チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
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三度豆

2017年05月24日 | お母さん
あら~、三度豆 生ったの!!
お父さんが種を蒔いでおいてくれたがら、(こうして食べられるので)ありがたいなあ。
これでお父さんが植えた野菜も全部終わりだな。
あどは畑は作らんに・・・こんなに腰が曲がってはなんにもでぎない。

そう言ってから、お母さんはクックッと笑った。

チエ、おまえは子どもの頃、三度豆がでぎっと、いつも言ってたなあ。
朝も三度豆、弁当にも三度豆、夕飯も三度豆、もうたくさんだ~って。
あの頃はお金が無くてなあ。うぢで作った野菜を食べるしかながったのよ。
もっとも、今みだいにこんなに若いピチャピチャのうぢに採ったりしながった。
実が入ってパンパンになってから採ったもんだったよ。(だから、うまくはなかった)


(あの頃の私は幼くて、1日に三度もさやえんどうが食べられる有難さが分からなかった。
 畑に野菜があることがあまりに普通過ぎて、「普通であること」が本当は奇跡的なことなのだということが理解できなかったんだよ。)