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その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

いざ、出陣!

2011-04-09 21:46:25 | ロンドン日記 (日常)
明日のパリマラソンに向け、ユーロスターでパリへ。ロンドンも天気が良いが、パリは完全な夏だった。ポロシャツ一枚が丁度いいくらい。明日は暑さとの戦いになりそうだ。

それにしても「華の都」とは良く言ったものだ。ロンドンと比べなんと、光と色彩が豊かなことか。ここで印象派が生まれ育ったのも納得がいく。

明日は、「がんばれ、日本。がんばれ、東北」シャツを来て、日本代表の気持ちで走ります!


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佐々木俊尚 『キュレーションの時代―「つながり」の情報革命が始まる』 (ちくま新書)

2011-04-09 05:17:29 | 
 最近(2011年2月)発刊された新書を入手したので読んでみました。筆者はインターネット等最新の技術動向をいち早く紹介し、ツッイターでも多く価値の高い発言するITジャーナリストです。本書は、ツイッター、フェイスブックなどのソーシャルメディアが、メディア、人々の行動様式、社会をどう変えていくのかを論じた現代社会論です。

 タイトルにあるキュレーションというのは、人が物事を観る枠組みを提供するキュレーターが行う「視座の提供」の行為を指します。元々の意味合いである博物館や美術館の「学芸員」が、展覧会や企画展において、世界中にある作品の情報を収集し、集め、一定のなんらかの意味を与えて展示する行為です。そして、本書ではその行為を拡大させ、美術館、博物館を超えて、インターネットに流れる情報のノイズの海からあるコンテキストに沿って情報を拾い上げ、クチコミのようにしてソーシャルメディア上で流通させる行いを指しています。

 筆者は、この世の中は、「一次情報を発信することよりも、その情報が持つ意味、その情報が持つ可能性、その情報が持つ「あなただけの価値」、そういうコンテンツを付与できる存在の方が重要性を増している」。「情報爆発が進み、膨大な情報が私たちのまわりをアンビバレントに取り囲むようになってきている中で、情報そのものと同じぐらいに、そこから情報をフィルタリングするキュレーションの価値が高まってきている。」「「情報」と言うものの価値を180度転回させる、画期的なパラダイムの転換」(p242)とキュレーションを位置づけます。社会は、ある情報を選んで、意味付けし、皆と共有する世の中になっていくのです。

 本書ではこのキュレーションをキーワードに、社会が、これまでのマスコミを中心としたパッケージ消費や「記号」の世界から、ソーシャルメディアに存在する無数のキュレーターの重層構造の中で「自己の世界の意図的な境界(セマンティックボーダー)」が組み換えられる世界に移行していることを、様々なエピソードとともに示してくれます。

 まだ一度通読しただけなので、どこまで筆者の意図を理解しているかは、私もまだ自信がないです(とっても読みやすいですが、構造的にしっかり読むのは結構苦労する本です)。が、本書そのものが、世の中を見る新しい「視座」を提供してくれることは間違いありません。自分の頭で今起こっていること、自分が行っている行為の意味合いを考えるきっかけになる本です。お薦めです。

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