BIKEBIND自転車日記ブログ2

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予想されていた事態が起こりましたね。

2010-04-06 02:32:00 | 自転車
以下引用

 イタリアの自転車メーカー「ビアンキ」ブランドの自転車の前輪が外れて転倒し、後遺障害が残ったのは製品の欠陥が原因として、茨城県つくば市の会社社長、中島寛さん(60)らが5日、製造物責任法に基づき、輸入元でビアンキの親会社の日本法人「サイクルヨーロッパジャパン」(東京都千代田区)に約1億6000万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

 訴えによると、中島さんは08年8月、自転車で出勤中に前輪がサスペンション部分から外れて転倒、頸椎(けいつい)を損傷し、首から下がまひする障害が残った。自転車は大阪の業者が設計、サスペンションは台湾企業製だが、原告側は輸入元に賠償責任があるとしている。


引用終わり

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100406k0000m040084000c.html

もうすでにあちこちで話題に上っていますね。自転車事故の話しです。

私は非常に複雑な心境です。

立ち位置は自転車界であるんですが、その一方で被害者が頸椎損傷と聞けばその方の気持ちも十分分かるのです。

でもですね、ほとんどの自転車屋には分かっていたはずです、

「ああ、来るべき時が来たな」

と。



自転車という乗り物が、何年経っても車検もなく、組み立てに国家資格も要らないという状態に胡座をかいて手抜き自転車を作っている店は山のようにあります。さらに大型量販店のように組み立て師の資格を持っていてもろくでもない自転車しか組めない店があるのもまた事実です。

たまに書いていますが、いわゆるスポーツバイクにはJIS規格などの認定基準はありません。

それはスポーツバイクに必要とされる強度を含む諸々の性能が、JIS規格を遙かに上回っているからです。ようするにJIS規格を通ったくらいでは、時速50キロや80キロの速さや10メートルのジャンプには絶えられないのです。

ですがそのことを逆手に取り、悪利用している業者も多いです。山を走れないMTBルック車。折り畳みと言いつつ、ペダルを手で回すように指示してある小径車。

一般車に目を移せば、5000円や10000円の製品があり、大手を振って売っています。修理に何度持っていっても直らない。直ったと言って戻ってきてもなんだかヘン。そもそもが誤った組み立てなので、もう直しようがない。近所の自転車専門店に持って行っても、断られてしまう……。

このような事態が山ほどあります。

私も近所のホームセンターで購入した自転車の修理を断ったことが何度もあります。それは恨みとか、ひがみではありません。自転車で困っている人の力になれないのは私にとっても本当に残念なことです。

理由は簡単なんです。

修理をしていて他のところが壊れていない保証がないから。それは正しい修理をして局所的に直ったとしても、結局自転車が直らない可能性があり、きちんと修理したが為に、その自転車が壊れてしまうという訳の分からない事態が存在するからです。

でも忘れないで下さい。そういう自転車を選んだのは自分だということを。車両という自分の命を預ける機械にお金を掛けたくないと、そのような製品を選んだのは消費者なのです。

スポーツ車はある程度の価格ですが、一般車はもう目が当てられないほど酷いです。それには相応の能力しかありません。3人乗りの自転車が高い! と言っている人。あなたの目は曇っています。節穴です。パソコンは安くて性能が低くても使い手が死ぬことはありませんが、自転車は最悪の場合、死にます。ブランドバックを何万円もの価格で購入する。基礎化粧品を1万円くらいで購入する。それは自由です。でも子供と自分の命を預ける乗り物に対しての比較する感覚くらいは、きちんと養いましょう。他人が、国が、法律が自分を守ってくれるなんて幻想です。


今回の事例も、一見すると輸入元、販売店が悪いように見えます。ですが7年間もメンテナンスしていない車に乗るのが無謀なように、7年間も適切に手入れのされていない自転車もまた、知っている人間からすれば事故が起こって当然とも言えるのです。

どちらの言うことを信じたらいいのか……。

また追記したいと思います。