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ギリシャ神話あれこれ:神々の戦争

 
 今、世界には戦争がある。テロは世界中で起きるのだから、これは形態を変えた世界大戦なのだ、と聞いたことがある。
 戦力としてはもちろん、アメリカに敵うわけもない。が、この戦争では、相手がゲリラ戦のように応戦する分、アメリカは絶対に相手に勝利できない仕組みとなっている。アメリカが勝たないので、戦争はずっと続く。……これが、新しい形態での世界大戦、というわけ。
 ノストラダムスの予言、大当たり。

 ゼウスら姉弟が、父クロノスに戦いを挑んだとき、ティタン神族の多くはクロノスとともに戦った。これが、ティタン戦争。
 神々の戦争なんだから、凄まじいものがあったに違いない。とにかく、この大戦争は10年にも及んだ。世界は荒廃したが、勝負はなお着かないまま。
 
 ここでまたもや、ガイアが謀計を授ける。地底タルタロスに閉じ込められている者どもを味方にすれば、勝利に帰するだろう、と。
 そこでゼウスは、一眼巨人キュクロプスと百腕巨人ヘカトンケイルらを解放する。
 鍛冶の工匠でもあるキュクロプスらは、ゼウスには雷電、ポセイドンには三叉鉾、ハデスには姿隠しの兜、といった武器を贈り、また強剛な怪力のヘカトンケイルらは、百の腕のそれぞれで大岩をティタンらに投げる(こうした能力を持つ巨人たちを、もともとガイアは世界を神々にふさわしく作り変えるために生み出したらしい)。

 こうしてゼウスはティタンを打ち破る。彼は、父クロノスと他のティタンらを地底タルタロスに幽閉し、ヘカトンケイルらに番をさせた。クロノスらは二度とそこから出られなかった。彼らが地底で暴れると、地震が起こるのだという。
 ちなみにキュクロプスらは、鍛冶神ヘファイストスの工房で、ヘファイストスに従い、神々の武具や工芸品を鍛えている。

 クロノスらを封じ込めたゼウスは、ポセイドン、ハデスとのあいだで世界を分け合って統治する。こうして、ティタン神族に代わり、オリュンポス神族の時代となる。

 不死の神さまたちが、自分の統治権をめぐって戦争するわけだから、戦争自体は平和なもんだと思う。が、敗北すれば、なまじ不死であるだけ、永遠の責め苦が待っている。こちらのほうが、ずっと怖ろしいと思う。

 画像は、ドレ「ティタンの戦争」。
  ギュスターヴ・ドレ(Gustave Dore, 1832-1883, French)

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