昔は、ネット環境や携帯電話も無く、情報源が雑誌のみでしたが、現在では、ネットでかなりの面で情報が検索が可能で便利になりました。ただ、情報が多くなりすぎて、正しいのかどうかの判断が難しくなっています。旧型Vmaxも発売から33年がたち、色々な情報が検索で出てきますが、論理的根拠の無い情報も多く、取捨選択に迷うことも多いです。デザインを除いて、バイクや車は、物理と科学で成り立っているので、結果(症状)が出れば原因が存在するので、現在では、原因が判れば、大体の対処方法(修理)が可能かと思います。
通販で部品を買って頂いていた方ですが、今回は、愛知県より自走で、ご来店です。修理と現状チェックでお預かりです。
作業に入り前に、空気圧のみ規定値に合わせ、現状確認のため試乗です。
試乗から戻った後で気が付きましたが、サーモスタット部からのクーラント漏れと走行中のウォーターポンプの穴からの漏れがあり、追加修理になりました。今回お預かりした作業の第一目的は、スタータークラッチ交換でした。
スタータークラッチ交換の前にエンジンオイルを抜き、オイルフィルター交換です。ドレンボルトですが、純正のガスケットが裏表逆でした。形状があるので、裏表を間違えたり、潰れたガスケットを再使用するとエンジンオイルのにじみや漏れの原因になります。スタータークラッチは、クランクケースカバーを外し、マグネットローターを外します。
今回は、止めているボルトが3本とも緩み、ネジ山が一部無くなっていました。更に症状が進むとボルトが細くなり、折れます。今回は、ボルト3本、本体、ギアで劣化が有りましたので、交換です。
水漏れ修理に入ります。アルミブロックのカバーですが、先端のグロメットがないとダミーダクト内で遊ぶので、グロメットが無ければ、装着した方が良いです。今回は、装着しました。クーラントですが、エンジンオイル混入は無いので、漏れの修理のみです。
クーラントを全量抜き、サーモスタット部の修理とウォーターポンプの修理です。全量交換の際は、シリンダー横のゴム栓も抜きますが、前回抜いた方が、液状ガスケットを塗り再使用されていましたが、高い部品ではないので、交換した方が良いと思います。ウォーターポンプは、水側のシールとオイル側のシールの両方がダメでした。
キャブレターを外した形跡がある車輌に多いのですが、アクセルワイヤーの取付部が曲がっていることが多いです。ここのステーは垂直が正しいです。修正し、アクセルワイヤーの取り回しも修正しました。リアタイヤですが、製造後7年がたち、サイドにヒビも入っているので、要交換です。ゴムも固いので、すぐ滑ります。また、センター部の接地面が平らになり、接地面の左右に角ができています。この場合路面の状況に左右され易いことと、角の前後で、起き上がったり、急に寝たりしますので安定しません。
今回交換した部品です。通常、Oリングの断面は、丸ですが、劣化すると溝の形になり、四角になっています。
最終チェックと試乗です。修理した個所は問題無いですが、そのほかの箇所で、交換や調整した方が良いところもあり、後は、オーナーが作業できる方なので、徐々に直されるそうです。無事に納車になりました。
2018.12.16 作業担当 ヤダ(矢田)