遠方からご来店頂くお客様も多く、納車後そのまま自走されて帰られる場合は、帰宅されるまで心配です。事故や違反についても要注意ですが、整備で作業する場合は、細心の注意を払い、試乗で確認もしていますが、部品を交換した際は、新品部品が周囲の部品と馴染むまで、少し時間が必要な場合もあるので、納車時にご説明を行っています。
コンディションレベルチェックパックとステムベアリングの交換でお預かりです。群馬ナンバーですが、大阪のお客さんです。自走なところがスゴイです。
クーラントは、エンジンオイル混入や漏れ等は無さそうです。
エンジン始動前と始動中の油面です。ホイールを交換し、前下がりな姿勢の車両の場合、点検窓の位置も前下がりなので、注意が必要です。
いつも車載状態で、バッテリーの点検を行っています。その場合は、スターターリレーに接続されている太いプラス配線とバッテリーのマイナス端子で測定しますが、プラス端子面の接触が悪いようなので、バッテリーを取り出してバッテリー単体で測定すると下記のようになりました。
電気接点の場合、接触面の変形や、錆びや焼け、変色等で導通が悪くなっていることもあるので、接触面(接点)の清掃も重要です。
エンジン始動前と始動後(ヘッドライト消灯時)の電圧です。充電系は、平気そうです。
バッテリーが液式の場合は、車載で液面の点検は可能です。リアホイールが右にオフセットされているため、若干フロントタイヤを右に切って直進しているので、フロントタイヤの右側が偏摩耗しています。
前後タイヤですが、製造後、4年弱で、偏摩耗もあるので交換した方が良いと思います。
フロントブレーキはノーマルで特に問題は無いのですが、左側のキャリパーで、押え板とピンが逆でしたので、修正しました。
ブレーキキャリパーについては問題ないと思いますが、バックステップで、ペダルを踏んだ際、マスターのロッドを引くタイプ(純正は押すタイプ)ですので、効きづらいことと、ロッドの角度が斜めだったので、なるべく角度が付かないように修正しました。
前後ブレーキ及びクラッチのマスターは問題ないともいますが、リザーブタンクが色付きだと劣化がわかりにくいです。
よくあることですが、バッテリ-交換の際、イグニッションコイルが装着されているプレートの前側の差し込み部で、グロメット紛失やフレーム側に差し込まれていないケースが見られます。
ガソリンタンクは、錆びもなく平気そうです。エアクリーナーボックス下部のゴムファンネルのバンド部で、変形もあり、バンドを締めてもキャブレターから浮き上がるので、ゴムファンネルは交換した方が良いです。
フロントフォークは、オイル漏れや錆もなく平気そうです。
リアサスは、オイル漏れもなく平気そうです。
エアクリーナーは、K&N製で、問題無いと思います。洗浄後のオイルを塗る際は、要注意です。ダイヤフラムは回転や作動不良は見られないので、平気そうです。
タイヤ交換時に釣り上げた際に引っ掛けたのか、ステムベアリング上部のカバーが曲がっていたので修正しました。ベアリング自体は、今回交換しました。
スパークプラグは、NGK製JR8Cです。今回交換した部品類です。ステムベアリング交換の際に、フロントフォークのダストシールは交換しました。ガソリンタンクのブリーザーパイプがエキパイに当たっていたので、修正しました。
最終チェックと試乗です。特に大きな問題は無いですが、前後タイヤは、交換した方が良いです。純正Vブーストコントローラーは、作動不良があるので要交換です。作業内容はオーナーにお伝えし、無事納車になりました。
2022.10.30 作業担当 ヤダ(矢田)