世界をスケッチ旅行してまわりたい絵描きの卵の備忘録と雑記
魔法の絨毯 -美術館めぐりとスケッチ旅行-
ラトビアの夏至祭り(続々々々)
砂岩なので雨上がりの地面は泥だらけ。彼らのうち年配の男性が洞窟から出てきていて、木の葉っぱで靴の泥を拭っている。
泥がつかないルートを工夫して不器用に、不恰好に洞窟へと歩く東洋人二人を、洞窟の外の年配の男性も、洞窟の内の男女も、大らかに見守って笑っている。いくら外面を気にしない私たちと言っても、さすがにここでコケるわけにはいかないな。
洞窟の男女は、それぞれとも首に一眼レフをぶら下げている。洞窟を真上に見上げて、何かを指差し、互いにあれこれと感想を交わしながら、こだわりの一枚をパシャッ! と撮っている。
軟らかくて削りやすいのだろう、赤砂岩の洞窟は、訪問者たちがてんでに彫った寄せ書きで一面に覆われている。記念だから、とコンパクトカメラでパチパチ撮っていると、
「カメラの性能が違いすぎるんじゃないの」と相棒にからかわれた。
……いーの、思い出なんだから。
「ほら、そこ、泉ですよ」と女性が教えてくれる。
赤い砂を絶えず舞い上げながら、コポコポと清水が湧き出ている。指を突っ込んでも、手を突っ込んでも、水の溜まりは奥へと続いている。
こんなふうな公園の遊歩道が、トゥライダ城までずっと続いていればよかったのだけれど、やがて車道に出くわした。
歩き旅の私たちにとって、長い距離を歩くこと自体は、よほど疲れてさえなければほとんど苦にならない。ただ、車がビュンビュン行き来する車道を歩くのには、ちと抵抗がある。
登り坂の車道を、トゥライダ博物館保護区を目指しててくてくと歩く。と、途中、車道横の斜面の木々が開けて、丘上に赤レンガのトゥライダ城の塔が垣間見えた。
To be continued...
画像は、スィグルダ、ロープウェイからのガウヤ川。
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