鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその2208~鮫島惇一郎さん

2023-03-13 12:49:30 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、鮫島惇一郎さんです。

新聞で「新・原色図譜エンレイソウ属植物」が刊行されたことを知りました。
その記事で、この本が「原色図譜エンレイソウ属植物」の増補改訂版であることや、収録されているエンレイソウの植物画が美しいことを知りました。
この手の本に目が無いので早速買おうと思いましたが、価格は何と3万円超え!
無理無理。
でも諦めきれず古い方の「原色図譜エンレイソウ属植物」を調べましたが、こちらも12,000円が最低価格・・・。
なおも諦めきれず著者・鮫島惇一郎さんの他の著作を調べました。
そこで見つけたのが、今回ご紹介する「画文集 北ぐにの花暦」です。
これならお手頃価格で、エンレイソウ以外の植物画もたっぷり鑑賞できそうです。
念のため本書についての情報を得ようとあちこち探しましたが見つからず、最後にたどり着いたのがニセコ町のHP。
有島記念館で2015年に開催した特別展・鮫島惇一郎植物画展「北ぐにの花絵本」の紹介コーナーで本書について触れていました。

特別展の紹介文を引用します。
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植物画(ボタニカルアート)は、植物を見分けるのに必要な図鑑に載せるために発達してきました。
したがって、対象となる植物を緻密に観察し、作者の誇張を加えることなく正確に描く必要があります。
また、実物大で描写し、背景を白とするなどの決まりもあります。
しかし、そのような制約はあるものの、そこに宿る美しさに惹かれて、近年、日本では植物画を描く愛好者が増え始めています。

鮫島惇一郎さんは、少年時代、学校の先生の影響から植物に興味を持ち、植物のスケッチをはじめます。
そして、北海道大学に進学して本格的に植物を研究するとともに、北海道に生きる植物を今に至るまで多く描いてきました。
本展では、滝川市美術自然史館に収蔵されている鮫島さんの植物画コレクション110点をご紹介します。 
鮫島さんの植物画を観たあとは外に飛び出し、豊かな自然に囲まれた有島記念館周辺に生きる「草」や「花」、「木」に触れてみてください。
もうその時はきっと、今までは名もなき植物と思っていたものにも、名前があり、季節ごとの美しさがあることをみなさんは知っているはずです。
そして、これからは、いつも何気なく歩いている道でさえも、そこに根付く植物との出会いに満ち溢れ、今までとは違った風景の見え方がして、日々の生活に楽しみがひとつ加わるのではないでしょうか。

鮫島惇一郎略歴
1926年、東京市(現・東京都)生まれ。幼い頃、札幌に移り住む。1950年、北海道大学理学部植物学科卒業。同大理学部助手などを経て、1956年、林野庁に出向し、農林省林業試験場北海道支場育種研究室に勤務。育種研究室長、造林第二研究室長を歴任し、1985年辞職。現在は「自然環境研究室」を主宰し、自然観察や自然環境保護などについて講演や執筆活動等を行う。

主な著書は『エンレイソウ』(1974年、北海道テレビ放送)、『草と樹』(1977年、北海道新聞社)、共著『北海道森と林』(1979年、同)、共著『札幌から見える山』(1981年、北海道大学図書刊行会)、共著『新版北海道の花』(1977、同)、共著『原色図譜エンレイソウ属植物』(1987年、同)など多数。このほか、長らく雑誌『北方林業』の表紙写真とそれに添えるエッセイを手がけ、それらをまとめた写真集『北方林業表紙写真集』(北方林業会)を1999年、2008年、2013年に刊行している。

当企画展で展示している作品を収めた『画文集 北ぐにの花暦』(1800円)も好評発売中です。
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ナルホド、著者は植物研究者であり自然愛好家なのですね。
科学者の目と愛好家の目で北海道の山野草を見つめ、美しく描いたのです。
ひとつ見つかると続けてもうふたつ本書に関する情報が検索できました。

ひとつは「北方山草会」という会のページです。
本書の植物画が北方山草会で年に1回発行している会誌の表紙を飾っているそうです。
最新の2022年版は第39号で、第1号から第30号までは坂本直行氏の植物画を表紙に使っており、第31号からはこの会の顧問である鮫島氏の「画文集 北ぐにの花暦」掲載の植物画を表紙に使っているとのこと。
どちらの植物画も山野草好きには魅力的だということですね。

最後は「大雪山から育まれる文献書誌集」というページの文献目録です。
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花の絵本 画文集 北ぐにの花暦鮫島 惇一郎 / 北方林業会2008 / 723- サ花の営みを五感で勝手に受け止めていると語る著者の植物画 110 点、文章と学名を添えている。イワギキョウには、黒岳石室に駆け込んできた中学生、「引率の先生が危ない」という救出劇の思い出、ヨツバシオガマは忠別岳を下って平ケ岳への登りでヒグマと遭遇した思い出を書いている。
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著者は「花の営みを五感で勝手に受け止めている」と語っているのですか。
何だか牧野富太郎博士の「私は植物の愛人として生まれ来た」という言葉に通じるものがありますね。
著者の植物愛の深さがドーンと伝わってきました。

さてさて予習はここまで。
早速植物画を鑑賞しつつ著者のエッセイを楽しむことにしましょう。
感想については、植物画が110点もあるので、少しずつ書きためていくつもりです。


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