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ギリシャ神話あれこれ:オイディプス王

  
 映画にハマッている相棒、「観るべき映画は、金を払ってでも観る!」と、私を引きずって映画館に行く。
 相棒の選ぶのは、戦争とか内戦とか虐殺とか圧政とか、リアルに怖ろしいものばかり。そういう極限の状況のなかで現われる人間性を見る、というのが相棒の主張なのだけれど、私の脳みそには、極限の状況のシーンばかりが印象として残ってしまうんだ。うう、疲弊しちゃう……

 で、直近で観た「灼熱の魂」。レバノン内戦を扱ったものだが、テーマは、相棒が最近言い出した「新しい人」の思想。
 この映画、生まれたばかりの赤ん坊が、踵に刺青されるシーンがある。痛みにフギャフギャと泣く赤ちゃんの声と相俟って、私は何かを思い出した。踵、踵、何だったっけ……
 映画が終わってから思い出した。あー、“腫れた踵”だ。

 エディプス・コンプレックスの語源となった、実の父親を殺して実の母親と交わったオイディプス王の物語は、あまりに有名。簡単にまとめておくと……

 複雑なギリシャ神話のことなので、いろいろと前置きがあるのだが、オイディプスの悲劇のそもそもの始まりは、父王ライオスの罪にある。
 ライオスはテバイ建国の王カドモスの直系の子孫。先王が死んだ際、後継のライオスがまだ赤ん坊だったために王位は簒奪され、さらにその後、テバイから追放される。
 
 ライオスはペロポネソスの王ペロプスを頼り、王の庶子クリュシッポスの戦車術の教師を務める。そのうち、この美しい少年に激しい恋情を抱くようになるのだが、受け入れてもらえない。とうとうライオスはクリュシッポスを誘拐し陵辱するという蛮行に及ぶ。
 クリュシッポスはこれを恥じ、自刃して死んでしまう。が、死の間際、ライオスに災いあれ! と神々に呪う。

 To be continued...

 画像は、モロー「オイディプスとスフィンクス」。
  ギュスターヴ・モロー(Gustave Moreau, 1826-1898, French)

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