元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「恋の門」

2012-04-20 06:24:36 | 映画の感想(か行)
 2004年作品。石で漫画を描く貧乏青年と同人誌作家でコスプレが趣味のOLとの暑苦しい恋愛バトルを描いているにもかかわらず、オタクっぽさが希薄なのは、これが監督デビュー作となる松尾スズキの感性(及び年齢)が“大人”であるためだろう。

 もちろん、漫画好きやアニメ好きが喜びそうなシーンは満載で、特に架空のTVアニメ「ギバレンガー」周辺のネタには大笑いさせられるが、作者自身はそれに没入していない。オタク趣味から距離を置いて映画本編を盛り上げる小道具の一つとして扱っている。おかげで、チャラチャラとした画面が続くわりには不愉快な気分にはならない。



 ただし、本題である恋愛沙汰の描き方は物足りず、ラストも釈然としないのは減点。監督としての松尾の今後の精進に期待したい。

 主演の松田龍平は相変わらず泰然自若とした佇まいで、演技をしているのかどうかも定かでは無いが、こういう役では許されよう。そして何より、相手役の酒井若菜(←意外と巨乳 ^^;)のハジケぶりと、小島聖の超怪演を見るだけでも入場料のモトは取れる(笑)。監督の松尾をはじめ忌野清志郎、塚本晋也、小日向文世、平泉成、大竹しのぶといった無意味に多彩なキャストも楽しい。
コメント
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