ヤマハ専門に、30年間2輪業界に在籍、主にVmaxの整備中心です。意見感想は、個人主観です。連絡先はカテゴリに有ります。
PrivateFactory ベイカーズストリート V-max Garagename Right-arm ライトアーム


★2014年2月20日付で、VMG大原は、退職いたしました。

★勤務先:Right-arm 
ホームページアドレス:http://www.right-arm.jp/←※クリックでホームページ出ます。
 〒202−0014 東京都西東京市富士町5−1−17 ←※クリックで地図出ます。
 ℡:042−497−6758 
お電話を頂く場合は、営業日の営業時間内でお願いいたします。

 定休日 毎週月曜日 営業時間:AM11:00〜PM20:00
※月曜日が祝日の場合、定休日は、火曜日に振替になります。

 作業担当 ヤダ マサオ(矢田 正夫)

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年末年始ですが、勤務先のVMG大原は12月30日~1月4日まで、休業です。ブログについても、基本的には、お休みです。来年もよろしくお願いします。

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新型VMAXですが、インテークを少しいじって試乗しました。


DNA社製リプレイスタイプエアクリーナー

インテーク部分加工

ダクト加工

※排気系は、マフラー加工及びEXUP全開固定です。

上記3ヶ所を変更したのですが、特に目立った不具合も出なかったので、ECUの補正が掛かっていると思われますが、どこまで、補正範囲があるかは不明です。

店が終わってから、夜、試乗に行きました。吸気温度表示は、一般道で、10℃ぐらいでした。1kmほどゆっくりと走ってから、信号で、普通に発進(アクセル開度1/3以下)しようとしたのですが、1速で、ホイールスピンを起こし、前に進めず、一度戻してから、再度開けたのですが、戻した際はグリップしましたが、アクセルを開けたと同時に再度、ホイールスピンが始まり、仕方が無いので、2速に上げてから、加速しました。タイヤと路面の温度が低いので、仕方が無いかと思いましたが、更に10kmほど走行しても、少し開けると、ホイールスピンを起こすので、1速での加速はあきらめました。あまりアクセル開度を開けずに、回転を上げていっても、6500回転付近で一度ホイールスピンをおこしてから、再度回転が上昇していきます。2速では、加速できますが、やはり6500回転で、一瞬グリップしません。高速に乗り、5速100km/h走行時、2速落として、アクセル全開だと、ホイールスピンと同時に加速が始まります。この時点で、吸気温度8℃でした。

翌日、昼間の気温と路面温度が高い時間に、再度試乗したのですが、夜よりは、マシとはいえ1速でのフル加速は、グリップしないので、出来ませんでした。アクセルを開けても、前に進まないので、結果的に速く走れなくなりました。ただ、この状態だと6500回転以下では、トルクが出ていると思われますが、6500回転以上では、力が抜ける印象があり、結果的に遅いと判断しました。純正R-ECUのままで、サブコンによる補正は行なっていないので、6500回転以上のショートファンネルに切り替わった時点で、燃調がずれている可能性もあります。

乗った感想については、旧型VmaxにダイノジェットST-7を組んだときのフィーリングに似ています。今回の変更は、吸入通路のみなので、吸気流速及びダクトも含めた吸気管長の変更になります。仮に燃調について、補正があり問題が無かったとすると、吸入空気量と充填効率の違いによるものだと思われます。やはり新型VMAXは、設計が新しいので、一部を変更しても、影響が大きく、間違えると性能ダウンにつながるので、難しいと思いました。




結局、ダクトの穴の有無、インテークの穴の有無で、4通り(エアクリーナーはDNA製を選択)の組み合わせがあったのですが、とりあえずインテーク加工と純正ダクトを使用することにしました。フィーリングは、先日のセッティングと比べて、1速でも発進でき、6500回転以上の伸びの確保も出来たので、しばらくの様子見です。ただ、1速全開加速は、出来ません。半分以上開けると、前に進まなくなります。

今回思ったのですが、アクセルを開けても前に進まない仕様は、遅いですが、ある意味安全です。タイヤがグリップすると前輪が上がってしまい、転倒の可能性があります。後輪がホイールスピンを起こしても、乗車姿勢が変わらないので、アクセルでコントロールできますが、前輪が上がると、乗車姿勢が不安定になり、しかも後輪しか接地していないので、バランスを崩しやすく、アクセル及びリアブレーキでのコントロールが難しくなります。個人的には、座っている位置からリアタイヤが遠いので、ホイールベースは、旧型の方が好みですが、走行安定性という意味では、ホイールベースが長いほうが、挙動変化が緩やかなので、良いとは思います。ただ、2本ショックで、ホイールベースの短いプロトタイプに一度乗ってみたいといつも思います。



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06モデルで、純正マフラーを加工したので、セッティングを変更しました。



キャブレターボディの水平を狂わしたくないので、通常のジェット交換であれば、連結を外さず、フロート室のみを分解し、各ジェット交換と油面調整を行なっています。




右側が、組み込まれていたスロージェットで、左側が、部品で注文すると出荷されれる部品です。逆車各年式、国内仕様を問わず番手は違いますが、部品番号の種類は同じです。ただ、キャブレター自体に入っている部品については、初期型~2005年までは、左側、国内仕様と06~07モデルは、右側のパーツが使用されていることが多いようです。国内仕様を販売している時期に、ヤマハサービスに問い合わせを行なったことがあったのですが、番手が同じであれば、形が違っても問題ありませんとの返答でした。実際には、形状が違いまた、ガソリンを吸い上げる位置が違うので、セッティングに影響が出ます。右側の方が位置が低いので、相対的にガソリンが薄くなります。左側に組みかえると、番手が同じでも濃くなります。今回は、06モデルでしたので、スロージェット交換、油面調整、スローエアジェット交換、メインジェット交換を行い、パイロットスクリュー分解調整、同調調整を行いました。ただ、いままでの状態があまりよくなかったので、燃焼状態が安定していませんので、しばらく走ってから、状態を再チェックです。

先日のインテークの件ですが、一応再検証を行ないました。


キャブレターをエンジン側から見た写真で、上側が、パイロットスクリューで調整されるポートで、下側が、スロットルバルブを少し開けたときに機能するポートです。


キャブレターを。エアクリーナー側から見た写真ですが、スロットルバルブを気持ち開けると丸印のポートより、ガソリンが吐出されますが、開けていくと吐出が止まります。

最初に、キャブレターボディのみを戻し、ダイヤフラムが無い状態で始動しました。チョーク系統は、別通路なので、ダイヤフラムが無くても機能します。エンジンを始動し、アイドリングを行い、スロットルバルブを開くと、少し回転が上がりますが、開けすぎるポートからのガソリンの吐出が止まり、メイン系に移行できないので、エンジンがストールします。


ダイヤフラムを装着し、エアクリーナーボックス無しで、回転をあげた場合、途中でダイヤフラムが上がらなくなります。


エアクリーナー下部を装着し、ファンネルのみで、始動します。少しマシにはなりますが、回転が上がりづらいです。


エアクリーナー無しで、蓋を戻した状態だと、一応上まで、吹け上がります。蓋を戻す前に、簡易的にファンネルを2倍の長さにしてみたのですが、やはり、大気圧が掛かり過ぎる為、うまく吹け上がりませんでした。エアクリーナーボックス内が、大気圧より低い内圧になっていないと、作動が不安定になります。インテークの横に来ているホースは、フロート室のエアベントホースです。



ファンネルの長さを考えて見たのですが、新型の短い状態のファンネル端からバルブまでの長さを簡単に計算すると、約9000回転で、脈動効果が最大になり、長い状態については、約6500回転で脈動効果が最大なると思います。これは、切り替えポイントと最大出力回転数にあっていますので、計算式について間題は無いと思います。ちなみに旧型の長さを計算すると、約7000回転で、脈動効果が最大となる予定ですが、国内仕様の最大出力回転数は、7000回転なので、あっているとは思います。逆車の場合、最大出力回転数が9000回転なので、ファンネルは、約9cmほど短い方が、計算上は、脈動効果が最大となります。また、脈動波については、設定回転数の半分の回転数でも作用しますので、旧型の場合は、3500~4000付近で、一度出力の山が発生し、一度谷になり、再度出力が上昇します。旧型のショートファンネル化については、時間があれば、再度検証してみたいと思います。ただ、旧型については、切り替え機構が無いので、最高出力回転数に合わせた場合、低回転での出力が低下する恐れもあります。ダメなマフラーでよくあるのですが、最高出力はノーマルと同じか、少し落ちるのに、低中回転域が更に落ちていて、音だけ大きく、体感的に速くなったような気がするマフラーがあります。人間、音が大きいと速く感じることがあり、排気音や吸気音が大きいとごまかされることが多いと思うので、気をつけたいと思います。



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先日から、新型VMAXのインテークをどうするか思案中なのですが、旧型との比較も含めて、考えてみました。個人的な思考をまとめる為に順を追って書いていますので、ちょっと面倒な内容です。過去の整備例や症状から、考えていますので、専門的な方から見れば間違った内容があるかもしれません。その際は、ぜひコメントを頂けるとうれしいです。考えるのが好きなので、日々、このようなことが頭の中を巡っています。


新型VMAXのカットモデルです。


旧型VmaxのVブーストオフ時。


旧型VmaxのVブースト全開時。

新型のカットモデルを見ていらいVブーストジョイントを着けた場合、どうなるかをずっと考えているのですが、新型の場合、もともとスロットルバルブ径が大きいので、前後をつなげた場合、相対的に大きすぎるのではないかということと、インジェクションの噴射タイミングとインジェクターの向きの関係で、接続する意味が無いような気がして、思案中です。噴射タイミングを変えられればと思います。ただ、吸入空気量に対して、スロットルボディの径を計算しているはずなので、無駄に終わる可能性大です。

新型と旧型の違いは、インジェクションか負圧キャブレターの違いですが、吸気に大きな差があり、インジェクションは、入るだけ空気を入れて、見合った量のガソリンを噴射すれば良いのですが、キャブレターの場合は、シリンダー内部の負圧とエアクリーナーボックスの内圧との差を利用し、ダイアフラムを上下させ、ジェット類より、ガソリンを吐出しています。

一般的に混合気を吸い込むと表現していますが、実際の状態は次のようになります。ピストンが下降し、シリンダー内部の圧力が下がることにより、負圧が発生します。また、空気中は大気圧なので、正圧(1気圧)です。ここで、圧力差が生じますので、空気は、圧力の低い方に移動します。この際、キャブレターを空気が通過しますので、キャブレターの構造により、ニードル部分付近の圧力が下がります。キャブレターのフロート室上部(ガソリン油面より上)は、エアベント(空気穴)により、大気圧に保たれていますので、この圧力差により、ガソリンが押し出されます。

このように旧型は、大気圧とエンジンの負圧で、混合気の吸気を行なっていますが、新型は、ガソリンにポンプで圧力を掛け、強制噴射していることが大きな違いです。

シリンダー内部への混合気の充填効率は、慣性過給と脈動効果により左右されます。簡単に表現すると、通勤時、電車のホームに人がたくさんいて、空の電車が来た場合で、電車のドアが開いたと同時に、人が乗り込みはじめ、隙間無く乗り込みますが、乗れるだけ乗ろうとして、人が乗り込み、車両内部が圧縮されます。いっぱいになったところで、ドアが閉まりますが、閉まらないと駅員さんが押し込み、ドアを閉めます。

駅の改札口がエアクリーナー、ホームがエアクリーナーボックス内で、人が空気、車両内部がシリンダー、ドアがバルブと考えると想像しやすいと思います。改札から入った人たちがドアの開閉位置に並び始め、人数が増えると密度が増していきます。静止していた人たちがドアが開くことによって動き出し、一定の速度で、乗り込み、限界まで、乗り込もうとして圧縮されます。最後の駅員さんの一押しが脈動効果に似ています。慣性過給と脈動効果の説明は長くなるので、省きます。

エンジンに戻りますが、回転数とエアファンネルの長さによって、充填効率が変わりますが、新型は、回転数によりファンネルを切り替えています。

過去に、旧型Vmaxの充填効率が変わるかどうか実験したことがあり、ノーマルのエアクリーナーボックスを使用し、ファンネルの長さを、純正、中間、ショートの3種類で、試したことがあります。充填効率から言えば、ファンネルの長さを変えれば、その長さにあった回転数での効率が上がるはずですが、実験では、ダメでした。


原因を考えて見たのですが、空気の充填効率は上がっていると思われますが、それに伴うガソリンが供給されていなかったようです。


キャブレターの場合、大気圧と負圧の圧力差で、ガソリンが吐出されます。スロットルバルブのエンジン側が負圧になっていて、ファンネルより上側が、エアクリーナーボックス内圧になっています。スロットルバルブがほとんど閉じている状態では、ファンネル内部もボックス内圧とほぼ同等です。

アイドリング付近は、スロットルバルブよりエンジン側が負圧なので、アイドルポートよりスロージェットとエアジェットにより計量されたガソリンがパイロットスクリューの調整範囲で、吐出されます。

スロットルバルブを若干開けると、補助ポートより計量されたガソリンが吐出されます。ただ、空気は流れているので、ニードル部分にも負圧が発生し、若干ながらメイン系統からもガソリンが吐出されます。

無負荷運転(空吹かし)で、このままゆっくりとアクセルを開けていくと、マニーホールド部分の負圧は上昇します。ただ、スロットルの隙間が狭い為、流速は上がっていきますが、ダイヤフラムが上がるほどの吸入空気量にはなりません。ただ、ある程度以上回転をあげる場合は、それなりスロットルバルブを開けることになりますので、途中で、ダイヤフラムは動き始めます。

無負荷運転でも、アクセルを急開すると、吸入空気量が増えるため、ダイヤフラム部で圧力差が発生し、ダイヤフラムが動きます。この時点で、空気が流入する為、マニホールド部分の圧力は、ボックス内の内圧(正圧)に近くなります。ダイヤフラムの作動は、ゴムの部分に掛かる圧力差とスプリングのテンションのバランスによります。また、ダイヤフラム部の役割は、吸気流速をなるべく一定に保ちながら、吸気流量を増減させることにあり、このため、アクセルを急激に開閉してもダイヤフラムは、エンジンの必要とする流量以上には、開閉しないようになっています。

強制開閉式のキャブの場合は、手で、コントロールするため、必要以上に開けると流速が落ち、回転がスムーズに上昇しません。

負圧式キャブは、アクセルを開け、吸入空気量が増え、回転が上昇していくと、スロットルバルブ付近の圧力が上昇し、フロート室の圧力との差が無くなってくるため、スロー系統からのガソリンの吐出が減り、逆にニードル付近の流速が上がり、メインノズル付近の圧力が下がってくるので、フロート室との圧力差で、吐出量が増えてきます。ダイヤフラムが上がりきる直前までは、ニードルの形状とノズルの関係が影響します。最後は、メインジェットの範囲にはなりますが、全てが影響しあっているため、どれかを交換すると全体に影響が出ます。

高回転時でも、アクセルと閉じたときは、再びスロー系統から吐出されています。スロー系統、ニードル、メインジェットの役割分担は、スロットルバルブ前後の圧力差で、決まります。キャブレターのセッティング説明で、各ジェットの役割分担が表示されていますが、スロットルバルブの前後の圧力差を考えると理解しやすいと思います。

以上を踏まえた上で、ファンネルの長さの違いを考えます。ここで、脈動効果ではなく、先に吸入慣性について考えます。スロットルを開けて、吸入する場合、空気が停止している状態から移動し始め、流速が上がります。ですので、吸気抵抗を考えなければ、口径が細い方が、流速が速くなり、ファンネルが長いほうが、スタート地点が遠いので、ニードル部分に来るまでに流速がある一定まで上昇します。ニードル部分での流速が違うと、負圧が変わってくるので、メイン系からのガソリンの吐出量に影響があります。

過去に単気筒で実験を行なったことがあり、おなじ車両で、キャブレターの口径を変えた場合、無負荷運転でおなじ回転数でもセッティングが違っています。また、おなじキャブレターを使用した場合でも、ファンネルの長さによって、セッティングが変わってきました。口径を大きくした場合と、ファンネルを短くした場合は、ジェットの番手を大きくする必要が有りました。吸入空気量が同じだったとすると、流速が落ちた関係で、圧力差が小さくなり、吐出力が落ちたので、結果としてジェットの穴を大きくしてガソリン流量を補ったと思われます。

過去に旧型Vmaxで実験を行なった際は、セッティングは変更せず、単純に、ボックス内部のファンネルの長さを変えただけでした。厳密に言えば、セッティングを行ない、ガソリン量を補えたと思いますが、基本使用が街乗りなので、低回転のトルクが細くなると乗りづらくなると思い、それ以上の実験は行ないませんでした。

上記内容を実際の経験に置き換えると、旧型Vmaxで、エアクリーナーボックスを使用していた場合、エアクリーナーを外してみる、もしくは、蓋を開けたままエンジンを始動してみると、アクセルを開けても吹けが悪い、もしくは、回転が上がらなくなるという状況になります。また、キャブレターにエアクリーナーを直付けした場合(ダイノジェットST-7等)、メインエアジェットを絞り、メイン系のガソリンを相対的に濃くしないと、回転が上昇しないことも同様の理由になると思います。

慣性過給の件ですが、空気が、圧縮性流体(体積が変化)であることと、いったん流れ始めると急には停止しない為、インテークバルブが、閉まった後も流れが止まらず、バルブ付近の空気(混合気)が圧縮されて行きます。この時点で、バルブが開くと密度の濃い混合気がシリンダーに入ります。また、脈動効果ですが、バルブが開閉すると、圧力変化がおきるので、圧力の波が発生します。この波は、バルブから、マニーホールド、キャブレターボディ、ファンネルと伝わっていき、性質上、開端部(ファンネル)で反転します。反転した波が、バルブ付近に到達したときに、バルブが開くと、より圧力差で、吸入効率が上がります。前述の電車の乗客の例です。

慣性過給と脈動効果については、バルブからファンネルまでの距離とエンジン回転数により、決まります。結果として、高回転重視の場合は、ファンネルが短く、中低回転重視の場合は、ファンネルが長くなります。ようやく本題に、たどり着けそうです。以上のようなことを、いろいろ考えているうちに、新型VMAXのボックスをどのように加工すれば、メーカーの設計意図から外れず、効率を上げるか悩んでしまいました。



この部分で、通路が絞られている為、インテークから入ってきた空気の速度が落ちることと、アクセル急開時の吸入抵抗になる可能性もあったので、穴を開けてみました。開けすぎのような気もしますが、ダメでしたら塞ぎます。


一番悩んだのが、この部分です。確かにエアクリーナーの面積に対して流入通路を絞っていますが、外していいものかどうか悩みました。


まず、この裏側にブリーザーパイプが来ています。


内部で、ファンネルが上下するので、ファンネル入口横付近は、安定した空間とするためカバーしたいと思います。

切り取ってしまうと、元に戻せないと困るので、穴を開けてみました。この状態で、しばらく様子をみて、パワーチェックをしてみたいと思います。



流体の性質として、流れやすい部分から入って行きます。また、流れが発生した時は、真ん中が一番流速が速く、壁面に行くにしたがって流速が落ちていきます。ただ、写真のように穴を開けてしまうと、ボックス内と外側の圧力差により、流れが発生しますので、センター入口部分の流速は落ちます。アクセル急開時については、急激な圧力変動がありますので、必要な吸入空気量が確保できる吸入口面積が必要です。ただし、流速とのバランスがありますので、大きければ良いということではありません。

インテーク部分のみ考えてきましたが、実際は、排気系も関係し、排気効率によって、吸気効率も変わってきます。スムーズに排気できないと、吸気が出来なくなります。抜けの悪いマフラーの場合は、吸気流速も落ち、それに伴い、ガソリンが出なくなるため、プラグの焼けが白くなる場合もあると思います。マフラーを交換する場合、交換前に、エアクリーナーボックス入口に手を当て、アクセルを煽ってみて、吸気状態を覚えておきます。マフラー交換後に同様のことを行った場合、排気効率が上がっていれば、手に感じる負圧が上がり、排気効率が落ちていれば、手に感じる負圧が落ちます。

長くなるので、排気については、別の機会に考えたいとおもいます。

晴れたら、今週、試乗をする予定です。

今回の考察は、個人的な覚書ですので、訂正する場合もございます。






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最近、新型VMAXの記事が多いですが、基本的に担当している仕事を記事にしているので、どうしても新型が多くなりますが、旧型も引き続き作業を行なっていますので、よろしくお願いします。

新型VMAXのマフラー加工をVMG大原のカスタムメニューに加えることにしました。

金額は、チャンバー室加工が、¥73,500.-(税込)
サイレンサー加工が、¥78,750.-(税込1個)になり、
チャンバー室とサイレンサー2個の加工を行なうと、
全部で、¥231,000.-(税込)になります。
内容は下記の写真を参照して下さい。


左側が、逆車のチャンバー出口パイプで、右側が、国内仕様ノーマルです。


加工後の左側出口です。パイプ径拡大とバッフル除去です。この後、耐熱ペイントを行ないます。


加工後の右側出口です。パイプ径拡大とバッフル除去です。この後、耐熱ペイントを行ないます。


パイプ切断後、バッフルを除去します。


加工後の内部です。シームレス(繋ぎ目無)の引き抜き材を使用し、なるべく溶接痕が、内部に出ないようにしています。


サイレンサーについては、内部を作り変えないと逆車と同様の内径に出来ないので、新たに製作しました。サイレンサーカバーがチタン製なので、溶接を掛けるために、内部もチタン製の部材を使用し製作しています。


加工後のエンド部分です。


取り外した国内仕様の部品です。チタン製なので、もったいないですが、不要部品なので、廃棄です。1000km使用部品ですが、排気通路が分かれる部分は、排気が当たり、熱を持つので、焼けています。チタン製フルエキゾーストなどの、エキパイも曲がっている部分や、集合部分で、排気が直接あたる部分は、同様に焼けてきます。ちなみに、サイレンサーは加工を行なうと、排気効率は、逆車と同様になりますが、チャンバー室については、EXUPの径と長さが違う為、逆車仕様と比較すると、5%程度の出力減が予想されますが、排圧が掛かる為、トルク的には、上がると思われます。デモ車の出力については、前述の記事を参照して下さい。

新型VMAX パワーチェック 3


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しばらく前から、聞いていましたが、正式発表になったニュースです。

http://www.presto-corp.jp/news/n20091207_01.php

09モデルより、国内仕様が発売になり、逆輸入を行なっていなかったYZF-R1ですが、2010年モデルより、取り扱い再開になりました。R1については、ヤマハのリッターバイクで人気車種ですが、09モデルよりプレストコーポレーションが輸入を取りやめ、国内仕様のみ正式販売となっため、販売台数が伸びなかったようです。結局、他の業者が、09逆車を輸入していました。どういう経緯で、輸入再開になったかは、聞いていませんが、新型VMAXも取り扱い再開を望みます。09モデルの逆車について、販売及び登録が行なわれている現状がありますので、規制に適合しないという理由は、該当しないと思います。輸入再開にあたり、車体ではなく、販売政策上の問題はあるかとは思いますが、正式輸入により、販売価格が下がれば、購入しやすくなるかとは思います。


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先日、EXUPのチェックが終わったので、インテーク関連のチェックです。まず、エアクリーナーボックスのインテーク部分ですが、取り外してしまうと、左右のインテークダクトが固定できなくなることと、ある程度整流して吸い込ませたかったので、部分的に穴を開けました。





2枚目の写真の丸印の部分で、通路が絞られていたので、その部分の上側に、穴を開けてみました。中に見えるのが純正エアクリーナーです。この状態での試乗ですが、低回転域だと吸気流速が落ちるためか、少し緩慢になりました。ただ、中回転域から上では、ある程度吸気流速があり、空気が連続して流れている為、アクセルの開度への反応が早くなった気がします。旧型については、負圧キャブレターだったので、負圧と大気圧をキャブレターに掛ける必要がありましたが、新型の場合、インジェクションで、ダイヤフラムが無いスロットルボディなので、出来るだけ流速を上げて、大気圧(正圧)を掛けた方が良いと思われます。加圧は無理でしょうが、なるべく大気圧に保ちたいと思います。





次に、エアクリーナーですが、以前から使っていたK&N社製は、まだ、発売されていないので、同様の構造で洗浄可能なエアフィルターにしました。今回は、ギリシャ製のDNA社製です。クリーナーオイルの色も赤く、メッシュで、フィルターもコットン、ベース部分も黒なので、メーカー名を見なければ、似ています。



装着状態ですが、この後、上側のカバーを戻します。エアクリーナーは、純正リプレイスタイプなので、カバーを装着することが前提で、固定ステーなどは、入っていません。

純正エアクリーナーからの交換後、試乗を行いましたが、吸気抵抗が低下したのか、レスポンスが向上した気がしますが、補正を掛けていないので、トルクが落ちた気もします。

次にエアクリーナーボックス内部を、加工し、しばらく様子を見た上で、パワーチェックを考えています。



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先日測定し忘れたR-ECU仕様の騒音と排ガスを測定しました。騒音については、アイドリング時、0.5dB増加、3750回転時、0.4dB増加、4000回転時、0.7dB増加、排ガスが、国内仕様を1とすると、アメリカ仕様が1.5倍、R-ECU仕様が2倍ぐらいの測定値です。ただ、排ガス規制値と比べるとCOが1/100、HCが1/20程度です。現状で、騒音、排ガスとも規制値をはるかに下回っていますが、加速騒音はわかりません。仮に超えてしまった場合は、その際に対処したいと思います。

次ぎのチェックとしてEXUPをキャンセルし、全開にしてみました。



とりあえずのチェックの為、EXUPモーターは、外していません。ワイヤーを外すとスプリングのテンションで、EXUPバルブが、全開ストッパーの位置で止まります。外す前にチェックしましたが、アイドリングから3000回転付近までは、少し空いている状態で、3000回転付近で、いったん閉じる方向に回転します。その後、4500回転で、動き出し、全開になります。通常のEXUP(他車種)の制御のように回転で、開度が変わるのではなく、開閉のみなので、加速騒音対策の意味合いが強いかと思われます。EXUPの作動ですが、ギアを入れて、後輪を回転させないと開きません。今回は、スタンドに乗せ、リアホイールを回転させてチェックしましたが、少し危険です。個人では、行わない方が良いと思います。EXUPについては、本体は取り外さず、電気的にキャンセルさせています。カプラーを外しただけだと、エラーになり、セーフモードになると思います。キャンセラーを接続しないのであれば、ワイヤーをモーターから外しておけば、元に戻しやすいと思います。下側のバルブ側のみ外した場合は、ワイヤーが作動してしまうため、仮に引っかかるとエラーになりますので、モーター側もはずした方が良いと思います。再接続する場合は、診断モードで、全開位置調整が必要です。チャンバー室を脱着した場合も、位置及び張り調整が必要です。

EXUPバルブが全開の状態で、騒音を測定してみました。作動時との比較ですが、アイドリング時で、0.5dB低下、3750回転時、0.8dB増加、4000回転時、0.2dB増加でした。一定回転を保つと思ったより静かでしたが、アクセルの開閉を行なうと排圧が下がっているので、少し増加したようです。

試乗時の印象ですが、思ったよりトルクの低下も無く、アイドリングでも発進できます。EXUP作動時の2000~3000回転時のトルク変動が滑らかになったので、逆に乗りやすくなりました。低回転時のトルクは落ちていると思われますが、スムーズなので、乗りやすく、アクセルを開けやすくなっています。ただ、アクセルの急開については、排圧が下がっているので、回転上昇が速く、また、トルク変動が急激になる為、ホイールスピンを起しやすくなっています。しばらく様子見です。



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仕事で受けた車両ですが、始めて見るリアサスです。雑誌等では、見たことは有りましたが、実物は初めてです。ただ、リアサスのみで、フロントのスプリングなどの設定は無いようです。



今回は、リアサスを交換し、フロントとのバランスが崩れて、フロント周りが弱く感じられるということでしたので、とりあえずセッティングできるように、小物パーツを交換しました。



リアサスについて、詳細が不明ですが、スプリングのレートが上がっているとのことでした。スプリングを見るとプログレッシブタイプでしたので、とりあえずノーマルのスプリングを使用することにしました。走行距離が8000kmぐらいだったこととスプリングの自由長が規定値範囲内だったので、交換はしませんでした。ただ、インナーについては、ダンピング通路の穴を加工し、少しダンピングを上げました。オイルについては、流動抵抗の低いタイプの#7.5相当の種類を使用しました。もともと2004~2007年の車両は、純正で、インナーが変わっているので、ダンピングが変わっています。また、インナーの違いにより、スプリングの長さも長くなっています。今回セッティング用にイニシャルアジャスターを装着したのですが、調整用のアルミワッシャーの厚みが3mmあり、純正よりは、3mmイニシャルが掛かった状態になります。



現状で最弱です。リアサスとの組み合わせもあり、今回、イニシャルを抜くことがないとの判断により、カラーはそのまま組んでいます。ただ、今後、フォークスプリングを交換する場合は、再加工が、必要かとは思います。

基本的に、サスペンションは、前後セットで、開発されることが多いので、リアサスを交換した場合は、同じメーカーのスプリングに交換したほうが、合わせやすいと思います。

最近、新型VMAXの出力を変えて試乗することが多かったのですが、サスペンションのセッティングは、変えずに走行していました。その際、同じ車両で、おなじサスでも、エンジン出力や特性が変わると、サスの印象も変わりました。車体とバランスだけではなく、出力特性とのバランスも重要だと思いました。

旧型についても、車体関係は、つめる余地がまだあると思うので、デモ車で行なって行きたいと思います。

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