二・二六事件のお話ですが、
第一回が11月30日 草取り筋肉痛で!令和の時代に二・二六事件を考える!
8月15日に放送されたNスペ「全貌 二・二六事件~最高機密文書で迫る~」の録画を最近になって見たり。
1ヶ月ほど前に『「松本清張」で読む昭和史』(2019年10月10日第一刷発行 NHK出版新書)が新聞広告で目にとまり、久しぶりにAmazonではなく、書店で買い求めたり。
そんなこんなで、去年の4月に起きた「自衛官による国会議員罵倒事件」の事を、ふと、思い起こしたのでした。
この事件、罵倒されたのが民進党の小西洋之衆議院議員。彼は集団的自衛権は憲法違反として政府を追及した方です。
罵倒したのが、「統合幕僚監部」指揮通信システム部所属、防衛大卒で三十代の三等空佐。事件の日はジョギング中で「私服」。
事件現場は国会前の路上、三等空佐は小西議員であることも、集団的自衛権の違憲主張も、承知の上で、自分は自衛官と告げ「国益を損なう・おまえはバカ・気持ち悪い・国民の敵」と、何度も不適切な発言を浴びせた事件。
彼の所属していた「統合幕僚監部」とは、昔の大本営であり、参謀本部、軍令部といった存在。まさに、エリート中のエリート。
※統合幕僚監部組織図 防衛省HPより転載
でも、しかし、そんなエリート中のエリートが起こした事件としては、ある意味で、軽率で、浅はかで、自衛隊の中枢のエリートが、この程度?と、思ったりもするのです。
でも、でも、しかし、なのです。二・二六事件を起こした皇道派の将校達と、どこか似ている気がするのです。後先を考えずに、行動してしまう、そんな皇道派。
そんな皇道派を利用して、権力を握った統制派。どちらも念いはひとつで、目指すは「軍事独裁政権」
事件を起こした自衛官は、軽い「訓告処分」で事件は終了。
たぶん、自衛官にも個人として思想の自由はあり、当日、公務外であったこと、私服であったことことで、個人の立場での発言との解釈で、「防衛省」は軽い処分としたのでしょう。
でも、しかし、彼は当日「自分は自衛官である」と、小西議員に告げているのです。
これは明らかに「個人」としてでは無く、自衛官として、軍事組織を背景としての発言。この事実は重いと思います。
私服であっても、自衛官と名乗れば、制服でなくとも、完全武装でなくとも、それ相応の威嚇になるとの考えていた筈。
彼は、実力組織を、武装組織を、暴力装置を、充分に意識して、背景として、威嚇として自衛官を名乗っていた筈です。
その筋から漏れ伺う話として、 小西議員を「国民の敵」と罵倒した三等空佐は、かねてから「河野統合幕僚長」から目をかけられていたそうです。
彼の行動は、それなりに、明らかに「鉄砲玉」としての、戦後民主主義に対しての、戦後憲法に対しての、脅威として、組織的背景が伺われるのです。
以前にも、航空幕僚長の田母神俊雄氏が、政府見解の「村山談話」を否定したり、核武装を主張した論文を発表して、更迭された事件が2008年にありました。
どちらの事件も、昔の軍部エリートと比較して、とても、とても、民主主義にも、国内政治にも、国際政治にも、歴史的知識にも、一般教養にも、稚拙で、この程度が自衛隊の中枢と、ある意味で安心したり?
でも、安心しては危ないのです。稚拙でも、無知でも、彼らは武器を持っているのです。
軍事組織は、軍隊は、いつの時代も変わらないのです。
いくら論理で否定しても、対立する個人を、組織を、問答無用で、占拠制圧し、斬り殺され、撃ち殺され、何の抵抗もできず、抹殺され、それでお終い。
それでも、今のところは、これまで矛先は野党に向けられていました。
でも、でも、しかし、現状、改憲を主張する自民党政治家の、安倍政権の、腐敗堕落の数々が、いま以上顕著になれば、与党政治家にその矛先が向かう事でしょう。
安倍政権の末期が、戦後民主主義の終焉と重なる、そんな不幸な事態が起きる可能性はゼロでは無いと、そう思うのです。
本日、曇り空で気温も低く、かなり、かなり、悲観的なお話となりました。
歴史は二度繰り返すと云います。
二・二六事件で軍国主義!を、日本は一度しか経験していません。
♪もう一度~ ♪もう一度~ かもね?
こんな暗い話の後で云うのは何ですが、今年最後の更新です。
兎に角、皆さん!良いお年を!
それでは、また、来年!