気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

ひるがほ

2010-09-15 00:07:40 | きょうの一首
くつきりと折目ただしく蕾みゐるひるがほのやうな日傘をひらく
(河野裕子 体力)

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河野裕子さんの歌には、よく昼顔と日傘が登場する。『ひるがほ』という歌集もあるくらいだ。
この歌では、「ひるがほ」に至るまで、丁寧に昼顔の描写がされて、そのあと昼顔が日傘になって、ぱっとひらく。「ひるがほ」「日傘」「ひらく」の「ひ」音の重なりが明るい。漢字とひらがなの配分も絶妙。