元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「スクール・オブ・ロック」

2010-12-04 07:16:20 | 映画の感想(さ行)

 (原題:The School of Rock)2003年作品。ジャック・ブラック主演によるコメディの快作。売れないロッカーが、名門小学校の先生になりすまして珍騒動を巻き起こす姿を、絶妙のテンポで描く。

 ロックは反抗の音楽とされているが、少なくともこの映画におけるロックは“反抗”のうちに入らない。名門小学校の生徒達は学校当局によって抑圧されていたわけでもなく、ロック自体が否定されていたわけでもない。単にジャック・ブラック扮する型破りなニセ教師によって、日常よりもちょっと楽しい“ロック三昧の日々”を送れたというだけの話だ。

 だいたい、正規のカリキュラムを放置してロックばかりを教えていたら、授業が遅れて困るではないか(爆)。

 しかし、そんないい加減な設定も笑って許してしまえるほど、この映画は痛快だ。ここで描かれているのは音楽としてのロックの素晴らしさ、理屈抜きの楽しさだけである。予定調和で御都合主義的な筋書きに対するモヤモヤも、音楽の持つパワーでねじ伏せてしまう。そんな直球勝負の姿勢が実に清々しい。

 効果的に繰り出されるギャグには哄笑の嵐だが、ロック好きにしか分からないネタが数多く挿入されているのも実に嬉しい。特に子供に向かって“キミたちはグルーピーだ”と言ったり“ピンク・フロイドの「虚空のスキャット」を聴いて歌を勉強しろ”と指導したりするシーンには大いにウケた。リチャード・リンクレイターの演出はスムーズで、子供達も皆好演。使用楽曲もセンスが良く、まさに満足度100%の必見作だ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「100歳の少年と12通の... | トップ | 「裁判長!ここは懲役4年で... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

映画の感想(さ行)」カテゴリの最新記事