ=オシムで彼が健康の問題さえなければ彼が日本代表を率いて南アフリカに行っていただろうと話すと、それはどういう事だ?と必死に効いてきたのでそのいきさつを話すを両手を広げて残念がっていた。 

Emotions running hot for Cassio
後半 ゴール応酬。 Adelaide 3連勝。広島3連敗。 後半が始まった。

Adelaide はメンバー交代が無かったが広島は山崎に替えて高柳が投入され2列目の左サイドに入った。 Adelaide のキックオフで始まった後半、開始早々 Marcosabel からパスを受けた Dodd が入れたクロスが Robert に渡るが森脇和がマークにはいりシュートは撃てない。
そして以降、広島のボール支配率が上がってくる。ワンタッチでボールを回し、佐藤が左右ワイドに動き、相手DFのマークをひきつけスペースを作る。 51分には森崎浩、山岸、山崎と渡りPA内の佐藤が最後は振り向きざまにシュートを放つがGK Galekovic の正面に。得点には至らなかったが素晴らしいボール回しであった。 
その直後高柳がCornthwaite に左サイドで倒されFK を得た広島は 森崎浩がAdelaide ゴール前に入れるとCornthwaite が一旦はクリアーするが、森脇和の前に転がり、 Marcosabel がマークに入る前にダイレクトで放たれたゴロのシュートが右隅に決まり広島の同点ゴールが生まれた。
スタジアムには数十人の広島サポーター達の歓喜の声援が響く。Adelaide は ACL 3試合目にして初失点だった。 
Adelaide の選手達は出足の一歩が 暑さとリーグ戦が終わってからのコンディショニングの影響か、試合開始同時程早くは無くなっていた。 
それでも Adelaide のシュートシーンの方が目立つ。62分13秒には Dodd からボールを受けた Lucas がフリーで撃つがクロスバーを越える。 65分53秒には Leckie が日本ゴールに迫るが森崎和がマーク。 そして次第に Adelaide は積極的にシュートを撃たない様になり観客席からはブーイングが発せられる。
69分、広島ベンチは服部に替えて李忠成が投入される。そして山岸を右から服部のいた左サイドに回した。アウェーでの勝点1は普通守るべき価値のある勝点だが2戦2敗の広島が欲しいのは勝点3.したがって2点目を取りに行ったのは理解できる。 そして2分後 Adelaide ベンチも Marcosabel を下げて Cassio を投入し2列目の左に置き、 Leckie を上げて Van Dijik と2トップを組ませ、 Lucas に替ってBarbiero Giuseppe を投入し左のボランチに置く。こちらはホームなので当然勝点3を狙う。この試合に勝てば1次リーグ勝ち抜きに大きく前進する。

先に2点目を奪ったのは広島だった。 74分森脇からボールを受けた李忠成が Jamiesson に倒されFKのチャンスを得ると、森崎が入れたFKに高柳が倒れながら放ったヘッドが Galekovich を破って Adelaide ゴールネットを揺らし、試合を逆転した。 周囲の観客はみな頭を抱えており静まり返っている。 押し込まれる時間が続いていた広島にとっては願っても無い試合展開。
だが試合はまだまだこれでは終わらなかった。 2分後の77分。波状攻撃からCKを得た Adelaide は Dodd が入れたCKに197cm の巨漢CB Cornthwaite が走り込んでヘッドがさく裂。GK西川を破って広島ゴールに突き刺さり、同点に追いついた。 



広島の同点ゴールは Cornthwaite のクリアーが森崎和に直接渡ったもの。それを帳消しにする貴重なゴールであった。逆転したばかりの広島にとってはこのゴールは堪えただろう。残り時間は約13分。守りに入るには早すぎるし、1人少ないし….しかし勝ち点は確保したいし....
同点に追いついた Adelaide は俄然生き返る。大観衆のサポートを背にガンガン攻撃に出てくる。そして81分、FK を得た Adelaide は Cassio がボールをセットする。2年前、鹿島は彼に相当掻き回された。 

 

GK西川は2年前の北京五輪メンバーで恐らくワールドカップのセカンドGKとしてメンバー入りすると思う….とハーフタイムに隣の家族連れに話をしたんだなぁ……
 頼むぞ西川…..

翌日の地元紙は Cassio の大きな写真が掲載されていた。 ACLに入ってからとシーズン終盤はスタメン機会が減り辛い時期を過ごしたが、このゴールがその溜飲を大きく下げただろう、と記事にあった。 ACLの3試合を含めて5試合連続でスタメン落ちした Cassio はこの試合も途中出場。しかしゴールを決めた時の表情はいつもの明るい表情ではなく “俺を使わないから苦戦するんだ!!”と意地の表情。

“私は怒っていた何故なら勝ちたかったからだ、プレーしたかったからだ。ここには常にプレーする為に存在をしたい。私はよく幸せな表情で自らのゴールを喜んだ。しかしたまにはそれを変えないと。それがここで行いたい事だ、何のためにプレーをするかという事だ。スタメンのポジションを確保するのは困難な事だ。私のキャリアーの中では常にスタメンで出場していた。ベンチスタートなど通常ではなかった。しかしそれは受け入れなければならない。チームは勝ち続けている。しかし今はコーチ陣がどうしたいかを見てみよう。”

決勝点の直接FKにつていは

“いつもは van Dijik がよく蹴っており、 Brisbane Roar 戦でも直接決めている。しかし今回は私が蹴らせてくれと彼に頼み、彼は譲ってくれた。そしてうまく弾んでくれたがゴールが決まって本当に良かった。私には少しばかりの幸運が必要だった。”  

広島を初め、山東、浦項は厄介な選手を目覚めさせてしまったのではないだろうか??
Vidmar 監督は“ 逆転されても挽回できると確固たる自信はあった。 今我々は飛行機に乗り込み同じ事を広島でするまでだ。” Adelaide United 一行は3月26日広島に向けて旅立った。 11年前当地でプレーをしていたVidmar 監督は試合前またノスタルジックな思いに浸ることだろう……


ACL 第3節 Adelaide United vs サンフレッチェ広島 前半

2010-03-29 | Football Asia

Purple Archers run out of arrows Adelaide United 3-2 Sanfrecce Hiroshima

2-2で迎えた 83分 Adelaide FW Leckie がドルブルで中央に切れ込む。中島が後方から入ったタックルがファールに取られる。そして71分から投入されたMF Cassio がボールをセットする。 私はGK西川の立ち位置を見たが私が Cassio に目を戻す前に彼はFKを直接広島ゴールに向けて狙って蹴ると弾道はそのままゴールネットに吸い込まれた。 大歓声が Hindmarsh Stadium を包む。 今年のACLを含めて A-League 戦から5試合連続でスタメン落ちしていた、そしてACLでは第二戦の山東魯能戦で途中出場したのみの Cassio の意地のゴールだった。

   

広島はこの試合を落とすと非常に苦しくなる。 ストヤノフ退場後 CB に入った森崎和が前に出てくる。しかし Adelaide の勢いは増すばかり。 大歓声を背に 84分 Mathew Leckie のスルーパスに Barbiero Giuseppe が走り込むが高柳がなんとかブロック。 85分Marrone Robert のクロスから Travis Dodd がヘッドを放つがポストの右に外れる。  87分、大歓声に包まれてこの日MVP級の活躍だった MF Dodd が ベンチに下がり DF Boogard Nigel が投入される。 ロスタイムを含めるとまだ5分残っていると思ったので広島にもまだまだ同点のチャンスがあると思った。
89 分 52 秒、佐藤がその Niegel の後方からのチャージを受ける。 イエローを出せと主審に迫るがここはファールのみ。そのFKから途中出場の李忠誠がシュートを放つがゴール枠は捉えられない。ロスタイムが3分と表示される。まだチャンスが残っていると思われたが、スコアーは動かないまま試合終了のホイッスルが鳴った。 

この日の観客動員数 12,841 人の中で広島から駆けつけたサポーターを除く約12,000以上の大観衆が歓喜の声援をピッチに送る。 Adelaide United はこれでACL3連勝。 決勝トーナメント進出に大きく前進した。こんな強いチームが何故昨シーズンはリーグ最下位だったのか... 後ろの若者尋ねたら “ I don’t know. Who knows ? “ と 言われてしまった。横に座っていた親子連れと、後ろの地元サポーター達から慰めの為か肩を叩かれ握手をしてその場を後にした。 


別に広島のサポーターでは無いけど、やはり日本が負けるのはさみしいなぁ....ここ Hindmarsh Stadium は日本勢にとってはまさに鬼門だ。 この日のサンフレッチェ広島、2年前の鹿島アントラーズそれからシドニー五輪での準々決勝アメリカ戦..... 次は試合前にここでお祓いをした方が良いかもしれない......

今年2月に終わった 2009-10 A-League。前年 Grand Final まで進出した Adelaide United はまさかの最下位。そしてクラブの経営は現在 FFA オーストラリアサッカー協会に一時的に委ねられており、直に地元 Adelaide 出身の新オーナー Alan Young 氏に引き継がれるらしい。シーズン終了後、 中心選手の Christiano がアメリカ MLS の Real Salt Lake City への移籍が決まる等主力選手の流出が危惧されたがVan Dijik, Lucas Pantelies と云った選手は来シーズンも Adelaide に留まる事になった。そして Aurelio Vidmar 監督が引き続き指揮を執る事が出来た事が何よりの“戦力補強”だっただろう。
このサンフレッチェ広島との一戦は誰よりも Vidmar 監督が楽しみにしていたと思う。 かつては Feyenoord, CD Tenerife 等の欧州クラブに所属し 1998-99 のシーズンにはサンフレッチェでもプレーをした。 広島一行がここ Adelaide に到着した時はチームから当時の Year Book を渡されサインをして返したらしい。
“昔広島でプレーしていた時は考えた事も無かった事だ。 今度は監督として広島と対戦するだなんて。しかし football の世界ではよく起こりうることだ。”とコメントを残した。“勝つ事がまず第一”と指揮官らしく手綱を締めながらも“サンフレッチェの文化は素晴らしかった。彼らはファミリーの様にフレンドリーでチームの周りの人達はファンタスティックで、素晴らしい12ヶ月間だった。”とノスタルジックに浸るシーンも。

そして地元紙では最も警戒すべき選手として FW の佐藤寿人を写真付きで下記の様に紹介していた。 Pocke-Rocket Skipper ( 小さなゲームケーカー ) Hisatoshi Sato は2001年の FIFA U-20 でYoung Socceroos ( オーストラリア U-20 ) と対戦し敗れたメンバーであった。その後2006年以来日本代表Cap 30を数え、2007年ベトナムでの Asian Cup 準々決勝のオーストラリア戦にも出場し、今シーズン3試合を終えた J-League の得点王争いで Josh Kennedy と並んで3得点でトップにならんでいる. “ここには得点を挙げる為にやって来た” と述べている.....

   

One-times hero wears Black Hut
前半 立ち上がりの猛攻に耐えきれず失点。 そして退場......

心配されたのはここ Adelaide の気候。 広島を出た時、平年より気温は低く、 Adelaide に到着した時は平年より気温が高く、試合のあった日の最高気温は29度もあった。この試合のフォーメーションは下記の通りであった。

                                       GK 1 Eugen Galekovich

5 Mullen Daniel    2 Cornthwaiite Richard    4 Iain Fyfe    14 Scott Jamieson

               17 Marrone Robert                         7 Pantelis Lucas

           13 Travis Dodd        24 Flores Marcosabel     
19 Mathew Leckie

                                         9 Serginho van Djik


                                             11 佐藤寿人 

                       33 山崎雅人                                7 森崎浩司
 
                 17 服部公太                                                      16 山岸智

                             8森崎和幸                     35 中島浩司 

            22 横竹翔                  2 ストヤノフ                 24 森脇雅人

                                                Gk 21 西川周作

Adelaide は試合当日の地元紙の予想通り ACL 3戦連続同じスタメン。それだけ好調なのだろうか? GK Galekovich は2007-08 A-League Grand Final で主審に手を出し退場となったうえに5カ月後の北京五輪出場をフイにしてしまったA-League No.1 のGK. 翌シーズンから Adelaide United に移籍しチームを ACL Finalist に導く立役者の一人に。 現在 Socceroos では Schwarzer に続く第2GK の筆頭候補だ。 
他にもCB 197cm の Cornthwaite, 左SB の Jamieson ( 2005年 FIFA U-17メンバー ) , Travis Dodd そしてベンチスタートの Cassio が2008年ACL メンバー。そしてCB の Iain Fyfe は2008-09 シーズンまで Sydney FC に所属しており浦和 REDS ともACL で対戦した経験を持つ。 
一方のサンフレッチェ広島は、地元紙のスタメン予想は4-4-2 のフォーメーションになっており、4日前の湘南戦と同じメンバーがスタメン予想であったが、右DFに横竹が槙野智章に替って起用された。ACL前節の浦項戦でも槙野がスタメンだったのだけど怪我でもしているのかな?
こうして観ると勉強不足の私は広島よりも Adelaide の方が良く解るなぁ……

広島のキックオフで始まった試合は開始3分に山岸のシュートが Jamieson に当たりCKとなり早速チャンスを掴む。しかしそのCKは得点には至らず、それから堰を切った様な Adelaide の猛攻が始まる。 
4分9秒に、 Mullen から Dodd にスルーパスが通り左サイドを突破され、Leckie のミドルにつなげられるがこのシュートはポストの右に外れる。 6分6 秒には Jamiesonのスルーパスがまたも Leckie に通るがここはストヤノフがマークに入りシュートを撃たせない。 Leckie は U-20 Young Soceroos の候補選手。そしてACLでは2戦連続ゴールを決めている。 
7分30秒、Dodd が横竹からボールを奪い更に森崎和をかわしてドリブルシュートを放つがここは必死に戻った横竹がコーナーに。そのCK,に長身185cm Fyfe がヘッドで狙うがGK西川がパンチでクリアーしかしそのこぼれ球を繋がれ Mullen が右サイドから入れたクロスに再びフリーの Fyfe が飛びこむが空振り。 早い出足と強い当に防戦一方の広島。こりゃぁ早く何とかしないと先制を許すぞと思った11分、左サイド Jamieson のスローインを Marcosabel がダイレクトで中にクロスを上げファーサイドに走り込んだ Dodd が横竹が飛び込んで来る前に頭で合わせて広島ゴールに放り込み先制ゴールを挙げられてしまった。 

私の周囲の人達を含め殆どの人達が立ち上がり大歓声が沸き上がる。 広島は苦しい立ち上がりとなった。そして Adelaide の攻撃は更に増すばかり、得点の直後には Dodd のスルーパスが入るがここはCKに。14分には右サイドから中央に切れ込んだ Dodd が服部をかわして入れたクロスに Marcosable がヘッドで狙うがGK西川の正面に。20分16秒には Dodd から逆サイドの Leckie にボールが渡り森脇、やまぎしをかわして放ったシュートはGK西川が弾いてCKに。 22分には分厚い波状攻撃を見せ Van Diki, Leckie が連続してシュートを放つが西川がなんとか防いでCKに。27分には Dodd のクロスから Leckie のヘッドが飛ぶがこれは西川の正面。この間広島が Adelaide ゴールに迫れたのは18分と26分に佐藤がシュートに持ち込んだ時くらい。
Adelaide は Dodd の素晴らしいゲームメークで広島ゴールに何度も迫る。“オーストラリアサッカー”は“専門家”の間ではフィジカルとロングボールを主体にした Aussie Football の様な試合運びが特徴とされているが、それはもうずっと過去のもの。特に A-League が発足され、中盤からボールを繋いで相手ゴールに迫ろうとする戦術がかなり浸透しており、ゴール前では欧州選手並みの体格の選手同士のぶつかり合いがあり迫力もある。 特にゴール前の空中戦は見応えがある。 
守備も組織的だ。広島ボールとなると中盤の Dodd, Robert, Lucas , Leckie の4人がラインを作り最終ラインとの間をコンパクトにし広島攻撃陣にスペースを与えない。 Adelaide は1対1でも上手さと強さをみせ、簡単に突破させない。4日前に湘南戦で MVP 級の活躍をした山岸が何度も右サイドの高い位置に張りだしボールを受けるがそこからが続かない。 まるで9月のオランダ対日本戦を見ている様だった。スピード系の選手ばかりだと大きな体格選手が乱立する相手DF陣を掻い潜ってシュートを放つのは至難だ。ようやく本田圭祐の台頭によって代表はそれが解消されつつある。しかしこの試合では…

 

29分広島は更に事態が悪化する。 カウンターに転じた Adelaide は Leckie がフリーで中央をドリブル突破していく。そこにストヤノフのスライディングが後方斜めから入ってしまい、このプレーに対してマレーシア人の Subkhiddin Mohd Salleh 主審は一発レッドを示す。この判定、少し厳しい気がした。 A-League ではこのくらいのタックルは普通だ。そしてオーストラリア人の主審は東アジア選手権のデロフスキー主審の様にアドバンテージを見た時、相手ボールになると笛を吹き、位置を戻して反則を受けた方のボールにする、いわゆるラグビー式の笛を吹き、見ている我々も戸惑った。 この試合はマレーシア人主審だったのでそういう事は無かったのだが、この“後方タックル”の判定は“日本側”に悪い方に出されてしまった。
ストヤノフは20分あたりから攻撃参加をする気配を見せており、彼の損失は攻守にわたり痛手となったと思った。広島DFラインは横竹を左SBからCBに回し、森崎和をMFから左サイドに下げた。 
Adelaide はその直後にもサイドチェンジから Leckie のクロスに Van Dijk にヘッドを撃たれるがここはゴール枠を捉えられなかった。 広島は前半終了間際に佐藤が立て続けにミドル、ロングシュートを撃つが GK Galekovich を脅かすほどではなかった。 そして広島は1人少なくなっても追加点を何とか凌いで前半が終わった。

                                           後半に続く 


東アジア選手権 日本対中国 中国での報道は....

2010-02-20 | Football Asia
黄健翔 :日本のワールドカップ Semi Finalist は厳しい

著名な中国のサッカー解説者、黄健翔氏は日本戦のあとにまず岡田監督の目指す“ワールドカップベスト4”につていて上記の通りに言及するとこの 0-0 で終わったこの試合、楊昊のPK失敗を何度も悔んだそうだ。
“岡田監督は一般的な日本食の様な煮魚状態だろう。” 
中国チームに就いては試合前大地震(ビッグサプライズ)を演じる事が出来る、今はまだ試験期間だ“ファンもメディアもこの試合にはあまり期待していない。”と語った。 日本代表のスタイルの変化に就いて、黄健翔はそれが Barcelona に代表される、 modern football への移行であると評価している。 パスに就いては大きく分けて3種類に分けられる。 一つは安全の為(対峙する相手にボールを取られない為)、二つ目は繋ぐ為のもの、そして3つ目は決定的なスルーパス。 Barcelona やスペインで用いられるパスはフィジカルやパワーを用いる相手に対抗する為のパスは相手に取られない為や繋ぐ為ものが多い。戦術的規律を持っても個人の能力で対抗できない時は三つ目の決定的なスルーパスを用いる。卓翔、郜林に就いて言えば、“この二人は戦術を理解しておらずたびたびボールを失った。また他の選手達はスルーパスを狙いすぎていた。”と不満を露わにした。黄健翔はまた杜威の進化も評価、高洪波新監督によって自身新たな発見をしたと思うと高評価をした。曲波がトラップをしそこねて長友の腕に当たりPKが宣告された時に誰が蹴るのだろう?曲波?姜寧?杜威?それとも楊昊?まさか楊昊とは思わなかった。 

この日の中国のフォーメーションに就いては “孫祥を左サイドの2列目に置く 4-2-3-1 であったがこれは技術の比較的高くない彼にと手は少し難しい役目だった。孫祥はオーストリアの Austria Wien でプレーしたがここでは体格、フィジカルが重視され技術的が重視されるわけでなく中国代表では技術の要求されるこのポジションは難しいだろう。もし栄昊の様なテクニックのある選手の後ろに配置されたのなら孫祥の能力は発揮されただろう。そして卓翔とコンビを組めるだろう。

  
 
そして日本代表に就いては“トルシエ時代ほど中盤でボールがスムースに回っていなかった。”と論じた。 日本代表に就いては前半の45分は完璧であったと評価。そして後半はハイボールが殆ど中国DF陣にヘッドでクリアーされたと。 ”トルシエ時代の日本は簡単にボールを蹴らずにパスを繋いでビルドアップしいていた。だがこの試合はロングキックを多用しボールを失う事になっていた。それでもオールコートで当たってこられると個々の技術が高い日本が有利だった。“ そして試合前にはベネズエラ戦で引き分けた日本代表にファンもマスコミも不満をあらわにし、黄健翔は“今や日本チームはブラジル、アルゼンチン以外の南米代表国にも完勝する必要がある。”とコメントを残した。そしてこの日の日本の “新しい”右サイドのコンビネーションの出来は今一で中盤では何度か体格差のある中国MFに抑えられるシーンが目に着いた。そしてそのフィジカルコンタクトを嫌いボールを後ろに戻すシーンも目に付いた。 体格差も試合結果を左右したと示唆。
“ゴール前で173cmの玉田と189cm 杜威が並ぶとシーンは中学生と高校生の様。”と表現した。
この日の日本は安全の為のパスと繋ぎのパスが良くなかった。中国代表は日本に対して恐れることなく立ち向かう事が出来た。

    
 

そしてワールドカップベスト4を目指す岡田監督に “ならば范志毅と赫海東のを貸し出そう。彼らならまだプレーできるしフィジカルの強さ、スピード、それら日本選手に持っていないものを備えている。今、日本がワールドカップに向けて必要なものは今持っていない何かを見に着ける事だ。” と述べた。 
趙旭日がイエローカードを受けた事に就いては“今や日本選手のファールの受け方はブラジル人なみ。”と批評。
後半投入された平山に就いては“平山相太は190cm、郜林も190cmで体重は平山よりも10kg思いが動きは速い。”そして大久保のシュートは威力が無かったが栄昊にはシュート力を感じた。 と述べていた。

    
 
黄健翔氏は中国で著名なサッカー解説者らしいがサッカー経験は無い様だ。 彼の今回の日中戦の試合後の解説は平山と郜林の体格の比較以外は的を得ている気がする。 ( 公式発表では平山は 190cm 85kg 郜林は 186cm 80kg ) そして足元にボールが来た時は平山の方がはるかにテクニックが優れている事が証明されるだろう。 ただ日本FWはスピード系ばかり召集し、もうそれが限界にきている。ただ欧州選手に対抗できる高さの持つ選手はなかなかいないので上背のないFWばかりになるのか….しかしそれが限界だと言う事はワールドカップ予選のオーストラリア戦で証明されたのではないか? アジアでも中国の高さの前に得点が奪えない事実から、これから3ヶ月間でどんな方策を練るのろう?ただ今年に入ってベネズエラ戦しかこなしていない今の日本代表を額面通りには中国も受け止めていないだろう。

対日本戦12年間勝星なし。 楊昊のPK失敗と云うよりも楢崎のPKストップにより中国は勝星を逃しこの結果1998年3月8日のダイナスティカップで日本を 2-0で破って以来12年間で7戦3分4敗となった。

 8.Mar.  1998  Dynasty Cup  東京  日本 0-2 中国 黎兵2
16.Mar. 1998  親善試合    神戸   日本 0-0 中国
27.Mar.  2000 Asian Cup      レバノン 日本 3-2 中国 范志毅 : 自殺点 祁宏 楊晨 西澤、明神
 4.Dec.  2003  東アジア選手権  東京  日本 2-0 中国 久保 2
 7.AUG. 2004  Asian Cup      北京  中国 1-3 日本 李明、福西、中田浩、玉田
 3.AUG. 2005  東アジア選手権 大田  日本 2-2 中国 李金羽、張永海、茂庭、田中達也 20.FEB .2008  東アジア選手権 重慶  中国 0-1 日本

中国選手にのしかかるPKのプレッシャー 中国代表のPK失敗は今回に始まった事ではない。1998年ダイナスティカップで日本は中国に 0-2 で敗れたが韓国、香港を破り大会3連覇を飾った。しかしこの中国戦 0-2 とリードされ尚もPKを献上してしまったがこのPKを范志毅が失敗したがこのPKを決められていたら得失点差で中国が優勝するところであった。 
かつては Premiershipでもプレーした范志毅は上記の通りに2000年の Asian Cup では自殺点を献上する等日本戦の相性は悪い。他にも中国代表や五輪代表はPKのプレッシャーを打ち破れていない。
その他に近いところでは昨年11月24日 Asian Cup 予選のレバノン戦で 2-0 のリード後に得たPKを鄭智がミスしている。
1997年ワールドカップフランス大会予選のアウェーのサウジアラビア戦で范志毅はPKを失敗し勝ち試合を引分け、予選突破を逃す原因に。 
1992年に行われたバルセロナ五輪予選では赫海東がカタール戦で失敗しこれが遠因で五輪出場権を逃した。 
2004年11月17日、ワールドカップドイツ大会アジア地区3次予選でクウェートと激しく最終予選出場を争っていた中国は最終戦の香港戦で8点差の勝利が必要だった。そして 7-0 までこぎつけ、最後にPKを得たが鄭智 がこれを失敗し最終予選進出はならなかった。
2006年カタールでのアジア大会準々決勝イラン戦はPK戦にまでもつれ込んだが鄭智が失敗し準決勝進出はならなかった。 
2008年3月26日昆明で行われたワールドカップ南アフリカ大会予選、0-0 で試合は進み終了間際に PKを得た。しかし邵佳一 が蹴った弾道は GK Schwarzer がストップ。 これが原因でまたもワールドカップアジア地区最終予選にさえ進出出来なかった。 
2004年6月9日、天津で行われたアテネ五輪予選のマレーシア戦では 4-0 で勝利を収めたが鄭智がPKを失敗。そして同年地元開催の Asian Cup 準決勝ではイランに勝利を収め決勝に進出したが またも鄭智がPKをミス。 
2006年2月22日広州で行われた Asian Cup 予選のパレスチナ戦で 肇俊哲がPKを失敗。(試合は中国が 2-0 で勝利 )
2008年3月15日昆明でタイとの親善試合では李瑋峰 がミスをして 3-3 の引分け。  2008年6月22日アウェーでのワールドカップ予選オーストラリア戦では 1-0 で勝利するもまたも鄭智が失敗。

鄭智 だけで6回もPKを決められていない。 何故彼ばかりに蹴らせるのだろう???? たら、ればは禁物だけど、これらのPKが決まっていれば中国サッカー史は大きく変わっていただろう。 しかし、この東アジア選手権をきっかけに彼らの歴史が変わるかもしれない。 

 
   

東アジア選手権 台風の目中国隊 初戦日本とドロー

2010-02-20 | Football Asia
ようやく掴んだこの機会。日本代表がアジアの列強と真剣勝負を繰り広げる公式大会を観戦出来る機会にようやくありつけた。 
1980年代前半までアジアサッカー界の勢力図は中東、西アジア勢が優勢であった。東アジア勢は韓国でさえアジアの壁を破りワールドカップに出場したのが1986年のメキシコ大会。(その前に1954年のスイス大会に出場した実績があるが。) しかしその時はアジア地区のワールドカップ予選が東西地区に分けられそれぞれの地区から1カ国ずつ出場枠をあてがわれた。 五輪予選ではアジアを地域別に分けずにオープンにしたロス五輪予選では最終予選が東南アジアのシンガポールで開催されたにも関わらずサウジアラビア、イラク、クウェートの中東諸国に独占されてしまった。 サウジアラビア( 1994, 1998, 2002, 2006 ) イラク ( 1986 ) クウェート ( 1982 ) UAE ( 1990 ) そしてイラン ( 1978, 1998, 2006 ) がワールドカップ出場実績があると言う事はこのペルシャ湾、中東地域にはそれだけアジアの強豪がひしめいているという事。 そこにバーレーン、カタール、オマーンが加わり、更には北アフリカのエジプト、アルジェリア、チュニジア、モロッコと云ったワールドカップ出場経験国も含めたアラブ諸国の大会が代表レベルそしてクラブレベルでも存在している。
1990年に東アジア地区の強化を目的として始まったダイナスティカップがその後東アジア連盟の設立と共に現在の東アジア選手権の前身であった事を知る人も多いだろう。 だからこの大会は非常に重要だと思うのだけど…..
近年は東アジア地域の2大勢力である日本と韓国が欧州でプレーする選手が増えて来た事から東アジア選手権にベストメンバーを派遣出来なくなって来た。 こうして考えると今年のワールドカップは東アジア勢とオーストラリアが出場権を勝ち取ったが今に立場が再逆転してしまうかもしれない。 その上オーストラリアが入って来ているのに…

今年最初の公式戦となる東アジア選手権大会。心配なのはJリーグ開幕前の選手達のコンディション。しかしFIFA ランク40位の日本は87位の中国にはメンバーがどうであれホームゲームであるから勝利を収めて当たり前の相手であるはずだった。開幕戦の中国は今大会登録メンバー23人全員が30歳未満。 
北京五輪メンバーは2人だけ。ワールドカップ予選経験者がわずかに5人。 ワールドカップ予選以降に刷新されたメンバーが中心となっている。
注目は2002年ワールドカップメンバーの曲波の復帰。2001年FIFA U-20 メンバーだった曲波は中国サッカー界を背負い選手だと思われていたが何故か外国人監督達とそりがあわず招集されない期間が長かった。
それでなくても中国サッカー界はここ数年八百長問題でゆれており、代表候補選手そして協会幹部達が多く係わっていたらしい。そしてその大元締となっていたのが中国蹴球協会の前の会長だったらしい。
八百長に関わった選手達は金を受け取るだけれなく自分のチームの試合にも賭けていた。
中国の友人に “代表クラスだったら結構給料いいんとちゃうの?それに幹部達も。” と尋ねたら “中国人は金を貰えばもらうほどもっと欲しくなるんです。” との答え。
でもそれは日本人でもおなじだけどなぁ…となんだか納得してしまった。

しかしセルビア人のペトロヴィッチ氏監督解任を受けて43歳の高洪波氏が代表監督に就任し久々の“中国人監督”に選手達のモチベーションは上がり雰囲気は好転しているらしい。高洪波氏は2004年の Asian Cup 前にオランダ人アリー・ハーン(当時)代表監督と意見対立し代表コーチ職を辞任した。現役時代はFW選手として活躍1992年のダイナスティカップ、 Asian Cup の日本戦でもプレーした。 
その中国代表のスタメンは GK は北京国安の楊智。DF は右サイドが FW登録の張琳芃 左サイドに永栄昊、CBはかつて Celtic で中村とプレーをした(1試合のみ)杜威と趙鵬。 ボランチには大連実徳の趙旭日と北京国安の楊昊MFは右から北京五輪メンバーの姜寧、真ん中が卓翔そして左にワールドカップメンバーの孫祥。オーストラリア戦ではゴールを決めた。 ワントップは北京五輪メンバーでワールドカップ予選にも出場した郜林 2005年FIFA U-20 にも出場した。 やはり今年1月に行われた Asian Cup 予選メンバーが中心。

迎え撃つホームの日本代表だが国内組ベストメンバー。
怪我と体調不良が心配された玉田、内田はスタメンに。 復帰した小笠原はベンチ
スタート。もう少し“新しい戦力”を起用するかと思ったけど。少なくともGKは川島だと思った。だがそれが結果的に良かった事は後で解る事に。
 


 FC東京のホームなので長友が紹介された時は大歓声があがった。そして更なる歓声が上がったのは控え選手の平山相太がスクリーンに映し出された時だった。
この試合いつ投入されるのかも試合の見所だった。 


 
試合は開始から地力に勝る日本が主導権を握る。開始1分56秒には内田のスルーパスを受けた大久保が杜威と競りながらシュートを放つがこれはGK楊智の正面に。8分には壁パスから抜け出した玉田が左サイドからクロスを上げるがここは中国 DF がクリアー。12分には内田が突破しクロスを入れると岡崎が落として大久保がシュートに持ち込むがゴール枠を捕えられなかった。13分には内田が左サイドを突破しアーリークロスを入れると中央で岡崎と趙鵬が競りこぼれたころを大久保がダイレクトでシュートを放つがここはクロスバーを越えた。立ち上がりから右サイドを内田、岡崎の突破が顕著で相対する孫祥そして栄昊が後手に回るシーンが目立った。序盤から闘莉王も積極的に上がっていた。そして闘莉王が上がると遠藤がきっちり最後尾をケアーしていた。
ただ中国の CB 趙鵬 184cm 杜威 189 cm と長身。クロスを入れてもすぐに跳ね返される。サイドバックでさえ左の栄昊 183cm 右サイド張琳芃 182cm と高い壁になっている。 日本もFWに一人長身がいればなぁ…平山をスタメンからテストしてほしかったなぁ…と思うのは私だけではなく周囲の人も同じだった。それでも19分にはスローインから憲剛、岡崎と渡りそのままダイレクトでクロスが入ると走り込んだ玉田がシュートを撃つがゴールを外れる。 その直後にも長友が左サイドを抉りグラウンダーのクロスを入れ、岡崎が狙うがクロスバーを越えた。28分、今度は玉田が左サイドをドリブルで上がりいれたクロスに長友がシュートを放つがポストの右に外れていった。ゴールには至らないがシュートにまで持ち込めるようになって来た。

しかし30分を過ぎたあたりから今度は中国が日本ゴール前に迫るシーンが見られる様になった。32分郜林に縦パスが入り中澤を背負いながらも振り向きざまにシュートを撃とうとするがここは中澤が撃たせない。33分には卓翔のクロスを中澤がヘッドでクリアーしたこぼれ球を拾った栄昊が強烈なミドルを放つがポストの左に外れてくれた。35分には右から左にサイドチェンジのボールが渡り前線の郜林へそして左サイドから走り込んで来た栄昊に戻しクロスを入れられるがここは楢崎がキャッチ。栄昊のオーバーラップがにわかに顕著になって来た。しかし顕著になったのは栄昊だけではなく中国の選手の動きが全体的に積極的に前に出てくるようになった。これは前の日に中国の地元紙に高洪波監督が話していた“最初の30分は様子を見させる。”と言ったコメント通り。 
中国と言えばブラジルの様な完全に格上相手以外であれば開始早々からフルスロットルで総攻撃をかけてくるという印象がある。1987年広州でのソウル五輪予選、1992年北京のダイナスティカップ。20002年ワールドカップ初戦のコスタリカ戦。そして2007年 Asian Cup のイラン戦。 だが大概はシュートミスの連発で得点に至らず、カウンターやつまらぬミスから先制ゴールを喫しそのまま自滅する試合内容。
Asian Cup のイラン戦の様に立ち上がり33分で2得点しても更に我も我もと攻撃に酔いしれ連続失点でようやく引き分けたという実績が私の頭の中に残っているのでこの日の静かな立ち上がりは意外でもあった。だが終盤の攻撃を日本は凌いで逆にまた攻勢に出る時間が続きそのままスコアレスで前半を終わった。後半に入ると中国は孫祥を下げて曲波投入し2列目右に入れて卓翔を左に回した。
曲波と言えば2001年FIFA U-20 アルゼンチン大会ではアメリカ戦と決勝トーナメント1回戦のアルゼンチン戦でゴールを決め2002年ワールドカップには当時の Bora Milutinovic 監督に見出され予選から起用され本大会でも途中交代出場ながら3試合出場した。将来はどんな選手になるだろう?と思ったがTotteenham の入団が決まりかけたが労働ビザ問題で御破算になり、以降将来を嘱望されながら実績はいまいち。怪我などもあり2004、2007年の Asian Cup にはメンバー入りできず2006年ワールドカップ予選には1試合も招集されなかった。2008年に入りワールドカップ3次予選では5試合に出場するなどまた代表でのポジションを確保しつつある。今年の Asian Cup 予選にも出場している。

だが後半開始からは再び日本が中国陣内に攻め込む時間が続く。
開始早々には憲剛からスルーを受けた長友が送ったクロスをファーサイドの大久保がフリーでヘッドを撃つがGK正面。48分には右サイドから大久保が入れたクロスに岡崎、玉田が絡むがシュートに持ち込めない。49分に得たFKを遠藤が入れる。闘莉王が飛び込むがここもDFにクリアーされた。54分には稲本からのロングフィードを受けた内田がそのまま抜け出してドリブルシュートを放つがポストを叩く。 
あぁ惜しい、と私も点を仰ぐが逆にその直後、曲波が入れたグラウンダーのセンタリングを中澤がうまくクリアーできずあわやオウンゴールとなるところを闘莉王が必死で掻きだしてくれた。後半に入って中国は縦へのミドルパスが増えてきた。
そして62分大歓声に包まれ“地元”東京FC所属の平山相太が玉田に替って投入され1トップに入り、2列目が左から大久保、憲剛、岡崎が並ぶ。 内田、長友のサイドバックも良いので彼に良いクロスが入れば、と願う。平山対策か?その2分後中国ベンチはボランチの趙旭日を下げて冯潇霆を入れた。この二人の身長差は 2cm しかないんだけど (趙 184cm冯 186cm )  折角平山が投入されたのだが今度はなかなかボールが入らない。平山もチームの方針だから仕方がないのだけど右に左に移る。 真中でがんと張っていれば相手はそこにマークに行かねばならないのでその分他の選手にスペースが出来ると思うんだけど…. 69分辺りからようやくクロスが上がる様になるが平山にうまく当たらない。こういう戦術を代表が取らなくなって何年経つんだろう….
中国は70分過ぎから郜林が左サイド寄りに位置し姜宇、曲波が前線に顔を見せる様になって来た。 そして深い位置からでもロングボールばかりではなく中盤を経由して前線に繋ごうとする様になった。
80分この試合最大の見せ場が訪れる。左から姜宇がゴール前に上がって来た曲波めがけてボールを出す曲波がトラップを浮かしてしまい弾んだボールが右からマークに入った長友の上腕に当たりそれがハンドと取られPKを与えてしまった。ただトラップが決まればそのままフリーでシュートが決まっていた可能性も高かった。オーストラリア人のデロフスキー主審がアドヴァンテージを見ておりすぐにPKを宣告しなかったので少し誤解を招いたようだった。
残り時間とこれまでの日本の攻撃を思い出し、ここで決められればかなり痛いなぁ….と思っていながら楊昊がボールをセットするのを眺めているとGK楢崎がドンピシャのタイミングで右に飛んでそのPKを阻止した。絶体絶命のピンチをよく救ってくれた。このシーンがこの日1番観客が湧いたシーンだった。



83分中国ベンチは郜林を下げて楊旭を入れて 前線を楊旭と卓翔の2トップにする。内田からのアーリークロスを左に平山が流れてヘッドで落とすと趙鵬にあたりすこし方向が変わったが落ち際を大久保がバレーを放つが冯潇霆の膝に当たってゴールラインを割ってしまったが本当に惜しいシーンだった。そしてこれが唯一平山の高さが生かされたシーンだった。
日本ベンチは84分に憲剛と玉田を下げて金崎と佐藤を入れ、佐藤と平山の2トップにし2列目左に金崎、右に大久保を置いた。 そして時折闘莉王も上がってくる。しかし両社得点は生まれずスコアレスドローの男子開幕戦となった。 終了のホイッスルと同時に寒さが限界に達しそうだったのですぐに飛田給駅に向かった。それにしてもここはなんて観戦しにくい競技場なのだろう?東京FCのサポーターには悪いが入場料金の半額は返して貰いたくなった。 そしていつまでも日本サポーターのブーイングと中国サポーターの歓声が鳴り響いていいた。

ほんまに寒い夜やった......


日本1-3 韓国 国立5連敗 これが現実

2010-02-18 | Football Asia
約3分のロスタイムを過ぎオーストラリア人のデロフスキー主審の試合終了のホイッスルが鳴り響いた。公式発表42,951 人の観客の約9割が日本を応援していたと思うが一斉にブーイングが発せられる。私は足早に出口に向かった背後では 
 “岡田辞めろ!!” “岡田解任!!”と叫ぶ人も少なくなかった。 

待ちに待った日韓戦。競技場で観戦できるのは1988年10月26日の日韓定期戦以来何と22年ぶり。あの時はまだ昭和だったなぁ…
その試合も日本は崔淳鍋のゴールで 0-1 で敗れた。この日も鬼門の10月26日だったんだなぁ…。 
当時、観客は10,000人も入らず、半分くらいが在日を含めた韓国人応援団だった。 それでも熱心に代表を応援する人はいた。そしてアベックもちあほら。いつか日本が強くなって女の子とサッカー観戦をしまくりたいなぁ….と思いながら観戦していた。
その後日本はワールドカップ出場を果たすが残念ながら “彼女” とスポーツ観戦をしまくる夢は実現しなかった。

前述したが国立での韓国戦は連敗中だった。しかし、今回は日本もかなりチャンスがあると思った。 それは朴智星、朴主水、寄誠庸、金東進そして 薜鉉ら欧州勢がいない事。そして中国戦で 0-3 と歴史的敗北を喫したショックを絶対に引きずっている事。中国代表の高共波監督は“中国は縦のスピードに欠けていた。”と云う様に2列目から前線への飛び出しは欧州組が抜けると影をひそめると思った。

注目のスタメン。中国戦から韓国はかなりメンバーを替えて来た。 GK 李雲在は不動であるが、 DF は李正秀、郭泰輝のJリーグ勢を外し呉範錫が右サイドに左サイドに李正秀に替ってジュビロ磐田の朴主護、趙容亨と組む CB は郭泰輝に替って姜敏壽が起用された。昨シーズンまで愛するサンガにいた李正秀をなぜサイドバックで使っていたかが不思議だったが元々このポジションだったのだろうか? 
それにしても李正秀、郭泰輝といった愛するサンガに関連する選手達がベンチとは.

かつて名古屋に所属した金正友と組んだボランチは具滋哲に替って辛炯。
2列目の左にはかつて FC 東京でプレーした呉章銀に替り20歳大分トリニータの金甫、右サイドは金斗ではなく金在成。李東國と組む2トップはジュビロ磐田の李根鍋ではなく李昇烈。許丁茂監督は中国戦からメンバーを6人も替えた。

一方の日本代表は中国戦と同じメンバー。結局この大会は新戦力を試す為に全員にスタメンのチャンスを与えるのかと思ったが召集された中ではベストメンバーを使って“タイトル”を取りに行ったと思われる(それ自体は悪い事ではないと思うが。)
起用だった。

韓国のスタメンを見て、これならかなり優位に試合が進められると感じた。
開始早々闘莉王がロングボールを前線に入れこぼれ球から稲本が相手DFの裏にボールを出すがここはそのままゴールラインを割る。3分には再び稲本がボールを奪いゴール前に送る。岡崎、玉田が迫るがここはクリアーされる。
日本は立ち上がり玉田、岡崎の2トップに2列目は左に大久保、右に憲剛。だが8分頃にはこの二人のポジションが入れ替わった。 
日本は中盤でのボール回し、ボール運びが良く韓国はファールで止めるシーンが続いたが、PA内ではタイトなマークを受けシュートを撃たせて貰えなかった。
ワールドカップで欧州の屈強なDF達と誰か渡り合えるFWはいないものか…釜本の様に…

だから期待の掛かるのはCK等のセットプレー。 闘莉王、中澤らの高さは韓国DF陣にとっても玉田、岡崎らよりも脅威だったに違いない。 21分、中盤で大久保が金正友に倒されFKを得る。金正友にはイエローカードが出る。大久保はすぐに立ちあがれず一旦外に出される。そのFKを遠藤がPA内に入れるがタイミング良く飛び出した闘莉王に姜敏壽が背後から抱きついて倒すとすかさずデロフスキー主審がペナルティースポットを指す。そして姜敏壽にはイエローカードが出された。このPKを遠藤が李雲在の動きをよく見てライナーで蹴り込み先制ゴールを決めた。 

     


この先制点は韓国にはかなり堪えたはずだ。 前半中に2点目を先に奪えば、これでこの試合は完全に日本のものだ、と思った。しかし先制点直後に大久保が倒れ込んで立ちあがれない。先ほど痛めた左足がだめらしい。( 後で知ったが全治6週間とのこと。) C大阪の香川がピッチに入りベンチに退いてしまった。
27分44秒には内田に金甫が足払いをかける様なタックルを入れてイエローが出される。 この日も韓国は激しく当たってくる。その上デロフスキー主審がアドヴァンテージを見ようとファール直後すぐに笛を吹かないので全体的にリズムの乗れない時もあった。こういう笛は Rugby Union ゆずりか?
しかし32分、今度は李昇烈がPAのすぐ外の真ん中でボールを受けると左前にスルーパスを出す。そこに金甫がドリブルで正面からマークに入った内田にまさに正面衝突して倒れるとデロフスキー主審はまたもペナルティースポットを指した。金甫の強引なドリブル突破が引きだしたPKだった。でも金甫からぶつかりに行った様にも見えたけど。これを李東國が楢崎の飛んだ反対方向に蹴りゴールネットを揺らした。 韓国にとってはまさに起死回生のPKとなった。 

この同点ゴールを境に一気に韓国が攻勢に出てくる。35分には李東國に左サイドからクロスを入れられたがここは誰も触れなかった。しかしもし中に誰かいれば危ないシーンでもあった。だが日本はその後でもボランチが、特に稲本が対人の強さを見せ攻撃の起点となる。ボランチが上がれば憲剛が守備をカバーする。 37分にはその憲剛がミドルを放つがGK李雲在が左に倒れ込んでセーブ。もっと積極的にミドルを撃ってくれればとも思ったのだが….

38分辛炯からのボールを受けた李昇烈がミドルを放つとそのまま日本ゴールに吸い込まれてしまった。中澤の背中に当たってコースがやや変わったという幸運も伴ったが李昇烈がボールを受けた時はゴールが遠く前方が開けており楢崎がやや前に出て来ていた。そのすきを逃さず瞬時に右足を振りぬいた李昇烈の“見事なミドルシュート”だった。そしてあっという間の逆転劇だった。

    

しかしまだ時間は十二分に残っている。この日の両者の力関係からいえば日本はまだまだ得点のチャンスはあると思った。
ところが更なる予期せぬ禍が日本を追い詰める。39分、中盤左サイドで憲剛が倒されFKを得る。それを遠藤がセットする。当然闘莉王、中澤が上がって来る。遠藤がゴール前に放り込みむとそこに日韓の選手達がなだれ込むがうまく抜け出したはずの闘莉王が相手DFと交錯して倒れた。このプレーでホイッスルが鳴らなかったが韓国のキャプテンマークを巻く金正友が主審に何やらアピールすると、主審は闘莉王に一発レッドを提示した。後でわかったが闘莉王が交錯して倒れた姜敏壽に起き上り際に蹴りを入れたらしい。 

   


韓国ゴール前に上がった闘莉王にしつこくファールを繰り返していたのがその姜敏壽だった。すぐにピッチを去らない闘莉王に韓国サポーター達からブーイングが飛んだ。

    

23分にPKで先制した日本だが大変な状況に暗転してしまった。前半残りの約7分間はCBの位置に稲本が入りボランチを遠藤一人にして何とか韓国の攻撃を凌いだがリードされている状況で一人少ない日本に後半、挽回のチャンスは巡って来るのだろうか?と殆どの日本さポーター達は心配になった事だろう。

闘莉王を失った日本は後半入ったばかりの香川を下げてCBに岩政を入れた。これでこの試合2枚の交代枠を自らの意思以外で使ってしまった。
韓国の選手交代は…. とピッチに目を凝らすと悲鳴が湧き上がる。金正友からボールを受けた李東國がドリブルで上がり岩政と中澤の間を突破しシュートを放つと楢崎を破ってゴールポストの下側に当たった。幸運にもボールはゴールラインを割らずに済んだが、入ったばかりの岩政は肝を冷やしただろう。
ワールドカップ予選の最終戦のオーストラリア戦は中澤不在でその時、CBのバックアップ選手を早く整備しなければ…そういう意味でも前節の香港戦や前のベネズエラ戦は良い機会だと思ったんだけど。
51分、日本に“吉報”が入る。 中盤でボールを持った岡崎に金正友がスライディングタックルに入るがこれが完全な late tackle となりこの日2枚目のイエローが出されて韓国も人数が1人減った。 

      


両チーム一人ずつ少なくなったことでスペースが自然と生まれる。こうなるとボール回しに長けた日本にチャンスが多く生まれると胸算用した。しかしリードしているのは韓国。 56分には李昇烈を下げて具滋哲を入れ前線を李東國のワントップにし2列目を左から金在成を、具滋哲、辛炯を並べ中盤とDFラインの間を狭めてゴール前を固める。日本も特に右サイドの内田が何度も突破を見せて韓国ゴールに迫ろうとするがなかなかシュートが撃てない。 62分には李東國が退き金甫が1トップに入り、DF能力も備える李根鍋が投入され2列目右に入る。これは内田対策も兼ねてだろう。 
それでも内田の突破は止められなかった。 左からは憲剛がゴール前に入れて玉田に渡るがシュートが撃てない。 エリア内に持ち込んでもシュートが撃てなければ…. 2003年FIFA U-20 の韓国戦で 0-1 のビハインドから平山の投入をきっかけに逆転勝利を収めた事を思い出し 現状を打開するために試行を変えて平山を投入しないのかなぁと思った。でもこうなればカウンターが怖いなぁ.. とも考えていた 71分その不安が的中してしまった。 カウンター攻撃から金甫がドリブルで上がると手薄になった右サイドにフリーの金在成があがりボールが渡り撃たれたショットはゴール右上隅に突き刺さり追加点を挙げられた。 

残り20分で2点差。この時点で日本の今大会の優勝の可能性はほぼ潰えた。ホームゲームでの韓国戦3失点は1967年国立でのメキシコ五輪予選(しかしその時は日本も3点取って引分け)そして1994年広島でのアジア大会 ( 最後は疑惑のPK で2-3 で敗れる ) に続いて3試合目。何とか1点返してそしてあわよくば引き分け…と言う願いよりも日韓戦ホームワーストの4失点目を取られない事を切望した。
それでもピッチ上は日本がボールを試合する時間が続く。73分には内田がPA内に侵入するもDF陣に囲まれシュートが撃てない。 74分には長友がミドルを放つがポストの右に外れる。80分には憲剛からの絶妙のスルーパスがサイドからエリア内に入った内田に渡りシュートに持ち込むが韓国DF陣がスライディングでブロック。 81分には最後の交代カード、佐藤寿人が玉田に替って投入されるが、ここでFW同士を替えるのか… と思った。周囲の人達も落胆の声を隠さない。 
83分には憲剛のクロスがCKになり、逆サイドに流れたボールを稲本が拾って入れて中澤が折り返すがシュートには至らない。 日本は左サイドに遠藤が上がって来る。そして前線から 佐藤 - 岡崎, 遠藤 - 憲剛 そしてボランチを 稲本の1枚とし攻勢をかけるがゴールの予感さえ遠かった。  86分に韓国ベンチは金甫を下げて1トップに李根鍋がはいり、呉章銀は2列目左に入った。これで内田が上がってこれなくなり日本の攻撃は完全に停止しあとは試合終了のホイッスルを待つばかりであった…….

大会終了後、ついに専門誌が岡田監督解任を要求する記事が掲載されるなど一斉にバッシングが勃発する。大会を4ヶ月後に控え監督の首を挿げ替えるのもリスクがあると思う。だが今大会ではもっと色々な選手を試すと思ったんだけど…
ここしばらく代表の最前線はスピード重視偏重で上背のある選手を起用する事は稀であったが攻撃の選択肢としてそういう選手も必要ではないか?
欧州組みの不在が指摘されるが国内組だけでももう少しやれなかったか? 確かにこの時期、例年ならまだシーズンは始まっておらず選手達のコンディションは上がってこない事はスポーツをした人なら解る事だ。 昨年の今頃はワールドカップ予選の大一番、オーストラリア戦がありパフォーマンスも悪くなかったので心配ないと思っていた。
しかし大会前に組まれたのがベネズエラ戦のみでは昨年の様には行かない。それにモチベーションも異なるか?

一方の韓国は大会前に南アフリカ( 対ザンビア 2-4 ) スペイン ( 対フィンランド 2-0, 対ラトビア 1-0 ) でそれぞれ合宿、親善試合を組んでお欧州組みは不在でも日本よりかは準備を施していたという点は否めない。この日のスタメン選手全てがそれら3試合のいずれかに出場していた。
大会で優勝した中国は Asian Cup 予選に出場した選手もけっこう起用されていた。

これで国立競技場での日韓戦は1979年3月4日の日韓定期戦で 2-1 で勝利を収めて以来21年間で引分け3つ挟んで5連敗。 
地元開催の東アジア選手権で結果を出せなかった、そして宿敵韓国に敗れたこの日。収穫は前日買ったフリースアンダーパンツが威力を発揮し寒さを感じずに観戦出来た事。 これでこれから冬の現場観戦に強力な武器が備わった。でももうすぐ春か、代表に春は来るのだろうか……

     

彼女達こそ世界の4強 マスコミよもっとスポットをあてろよ

2010-02-12 | Football Asia
楽しみにしていた東アジア選手権が開幕した。前回2003年に日本で開催された時はスタジアム観戦が出来なかっただけに今回はなるべく多くの試合を…と思っていた。開幕戦が行われた2月6日は天気予報が大当たりの晴れはしたものの寒さの上に強風の北風が吹き荒れる天候。おかげで武蔵野線のダイヤが大幅に乱れて新宿経由で味の素スタジアムのある飛田給に行かざるを得なくなり、競技場入りできた時はもう後半が始まっていた…… どうもここの競技場とは相性がよくないなぁ…. 愛するサンガの試合観戦で2度来た事があるが2度とも遅刻だった…. 会社の仲間とフットサルをしに来た時は間に合ったか..( 関係無いか?

FIFA ランク6位 ( 日本) と 13位 ( 中国 ) との対決は世界的に見ても屈指の好カードのはず。男子の FIFA ランクに合わせるとドイツ ( 6位 ) 対ロシア ( 13位 ) となるのだけれど…..しかしスタンドの入りはちょっと寂しいなぁ… マスコミもワールドカップを控えた男子ばかりに関心を寄せ過ぎている。これじゃぁ真のジャーナリズムは…. 俺みたいなサラリーマンが言っても仕方ないか?

かつて世界の女子サッカー界のトップを行った中国代表。アトランタ五輪銀メダル。ワールドカップは 1999 年大会が準優勝。1995年大会が3位。ワールドカップでは常にベスト8以上。日本はまだ1次リーグを突破した事が無い。しかしメダルの期待された北京五輪では準々決勝でなでしこに 0-2 で完敗。そして日中の立場は大逆転してしまった。来年のワールドカップを目指してと云うよりもまずはアジア王者の称号を目指して今大会を再スタートの機会ととらえていると思った。しかし北京五輪に続いて商瑞華監督が指揮を執る事に。  
スタメンを見ると GK張艶茹, DF は左に高燕、右に劉華娜 CB は170cm の李丹陽と 173cm の袁帆 ボランチが龐豊月と畢妍 ワントップに 174cm のエース韓端をおき2列目は左が尤佳 真ん中に馬暁旭 右に徐媛。 時折馬暁旭が上がって来て2トップを形成していた。今回登録されたメンバーのうち北京五輪組は7人。GK張艶茹, 高燕、劉華娜、畢妍 韓端, 徐媛が北京五輪組で他の張娜、張頴 のMFはスタメンからは外れた。 ただ2007年ワールドカップ組経験者は張艶茹, 馬暁旭、畢妍そして韓端の4人。 馬暁旭は北京五輪には選ばれなかったがこの大会から代表に復帰した。

一方のなでしこは安藤、永里の Bundesliga 組は所属先の都合で今大会に出場出来なかったがエース澤穂希は健在。そして DF 熊谷紗希、MF菅澤優衣香 FW 高瀬愛実そして岩渕真奈の10代選手が4人メンバー入りを果たした。岩渕はまだ16歳。 2008年 ニュージーランドで開催されたFIFA U-17 ( 観に行きたかったなぁ….) の大会MVP。準決勝に進出した北京五輪メンバーから池田、新川らの常連が抜けたがGK福元や澤、宮間ら9人が北京五輪組。この日のスタメンはGK が海堀、DFは左サイドが鮫島、右サイドが矢野。CBに熊谷と石清水。澤と組むボランチは宮間でなくて宇津木。宮間は2列目の右に入り近賀が左に。そして Atlanta Beat 所属の山口と大野の2トップ。山口と鮫島以外は全て北京五輪組。 
専門誌によればメンバーは大きく変わったはずなんだけど…..
1月にチリで開催された Bicentenial Woman’s Cup で優勝し、まさに万全の態勢で今大会に臨んできているという感じがした。

競技場に着いたのが後半開始直後だったので既に日本が宮間のFKで1点を先制した後だった。競技場内は中国人サポーター達の“中国隊!加油”の声援が響くが、ピッチ上ではなでしこが後半開始から中国を圧倒。 中国DF陣が敷いた比較的高い最終ラインの裏にどんどんスルーパスが通った。
そしてやはりさすがと思わされたのは澤穂希だった。ボールキープ、最前列への飛び出し、そしてポジショニング。どれをとっても違いを見せていた。 

   

一方の中国は代表復帰を果たした馬暁旭のボールキープ頼み。しかし中盤が分断されてしまい中々日本ゴールに近付けない。よしんばPA付近まで上がって来てもCBの熊谷、近賀が落ち着いて対応。51分には澤が左サイドを上がる宮間にロングフィード。更に中央から走り込んだ大野にボールが渡り後ろに戻したところを宇津木がミドルを放つがGK張艶茹の正面。
中国は韓端がサイドからのドリブル突破を見せたり徐媛がミドルシュートを放ったりと挽回の兆しを少し見せるが 61分、試合を決める日本の追加点が決まった。 
宇津木が前線にロングボールを入れると李丹陽がヘッドでクリアーをするも小さく龐豊月がヘッドでGK張艶茹に戻そうとするがこれも中途半端に張のはるか前に落ちるミスパスとなりそれを長躯走り込んできた近賀が拾ってそのままドリブルシュートを放つと GK 張艶茹 を破りゴールネットを揺らした。 

北京五輪同様に日本が主導権を握り続ける展開が続くが試合内容は今回の方がもっと圧倒していた。 64分には澤が倒されてFKを得るがここはGK正面に。 その直後に大歓声に迎えられ16歳の岩渕が山口に替って投入された。 これで前線が大野と岩渕の2トップに。 そしてCBの岩清水、熊谷もどんどん上がって来るようになった。66分宮間とのパス交換で相手DFを振りきり右サイドに切れ込み最後はGK張艶茹をもかわした大野がシュートを放つが必死に戻った李丹陽がスライディングで追加点を阻んだ。 

劣勢の中国はその直後に尤佳を下げて汪怜怜をいれる。 そしてボールキープの出来る馬暁旭を中盤に下げて龐豊月と韓端の2トップに。その効果があったか70分を過ぎて中国が日本ゴール前に迫るシーンが見られる様になった。 71分には馬暁旭のスルーパスが徐媛につながり汪怜怜のシュートに持ち込む。 76分には馬暁旭のポストプレーから徐媛がシュートを放つがこれはGK海堀の正面に。 日本の左サイドを突いてくる様になった。 
しかし中国が攻勢を見せた時間はここまで。 日本の最終ラインというよりもボランチの澤、宇津木の守備がよく効いており日本は常に数的優位が保たれる。それでなくても1対1になれば日本側の方に軍配が上がる。 
72分、大野が宇津木とのパス交換で抜け出し左サイドからシュートを放つがここは GK 張艶茹 が右に倒れ込んで防ぐ。 中国は83分にCB高燕に替えて MF 孫凌, 85分には龐豊月を下げて劉州を入れて攻撃選手を増やすがゴールと言うよりもシュートになかなか持ち込めずタイムアップ。 なえでしこは危なげない試合内容で開幕戦を飾った。 

     

翌日の報道はどれも男子の中国戦の事ばかり。なでしこの事を詳しく伝えるものは皆無に等しかった。
そこで中国のスポーツ新聞が伝えた報道の一部を下記の通りにまとめてみた。

敗戦にショックだった女国足達

試合に敗れた直後の中国女子代表チームの選手達は大変落ち込んでおり夕食もそこそこにみな部屋に戻ってしまった。 ある選手は WEB SITE ニュースを見て、ある選手は男子の中国対日本戦をテレビ観戦していた。 そしてその試合が引き分けに終わると自分達の試合結果と比較し失望感がより増してきたらしい。試合翌日7日の朝食時に選手達の雰囲気を察した選手達は午前練習の後、選手達が部屋に引きこもる事を避けるためにホテル周辺への外出を促すこととした。連盟役員達もこれ以上彼女達の失望感を増長させない為に
“ ワールドカップ予選を兼ねた Asian Cup で敗れるよりもこの日本戦でやぶれた方がまだまし。”と選手達に声をかけた。
また選手達に余分なプレッシャーをかけない様にとも促すシーンがあったらしい。

試合翌日たまたま商用で選手達の宿泊している京王プラザホテルに行った。そして男女の中国代表選手達、関係者や報道陣がいたけど彼女達はそんなに落ち込んだ様子は無かったなぁ…もちろん日本と引き分けた男子の選手達の方が足取りは軽かったけど。 韓端は他の女子選手達と違い髪にウェーブをあてるなど垢ぬけていている感じだった。報道陣とのやり取りを見ていても都会的な雰囲気を出していた。( 表現古いか….) 北朝鮮の棄権によりこの試合が事実上の決勝戦ともいえた。その試合で完敗したのでやはりショックはあったのだろうなぁ…

代表復帰の馬暁旭

代表に復帰した馬暁旭はこの日の自分の出来に就いて“思った様にプレーできなかった”とインタビューで応えた。商瑞華政権の中心選手として代表に復帰した馬暁旭は2列目左と言うよりもウィングのポジションでスタメン起用されたが後半にはいると右のポジションに替った。これはこの日の出来がいまいちだった為らしい。そして慣れないポジデョンだった事も。馬は試合を振り返り今の日本代表とは埋め難いギャップが存在する事を認めていた。 

北京五輪はけがの為に最後に登録メンバーから外れてしまった馬暁旭。 再起の東アジア選手権の開幕戦は試合終盤になって能力の高さの片りんを見せた。もし彼女が五輪に出て日本戦に出場していたらどうだっただろう….

厳しいが詳細な論評。

試合全体を見てみるとボール支配率では日本が 59.7, 中国が 40.3 。シュート数は日本の12に対して中国が6.CKは日本が10.そして中国は何と0であったらしい。 
日本はあらゆるところで組織的にボールを奪ったり支配をしたりするのに対して中国は個人の能力頼り。 FK数は中国15に対して日本は13だったが 中国は相手ゴールから30m 内でFKを得られなかった。韓端、馬暁旭への対応は中盤を制圧し彼女達をなるべくゴール前のヴァイタルエリアでボールを持たさない事。また攻撃陣へのマークもタイトであった。 韓端は4度のパスミスがあったがパス成功率が 87% 。ポストプレーでも彼女の能力を発揮したが彼女の上背を生かしてチャンスに結びつけたのは1度だけであった。韓端は良いパフォーマンスを見せたが馬暁旭のポス成功率は 71.4% 徐媛に至っては13回もボールをとられ 65.6% であった。韓端 174cm, 馬暁旭 172cm そして 176cm の徐媛と言った中国攻撃陣の高さを生かした攻撃は見られなかった。彼女達へのフォローが少なかっただけでなく、彼女達自身、日本DF陣に抑えられるシーンが少なくなかった。その点がこの日の日本の勝因となったと思われる。
この2チームが対戦した時に選手個々の能力よりも戦術とその戦術にあった選手を選ぶ事が勝因に大きく影響すると思われる。 England やドイツがスペインスタイルの football を採用しスペインと戦っても結果はわかっている。商瑞華監督が日本に勝とうとするなら日本スタイルの football を起用しても意味がない。 それは日本の選手は個々に秀でた能力を持っているからではない。個々の能力なら中国の韓端、馬暁旭が秀でている。 韓は女性版 Gomez で馬は女性版の Rooney である。彼女達2人をなるべく相手ゴール前でプレーさせねばならない。 
また戦術だけでなく選手のここのレベルも違いがあった。 中国の左サイドバックの高燕は何度もミスを繰り返し、日本の澤はセカンドボールへの対応など日本の重要な役割をこなした。この試合で少し目を引いたのはCBの李丹陽であった。彼女のヘッドは攻守に武器になる。袁帆と彼女のヘッドだけが相手チームに脅威であった。 

   

5月19日に中国成都で開催される AFC Women’s Asian Cup で中国女子代表は1次リーグオーストラリア、韓国、ベトナムと同じグループである今の中国代表は更にレベルアップしないとオーストラリアや韓国と対戦するに値しないチームである。 なでしこ達のフィールド選手で170cm以上あるのは DF 熊谷( 171cm )のみ。2007年のワールドカップでも欧州の選手 ( ドイツ、イングランド ) との体格差を見せつけられるシーンが多く見られた。 たとえば欧州の選手達は1発のロングキックでサイドチェンジや前線に放り込む事が出来るがなでしこ達はどうしても….. そしてCKのチャンス時でも制空権を握られてしまっていたので相手はピンチでも容易にコーナーに逃げる事が出来た。しかし今はそれを補って余るほどの戦術と個人能力を兼ね備えている….. と信じているのだが.

2010年の女子代表チームの開幕戦となった東アジア選手権の日本戦は敗戦に終わったが2000年代に入り中国女子代表の Year Beak Match で初黒星を喫したこととなった。これまでの対戦戦績は下記の通り。

January 11, 2001: China 1-0 United States
January 23, 2002: China 2-1 Germany
January 23, 2003: China 0-0 Germany
January 30, 2004: China 2-1 Canada
January 28, 2005: China 3-1 Russia
January 18, 2006: China 1-1 France
January 26, 2007: China 2-0 England
January 16, 2008: China 2-0 Finland
January 10, 2009: China 6-0 New Zealand

商瑞穂監督の試合後のコメントから : 日本はアジア最強のチームになった。

この試合で日本女子代表は素晴らしいゲームコントロールとテンポの良さを示し中国女子代表チームは多くの問題を露呈した。この日両チームの戦いはまさにアジアのチームの特徴を出したものであった。 日本代表の動きは我々よりは早かたった。60分を過ぎた後の試合内容に就いて我々は満足をしているがチャンスを掴めず日本が勝利を収めた。 私は将来的に日中の両国がお互いに影響しあう事が両国の進歩を大いに助けるのものと信じている。 
商瑞穂監督はアジアの女子の特徴についても言及した。“攻撃とボールの動きそしてショートパスを使っての相手陣内への侵入。これらに就いて言えば最初の20分間中国代表は押しこまれて攻撃に移ってもスピードがなくサイド攻撃がほとんどなかった。日本女子はここ数年で目覚ましい発展を遂げ、中国がそのレベルに達するにはまだ時間がかかる。しかし Asian Cup は期待できそうだ。”
この日の中国は後半から2トップにした。これまで中国チームは 4-2-3-1 のワントップで試合に臨んでいた。我々は 4-4-2 ではなく 4-2-3-1 を採用することが多かったが 2 トップは効果的だ。かつての AFC of the Year 選手 馬暁旭が代表に復帰した。この日の馬の出来には商瑞穂監督は満足をした。 “馬暁旭は肉体的には回復を見せたがまだ精神的に万全になる為には少し時間が掛かる様だ、しかし万全なフィジカルコンディションにある限り彼女は能力を発揮できる。 この日の彼女の動きは問題が無かった。
最後に商瑞穂監督は“日本は最高の技術を持っており大変強い精神的なものをもっている。そして他の面でもアジアでベストだ。中国代表も素晴らしいものをもっている。  Asian Cup はよりエキサイトな試合を披露できるだろう。“ と結んだ。

日中共に監督は五輪に続いて指揮を執っている。女子サッカーの日中定期戦が実現すれば面白い。
出来れば北朝鮮とも定期戦が行えないか?でもそれは南北統一後か? いや統一されたら南も北もないか。

実際に試合は70分を過ぎたあたりに中国が2トップにしてから挽回をした様に見えた。ただ得点は生まれなかったが… 中国女子代表は10日韓国女子代表を 2-1 で降した。 これで Asian Cup に向けて少し光明が差してきたかもしれない。 

だけど日本のマスコミはなぜなでしこ達にスポットライトを当てないのだろう?世界ランク6位の種目なんて他に何がある?女子のソフトボールと、野球と、あと女子バレーボールは何位だったっけ….. これだけは言う事が出来る。 なでしここそ世界4強の射程距離内にあるという事実を。

     

Good Morning Vietnam !!!! …….

2009-10-05 | Football Asia
9月末日より今度は東南アジアのベトナムに商用で来ています。

ベトナムは2カ月ぶり3回目。とはいっても今回も前回も滞在したのは Ho Chi Minh のみ。私が子供の頃はまだベトナム戦争の真っ最中。よくニュースで“南ベトナムのサイゴンからの報道によりますと….” と云ったアナウンスでベトナム戦争の様子が伝えられていた。 しかし私がものごごろつく前の1960年代半ば頃はもっともっと戦火が激しかったらしく、本当に現地の生々しい映像がお茶の間に伝えられ、一時社会問題にまでなったそうだ。
1975年3月10日アメリカ政府の軍の再介入は無いと判断した北ベトナム軍はホーチミンに総攻撃をかけ、アメリカ政府が駐留軍の撤退を決定した事が更なるきっかけとなり遂にサイゴンが陥落。4月30日共産勢力の北ベトナムの全土を制圧し遂にベトナム戦争が終結を迎えたのだが、あの時テレビで共産軍の戦車が進撃した当時の大統領府は今は何事もなかったようにそびえ立っている。

   

初めて当地を訪れたのが2007年、アジアカップが開催された4カ月後だった。 2003年には SEA Games, そして2007年には Asian Cup が開催されるなどインフラの面でもかなり整ってきたとは思うも、初めて訪れる地を前に “携帯電話は通じるだろうか?インターネットはあるだろうか?食事は、病気は….”と不安は尽きなかったが、訪れて見ればほとんどの人達は携帯電話を持っているし、ホテルでワイヤレスは使い放題。 現地での食事は悪くなく、(私は辛いのが苦手なのでタイではいつもこの問題で閉口する。)そしてミネラルウォーターは随所で購入でき腹の調子が悪くなる事は全くなかった。

ただひとつだけ閉口したのはバイクの洪水。 信号等の交通整理の手段が大通りでさえ全く整備されていないので道を渡れない。バイクの洪水に横断を躊躇していると屋台で食べるものを販売していたおばぁさんが手を引いてくれた……

10月だというのにそして一昨日は当地で“仲秋の名月”であったにもかかわらず湿度の高い事高い事….. 朝6時に起きて近所の公園をジョギングするのだけど既に多くの人達が散歩やジョギングそしてバドミントンを楽しんでいる。同じ光景は夕方も見られ朝夕の涼しい時でないとこういう事も出来ないのか….と納得してしまう。
こちらも30分も走らぬうちに汗が噴き出してくる……

当地でも人気のスポーツと言えばサッカー…
2007年に開催された Asian Cup ではホスト国4カ国中唯一1次リーグを突破した。 今から思えば、ベトナム、インドネシア、タイそしてマレーシアの順番に地元の人の関心そして観客動員数が高く、戦績もそれに全く比例していた。

同年の北京五輪予選では日本と同組であった。日本はホームでもアウェーでもベトナムを破ったが、試合内容はそんなに easy なものでもなかった。 

しかし今回のワールドカップ予選では早々と Round 1 で UAE に連敗し ( ホーム 0-1 アウェー 0-5 ) 消えてしまった。
こうなると次の目標は2011年開催の Asian Cup か? 今行われている予選では中国に次いで2位。この組はおそらく中国の力が抜きんでているので本戦出場をレバノン、シリアと共に争う事となるだろう。

それとも今年12月8日から19日までラオスのビエンチャンで開催される South Easter Asian Games だろうか?
現在そのプレ大会の一環として当地ラオスではマレーシア、ベトナム、タイと云ったこの地域での列強を招いてサッカーの4カ国対抗戦が行われている。10月2日の初戦は地元ラオスと 2-2 で引分け翌々日の10月4日はマレーシアに 1-3 で敗れてしまった。 10月6日にタイとの試合が残っているが、地元ではこの試合、大会が話題に全く上がっていなかった。

その代りにここでは Premiership が大人気。昨晩はホテルのレストランの大型テレビの前に数人の人達が。 Chelsea 対 Liverpool の試合が中継されていたのだ。 試合は先制した Chelsea を時間が経つにつれて攻勢に出てくる Liverpool が追う展開。 刻一刻と迫る終了時間を迎えるにあたり、主審の判定はどうも Liverpool 側に…… 一緒に観ていたイギリス人も“主審は Liverpool のものだ….” と漏らす。
彼のお気に入りはこれまで18位の Hull City 。もう30年もサポートしているとの事。この前は Liverpool に 1-6 で敗れたとの事。しかし次節では Wigan Athletics を 2-1 で破った。 かつてJリーグでもプレーしたリネカーの事など話題が尽きない。 
You はJ リーグではどこをサポートしている? もちろん地元の KYOTO だ。そうか、ホームタウンをサポートするのは良い事だ…..

そしてロスタイム、ドロクバの粘りからフローラン・マルダのゴールが決まり Chelsea が試合を決定付けた。しかし主審はなかなか終了のホイッスルを吹かない。 
“試合は Chelsea, 主審は Liverpool のものだ。” またも彼が叫ぶ。
しかし結局スコアーはそのまま 2-0 で Chelsea が勝利を収め首位に躍り出た…..

翌日私は今度は一路欧州に…. ホーチミンの蒸し暑さが懐かしくなるかも….しれないなぁ…..

   

1年振りのS League 観戦  がんばれ日本人選手達 !!

2009-07-19 | Football Asia

世界ではまだまだ新型インフルエンザの警戒が続いている。今回商用で訪れた ASEAN 諸国でも入国時に今の体調、携帯番号等の連絡先そして宿泊先のホテルの詳細を記入した書類の提出を求められた。ある外国人は宿泊先は外で待っている友人が手配しているので今は判らないと係り員と押し問答をしていた。
この時期 ASEAN 諸国は雨季で気温も低く過ごし易いとたかをくくっていた事が間違いであった事はすぐに分かった。シンガポールでは日中の強烈な日差しに閉口した。やはり赤道付近にある国は違った。

1年振りに S League 観戦の機会に恵まれた。 目当てはここシンガポールで2001年のシーズンから9シーズンプレーする日本人選手、中村彰宏。昨年は Woodland Wellington に所属し今シーズンからは6つ目の所属クラブとなる Tampines Rovers でプレーする。
そしてこの Rovers には全国高校選手権2連覇を果たし18歳で U-20 代表にも名を連ねた金古聖司が今シーズンから加入した。 金古と言えばトルシエ時代はどんな選手になるのかと思ったが怪我の為にワールドカップメンバーには選ばれなかった。でもここで金古が見れるとは、とわくわくした。しかしながら本命の中村彰宏が何と怪我でしばらく試合に出られない事を現地で知ってしまった。
現役時代故障でリタイヤした事は私も経験がありその時は焦り、どれだけ悔しいをしたか….やったものでないと解からない。もっとも私の競技レベルなど彼らに比べる事も出来ないけど……

この日の Rovers の相手は Young Lions。選手の大部分はシンガポールU-23代表候補で構成されており、対外的にはこの世代のナショナルチームとしてシンガポールを代表する事になるが、国内リーグにおいては同国協会の管理下の下、クラブチームとして運営されている。
1992年、J League が開幕する前年のナビスコカップでバルセロナ五輪予選に向けて五輪候補チームが強化の為に当時の日本リーグのチームに混じってリーグ戦を行った事を思い出す。しかし候補選手のなかには学生もおりなかなかメンバーが揃わず当時の横山五輪代表監督もチーム編成にかなり悩まされた事だっただろう。

今シーズンの S League は序盤は新加盟の Brunei DPMM が開幕10戦目を終えて負けなしの6勝4分と好調なスタートを切り話題となった。チームのHassanal Bolkiah Mu'izaddin Waddaulah 会長はブルネイ王国の政府高官も兼任しているらしい。ブルネイと言えば世界でも屈指の裕福国家。その豊富な資金を元にチームは文字通り隣国ブルネイの選手が中心でクロアチア人、韓国人そしてアルジェリア人選手が合わせて3人含まれている。しかし全ての試合が“アウェーゲーム”となるせいか第11戦目の Home United 戦で初黒星を喫すると ( 0-2 ) 以降は3勝4分1敗。ここ2試合連敗中だ。そして前節は Tampines Rovers に 1-2 で敗れた。 そして現在は4位となっている。
首位を走るのは今シーズンシンガポール史上初めて AFC Champions Leagueに進出した SAFFC 。開幕9戦目まで8勝1敗と絶好調。第10戦は Brunei との“直接対決”に 1-2 で敗れたが以降8連勝で首位を走っている。
そして2位に着けているのがこの日観戦した Tampines Rovers 。そして対戦相手の Young Lionsは12チーム中11位と低迷している。そして日本から“参戦”している アルビレックスは7月19日現在9位となっている。今後の奮起に期待したい。

競技場に着いて着席した時はキックオフから2分程度経っていた。後ろに座っていた現地の人に “ Kaneko は?“と訊くと “ Number 18 ” とピッチを指差す。左のCBのポジションにいた。 “ Nakamura ? Injured ? “ と訊くと軽くうなずき今度は後方の座席の方を指した。 チームメイトとスタンド観戦をしていた。 ピッチにいたいだろうなぁ.. 後でサインもらいに行こう…..

試合は Rovers が押す展開。15分、17分に連続して相手PA付近でFKを得る。直接狙うも GK Hyrulnizan Jumaat がナイスセーブで防ぐ。蹴ったのはタイ代表の Sutee Suksomkit。 2004年 Asian Cup の日本戦で先制ゴールを決めた選手だ。一時は欧州進出の噂もタイ国内であった選手だ。 Rovers は Sutee だけではなく、 GK Hasaan Sunny ボランチの Fahrudin Mustatic  FW の Noh Alam Shah がシンガポール代表で昨年のワールドカップ予選にも出場した。 Mustatic はユーゴからの帰化人選手。また金古とCBを組む Shariff Abdul Samat も出場こそなかったがワールドカップ予選メンバー。更に2列目の右サイド、 Ridhuan Muhammed も2007年の北朝鮮戦に出場経験がある。さすがに代表選手が相手だと選抜チームでも苦戦するということか?試合は Lions ゴール付近で展開される時間が長く最後はどうしてもファールで止めざるを得ない。24分には カウンターからAlam Shah からのスルーパスを受けた Sutee がシュートを放つがここも GK Juma’at がブロック。こぼれた所をもう一度 Sutee が詰めるがシュートは外れてしまった。
Lions はワントップの Eugene Luo のドリブルが頼り。攻撃時には左の Irwan Shah と右の Fazli Ayob らが上がって来るが1対1で Rovers DFで押さえられてしまう。27分に右サイドを Luo がドリブルで突破し中に入れると金古がマークに入る直前にボランチの Hariss Harun がシュートを放つがここは GK Sunny がナイスセーブで防ぐ。 その直後今度は Sutee がドルブルで Lions ゴール前に迫る。 PA 内で相手DF3人を引き付け最後は Alam Shah に絶妙のラストパスを送るがまたも GK Juma’at が Alam Shah のシュートをファインセーブでストップ。両GKのナイスセーブ連発は観ていてこちらも引き込まれてしまう。29分に Lions は Harun の中央突破から右に流れた Luo を経由して中に入った Ayob に渡るがシュートは大きく外れてしまった。
この時間からボランチが上がって来て Lions のも攻勢に出て来るかと思った31分、 Lions ベンチは何故か Luo を下げてしまう。周囲にいた人達と目が合いお互いに Why ? と…2トップにするのかと思ったけど投入されたKhalili D’Cruz はそのままワントップに。 188cmの長身を生かそうとするのだろうけどクロスが上がるのかな?

なかなか先制ゴールの決まらない Rovers は33分過ぎから金古が上がって来るようになった。そしてスルーパスも出すなど少し格の違いを見せる。 

   

そして36分 Alam Shah が右サイドを突破し前に上がったフリーの Ridhuan Muhammed にボールが渡る。 Ridhuan は前に出て来た GK Juma’at の動きを冷静に見てシュートを軽く浮かせて Lions ゴールネットを揺らした。 最後の砦を守り続けた Juma’at だが遂にゴールを破られてしまった。 
先制した Rovers は更に攻勢に出てくる。40分にはFKから金古がヘッドを放つが惜しくもクロスバーを越える。180cmの金古はここシンガポールでは頭が一つ抜ける。そして41分 Sutee のスルーパスから Ridhuan がシュートを Lions ゴールに蹴り込み連続ゴールを決める。これでこの試合の大勢が決まったような気がした。その直後 Lions はFKのチャンスから最後は Ayob がシュートを放つがポストの右に外れた。
1対1で劣る分、運動量でカバー…とはこの高温下ではなかなか選手も動けないだろうなぁ…と思ったら前半終了のホイッスルが鳴った。 

ハーフタイム中に中村彰宏選手のところに駆け寄り記念写真を撮影させて貰った。 
早く怪我を治して試合に出られる事を願っていることや、ホームページに掲載されているお子さんのが随分と大きくなりましたね、といった話をしたら丁寧に応じてくれてとても嬉しかった。せっかく来たのに怪我で欠場で少し残念に思う事を伝えると
“その代り金古がいますから”と応えてくれた。
でも本音は昨年に続いてあなたを見たかったんだけど…. とは言いたかったけど言えなかった。そんなこと言って焦らせてもと思ったけど、やっぱり言ったら方がよかったかな…… 話ではもう少ししたら復帰可能との事。現場復帰がする来る事を祈願している事を伝え、挨拶をして座席に戻った。
日本じゃ現役選手とこういう形で試合中に話せるなんて考えられない.....

後半開始直後の45分56秒に Faireoe Hassan からボールを受けた D’Cruz がドリブルでRovers ゴールに迫ったが以降は Rovers が主導権を握る。54分47秒、Ridhuan のドリブル突破で中に切れ込み中の Aliff Shafaein がシュートを放つがジュストミートしなかった。 Rovers は2トップ、左の Shafaein、右の Alam Shah が上がると Sutee が左サイド、2得点の Shafaein が右サイドラインからフォローに入りボランチの Skukor Zallan, Mustatic の押し上げも早く数的優位が常に形成される。ボランチの2人は上背もあるなぁと思ったが後で調べたら180cm程。欧州では決して大きい部類では無いがそこは ASEAN 諸国….でも改めて体格の大きさは football では大きな武器になる事が良く解かってしまったなぁ….
何とか1点を還したい Lions は61分、ボランチの Izzdin Shafiq を下げて 19歳の Gabrie Qual Jun Yi を投入する。フォーメーションをどう変えて来るのかと目を凝らして見るのだが Rovers の攻勢が続きなかなかわからなかったが、どうやら D’Cruz と Jun Yi が2トップとなりMFの Shah が左サイドバックに入り Abdul Rahman が右サイドから左サイドバックに回った。そしてCBの Safuwan Baharudin がボランチに入り右サイドだった Madhu Mohana がナイジェリア人選手の Aikhena とCBを組む様になった。これで少し一方的な展開から脱するだろうかを思ったが両チーム前線へスルーパスを狙い過ぎているみたいで今度はシュートシーンが減ってしまった。

72分 Rovers は最初の交替選手、中国からの帰化人選手 Qiu Li を2得点の Ridhuan に替えて投入する。ベンチに下がった Ridhuan が他の控え選手と次々にハイタッチをしていた。Ridhuan は上背はないがドリブルの速さは魅力的。日本でいえば田中達也タイプか....

      


 Qiu は 2005年に中国からシンガポールに渡って来て2006年には Young Lions と契約。25試合に出場し19ゴールを決め、2008年5月28日のバーレーン戦ではシンガポール代表デビューを果たす。 そして代表では4試合プレーするもシンガポールに移住して5年経っていないという事からワールドカップ予選には出場できなかった。
来年から FIFA の公式戦にも出場できるがまず代表と Qiu が目指すは Asian Cup の出場か? Lions のナイジェリア人選手 Aikhena もそのうち帰化するんだろうなぁ..  これからシンガポールも帰化人選手が増えるだろうなぁ…,そんな事を考えていると約10分後の 83分、 Sutee からのスルーパスを受けた Qiu が相手DF二人をかわして Lions ゴールにシュートをねじ込み試合を決定づけた。 

    

残り時間の約10分間、Rovers はお役目御免と Sutee , そしてGK までもが交代でベンチに下がった。 Lions は選手交代もなく時間が過ぎそのまま Rovers が 3-0 の勝利を収めた。

この敗戦にも Lions の Pathmanathan 監督は肯定的なコメントを残す。

“ 得点に結び付かなかったが選手達はチャンスを創ろうと試みた事が嬉しかった。選手達は簡単にボールを失ってしまっていた。そして Rovers の様にテクニックがありインテリジェンスに富んだチーム相手にこの様な事をすればどういう目に合うかも分かっただろう。”
そして監督は Lions は発展途上の段階にありまたシンガポールサッカー界の発展を担っている事も示唆。
“我々は基礎作りの段階にあり、これからも出来るだけ多くの選手にそれぞれ出来るだけ多くのチャンスを与えるつもりだ。私は基本はそこにあり選手達は発展を見せてくれており結果はすぐに出て来るだろうと信じている。”
翌週、 Lions は先発選手3人を入れ替え、 Sengkang を 3-2 で破り3試合ぶりの勝利を収めた。年末には South Eastern Asian Games がラオスで開催され Lions を中心としたシンガポール U-23 が出場する。今年はこの大会が彼らの最終目標だ。

来シーズン、AFC Champions League に今年 SFACC が出場権を勝ち取った様にまた S League の チームが出場権を勝ち取る事を祈る。そしてそこに日本人選手が居てJリーグのチームと試合が行われる…今年福澤や新井がアントラーズ戦に出場した様に… Rovers も今は2位だがこれから中村が戻って来て戦力が揃うとまだまだ優勝のチャンス、そして AFC Champions League への路も残っている。

来年もし中村、金古といった選手が J のチームと一戦を交えられたら....そういう日が来る事を今から楽しみだ…

ガンバレ !! シンガポールの日本人選手達。 

           


日本 4 韓国 3 + Newcastle Jets 超級 0 ACL ベスト16決定

2009-05-22 | Football Asia

商用先の Frankfurt 空港のマクドナルドで私は ACL TV を観ていた。
もちろん蔚山現代と Newcastle Jets のGroup E の大一番だ。 
試合開始前の時点では visitor である Newcastle Jets が勝点1リードしており、この最終節を引き分ければベスト16進出が決まる。
しかし迎え撃つ蔚山現代とて当然勝って次のラウンド進出を決めたいところだった。 
最終節を前に東地区では J League 勢はすべて次のラウンド進出を決めており、残り4つの席をこの組を含めた合計8チームが争う事となっていた。
そして直接対決で決まるのがこの Group E 蔚山対 Jets 戦。 他の3組は最終戦が “消化試合”となるJ League 勢が運命を握っていた。
しかし Group H の川崎フロンターレは1位が確定していなかったので何とか勝ちたいところでは無かったか……
5月19日に Group G と H の試合が行われ水原三星と浦項スティーラーズが次のラウンド進出を決めた。川崎が等々力で浦項に 0-2 で完敗したのはショックだった。

最終節をホームで Jets を迎え撃つ蔚山現代としては当然勝って他の K League 勢に後れを取りたくないところであっただろう。

前節最後の6分間で連続ゴールを挙げて奇跡の逆転勝利を収めた Newcastle Jets は FW Adam Griffiths を累積警告で欠くものの、イタリア人FW Vingroli Fabio が怪我から復帰しスタメンに名を連ねた。 そして前節北京国安戦でスタメン出場した Jobe Wheelhouse がこの試合でもスタメンに。しかしオランダ人FWの De Groot Donny そしてロスタイムで逆転ゴールを挙げた Daniel Rooney の2人はベンチからも外れた。 それは引き分けでも良いこの試合を守備的に逃げ切る為か??

一方前節、瑞穂競技場で名古屋グランパスエイトに 1-4 で大敗した蔚山現代は名古屋戦では途中出場であったかつてFC東京でもプレーした呉章銀がスタメンに入った。他にもマケドニア代表MF のGergierski Slavcho, ボタフォゴでもプレーしたブラジル人 FW Almir Lopez de Luna。そして彼と2トップを組む 2008年東アジア選手権の日本戦に出場歴のある Cho Jin Soo , 2002 年ワールドカップメンバー(出場歴は無い)のMFでありチームの主将である玄泳、 2009年FIFA U-20韓国代表候補の Lim Jong Eun 更にGK 金永光は 2003 FIFA U-20, アテネ五輪、2006年FIFAワールドカップ に選出され6月のワールドカップ予選のメンバー候補に招集されている将来の李雲云に続く代表候補。 こう言ったタンレント揃いのホームチームにどうやって勝点を挙げるのだろうか…と思った。

        

そしてこの競技場は7年前のワールドカップの試合を観戦しに訪れた事がある思い出の競技場だ。またいつか行けるといいなぁ…..

試合は開始からホームの蔚山が押す。14分には Cho Jin Soo が強烈なショットを放つがゴールポストの右に外れる。26分には Slavcho のパスを受けた Cho Jin Soo のシュートはクロスバーをかすめる。 ボールキープの出来るブラジル人の Almir Lopez は脅威であるが最終ラインは韓国人相手でもさすがにフィジカルに優る Jets 。最後の1対1では容易に突破を許さない。       

          

そして36分先制ゴールが生まれる。 左サイドを Vingroli が突破し入れたクロスはぴたりと Jason Hoffman の頭にあいそのまま放たれたヘッドは 金永光を破ってゴールネットを揺らした。       

        

ここには Newcastle からサポーター達は少ししか来なかったのか静寂が訪れる。 勝たねばならない蔚山が先制ゴールを許した。 しかし試合の主導権は蔚山が握っていたので同点ゴールを挙げるには難しいとは思われなかった。 後半に入っても猛攻をかける蔚山。49分には Kim Shin Wook のヘッドがクロスバーに当たり、55分の Almir のヘッドは GK Kennedy がファインセーブ。 68分 Slavcho のヘッドはゴールネットの上に乗る。 
Jets は開始9分に DF Milicevic Lujibo が怪我でベンチに下がるが替って入った元 Adelaide United の Anzelo Constanzo が最終ラインを D’Apozzo Adam とともにしっかりとケアー。 イタリア人FWの Vingroli は足の故障が心配なのか前半でベンチに下がり若い Mooy Brodie Frank がピッチに入る。 時間が経つにつれて FW Sasho Petrovski 以外は全部が下がって守備にまわる。 しかしボールを奪うや Perovski にロングボールを送る方策は効果的で何度か蔚山ゴールにカウンターで迫るシーンも。しかし流石代表GK 金永光、ファインセーブを見せつ追加点を許さない。                   

          

そして88分途中出場の Lee Dong Geun が低い弾道のミドルシュートを放つがまたも GK Kennedy が横っとびで押さえる。 そしてタイムアップのホイッスルを迎えた。 これで昨シーズンの Adelaide United に続いて Newcastle Jets が次のラウンドに進出を決めた。 蔚山現代は K-League 勢の中で唯一ベスト16に残れなかった。

“アウェーゲームはいつも苦戦を強いられる。 我々はカウンター攻撃に頼ったそしてゴールを挙げた。それはやったと思わされたゴールだった。 そして規律良く守備が出来た。 我々の中ではベストゲームの一つでは無かったがもちろんこれは素晴らしいゲームでもあった。“ 試合後 Gary van Egmond 監督はほっとした表情でこう語った。       
           

他の組ではFC ソウルがベスト16進出を決めた。山東魯能はインドネシアの Sriwijaya にアウェーとはいえまさかの敗退 ( 2-4 ) 勝って入ればFCソウルが勝ってもベスト16進出が決まったのだが格下のチームの意地を見せつけられた結果となった。
日中韓豪の直接対決を一つの表にまとめてみた。 
J League 勢は既にベスト16を決めた後の最終節は2分2敗。
中国超級勢は J-League, K-League 勢との直接対決で後れを取った事が Group Stage での結果につながったと思う。 
オーストラリア A-League の3勝は全て Newcastle Jets が上げたもの。

だけどフロンターレよ何故最終節勝ってくれなかったんだろう….

そうすれば Newcastle Jets を等々力で見られたのになぁ…… 

             日本     韓国    中国    豪州    Total     得失点   勝点
J League            4-1-3  4-3-1 3-1-0   11-5-4   36-20    38
K League 3-1-4             4-2-2  1-1-2    8-4-8    23-28    28
中国超級 1-3-4  2-2-4             2-1-1    5-6-9    17-21    21
A League 0-1-3  2-1-1   1-1-2              3-3-6    11-18    12