世界をスケッチ旅行してまわりたい絵描きの卵の備忘録と雑記
魔法の絨毯 -美術館めぐりとスケッチ旅行-
ギリシャ神話あれこれ:グラウコスとスキュラ

ギリシャ神話には、振られた男あるいは女の逆恨み、というのがしょっちゅう登場する。
これは怖ろしい。相手を振り向かせよう、手に入れよう、というエネルギーが、そのまま、相手を困らせよう、破滅させようというエネルギーに容易に転化する。
ボイオティアの漁師だったグラウコスは、あるとき、網に絡まった草の上に置いておいた魚が、生き返って海へと逃げていくのを見た。で、その薬草を口にしてみたところ、水界への憧憬いかんともしがたく、そのまま海へと飛び込む。彼には魚の尾鰭が生えていた。
薬草によって不死となった彼は、海の神々から海神として迎えられ、予言の力を与えられる。
さて、このグラウコスが、入江で水浴びしていた海のニンフ、スキュラに一目惚れ。
グラウコスは、美しいスキュラに向かって熱烈に口説き始める。が、魚の鱗に覆われた尾、青緑色の髪や髭をした異形のグラウコスを見て、スキュラはつれなく逃げ出してしまう。
恋するグラウコスは、諦めきれず、かねてから親しかった魔女キルケに、スキュラを振り向かせる上手い惚れ薬はないものか、と相談する。
To be continued...
画像は、ド・ラ・イール「グラウコスとスキュラ」。
ロラン・ド・ラ・イール(Laurent de La Hyre, 1606-1656, French)
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