Vmaxで有名なVブーストですが、ヤマハのV4&Vツイン系にもフルタイムVブーストでしたら装着可能です。今までに装着した車両は、ロイヤルスター、ドラッグスター400、XV400、SRV&ルネッサです。現在は、ドラッグスターとSRV(ルネッサ)のみ作業を受けています。
今回は、初期型のSRVでしたが、過去に某SR専門店で、手がけた車両のような気がします。細かくは変わっていますが、当時使用していた部品が装着されていました。特に、ステップは、SR用のABM(ドイツ製)のステップのパーツを使用し、SRV用に製作しました。懐かしいです。
本題ですが、今回、持ち込まれたときに、社外2イン1マフラー、直付けエアクリーナーの状態でした。マフラーの抜けが余り芳しくなく、しかもキャブ直付けエアクリーナーで、負圧が掛からず、ノーマルより遅い状態でした。
とりあえず各部チェックと調整を行い、走行できるようにし、作業に入りました。マフラーは弄れないので、最初にキャブレター同調を行い、Vブーストを装着しました。充填効率を上げるため、ノーマルのファンネルを装着し、その上にエアクリーナーを装着しました。
最初に試乗したときの調子の悪さは少し緩和されていますが、ノーマルに勝てません。やはり排気が思わしくないので、バランスを取るため、吸気を絞ることにしました。つまりリストラクターです。
写真では判りづらいですが、キャブに純正ゴムファンネルを装着した上で、エアクリーナーを装着して、そのエアクリーナーの表面積を上から透明なカバーを被せて、減らしました。吸気制限です。どれくらい絞るかは、マフラーとの組み合わせによって変わります。これで、吸気流速が上がって、負圧が掛かるようになり、ダイヤフラムがスムーズに開くようになったので、高回転側のセッティングです。
SRVは、キャブレターを車載で、セッティング可能なので、楽です。奥に見えるインシュレーター間の部品がVブーストジョイントです。
セッティングは、スロージェット交換、パイロットスクリュー調整、メインジェット交換です。ニードルは微調整に使います。
キャブに負圧が掛かりにくいエアクリーナーなので、相対的にメインジェットを大きくしないとガソリンが出ませんでした。一般的に、エアクリーナーを交換したり、ファンネルにした場合、ジェット類を交換しますが、吸気効率が上がった場合は、吸気流速も上がり負圧も上昇するので、ジェット類は、大幅には、上がりませんが、逆に負圧キャブで、吸気流速が落ち、負圧が下がった場合は、大幅にジェットの番手を上げないと、ガソリンが出てくれません。このあたりが負圧キャブの難しさです。(レーシングキャブレターは、エアクリーナーが無い状態で、考えられているため、逆にエアクリーナーを装着した場合のほうがセッティングが難しいです。)
結果として、各ギアで9000回転まで、引っ張れ、テストコースで、メーター読み130km/hオーバーでまだ加速中でしたが、減速せざるを得ず、そのままであれば、140km/hを越えられたと思います。プラグの焼けもまあまあなので、セッティング終了です。(ノーマルで、最高速アタックはしたことがありませんが、性能曲線図で見ると平坦路で、実測140km/hぐらいですので、メーター読み150km/h弱ぐらいかと思います。)
余談ですが、ノーマルキャブ、ノーマルエアクリーナー、ノーマルマフラーで、Vブーストを装着したほうが速いと思いました。
今回は、負圧キャブをいかに機能させるかで苦労しました。負圧キャブに直付けエアクリーナーは難しいです。
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