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ギリシャ神話あれこれ:大アイアスの死

 
 アキレウスの死後、その霊を弔うために盛大な葬送競技が行われる。
 競技が終わると、女神テティスは、鍛冶神ヘファイストスの手による甲冑と、アキレウスの父ペレウスがケンタウロスのケイロンから授かったトネリコの槍とを差し出して、息子の亡骸を護り抜いた英雄こそが、これらを継承するように、と言う。

 すぐさま、我こそはと名乗り出たのは、勇猛無比な大アイアスと、知謀機略では無類のオデュッセウス。
 大アイアスは、アキレウスの亡骸をギリシア陣内まで運んだのは自分だ! と主張。対するオデュッセウスは、その亡骸を運ぶあいだじゅうトロイア軍の追撃を防いだのは自分だ! と主張する。
 ……これはやっぱり、大アイアスの言い分のほうが正当だと思うんだけれど。

 勝者の判定は老ネストル、アガメムノン、イドメネウスに託される。が、どちらか一方に軍配を上げれば、もう一方から憤懣を買い、後々の災厄となるだろう。そう考えた諸将らは、怨恨の矛先をトロイアに向けるため、トロイアの捕虜たちに判定役を委ねることにする。
 大アイアスは己の蛮勇を、オデュッセウスは己の叡知を、相手に勝るものとして誇り、互いに相手を非難する。

 で、トロイアの捕虜たちは、満場一致でオデュッセウスに軍配を上げる。

 ショックのあまり、地面を見つめて呆然と立ちすくむ大アイアス。戦友たちになだめられ、引きずられるままに陣屋へと戻っていく。
 荒くれ武者の大アイアスは、これまでの戦功を鑑みて、この判定を不当に感じて納得できない。本当に彼は、アキレウスに次ぐ武勇を発揮していたのだから。

 To be continued...

 画像は、アルマ=タデマ「ホメロスの朗読」。
  ローレンス・アルマ=タデマ(Lawrence Alma-Tadema, 1836-1912, Dutch)

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