(飯田線クモハ52004を含む4両セット)
KATOの飯田線旧国シリーズのラインナップに、いよいよ流電が加わりました。
同シリーズは、1978年に豊橋機関区の戦前型旅客用電車が80系に置き換わる前の時代を選んで製品化されているようですが、そうなると流電は欠かせない車輌です。
その中で、両端がクモハ52の編成は敢えて外して、一方をクモハ54100代としたのは、少し不思議な感じもします。今後の展開として、両端が流電となる編成を企画しているのであれば嬉しいことなのですが、果たしてどうなのでしょうか。
(パッケージ)
製品は4両用のブックケースに収められており、ホビーセンターカトーから発売された「飯田線旧形国電用車両ケース」ともマッチします。
(ケースから取り出した編成)
完成度のレベルは、これまでのシリーズと比べても違和感はありません。
(クモハ52004)
張り上げ屋根の残る美しい車体が再現されています。ヘッドライトケースが青色なのも クモハ52004 のポイントです。おでこの辺りのラインは、流電の印象を大きく左右する箇所ですが、サイドから見ても、とても良くイメージを掴んでいるのが分かります。
側面は、飯田線旧国シリーズ第1弾の合いの子 クモハ53007 と同じなので手馴れた感じです。
(サハ48034)
流電の中間車として“モハ52”とともに京阪神間にデビューした サロハ66 を出自とする サハ48034 は、その窓配置に特徴があります。
また、戦前型でありながらノーシル・ノーヘッダー、切妻の車体は、クモハ52 の仲間であることがよく分かります。
(サハ75106)
編成中で唯一の戦後生まれである70系サロ75の格下げ三扉化改造車が、サハ75100代です。妻面を見ると、他の車輌とは屋根のカーブが異なるのも上手く表現しています。
豊橋機関区には数両あって、製造年度による台車の違いなどを見ることができました。
(クモハ54119)
飯田線シリーズでは、すでにクモハ54100代を製品化済みですが、今回の車輌は戸袋窓がHゴム化された車体を持ったものです。
クモハ60をセミクロスシート化したクモハ54100代は、飯田線にかなりの数が配置され、最晩年まで残った仲間も多くありました。しかし、細部を見れば色々と違いを見ることができ、この辺りが旧形国電の興味の大きな部分を占めているのだと思います。
いずれも1978年に運用を終えた車輌で、戦前型最晩年の1983年まで残ったものはありません。
実車にこだわる場合には、時代設定も重要なポイントになります。例えば今回製品化された車輌では、119系との競演はありえないのです。
(流電の造形をみごとに捉えている)
クモハ52004 を拡大してみると、パーティングラインが少々目立ちますが、プラスティックの量産品としては仕方の無いことでしょう。
気になるのならばサンドペーパーなどでヤスリ掛けすればよいのですが、前面の複雑な塗分けの再塗装がネックになるかもしれません。細密化と併せて検討してみたいと思います。
テールライトの処理は苦心した様子が窺えますが、点灯化と形状のバランスを考えれば満足のいくものとなりましょう。
クモハ54119 には付属パーツのケーブル付きジャンパー栓を取り付けてみました。青色のパーツですが、ケーブルは模型用の油性ペンで黒く塗っています。
早速、レイアウトに置いて走行テストと撮影を行いました。
走行はスムーズで、とてもよく走ります。近年のNゲージモデルとして、まったく問題がありません。
レイアウトに置くと、車体が綺麗過ぎるのが気になります。飯田線の旧形国電は、よく手入れされていて車体は綺麗だった印象がありますが、やはり床下や屋根上はウェザリングを施すべきでしょう。
ウェザリングと合わせて、手すりやパンタグラフ周辺の配管を別パーツ化するなどのディテールアップを図れば、その魅力は増すと思います。
写真のレイアウトとは別に制作中のモジュールは、やはり飯田線をイメージしたものであり、完成を急がねばなりません。
願わくは、Nゲージで展開している飯田線旧形国電シリーズを1/80スケールの16番モデルで製品化してもらえないものか、と夢想しています。
このままのディテール表現でサイズアップするだけでも十分だと思うのですが。
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