旧型Vmaxも最初期型だと37年が経過しており、90年代後半の売れた時期の車両でも25年ぐらい経過しています。個人売買や中古車店での販売価格もそれほど高くはなく、そのためお金を掛けて整備をされている車両が少ない傾向がみられます。根本的に壊れている車両は少ないようですが、消耗部品がほぼ要交換の場合は、結構金額がかかるので、購入時は、なるべく整備をされている車両を購入した方が、購入後の出費が少なくてすみます。また、Vブーストコントローラー(純正)等が廃番だったり、大物部品が廃番だったりするので、外観もなるべくきれいな車両を選んだ方が良いと思います。
コンディションレベルチェックパックとマフラー交換でお預かりです。外装を外して点検から始めます。
クーラントは、エンジンオイル混入や漏れ等は無いですが、交換時期不明です。ラジエター下のオンオフバルブがオンのままで、エンジン始動直後からラジエターが作動しているので、暖気が遅いです。また、冬場は、オーバークールになる可能性があります。
エアクリーナーは、K&N製ですが、要洗浄です。ダイヤフラムは、4個とも回転しているので、要交換です。
スパークプラグは、純正です。カブりやサビ等あるので、要交換です。1番気筒(左後)が失火していましたが、火花は、飛んでいました。プラグコードとキャップがNGK製で、防水性無です。キャップの内蔵抵抗値も純正と違います。
ダイヤフラムが回転しており、開き方がバラバラなので、とりあえず、位置を4個とも規定位置に戻しました。応急処置です。Vブーストバルブは有りますが、Vブーストコントローラーがありません。また、モーターも点検しましたが、うまく回ら無いようです。とりあえず全閉位置にしました。
バッテリーは、純正タイプなので、液面は車載で確認可能です。とりあえず、スパークプラグ交換前に、4気筒の燃焼とダイヤフラムの作動を確認し、キャブレターの確認と同調を行いました。ただ、右側2気筒(3番4番)はパイロットスクリューが固着しており現時点での回転数が不明です。機能上は、生きていました。
補充電後のバッテリーの電圧と容量です。とりあえず使えそうです。交換時期不明です。
エンジン始動前と始動後(ヘッドライト消灯時)の電圧です。充電系は平気そうです。
エンジン始動前と始動後のエンジンオイルの液面です。エンジンオイル漏れですが、ヘッドカバーは、前後滲み有、ウォーターポンプは、ガスケット合わせ面からオイル漏れ有です。
前後タイヤは、製造後、約2年半ぐらい、空気圧少し低めでした。
リアサスは、バンプラバー(底付き防止ゴム)無しで、左右オイル漏れ有です。
フロントブレーキ&クラッチフルードは交換時期不明、フロントブレーキは、量が少ないです。
リアブレーキ回りは、一度整備済みらしいですが、フロントブレーキ回りは要整備です。
タンク内は、上部錆び有で、燃料センサー要チェックです。(ガソリン量が多かったため今回不明)右ハンドルスイッチのリザーブスイッチも要点検です。左側ハンドルバーエンド無です。
リアフェンダーと止めているボルト3本のうち2本脱落、1本ゆるみ有りで、脱落寸前です。ナンバー下にタイヤに擦った後があります。
フロントフォークは、現時点では、オイル漏れは無かったですが、クリップ錆び有と、オイル交換時期不明です。
旧型Vmax用ではないレギュレーターがついており、機能上は作動していますが、取付けがタイラップ(結束バンド)です。
とりあえず、コンディションレベルチェックパックを行い、試乗してきました。大きくは、壊れていませんが、各部要整備です。インジケーター類不調と、クラッチ板滑り有でした。
試乗後、錆で穴の開き、エキパイ破損のある純正マフラーを外し、お持込の中古マフラーに交換です。SP忠男製ですが、エキパイ下部に地面と擦った後があり、潰れありです。マフラー交換後、スパークプラグをNGK製JR8Cに交換し、キャブレターの同調を再度行いました。マフラーを交換すると排圧が変わるので、要同調です。
最終チェックと試乗です。要整備事項はありますが、今回は、ここまでです。無事納車になりました。
2021.10.30 作業担当 ヤダ(矢田)