Mr.コンティのRising JAPAN

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近畿一丸の全国高校サッカー 準決勝第一試合から

2011-01-20 | 五輪 U-20, U-17
後半は47分になっていた。1点差とされた滝川第二高校は坂本君がドリブルで左サイドを上がり倒され得たFKを足立君が中に入れる久御山ゴール前に上がったCB山本君のヘッドはGK中尾君の正面に。ロスタイムは5分と表示されたが滝川第二GK中尾君が89分に久御山MF坂本君と交錯した際に負った負傷を治療していた時間があったのでもっと時間があると思った。久御山が同点に追い付くチャンスも時間もまだまだある、同点になれば歴史的な試合になるぞ…と思った。
51分に滝川第二ベンチは本城君を下げて3年生の田中君が投入される。最後に一瞬でも卒業前に決勝のピッチに立てて良かったなぁ…とおもっていると滝川第二が攻撃に転じ、久御山CB松下君がクリアーをしたボールが樋口君にあたりそのまま大きく久御山ゴール前に弾む。そのボールに追い付いた樋口君が久御山ゴールに流し込み滝川第二がリードを広げた。そして主審の試合終了のホイッスルが鳴り激闘に終止符が打たれた。 時計は51分56秒を示していた…

準決勝第1試合 久御山高校 2-2 ( PK 3-2 ) 流通経済大柏

今年の選手権は関西勢がなかなか調子よく、準々決勝には3校が関西から残りその中からに久御山高校(京都 ) と滝川第二高校(兵庫)の2校が準決勝に残った。
昨年は大阪代表の関大一高が準決勝まで残り私を初め多くのファンを沸かせた。 その関大一高は準々決勝で敗れたが、その相手が京都府代表の久御山高校。
3年振り5回目の選手権出場だ。1980年に創設された京都府立高校、所謂公立高校だ。そう紹介されるのを聞いて自分の記憶を手繰り寄せてみた。
久御山高校が創設された時、私はまだ高校生だった。当時サッカー部には友人が多く確かインターハイ予選だったと思うけど友人から
“1回戦で当たるところは出来たばかりの学校で1年生ばかりだからうちが勝てそうや。観にきぃへんか?(観に来ないか?:解説しなくても解るか??) ”
こう誘われどこかの高校のグランドで行われたこの試合を観に出掛けた。
そして確か母校が勝ったと記憶している….あれから30年、母校のサッカー部はまだ選手権出場は無いが久御山は既に5回目の出場となっている。

準決勝の組み合わせが決まった時、真っ先に“関西対決が決勝で実現しないかなぁ….”と思った。高校野球では関西勢が上位を占める年は何度もあったが首都圏開催となった高校サッカーはまだまだ関東勢に押されっぱなし…そういう印象が残っている。
関西対決が実現するためには準決勝戦を勝ち抜かねばならないが(当たり前か…) どちらかと云うと準々決勝で昨年覇者山梨学院大付属を破った流通経済大柏高校を相手にする久御山の方が苦戦するのでは…逆に久御山が勝てば大きく一歩関西対決に前進する…と思った。
流通経済大柏高校は3年前に全国制覇を果たした強豪。激戦の千葉県大会をインターハイ王者の市立船橋高校を決勝戦で破り全国選手権に進出して来た。今年は公式戦37勝4敗。そのうち高校サッカー部に敗れたのは1度だけ。この年齢で日本国内最高の大会と言われている全日本ユース大会ではベスト8に残った。
そして全国制覇した年に初戦で対戦したのが久御山高校だった。そして久御山を 2-1 で破った。 久御山としては雪辱戦ともいえる準決勝戦だった。だけど本当に苦戦するだろうなぁ….と不安に思った(俺が不安になってどうする?)

久御山はCB山本君が累積警告で出場出来ずスタンドからの観戦。1年生の東松君がCBに入った。だけど流経大柏は大会に入って怪我をしてしまった右SBの中西君だけでなくCB増田君そしてMF吉田君を怪我で欠く。ボランチだった熊田君をCBに入れアンカー古波津君の前には富田君の1ボランチにし、前の試合では途中出場だった田宮君がFWに入り宮本君と2トップを組んだ。選手権も日程が深まるとレギュラー選手だけでなく総合力が問われて来る。

試合開始から劣勢が危惧された久御山が攻勢に出てくる。流経大柏のマンツーマンマークを上手く外すシーンが続いた。そして11分、東松君のスルーパスに上手く相手DF陣の間に走り込んだ安川君がドリブルシュートを決めて久御山が先制点を挙げた。安川君のボールの受け方というよりもDFラインの間には入り込む走り方も素晴らしかったが1年生CB東松君のスルーパスも見事だった。

    

先制を許した流経大柏ベンチは早くも右SB鈴木君に替えて2年生の竹原君を投入する。久御山にDFラインとボランチの間の両サイドに侵入を許していたせいかMF川本君をボランチに下げ古波津君と組ませた。そして富田君が2列目右に入りゾーンでプレスを掛ける様にした。流経大柏の本田監督は準決勝戦でも先制を許すと21分、31分に選手を入れ替え、逆転勝利を呼び込んだ。そしてこの試合もこの選手交替を機に序盤の劣勢を挽回して行った。
25分には古波津君が右サイドを上がり川本君に出しそこからクロスが上がる。一旦はCBがクリアーするもその跳ね返りをFW宮本君がボレーで叩き相手DFに当たってCKを得る。そのCKには本橋君と竹原君が上がって来る。そして竹原君の放ったヘッドは僅かに右に外れた。
31分12秒には宮本君にドリブルを右SB山田君がファールで止めてイエローが出され、与えられたFKをから富田君がシュートに持ち込むがクロスバーを越えた。
中盤での支配権を奪われた久御山はそれでも坂本君、林君のドリブル突破が顕著であるがトップの安川君になかなかボールが回らない。37分には宮本君が左サイドをドリブルで上がり真ん中で富田君が囮となりDFを引きつけ逆サイドに走り込んだ新藤君がヘッドを放つがGK絹傘君の正面だった。 
同点ゴールがなかなか訪れない流経大柏ベンチは41分、名古屋入りが決まっている吉田君を川本君に替えて右サイドハーフに投入する。早くも2人目の交替だ。
吉田君は千葉県大会の決勝戦では決勝ゴールを決めた選手。選手権では左足小指を骨折したが前の試合に続いて前半から途中投入された。トーナメント方式そして準決勝ならではの選手交替だろう。前半は終了間際に進藤君がミドルを放つなどしたが久御山リードのまま終えた。

   

後半、開始早々に久御山のボランチ足立君がドリブルで持ち込み竹原君をかわして放ったショットは僅かに外れる。そしてその後はまた流経大柏が主導権を握る。特に左サイドハーフの進藤君の突破からチャンスが生まれる。そして富田君の攻撃参加が顕著になり、熊田君も中盤まで押し上げ数的優位を作る。
古波津君もよく前線にからむ。そして何より縦パスが繋がりだす。それだけ前線に張り出す選手が増えたのだろう。
それでもゴールが生まれない流経大柏ベンチは53分にFW宮本君を下げてFW杉山君を入れる。これで流経大柏の布陣は田宮君のワントップに杉山君がトップ下。
2列目左に進藤君。右に吉田君が入りボランチに富田君と古波津君が組む。

劣勢の久御山は56分に右サイドハーフの鍋野君を下げて177cmの塩田君を投入し彼を前線入れターゲットとするのか..と思うもポジションはそのままの様だった。今時177cmじゃそれほど長身とは云わないか??
だが流経大柏の攻勢は続き72分遂に同点ゴールが生まれる。
交替出場の吉田君がドリブルでPA付近に迫る塚本君と松下君がマークに入ったところを左にはたくとそこに杉山君が走り込み東松君がマークに入る前に久御山ゴールに流し込んだ。
それにしても吉田君のドリブルとパスは素晴らしかった。グランパスが狙ったその片鱗を見せつけた。

これで一気に流経大柏が勢いに乗り逆転ゴールも….と思うも同点ゴール直後、CKを得た久御山は一旦はクリアーされるが二上君がこぼれ球を中にゴール前に入れそれを受けた坂本君が八角君をかわして放ったシュートが流経大柏ゴールに突き刺さり再びリードを奪った。
八角君は一瞬塚本君の動きに惑わされマークを僅かに外してしまった。流経大柏は再びリードを許したが失点前同様攻撃に転ずるシーンを演出する。
82分には富田君からスルーパスが進藤君に亘るがCB塚本君がシュートを撃たせない。86分熊田君の放ったミドルはGK絹傘君の正面に。87分には杉山君から右サイドに開いた吉田君を経由して中央の田宮君に渡りシュートを撃つがここもGK正面に。
久御山は81分に途中出場の塩田君を下げて準々決勝戦でも途中から投入された沼田君を入れたがこれは中盤の運動量を高める為か?そして88分古波津君がスルーパスを送るとこの日流経大柏で最も活躍していた進藤君が走り込みそのまま同点ゴールを叩きこんだ。 
さすが3年前の覇者だ。 こういう流れになると一気に逆転されそうな気がした。
89分ナイスクロスが杉山君に入るが叩きつけ過ぎたか大きくワンバウンドして弾んでクロスバーを越えた。 
そしてロスタイム4分と表示された。観客席からはどよめきが沸き上がったが共にゴールは挙げられず勝負はPK戦に委ねられる事になった。

流経大柏の“先攻”で始まったPK戦は共に1人目の吉田君、山田君のPKを緒方、絹傘両GKがストップするスタート。その後流経大柏は富田君、杉山君が、久御山は足立君、坂本君が決め流経大柏4人目田宮君のショットはきに絹傘君が再びセーブ。 絹傘君は中学時代空手で活躍したらしいがそこで培われた反射神経が準々決勝戦に続いて威力を発揮しているのか。

            

久御山4人目二上が右下隅に決め、外せば万事休すの流経大柏5人目田宮君のPKは左ポストを直撃し京都府勢としては第72回大会の山城高校以来の決勝進出を決めた。

試合後のインタビューでは松本悟久御山高校が部員達に感謝をしたい…と答えていた。 京都商業高校出身らしい。おそらく元日本代表の柱谷幸一の先輩として一緒にプレーしたのではないかな… あの時は京商が強かったんとちゃうかなぁ….

スタンドではメンバー入り出来なかった流経大柏の3年生部員達が涙にくれている。 君達も MF 富田君同様流通経済大に進学するのか?だったら競技を続けろよ、そうでなくても続けられるなら続けろよ…、18歳で辞める理由なんてどこにもない高校で頑張ったんだからこれからもがんばれるはずだ….

そんな事を思いながら彼らを眺めていた…..

そして何とか関西対決が実現する事を祈った….


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