思えばケニー・ドリューの快進撃は73年のこのアルバムから始まった。60年代にデンマークに本拠を移し、デンマークの名ベーシスト、ニールス・ペテルセンと巡り会い、デンマークのレコード会社であるスティープル・チェイスに録音したデュオと題されたこのアルバムからだ。このスティープル・チェイスのアルバムが最近何枚か再発されている。
"I skovens dybe stille ro "はピアノの伴奏にのせてベースが静かにしみじみとメロディーを奏でるアルバムの最初の曲だ。(デンマーク民謡らしい。)その後何枚かアルバムは発売されたが、小生はこのアルバムを一番愛している。名曲"Hush-A-Bye"や"Wave"も聴くことができる。
I skovens dybe stille ro = IN THE STILL OF THE WOODS
小生がケニー・ドリューをライブで聴くチャンスが一度だけあった。確か91年の初夏の頃だったと思う。場所はコペンハーゲンの有名なジャズクラブ『カフェ・モンマルトル』。しかし開演時間になって体調が悪くキャンセルとなり出会いは幻となってしまった。結局2年後に64歳の生涯を閉じることになる。テテ・モントリューとも数多くの録音を残した一方の雄、ニールス・ペテルセンも既に亡くなってしまった。