元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「ヴァン・ヘルシング」

2012-04-03 06:28:06 | 映画の感想(あ行)

 (原題:Van Helsing )2004年作品。19世紀のヨーロッパを舞台に、ローマ・バチカンの秘密組織からモンスター退治の命を受けたヴァン・ヘルシングの活躍を描く。今回の彼の派遣先は東欧トランシルヴァニアで、相手はもちろん、邪悪な力で世界を手中に収めようとするドラキュラ伯爵である。

 「ハムナプトラ」シリーズのスティーヴン・ソマーズが監督しているので、作品の中身についてはあまり言及する意味はない。昔のユニバーサル映画のモンスターを全員集合させて大騒ぎをしているだけの映画だ。

 主人公ヴァン・ヘルシングの生い立ちをはじめ、ヒロインの一族にまつわる因縁話や敵の首魁ドラキュラの弱点うんぬんといった作劇上の重要ポイントは全ていい加減に済ませ、ただCGてんこ盛りのスピード感あふれる活劇場面の連続で観客の目をくらませて、結果として上映時間中は退屈しないでいられるという、単なる“見せ物”に徹したシャシンである。

 主演のヒュー・ジャックマンやヒロイン役のケイト・ベッキンセールをはじめ、出ている連中は印象に残る演技はしていないし、当然各キャラクターも魅力に乏しいが、こういう性格の映画ではそれも許されるのかもしれない。

 ゴシック風味あふれる美術は見事。アラン・シルヴェストリによる音楽も快調である。なお、巷では日本のアニメ「バンパイアハンターD」との類似性を指摘する批評もあるようだが、私はそれを観ていないので何もコメントは出来ない(笑)。
コメント
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