鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

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お気に入りその1097~鬼平犯科帳パート91

2015-08-21 12:22:47 | 鬼平
今回のお気に入りは鬼平犯科帳パート91、原作第16巻です。

読み返している鬼平犯科帳。
途中並行していろいろな本を読みながらの、今回はその16巻。

16巻 影法師/網虫のお吉/白根の万左衛門/火つけ船頭/見張りの糸/霜夜

「影法師」
忠吾が独身最後にと女郎買いに出かけますが、思うようにいきません。
そうこうしているうちに、いかにも忠吾らしく、本人が知らないところで事件を巻き起こします。
忠吾とそっくりな「さむらい松五郎」をなぜか牢に長く入れておくのか疑問でしたが、こういう使い方をしたかったのですね。
面白い展開を考えたものです。

「網虫のお吉」
愛する人と長く添えない定めのお吉が可哀そうです。
まんまと逃げおおせたお吉の幸せな消息が後に聞こえてこないかな。

「白根の万左衛門」
本格盗賊の万左衛門。
死の床で隠し財産のありかを3人に告げます。
底が知れない右腕と欲高い娘夫婦です。
互いの裏切りの中、盗賊改メに捕縛されます。
頭が隠した壺には2千両はなく紙切れ1枚だけだった、というオチは痛快。

「火つけ船頭」
妻を寝取った浪人に立ち向かうことができない船頭。
火つけでウサを晴らします。
ある日、押し込みする盗賊を偶然見かけ、塀に火をつけて中断させます。
そしてその中に妻を寝取った浪人がいたことを盗賊改メに知らせます。
自身は死罪になりますが、浪人だけでなく妻にまで罪が及んだことで大いにウサ晴らしができたことでしょう。

「見張りの糸」
10年以上も前に京を荒らしまわった元・盗賊。
江戸で静かに暮らしているある日、盗賊改メの見張り所になってしまいます。
バレる訳がないと高をくくっていたら、平蔵の一喝。
京で煮え湯を飲まされた同心の敵を討ちます。
10年以上も前に隠居した本格の盗賊なのに牢獄送り?という思いもありますが、仕方ありません。

「霜夜」
平蔵は道場での弟弟子、池田又四郎を20年ぶりで見かけます。
かつて義母を斬り、又四郎を自分の後釜にしようと本気で考えていたことを思い出します。
又四郎が妻の妹と関係を持ったことだけでなく、平蔵を愛していたという設定には驚きました。
よくも短編にいろいろ詰め込んだものです。
さらにラスト。
又四郎の義妹が歩いてくるシーンで終わるところは何ともお洒落。
映画のようです。

今回は有名な作品はありませんでしたが、そこはかとない味わい深い作品が多かったです。
長編の後はこういうのでバランスを取ったのでしょうか?
次は第17巻。
あれー、また長編。
これもバランス?
取りあえず楽しみたいです。





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