元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

映画が盗まれている・・・・

2006-11-24 06:43:51 | 映画周辺のネタ
 ここ数年、映画館で本編に入る前に、よく流れる「CM」がある。そう、黒い涙を流す谷村美月の顔がアップになり「映画が盗まれている・・・感動も盗まれている・・・私は観ない。私は買わない」とナレーションが流れるアレである。

 確かに、著作権無視の海賊版の横行は許されない。しかし・・・・その「海賊版はイケマセン」という御題目を、わざわざ映画館に金払って観に来ている客に向かって主張して、いったい何になるんだろうか。コソコソと違法コピーを集めているような輩は、映画館なんかにまず行かないだろう。

 通常、問題解決の手段としては、最も大きい原因から潰してゆくのが筋である。ところが、どう考えても、あの「CM」を映画館で流すこと自体に、一番大きい「原因」に迫るという意味などありゃしない。「興行界もちゃんと考えていますよ」という自己PRにしかならない。問題解決という観点から見れば屁の突っ張りにもならないことを、得々としてやっている。・・・・なんてことを書くと「出来ることから始めているだけだ。それのどこが悪い」という反論が返ってくるだろうが、問題はその微少な効果しかあげられないことを「出来ることから始める」というスローガンで誤魔化していることだ。

 海賊版を大量に流通させているのはどういう連中か。そして、その元締めになっている「国」はどこなのか。あの「CM」はそんな奴らに向けて発信すべきだ。それが無理なら、テレビのゴールデンタイムで流すべきだろう。カネを払っている「優良顧客」の我々には関係ない話だ。

 この「微細なことをやって自己満足している」という構図は、このことに限らない。最近叫ばれている「地球環境を考えて、出来ることから初めてどうのこうの」というキャンペーンなど、その最たるものだ。地球環境を汚している一番の原因は我々か? そうじゃないだろ。ゴミの削減とか無駄遣いの低減とか、そういう「マナー」に収斂されるような事物にわざわざ「地球環境保護」というレッテルを貼っているだけだ。だいたい酸性雨の元凶も水質汚濁の大御所も、「あの国」ではないか。「あの国」に対して「地球環境を守れ!」と迫る方が先ではないのか。

 ・・・・話がそれた(爆 ^^;)。とにかく、自己満足の御為ごかしのCMなど、いい加減やめて欲しいってのが本音だ。そうでなくても上映前のCMの多さに辟易している昨今である。
コメント (2)
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