※ 個人が趣味で行う鉄道模型工作の記事です。記載内容の加工方法については一切の責任を負いません。
1/80スケールの鉄道模型工作は、気動車に続いてディーゼル機関車に取り掛かることにした。
小海線の旅客列車が2編成できたので、貨物列車用にDD16形ディーゼル機関車を13mmゲージに改軌し、さらにDCC化を試みる。
(素材はトラムウェイのDD16)
1980年前後に小海線中込区に在籍したDD16形ディーゼル機関車は、そう多くはない。
自ずとプロトタイプは限定されてしまう。
まずは、手元の資料から詳細が把握できる 8号機を選択した。
市販の「新ディテール・ファイル2 昭和の国鉄車輌たち」と題された車輌写真集に、中込から篠ノ井に移管された後の 8号機の詳細が掲載されている。
さらに、インターネットサイトで調べると、篠ノ井移管後と中込区の時代では少し変化があったようだ。
この辺りは、改造しながら紹介していきたい。
(2種類を製品化するトラムウェイのDD16から 3~14 号機を選択)
素材となるDD16は、トラムウェイから最近発売されたプラスティック製の「DD16 3~14」である。
同社からはもう一つ「DD16 25~35」のタイプも製品化されている。
さて、DD16の工作は、車体の分解から行った。
(説明書に沿って上体と下回りを分離する)
上体と下回りの分解は、説明書に記載されたとおりに行った。
先端のステップを支える部分を破損しないようにスノープロウを丁寧に外し、床下のエアタンクを引き抜いてからネジを外す。
下回りはダイキャストブロックのようでガッチリしているが、上体はプラスティックなので壊さないようにうまく上方に抜き出す。
前後のステップを外すことに注意を払うのがコツのようだ。
(外した上体を下側から覗く)
車体のヘッドライト周辺には遮光用と思われる黒いビニールテープが貼られているので、これを剥がす。
(ヘッドライト周辺のビニールテープを剥がす)
同時にヘッドライトの導光用プラスティック製パーツを外し、車体とデッキ部を分ける。
(爪部分を外しながらデッキと車体上部を外す)
ラジエーターファンのカバーは、金属製のパーツが3本の爪で取り付けられている。
車体裏側から爪部分をドライバーなどで垂直に起こすと、表側から抜き取ることができる。
(ラジエーターファンのカバーを外す)
(車体のラジエーターファンと取り外したラジエーターファンのカバー)
ファンのカバーは少々ごつい感じである。
金網部分は、もう少し細かいとよさそうであるが、適当なパーツがあれば交換することも検討したい。
キャブとボンネットは、キャブ側を少し広げるようにしてボンネット側に掛かる爪を外すと簡単に抜くことができる。
(ボンネット部からキャブを抜き取るく)
続いて、キャブおよびボンネットの手摺り・氷柱切り・解放テコ等を外してゆく。
軟質プラスティックの手摺りは、ピンセットでゆっくりと引き抜けば外すことができた。
前面およびキャブ窓横の手摺りは、金属線が芯になっていて、白いビニールの被膜を被せているような造りになっている。
強度とともに形状が崩れないようにするための工夫なのだろう。
手摺りは金属線への交換をしたいところであるが、前面の複雑な形状を再現できるか自信がない。
(キャブから窓ガラスパーツなどを外す)
運転台の表現されたキャブの床部分は、窓ガラスのパーツに引っ掛けてある爪を外すと抜くことができる。
窓ガラスは、まず側面側を外してから正面側を外した。
破損しないように特に注意した。
キャブの屋根上パーツを外せば、上体の分解は終了である。
(キャブから側面水切り、信号炎管、ホイッスルカバーを外す)
ホイッスルカバーはホイッスルも一体に整形されているが、少し大げさな表現のように思う。
実物も目立つパーツであることは間違いないのだが、実車と模型の板厚の違いが大柄なパーツをより大きく見せているようだ。
この辺りも市販のパーツとの交換を検討する項目の一つである。
さて、車体の分解ができて、塗装を落としてからモールド表現の手摺り類の金属線化などは進められる目処が付いた。
しかし、問題は下回りである。
13mmゲージへの改軌は、チカラずくで何とかなるとして、DCC化はかなりハードルが高そうである。
(ボディ内部一杯のモーターと動力伝達部分)
折角のディーゼル機関車なので、是非ともサウンド化はしたいのであるが、DCCデコーダーとスピーカーを収めるほどの余裕は見当たらない。
検討している方法は、二つある。
一つ目は、両軸で伝達される全軸駆動の動力を、片軸にして一方の台車を無動力化し、モーター軸やギアケースなどを削るなどして空間を生み出し、そこにデコーダーとスピーカーを押し込む方法である。
片軸駆動とした場合のパワー減少がどの程度となるか不安であるが、そもそも貨車数両の牽引で様になる機関車なので、多少のパワー不足は何とかなりそうにも思える。
もう一つの方法は、モーター自体を径の細いコアレスモーターなどに置換えて空間を確保するものだ。
モーターの置換えは、スムーズな運転のためのバランス調整が難しいし、コストも掛かる。
それだけの見返りがあるか不安も大きい。
いずれのやり方にしてもリスクは高いので、悩みどころだ。
いっそサウンドを諦めれば、小さなデコーダーで対応できそうではある。
その辺が落としどころなのかもしれない。
そんな訳で、しばらくは下回りに手を付けることがないだろう。
カプラーだけは外しておいた。
(分解が終了した車体とパーツ)
この後、車体は塗装剥離のために、イソプロピルアルコールに漬ける。
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