新型ディスクブレーキ
2010年モデルとしてR1を登場させ、軽量ディスクブレーキの頂点に立っている
フォーミュラ。日本では使用する人は非常に少ないですが、kシリーズで信頼を取り戻し、The ONEシリーズで実績を残し、今では急速にシェアを回復しつつあります。
でも日本ではイマイチ。
それは自業自得なんですけどね……。まあ初期の製品が酷かったんです。というかKシリーズが出てくるまでもう絶望的でした。それは設計とかデザインではありません。精度です。シール系の精度が安全パーツとして筆頭に出てくるブレーキとは思えないほどダメだったんです。ショップの手に負えないのはザラ。問屋に送り返してもダメ。ついでに本国に送り返してもダメ。とどめは新品に替えてもらってもダメ。
……救いようがありませんね(苦笑)。
ですがパッドコンタクトシステム搭載モデルを作り始めてから、風向きが変わってきます。設計者はエイヴィッド・ジューシーシリーズと同一人物です。そしておそらく会社も変えたのでしょう。あれだけダメだったシール系が改善されました。ホンダチームを使っていたことも信頼を裏付けました。
今回のブレーキはオールマウンテンクラスの製品のようです。
最大の目玉は
スレーブシリンダーのピストンです。
なんとオーバル、楕円です。MTBでは多分初となります。テスト中のアケボノも試していますが……、出てこないブランドに期待するのは止めましょう。私はもう期待するのを止めました(苦笑)。単純にパッドを押す面積が増えるので、多ポット化と同じような効果があるでしょう。
XC&オールマウンテンサスペンションフォーク
完組ホイール
アルミクリンチャー
カーボンチューブラー
http://www.bikeradar.com/news/article/formula-unveils-ultra-powerful-disc-brake-25795
なんでしょう? この世界の動きは。まるで示し合わせたように様々なメーカーが今までの専門外のジャンルにまで手を伸ばし、コンポーネント化を進めています。
そして今回はイタリアンブレーキブランドのフォーミュラもサスペンション、ホイール分野に参入です。
MTB黎明期からフォーミュラはMTBディスクブレーキをリリースしてきました。ブレーキは足まわりという言葉があるように、フォーク、ホイールと密接な関係があります。フォーミュラは同国メーカーであるマルゾッキと開発を進めていました。サスペンションは当時、作製できる会社が非常に限られていたので当然の成り行きだと思います。
ですがそれも昔の話し。
フォーミュラは自前のフロントサスペンションを用意していました。全ての人が寝耳に水ではないでしょうか? そしてホイール。
XC~オールマウンテンといっているのに、80と115ミリの可変(内蔵スペーサー式)というところにちょっと時代のズレを感じますが……。まあピュアレーシングということで。インナーチューブを33ミリというヘンなサイズにするところにイタリア人魂を感じます!アウターはマグネシウム。コンプレッション、リバウンドアジャスト、ロックアウト機能付き。重量は1400グラムとのこと。
XCユースの完組ホイールです。アルミ製クリンチャーリムとカーボン製チューブラーリムという、ある意味かなりニッチな市場に挑んできました。29erも用意してくるようです。重量はアルミモデルが1400グラム、カーボンモデルは1200グラムを目指しているようです。
一応昔はハブも用意していました。ディスクブレーキ専用です。エドコ製でしたね。ディスクローターの穴数すら定まっていない時代でした。今回はそれらとは全く別物と考えた方が良いでしょう。フランジを大きく取り、ストレートスポーク対応とすることで剛性を高めているようです。スポークはサピムですね。
スルーアクスル仕様を作っていないのが、ちょっとばかりアンテナの感度が低い感じがします(苦笑)。20ミリは要りませんが、Eスルータイプは欲しいところです。
なんとも現物を見ないと評価しがたいですが、日本には入ってこないんでしょうね……。
R1
RX
MEGA MY10
http://www.formula-brake.it/en
ブレーキは充実してますよ。シマノが価格で分けているのに対して、フォーミュラは用途で分けています。
最注目は
R1
です。セットで263グラムという軽さ! 制動力も十分らしいです。