気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2008-08-25 22:20:18 | 朝日歌壇
ぐっすりと眠れたあとの星空は星の間にまた星見える
(岩手県 奈瀬あすみ)

性別のあること時に煩わしあまつさえ空の虹にもありと
(岡山市 秋山素子)

少しずつ人は魚になるだろう魚は人にならないだろう
(高槻市 門田照子)

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一首目。熟睡できたあとの満足感がよく伝わってくる。それにしても、星の見えるときに目覚めるとはすごい早起き。作者は、何歳くらいの方なのだろうかとふと気になった。
二首目。八月四日の朝日歌壇に載った歌「朝かげに男虹と女虹たちたれば黄のひとすじがきわだちて見ゆ」(豊橋市 小村宏)を踏まえて詠まれたのだろう。返歌ともいえる。私もどちらかと言えば、秋山さんの意見に賛成。サッカーもマラソンも女子がやって当たり前の時代になった。問われるのは、その人の個性で性別ではないと思う。
三首目。オリンピックで、選手のドルフィンキックを水中から映した映像を見ると、ほんとうに魚のように見える。訓練の結果、魚のような動きを人間が習得することは出来る。しかしその反対はないという。意外な発想でハッとさせられる歌。

お盆が済んでから、すっかり涼しくなってしまった。あんなに勢いのあった百日紅やノウゼンカズラも、衰えてきて、外では秋の虫が鳴いている。日の暮れの早いのもなんとなくさみしい。秋ですね。