車両の作業優先のため、ブログを書いている時間がなかなか無いです。メールも頂きますが、同様になかなか返信できません。部品の製作もできないので、在庫のある商品は、ヤフオク出品商品のみです。ひとりで行っているため、手が2本しかなく、対応不足の面は、ご了承ください。よろしくお願いいたします。
コンディションレベルチェックパックでお預かりです。外装を外して点検です。絶版のUSヤマハ製のバックレストですが、鋳物で、分割組立てのため、純正のグラブバーより剛性がありません。また、取付部のサイズが違うため、シートレール補強ユニットがそのまま付かず、装着するには、バックレスト側の部品を削りこむ必要があるので、大変です。
キャブレターの点検調整を行いますが、パイロットスクリュー部の圧入栓が入ったままだと調整ができませんので、圧入栓を抜いて作業します。ヤマハ純正のエアクリーナーですが、汚れと劣化があるので、ヤマハ純正新品かK&N製に交換をお勧めします。
Vブースト部のジョイント部のバンドは、ストッパーが無いので、締め付け過ぎなことが多く、しばらくたつとゴムジョイントが切れはみ出してきます。ゴム類の締め付けは、締めすぎないことが重要です。現時点で、エアの吸い込みはなかったので、触らないで、調整します。
ダイヤフラムですが、分解はしていませんが、1番、3番気筒(後ろ側2個)が回転していたので、とりあえず穴を既定位置(真下)に修正しました。負圧検知用の穴ですが、真下が既定位置(負圧が掛かりやすい)ですが、回転するとずれていき、最悪真上な場合があり、その場合は、負圧が掛かるのが遅れるため、アクセルを開けた時の反応(ダイヤフラムの開き)が遅れます。
スパークプラグは、NGK製JR8Cでしたので、そのまま使用です。バッテリー上部は、いつも取り付けや部品の有無、リアバンクのプラグコードの刺し込み具合を確認します。
プラグキャップは、写真の純正でしたが、新車時の部品のままです。
クーラントは、エンジンオイル混入や漏れ等は無いです。
クーラント交換時に使用するラジエター下のオンオフバルブがありますが、写真の状態だと、通路がオン(開)のままなので、サーモスタットが機能せず、エンジン始動直後からラジエターが機能しているため、暖気が遅くなります。夏はまだましですが、冬場は、水温が上がりにくいです。正常位置は、前から見て、逆文字になりますが、オフが右上で規定値(閉)です。ウォーターポンプの下側穴からエンジンオイルが滲んでいます。漏れる量が増えたらオーバーホールです。
ツヤ出しでシリコン系スプレーを使用される方が増えてきましたが、拭きとらないと埃や汚れが付き、時々オイル漏れと迷ううことがあります。
エンジンオイルの点検窓で、エンジン始動前と始動後です。
前後ダンロップ純正タイヤ(ホワイトレター)ですが、フロントが2013年製造で、偏摩耗もあるので、要交換です。リアは2019年製でした。
フルードは、3カ所とも色(劣化)がバラバラでした。クラッチ部は、エンジン側の熱が掛かるので、酸化しやすいです。
ウインカーは、年式のより規制が違い、最近も点灯部の面積ではなくて、明るさに変更されたので、消灯時に気が付かないぐらい小さな物もあります。ただ、見える範囲の規定もあるので、写真のウインカーの場合、横方向の角度が見えないので、最新の規定だとダメかと思います。(年式により違います。)
フロントフォークのダストシールが結構ヒビ割れています。隙間が空くので、水やほこりが入ります。
水分が入ると抜けないので、クリップが錆びてきます。
リアサスは、バンプラバー(底付き防止)が劣化で無くなっています。
フロントフォークは、エア加圧式で、調整範囲0.4~1.0です。リアサスのイニシャル調整と近い機能です。二人乗りや、荷物を積んだ際は、車高調整で、リアはイニシャル調整しますが、同じようにフロントは、エア圧調整で車高のバランスを取ります。今回は、0でしたので、0.4(最低規定値)にしました。
キャリパーは、清掃した方が良いです。
リア側も清掃した方が良いですが、パッド押え板の向きが反対でしたので、直しました。パッド押え板の機能は、パッドを回転方向に押しておき、ブレーキをかけた際に、パッドの裏板(鉄)がキャリパーボディ(アルミ)に当たって凹ませにくくしています。ボディ側に打痕が残った場合は、パッドがスライドしにくくなります。
MFバッテリーで、装着後3年経過しています。電圧と容量の点検です。
エンジン始動前と始動後の電圧(ヘッドライト消灯時)です。充電系は、平気そうです。
ヘッドライト回りは、純正ですが、バルブが、社外品でブルーのフィルタータイプです。ブルーのフィルターがかかっている場合、バルブの色温度の低い部分をカットしていますので、見た目は白くなりますが、光量を減らしているので、クリアバルブより暗くなることが多いです。また、ヘッドライト光が白いと物の輪郭がはっきり見えないことも多いです。
作業終了後に、現状確認で一旦試乗です。オーナーに連絡後、フロントフォークオイル交換が追加になりました。
今回、交換した部品類です。オイルシールは漏れていなかったので、ダストシールとトップキャップのOリングを交換しました。
最終チェックと試乗です。いくつか問題はありますが、今回の作業は終了しましたので、無事納車になりました。
2020.06.13 作業担当 ヤダ(矢田)