BIKEBIND自転車日記ブログ2

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バイク・アヘッド・コンポジット謹製、MTB用フルカーボンキャストホイール

2012-04-03 01:13:00 | 自転車
おー、MTB用のキャストホイール、久々に見ました。中国製とかはアリババとかでよく見ますが、本物の方です(笑)。

数年前にヨーロッパのどこかが作っていたのですが、気がつけばサイトがなくなっていました。うーん、ここじゃないと思いますよ? それより前ならブエルタやスピン、シュピンゲルとかが作っていましたし、キャストとは言えませんが、フルカーボンのバトンホイールはスピナジーもありましたね。

このバイク・アヘッドのおもしろいところは、最新のスペックに対応しているところです。それはフロント:クイック&15ミリスルーアクスル、リヤ:クイック&12ミリスルーアクスルというハブ規格のみならず、26インチクリンチャー&チューブラー、29erクリンチャー&チューブラーという最新タイヤ規格にも!















http://www.bike-ahead.com/





はい、それでいて重量も1250グラム以下というのですから、すごいものです。これはさすがに26インチチューブラーのもっとも軽い例でしょうけど。でもMTBホイールでここまで軽いのはなかなか大したものです。さらにキャストホイールということを考えればなおさら。ハブはアクロスを流用しているようです。

さすがにDHに使ってはいけませんが、XCやマラソン使用に向いているようです。重量からいっても当たり前ですね(笑)。でもこの軽さを実現しているのは工業大国ドイツならではのこだわり、プリプレグを用いたオートクレーブ釜による焼成です。おお! MTBホイールでもついにオートクレーブ製が出てきましたか! すごいですね。価格はチューブラーバージョンが2779ユーロ(約30万5000円)、クリンチャーバージョンが2879ユーロ(約31万5000円)なのでまあまあでしょう。

自転車、特にMTBでスポーク、すなわちテンション構造ホイールが使われてきたのは、重量に対しての振動吸収性や柔軟性に優れているからです。逆にこのバイク・アヘッドのようなキャスト、すなわちコンプレッション構造ホイールは重量に対して剛性やエネルギーの伝達性に優れます。基本的に衝撃吸収機構を備えない自転車は、ホイールにその任を兼ねさせていたため、特殊な用途以外にキャストホイールは用いられなかったのです。特にMTBでは衝撃が他の自転車とは桁違いなため、それを逃がす何かがないとホイールのみならず、フレームにまで破損が及んでしまいます。

サスペンションが備わっているフルサスならいい気もしますが、今ある製品はホイールの振動吸収性を前提としているため、完全に対応できるとは思えません。このバイク・アヘッドのホイールはその軽さに秘密があるのではないかと。すなわちホイールの性能としての軽さだけでなく、カーボンの層をほどほどに押さえることで、しなるホイールにしようとしたのではないかと。6本のバトン部分の交点がずらしてあるのもそのためかと。もちろんこれは乗ってみないとわかりませんが……。

スタイルもインパクトがありますし、29erチューブラーというジャンルにおいては数少ない選択肢の一つです。

そそるものがありますねえ……(ニヤリ)!