準決勝第2試合 滝川第二高校 0-0 ( PK 7-6 ) 立正大淞南
両チーム得点機は多かった。決定機第1試合よりもずっと多くあった。しかし第1試合では4ゴールも決まったのに第2試合は共に無得点のままPK戦に縺れ込んだ。
PK戦は共に譲らない。“先攻”の滝川第二は樋口君、濱田君、香川君、谷口君と4人連続で決める。
一方の立正大淞南は池田君、徳永君、加藤君が決めた後の4人目小田君が左上に外してしまう。1番手池田君のシュートがポストに当てて失敗したかに見えたがGK下出君が池田君が蹴る前に先に前に出たとのことで蹴りなおしとなった幸運があったのだけど…
次に蹴る土師君が決めると滝川第二が勝利を収め関西対決が実現する。そう胸算用しているとGK三上君が左に倒れ込んで土師君のショットをストップする。
こうなると次の滝川第二5人目中村君に多大なプレッシャーがかかるがその中を中村君は右上に決め、6人目、サドンデスに入る。 滝川第二 本城君、立正大淞南
竹内君、共に決めた後、白岩君のシュートは左ポストを直撃して滝川第二が一転大ピンチに陥る。
しかし今度は滝川第二GK下出君が稲葉君のシュートを右に倒れ込んでナイスセーブでチームを救う。こうなって来るとPK戦で勝敗をつけるのは酷だなぁ…再試合…出来ないかぁ…と思いを巡らせる。
滝川第二8人目高原君が決め、続く福島君がボールをセットしている時、テレビ画面は急に“この番組は…”と何と中継終了を告げ出したではないか…
おいおいこんな良いところで…
こういう経験、高校サッカーの中継では何度かあったなぁ…
昭和51年に開催された時の準決勝戦、浦和南対帝京….昭和55年に行われた1回戦の旭対北陽…. あの時は(何十年前や…)今の様にインターネット等無い時代。結果は夕方のスポーツニュースまで待たねばならなかった。
私は慌ててIモード(今はこう言わないか??)とPCのスイッチを入れた。 ネットを繋いで…. YAHOO に繋いで速報を見ると“滝川第二がPK戦を制す”という文字が… あぁこれで関西対決が決まった…と思った直後、今度はテレビ画面から最後のシーンが伝えられる。 椎屋君のシュートが入らんかったんやなぁ……
それにしても日本テレビ、( 関西に居た時は読売テレビ ) ええかげんにせぇよ….
と私は呟かざるを得なかった…
嫌韓流本が世間に出まわった頃韓国ではこれに対抗して反嫌韓流本が発行され日本語版も日本で発売された。
そこには当然竹島(獨島)問題の事も取り上げられており、“竹島”が自分の県に属していると主張する日本の島根県は 2005年に県議会が“竹島の日”条例を可決したのは日本の都道府県の中でも最も財政の苦しい県の一つである島根県が国から“竹島”絡みで補助を受ける為の一環である….てなとんでも解説が述べられていた。
この本は他にも昭和天皇が極東軍事裁判に召喚され発言した等まったく出鱈目な事を並べている笑える本であり素人の私でもいくらでも論破できる事がつづられていた。そ
れにしても島根県の財政と竹島を結びつけるとは…こういう発想も必要なんかいな???
そして竹島問題に就いて静観を続けている日本政府にも領土奪還の“発想”をはやく持ってもしいものだけど…
今年の選手権は関西勢もそうだけど島根県代表の立正大淞南の躍進も後世に語り継がれるのではと思う。
島根県はかつて西中国地区代表として山口県代表と選手権の代表を競っていた。だけどどちらかと言えば山口県の高校が優勢だった記憶がある。
1都道府県1代表制となった第62回大会以降、初戦の壁は厚くしかも大量得点差で敗れた年も何度かあった。そして第67回大会、ようやく大社高校が真岡高校(栃木県)を破り悲願の初戦突破を成し遂げた…
それだけに今大会は立正大淞南が勝つたびに、野洲高校を破り新潟西高校を破って島根県勢初のベスト8に残り更に準々決勝戦で西武台高校をPK戦で破り国立の舞台に勝ち進み、勝つたびに地元では大いに沸いたに違いない。
個人的には久御山高校が勝ったので関西対決実現の為に滝川第二に勝ってほしいと思っていたんだけど、ここ10年はここまで来たらどっちにも負けて欲しくないし、負けても国立のピッチに立てたから満足かなぁ…と思う様になった。そして今年も… この試合の見所は両チームの得点力。立正大淞南の加藤君は7得点。滝川第二の樋口君は6得点、浜口君が5得点。点の取り合いになれば面白いかなぁ….第一試合では合計4得点入ったのだからこの試合はもっと入るかな…と思った。スタメンを見ると立正大淞南は前の西武台戦と同じスタメン。
滝川第二はDFを2人替えて左SBに島君CBに高橋君が左SHには恵君がそれぞれスタメンに起用された。そして樋口君と浜口君の強力2トップはこの日も健在だった。
立ち上がりは立正大淞南が攻勢に出てくる。
3分57秒には右から池田君が切れ込み入れたクロスにわずかに加藤君が届かない7分27秒には右SB椎名君がドリブルで上がり池田君に送りシュートを演出するがDFに当たる。9分40秒には加藤君がドリブルで切れ込み恵君と島君をマークに引きつけ中に入れると池田君と新里君がなだれ込むがシュートは打てない。
だが10分を過ぎたあたりから滝川第二はボランチの谷口、香川両君が高い位置に出て来る様になり前線へのボールが繋がるようになる。12分には椎屋君がヘッドでクリアーをしたところをボランチの谷口君が拾って放ったミドルが立正大淞南を襲うがGK 三山君がナイスセーブで防ぐ。
その直後にも後方からのロビングを浜口君が椎屋君と競りながら落としたところを竹内君を上手く抑えた香川君がシュートに持ち込むがここも三山君が好セーブ。
滝川第二は守っても左SHの恵君とボランチの谷口君が巧みな連携で相対する立正大淞南のこれまで7得点の加藤君をマークする。
それでも時折逆サイドの池田君がドリブルで突破を図る。だけどシュートになかなか持ち込めない。 37分恵君が左サイドを上がり入れたクロスにCB竹内君と競りながら樋口君がヘッドを放つがまたもGK三山君がナイスセーブを見せる。
“樋口君は右足首をねん挫している…プロ志望だけどまだ進路が決まっていない。”てなことをアナウンサーが云っていた。ならば是非京都サンガに….と思っていたけど大会後清水エスパルスと仮契約をかわしたとの記事を見つけた…あぁ残念。
滝川第二は35分から中盤を飛ばして一気に前線にボールを入れる様になって来た。しかしそのロング、ミドルのパスも正確だ。最近は本当にパスのレンジも長くなって来たなぁ…
45分17秒には左からの樋口君のクロスに香川君がフリーでヘッドを放ったがクロスバーを越えてしまった。そして2分あったロスタイムも終えて両チーム無得点のまま前半が終わった。立正大淞南の南監督は引き上げて来る選手達に向かって控室に入る前になにやらカツを入れていた。
前半を終わってシュート数は滝川第二が9本に対して立正大淞南は4本、CKは滝川第二6に対して立正大淞南は1つも取れなかった。
専門誌を見てみると立正大淞南の選手達の前の所属先はほとんどが大阪を始め関西地区。2009年に野球部が全国大会に出場をした時も山陰地区出身の選手がいないと話題にされたけど山陰地方の私立高校はこういう事は今更珍しくないだろう。私は悪いとは思わない。高校生たちが充実した学園生活を送れるのであるならば…
後半に入っても早々に滝川第二が攻勢に出る。
21秒には浜口がミドルを放つが弾道はクロスバーを越え、46分25秒には左SB島君がゴール前に入れたハイボールを浜口君が頭で落とし拾った本城君が中央から左に寄りながらドリブルシュートを放つが中村謙吾君がクリアー。
後半立ち上がりはロングボールをどんどん入れて来る。
劣勢の立正大淞南ベンチは現状打破を図る為に52分新里君を下げて福島君を準々決勝同様投入し、右SHに入り加藤君をFWに置き池田君と2トップを組む。
そしてそれが功を奏したか一気に立正大淞南が攻勢に出て来る。52分51秒には左サイドを上がった加藤君がスルーパスを送ると池田君が相手CBの間に走り込んで放ったシュートはわずかに左に外れる。 56分22秒には再び加藤君が相手のパスをカットし左の小田君に送ると小田君はドリブルで持ち込みクロスを入れるとそこに走り込んだ加藤君がダイレクトでショットを放つ。しかしここは相手DFに当たりゴールには至らない。
58分34秒にはサインプレーを見せる。池田君のCKから徳永君に送るが徳永君はスルーして後方で受けた小田君がヒールで戻したところを中村謙吾君がシュートを放つここは相手DFに当たりこぼれ球を前線に上がっていた右SB濱田君が中に入れる竹内君を走らせるがその前にGK下出君が掴む。立正大淞南のサインプレーというよりもトリックプレーは定評があるらしい。
滝川第二とは練習試合をした事があったらしいがそこで見せなければよかったなぁ…と南監督は試合前に報道陣に語っていたらしい…
今度は劣勢続きになった滝川第二は60分過ぎから本城君(右)と谷口君(左)両サイドいっぱいに開く様になった。62分49秒には本城君福島君からボールを奪ってドリブルで上がり相手選手3人に囲まれながら谷口君に戻してシュートを撃たせるがポストを叩く。66分には浜口君がヘッドで落としたところを谷口君が拾って放ったシュートはバーを越えた。谷口君は紫光クラブでプレーしていたらしい。
ならば将来はサンガに入ってくれぃ。
67分スローンを受けた浜口君が右サイドから入れたクロスに樋口君がGK三山君と競りながらヘッドで落としたところを浜口君がフォローに入るがここも決まらない。
71分竹内君が浜口君を倒したプレーにイエローカードが出される。そして得たFKに樋口君が胸でトラップをして放ったシュートは相手DFに当たりリバウンドを浜口君が撃つが決まらない。 75分には右サイド本城君が上がり後方から走り込んだ濱田君に戻し上げられたクロスに樋口君が椎屋君と競りながらヘッドを放つがゴールをとらえられない。78分30秒にはセットプレーから樋口君が中央をドリブルで上がり右サイドの本城君に送りファーサイドの恵君に送るがそこから放たれたショットはGK三山君がファインセーブでストップ。 今日の三山君は何失点防いだのだろう…
再び攻勢に出て来た滝川第二ベンチは80分にFW浜口君を下げて常峰君を投入し83分には恵君に替って鹿島学園戦でゴールを決めた白岩君をピッチに送る。浜口君は怪我の状態が心配だ…
だが残り時間10分を切ってから立正大淞南が猛攻を見せる。対戦相手のストライカー浜口君が下がった事が選手達に勇気を与えたのだろうか…
85分加藤君が中央でボールを奪い左前方の小田君に送る。そして上げられたクロスにドンピシャのタイミングでFW池田君がヘッドで合わせるが僅かにクロスバーを越える。 フリーだったのに….
しかし2分後更に決定的なシーンが立正大淞南に訪れる。白石君のシュートが相手DFに当たって跳ね返ったところを池田君が拾ってドリブルで中央突破をはかる。 そして滝川第二DF陣の裏に走り込んだ加藤君に絶妙のスルーが通る。そして左サイドからドリブルで滝川第二ゴールに迫る加藤君はGK下出君も振り切り無人のゴールに左足でボールを流し込む….が、無情にもボールはポストの左を通過していく。
このシーン、しばらく両校の選手達の脳裏に残るだろうなぁ…
今大会7得点の加藤君、8得点目を決めていれば立正大淞南が今大会優勝していたかもなぁ…
その後4分あったロスタイムに両校1度ずつチャンスを掴んだが得点は生まれず勝敗はPK戦で決められる事になった… PK 戦は8人目まで縺れ込んだ….
エースの加藤君は卒業後プロには進まず大学に進学してから自分に足らないものを身に付けてからプロを目指すらしい…ならば京都に来てくれ。
大学も関西方面らしいから… 決勝戦に続く