元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「ギャング・オブ・ニューヨーク」

2006-11-11 07:23:56 | 映画の感想(か行)
 (原題:Gangs of New York)「ディパーテッド」が公開待機中のマーティン・スコセッシ監督による2002年作品。19世紀半ばのニューヨークに生きる人々の壮絶な生きざまを描いた大々的な任侠映画(?)。

 つまらない。映画のポイントが全く絞り切れていない。いったい何を描きたかったのだろう。復讐劇か? 父子の葛藤か? 単なるラヴストーリーか? それともアイルランド移民の悲劇? これら種々雑多の要素を長い上映時間にぶち込んで“大河ドラマ”としての体裁を整えようとしているのだが、いずれにしてもメインとなる作劇の“核”が不在であるため、ヘタな連続ドラマの総集編を見ているような居心地の悪さが終始付きまとう。

 もちろん、評判になった時代考証は素晴らしい。セットや衣装も言うことなし。ただし問題は、それらがドラマ以上に目立ってしまっていることだ。結局、一番カタルシスを感じたのは、終盤の軍の出動により主人公達(チンピラや暴徒)が吹き飛ばされる場面だったりする(ゴチャゴチャとした物語が“精算される”という意味で ^^;)。

 御存知のように監督のマーティン・スコセッシはイタリア系だが、同じカトリックとは言ってもアイルランド系には十分な思い入れがなかったのかもしれない。ディカプリオとキャメロン・ディアスの演技にも特筆されるものはない。唯一ダニエル・デイ・ルイスだけが貫禄を保っていた。
コメント
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