クーラウ フルートとピアノのためのソナタ

 
 フルートのソナタとやらは初めて聴いた。ん~、いい感じ。
 
 クーラウ(Daniel Friedrich Rudolph Kuhlau)はドイツ生まれのデンマークの作曲家。解説によればロマン派らしいが、このソナタはそれほど甘くなく、どちらかと言うと、モーツァルトやベートーヴェンのような古典的な晴朗さを感じる。
 ……私って、こういう古典的な音楽だと、よく理解できるみたい。

 クーラウは音楽家の家系で、父ちゃんは連隊音楽家、爺ちゃんはオーボエ奏者、叔父ちゃんはオルガン奏者、などなど、みんな音楽家。いーなー、私も音楽的環境が欲しかった。
 フルートというのは、もともと歌うような音色だけれど、加えて、曲そのものがまた、歌うようなメロディーだものだから、とにかくもう、このソナタは、フルートとピアノが一緒になって歌っている感じ。紋白蝶のアベックが、絡み合ったり離れたりして揺れながら、一緒に戯れ飛ぶのを春に見かけるけれど、このフルートとピアノは、そんな感じ。

 このフルートのソナタで、クーラウは「フルートのベートーヴェン」という称号を貰ったのだとか。

 解説によれば、クーラウはベートーヴェンと会食したことがあるらしく、シャンパンのせいでベートーヴェンの記憶は飛んでしまったが、このときベートーヴェンは、クーラウの名前をもじったカノンを、クーラウに捧げたという。曰く、「涼しくて、生ぬるくない」という意味の「キュール、ニッヒト・ラウ(Kühl, nicht lau)」。
 ……どんなカノンなんだろうな。こういうエピソードがつくと、つい聴いてみたくなる。

 クーラウの家は火事に見舞われ、この火事のせいで未発表の作品がパー。クーラウの健康にも害が及んで、火事の翌年に死んでしまったという。
 ああ、ちびまる子のクラスメート、永沢くんのような悲劇。

 画像は、ハルス「フルートを持って歌う少年」。
  フランス・ハルス(Frans Hals, ca.1582-1666, Dutch) 
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