チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
+昭和50年代~現在のお話も・・・

海馬の尻尾/本

2019年03月21日 | 
著者:荻原 浩(光文社)2018年

俺には恐怖心がない。他人を可哀相とも思わない。キレッ、キレッのヤクザだ。
ある日、カシラにアル中を治すよう大学病院を紹介される。
病院なんか行きたくもねえが、これは命令だ。逆らう訳にはいかない。
医者は、俺の病気を「反社会性パーソナリティ障害」=サイコパスだと言いやがった。
そして、入院治療を受けろと言う。
一方、俺は待合室でやけに人懐っこいガキ梨帆(リホ)と知り合う。
そんな中、俺はオヤジ(組長)のゴルフの御供をした。
ゴルフ場に向かうオヤジのクルマに鉄砲玉が飛んできて、俺はカーチェイスの末に撃ったヤツを車ごと崖から転落させ、殺っちまった。
二人組の片割れをなぜか見逃してやったことで、俺の仕業であることがバレ、逆に俺は追われる身となってしまった。
カシラからしばらく身を隠せと言われて、俺が思い付いたたった一つの隠れ家は大学病院だった・・・

タイトル『海馬の尻尾』は(かいばのしっぽ)と読みます。
脳の器官の一つ『海馬』は、小指ほどの大きさで、記憶をつかさどる。
私はここに記憶を溜めるのかと思っていましたが、本によると記憶を蓄積するのではなく情報を取捨選択し記憶すべきかどうかを決める場所ということです。
そして、しっぽとは、視覚、聴覚、嗅覚などの外的な刺激に反応して、快、不快、恐怖、緊張、不安、痛みなどの情動を生み出す場所『扁桃体』のことを現しています。

荻原浩さんは、好きな作家のひとりです。
物語はハッピーエンドとは限らず、考えさせられたり、切なくなったりします。

あ~、おもしろかった!




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