BIKEBIND自転車日記ブログ2

BIKEBINDの自転車日記ブログの移転先。過去が消えるのも忍びないので…。

ファストフォワード上陸!

2010-04-12 23:48:00 | 自転車
オランダの新興ホイールメーカー

ファストフォワード

FFWDというのが略称です。最近海外の完成車などに付いていることがありますね。コガミヤタのカーボン限定モデルにも付いていました。今年はプロチームに供給も始め、注目度は随一のメーカーです。

ホイールシリーズで書きたかったのですが、いかんせん色々な書きたいことが多すぎて……。そしたら日本に輸入が始まるという話しではないですか! か、書かなければ……。


スリー


F2R


F4R


F5R


F9R


F4R-C


F6R-C

http://www.ffwdwheels.com/products.asp?idCategory=77

ここに挙げた以外でもディスクホイールやパワータップモデルもあります。

ホームページを見ると様々なカテゴリーに分けられていて、かつ製品数も多いので混乱するかも知れません。基本はリムハイトです。そこから240とか名前が付くのはハブの違いです。主にDTスイスのハブを使用していて、もっとも高級なモデルはセラミックベアリングを使っているようです。

そして最後にCと付いているのはクリンチャーモデルです。ビード部分はアルミ製ですね。

なので

チューブラー(フルカーボン)
リムハイト 20ミリ、38ミリ、50ミリ、90ミリ。

クリンチャー(カーボン×アルミ)
リムハイト 38ミリ、58ミリ

の6種類のリムがあり、それと各グレードのハブを組み合わせるというシステムです。

製品の中でオリジナルなのはリムだけ。他は高性能な既存品をつかうという、ある意味潔い作りです。今後こんなブランドが増えるのかもしれませんね。まあ巨人トレックグループのボントレガーも随分長いことDTのハブの世話になっていましたから……。間違いはまずありません。



そして今回日本に輸入されるモデルです。

……2つだけです(涙)。

でも悪くないところをついていますよ。なにより価格が良い!

F5R 240S
チューブラー対応 ハブ:DTスイス240S スポーク:DTスイスエアロライト 重量:F595グラム R765グラム 価格:19万4250円



F2R 240S
チューブラー対応 ハブ:DTスイス240S スポーク:DTスイスエアロライト 重量:F460グラム R590グラム 価格:22万5750円 制限体重80キロ




使われるのはDTスイスの240ハブ。ファストフォワードのラインナップでは真ん中のモデルです。

特筆すべきはスポークです。あえてJベントタイプを使っています。しかもニップルはアルミではなく真鍮製(緩み留め付き)。ここにこのメーカーの信念があります。汎用性、修理の容易さ、そして耐久性。このホイールはいわゆる完組らしくない完組ホイールです。カンパやマヴィックのように全てを専用設計にしたモデルとは違い、どちらかといえば昔からの手組ホイールの発展系ではないかと私は受け止めています。



そしてリム。決して超軽量ではないんですが……、これかなり良さそうです。

図でも分かるとおり、スポーク部分に補強板を備えています。素材は分からないのですが、繊維系ではないでしょう。これがもたらすメリットは……、ズバリスポークテンションです。

ジップは100キロあまり、衝撃的な軽さと強さを持つエッジで150キロあまりがテンション強度の限界です。ところが! ファストフォワードのリムは300キロというデタラメな強度を持ちます。

走りの軽さの演出には様々な手法がとられますが、スポークテンションを上げる、結線するというのは基本的な手法です。ファストフォワードはカーボンリムとチューブラータイヤに振動吸収性を担当させ、スポークは走行感のためにテンションを上げる道を選んだのでしょう。

最近は少なくなりましたが、昔の軽量カーボンリムはニップルもしくはスポークホール部分が盛り上がったり、白くなってしまい寿命を終えたやつが良くありました。対策として応力を分散させるためにワッシャーを入れたり、特別な接触面の広いニップルを使ったりしました。ですがこれは決定的な解決策ではありません。

このリムは、カーボンといえば軽さを全面に押し出したモデルにインパクトこそ劣りますが、使い込んでいけば本当の価値が分かる良品だと思います。

http://jpsg.co.jp/ffwd/

惜しむらくは、クリンチャーモデルがまったく入ってこないこと。一つくらい欲しいですね。F2Rが制限体重のある決戦ホイールなので、F4R-Cくらいが欲しかったですね。

また悩ましい選択肢が現れましたね。

エンデューロ・リヤサス用ニードルベアリング

2010-04-12 21:05:00 | 自転車
やるな!

エンデューロ!







これだけだと分からないですよね。


ぬりゃ!











http://www.enduroforkseals.com/id275.html

ショックアイ
ニードルベアリングコンバージョンキット


そう、これはサスペンションユニットのエンドアイに取り付ける、レデューサーの代わりに取り付ける
ニードルベアリングです。

いやいやいやいや、素晴らしい!

こういう物こそチューニングキットだと思います。メーカーがコスト削減のために敢えて踏み込まない部分にこそ、カスタムメーカーの出番があると考えています。

エンドアイの部分は誤解の多いところです。

ある人はオイルをさせ、ある人はグリスが良い。ある人は放っておけ。緩いくらいが良いなんて人もいます。

ここは厳密な意味で言うとベアリングです。外側に出ているアルミ製のレデューサーとユニット本体との間にブッシュ(ドライベアリング)が入っています。使用に従って減っていきます。ですから定期的な交換が必要です。だいたいレデューサーのほうが先に交換時期が来ます。これらが消耗することで、本体にダメージが行かないようになっています。

そしてこの部分には油脂類は一切差してはいけません。

これはフォックスの場合ですが、ほとんどのリヤサスユニットに当てはまります。ただしDTスイスのようにピロボールが入っている製品などは異なります。

専用の圧入工具が必要なほど硬いですが、わずかに動いているのです。この硬さ、渋さも設計の内に入っていますから、ココを変えるとユニットのダンピング特性なども変更しなくてはなりません。

一部のショップなどがカスタムとしてニードルベアリングに換装する作業を請け負ったりもしています。旧テックインも自社の製品にスペシャルチューンとして行っていました。

動けばいいというのは、数世代前のサスペンションの概念です。今は必要に応じて必要なだけ動かすというのが主流です。そのためコンプレッションダンピングが強めになり、ロングストロークでもペダリングロスが少なくなったのです。

ですがそれはそれ。

ストローク感があるサスペンションは、やはり魅力的です。私が旧マルゾッキを愛しているのも、剛性感やダンピング特性などもありますが、ひとえにストローク感が素晴らしいからです。

このキットを導入すれば、今のバイクのストローク感をもう少し出したい、伸ばしたいという人は納得できるでしょう。上下変えても50ドルという価格からは考えられないほど、リヤサスは動くようになります。

逆にもっとペダリングロスを無くしたい人や、挙動を落ち着かせたい人には向きませんのでご注意を。


事故の追記

2010-04-12 20:46:00 | 自転車
遅くなりました。例の事故の追記です。長いので別立てにしました。

いやあ、正直反響の大きさにびっくりしました。でも一方で世界のスタンダードがなんだとかではなく、日本人的な良心がまだまだ生き残っているなあとも思いました。言われなくても分からなければいけないことがありますよね。

ではスタート。



http://www.dailymotion.com/video/xctluq_bianchi-rstyyyyyyyyyy-1-2_news?start=289

この前のだけだと、自転車屋が

「ああ、来るべき時が来たな」

と思う理由が分かり辛かったですね。

このブログはどのような人が見てくれているか、私はさっぱり分かりませんが(苦笑)おそらくはある程度のレベルに達している人だと思います。基本的にあんまり解説もしていませんし。もともとが『私が好き勝手に書く備忘録』というのがこのブログのスタンスですから。

ですけど、ちょっと検証のために基本的なことを書きます。

自転車はどうやって販売されていると思いますか? 

そもそも自転車は車やオートバイのように乗れる状態で店には来ません。5分組みや7分組み、8分組みといった仮組の状態でやって来ます。一昔前はもっとバラバラでした。これを良しとする店もあれば、余計なことをするなと思う店もあります。

そして自転車をきちんと販売したいと思う店は、自転車をバラして点検することから組み立てを始めるのです。100万円の自転車でも8万円の自転車でも何処のメーカーでも大体同じです。メーカーが組んでくる自転車は基本的に当てになりません。だからバラすのです。自分の目で確認するのです。自分で販売した商品に責任を持つために。そしてよりよい性能を引き出すために。

私が始めて自転車を組んだときは、先輩から一台25分で組むことが目標と言われました。今の自転車はそんなことは絶対に無理です。ホイールから見つめ直さなければいけませんから、4時間くらいは掛かります。ディスクブレーキが付いていれば、一晩は様子を見たいところです。

通販業者はそこの部分の責任を取らないんです。購入者も困ったときだけリアルショップを当てにする。面白いわけないですよね。私は通信販売をすべて否定しているわけではありません。実生活において私も確実にその恩恵を受けていますから。ですが前にも書いたように正しく直したのに直らない、と言うような事態もあるので、余計に手を出したくない。適切な組み立て、適切なメンテナンス、適切な説明を果たしていなかったであろう自転車がこうして壊れ、人に甚大な被害をもたらしたのです。

本来は人はどこでどのような自転車を買っても良いはずです。近くの超有名店で何万円も出して組もうが、通販で自分で組もうが自由なはず。ただし問題を起こさない限りは。自分の整備技量に自信があり、他人のせいにはしない人は通信販売でも良いのだと思います。

『来るべき時』とは、ちゃんと組み立てもメンテナンスもしていなかった製品が壊れただけではなく、売った店が責任を取らない、メーカーもそんな店に卸すという良くない事実が被害をもたらす事態が出てきたということです。

ですがそのなかでばらさない部分があります。それは『シフター内部』と『前後のサスペンションユニット』です。リヤサスペンションのリンク部分はオフロードバイクに強い店ならバラしているところも結構ありますが、全体の3%にも満たないでしょう。前後ユニットをバラしている店は99,99%ないと言ってもいいです。世界中のほとんどのショップでも、ここは製造メーカーを信じるしかないわけです。現在ロードでもMTBでも主流のインデックスシフターもそのままです。それを疑りだすと、自転車はもう販売できないくらい手間が掛かってしまいます。この部分がおかしいと、丸ごと交換かメーカーへ送り返すという店も多いでしょう。

「サスペンションの中身を何年かに一度点検しろとは聞いてなかった」と原告は言っていますが、通販ですからなんの忠告も聞くことはなかったのは当たり前です。ですが付いてきた説明書があったはずです。ひょっとしたら英語版だけかもしれません。数万円、数十万円する商品に日本語の説明書がないというのも理不尽な話しですが……。でも保証期間くらいは読めたはずです。

フレーム以外は各メーカーの保証期間に準ず、というのは必ず説明書に書かれています。そしてサスペンションはメンテナンスをしていても2年くらいの保証しか付いていないのが通常です。それも最初に渡される説明書に書いてあります。

ロックショックスを例に出すと、20時間とか、30時間という非常に短いスパンでのメンテナンスを呼びかけています。



http://www.sram.com/en/service/rockshox/view.php?catID=1&subcatID=12



RSTも同様です。2007年のデータは見つからなかったのですが、2008年のクロスバイク用のサスペンションの注意書きです。





http://www.rst.com.tw/ct/techsupport/techsupport.jsp?v=TI1248688912715&y=TI1248687464382

当たり前なんですが見ての通り、1年間やら放置して良いとは何処にも書いていません。それどころかあまり激しい走り方をしない人でも4ヶ月に一度はきっちりとしたメンテナンスが必要と書かれています。ここらのメーカーは日本だけでなく、世界中に製品を送り出しています。もちろん訴訟大国アメリカにも。ですから手抜かりはないでしょう。



ココまでの文脈で私がショップに行って整備すべきだという主張を持っているのが、なんとなく分かると思います。なんでリアルショップに行くことを勧めるのか? 自転車のような簡単な機械なら、自分で何とか出来る。組み立てだって、点検だって。という人もいますが、自転車は車両です。不具合は乗っている人と点検をする人が見つけ出すものです。両方をこなすことが出来る人はごくわずかであることを知ってい置いて欲しいです。

その一方でショップがすべて分かるわけでもありません。自転車なんかに超音波検査などやっていられないですよね? それこそ元の価格の何十倍の費用が掛かってしまいます。そこまでいかなくても、打撃音で検査するなどの方法もありますが、そのようなスキルは自転車整備士にはありません。

一般の人が検査するより信頼度は遙かに上ですが、それでも完全に防止できることはありません。

台湾製や中国製だから悪いと言うことは全くありません。この二つの国の大量生産技術は世界トップです。しかし粗悪品のあります。それは日本製でも当たり外れがあるのと同じです。ここは忘れないで欲しいところです。

歴史を紐解いても分かるように、事故を起こさない乗り物はありません。どんなに気をつけていても、最新技術をもってしても、世界最高のメカニックが組み立てたとしても。ですから点検が必要で、乗っている人間にも不具合を見つけ出す責任が課せられているのです。それは誰でもなく、自分が自分の命を守るためです。分からないなら整備代が掛かったとしても、恥を忍んで知っている人の意見を仰ぎましょう。


サスペンションに目を移してみましょう。





ニュースではサスペンション内部のスプリングだけがアウターレッグとインナーチューブを繋ぐ役割を果たしていたのが問題だと言っています。

私はこれは違うと思います。

内部のコイルスプリングが錆びて割れていました。これは間違いありません。ですがこのような使い方をしている人なら、例えストッパーが入っていたとしても、そのストッパーが錆びて折れてしまうまで使い続けたでしょう。

更に言えば、スポーツバイクは軽さも重大な要素です。そのために余計な部品は付けないというのも方法論としてはありなのです。シール性の甘さと水抜きが無い構造は頂けませんが……。

結構前に書いたのですが、サンツアーの最初のサスペンション・デュオトラックを数年前にメンテしたとき、当時と変わらない性能を持っていたのに本当に驚かされました。取り付けてからおそらく15年近く経っていたはずです。エラストマ樹脂を使っているモデルは中身がぼろぼろになっていることは普通ですが、コイルスプリングモデルはそこまでダメになっている例を見たことはないですね。激しいアクションで壊したのはザラにありますけど。


怪しいのはアウターレッグ(おそらくマグネシウム製でしょう)が左右バラバラに成っているのです。これは一体?

私はこのスプリングの錆び方、折れ方、アウターレッグの壊れ方を見ると、適切な維持をしていなかったように見えるのです。



断言ではありませんが、この人はおそらくウソも言っています。

このクロスバイクを乗る前にロードバイクを5年近く乗っているようです。フレームはデローザ、コンポはカンパですね。通算8年ほど。いわゆる普通のサイクリストと言えます。これだけのキャリアがあるなら、自転車の多くは台湾製や中国製であり、いくつかの経路を経て販売されているということを知らないと言うことはまずないでしょう。

整備も自分でしていたと言っていますから、ヘッドチューブかシートチューブに書かれている『MADE IN TAIWAN』などのステッカーを見逃していたというのは、まず考えられないことです。このステッカーは義務ですから、無いはずはありません。ですが彼はイタリアで作っていたと信じていたと言っています。うーん?

もしなかったとしたら、販売店から疑い始めなければなりません。それなのに輸入代理店から攻め始めたというのは……。

「当ブランドは信頼できる店にしか卸していません」なんてご大層なディーラー制度を敷いている割に、タダ単に昔からの付き合いで売っているブランドは数知れず。今の自転車メーカーは厳密な意味で言うとメーカー(生産者)ではありません。アッセンブラーというかプロデューサーという言葉が適しているでしょうか。

自転車を細分化すれば2000~3000くらいのパーツに分けられると言います。このなかで実際にそのブランドが作っているのは……、フレームとフォークくらいなのはザラです。0というところもあります。塗装のグラフィックだけなんていうのも普通ですね。これを良いこととするか、悪いこととするかは皆さんに委ねます。

ただここまで高性能な自転車が手に入れやすくなったのは、まぎれもなくこのシステムのおかげです。その昔、スポーツバイクは本当に高価だったのです。



ですがそのなかで、

売りっぱなしの店。

通信販売。

すでに出されていたRSTフォークの不具合通知。

そのままにする消費者。そもそも全て価格で選んでいるのは当人です。

今回のショップは訴えずに輸入代理店を訴えるというのも、原告の中では何か考えがあるのでしょう。



正直今回の事故、訴訟は三者とも私は信用できません。被害者、輸入代理店、販売店どれにも誠意を見いだすことができないのです。なにかしらうさんくささを抱えています。正直、勝手にやっていてくれというのが本音です。真面目なショップ、真面目な乗り手にこんなことが影響をもたらすなんて馬鹿らしいと思いませんか?

もちろん実際に被害者がいて尋常ではない怪我なので、それ自体を責めるようなことはしたくありません。四肢麻痺の体の辛さは尋常ではありません。死んだ方がマシだろうと思うことは四六時中です。ですが責任の在りかというと私は疑問符がともるのです。

ただこれが社会問題に発展してきている以上、我々にも何かしらの影響があるでしょう。車やオートバイなどの他の乗り物の方が何百倍もの事故や事件を起こしているのにも関わらず、自転車はほんのわずかでも何故かつるし上げられることが多いです。


良心的なサイクリストに良からぬ影響が及ばないことを祈ります。

なんだか上手くまとまっていないですね(汗)。まだ推敲が必要なのかもしれません。