今更、ルパン三世

 
 相棒が家に来るたびに、「ルパン三世」を1本ずつ観る。

 ルパン・シリーズは未だに時折、ロードショーで放送されている。坊はそれを観るのだが、その際私が、「ルパンが一番面白かったのは、TVシリーズのパート2だよ」と言ったところ、当然、こちらも観たがるようになった。
 で、レンタル・ビデオ店に行くと、中古処分品として、借りるよりも買うほうが安いという値段で、売りに出されていた。全部買っても3千円くらいなので、揃っているうちに一気にまとめて買おうとしたところ、いかにも呆れ返った様子の相棒に、「くだらないから、1本観てから次を買いなさい」と止められた。
 ……おい相棒、あんたそれで、特価CD、何回ゲットし損なったっけ?

 ところで、「くだらない」なんて決めつけるもんだから、相棒は観ないものだと思っていたら、「もちろん僕も観るよ」という返事。
 で、第1話を観たところ、相棒、ゲラゲラ笑いこけて、「こりゃあ、全部観てもいいかもねえ」という感想。
 今ではすっかり、全部観る気になっていて、世界中を駆けめぐるルパンに共感し、自分も「ルパンの行ったところには、僕も行くことにしよう」なんて言い出す始末。……おいおい。
 そのときにはもう、全部揃って売られていたビデオも、誰かに買われて、いくつか抜けてしまっていた。

 TV版で全盛期だった「新ルパン三世」(いわゆる“パート2”)は、確かにナンセンスなんだけれど、単純に面白い。ルパンの原作は青年向けの、ハードボイルドな内容で、旧シリーズはそこから外れず、イマイチだったところが、新シリーズはガラリとコメディ・タッチに変わって、大ヒットした。
 ルパン、次元、五エ衛門、不二子、銭形といったキャラクター(と、キャラクター先行型のストーリー)と、音楽と、声優とが、ここまでフィットした作品も珍しいと思う。私はあまり興味がないが、車や銃のアイテムにも力が入ってるらしい。

 ルパンくらい、自信過剰に生きることができたらいいだろうな。……自画自賛しまくりの“Super Hero”って挿入歌、私は一番好きだった。
  
  I'm a super hero, the hero of today, yay!
  Everyone wishes they could be like me
  Smart and cool, handsome, wealthy and so sexy
  They need a hero, somebody who is just like me

 画像は、ピエラ・リベラ「仮面舞踏会の貴婦人」。
  ピエラ・リベラ(Pierra Ribera, 1867-1932, French)
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