旧型Vmaxの場合、販売していた期間が長く、何度か機能的なマイナーチェンジがあり、詳しく分けるのは避けますが、基本的にエンジンやフレームの変更がほぼないので、年式かかわらず部品流用ができたりします。(電気系は要加工の場合あり)個人車1号機は、各年式と各仕様の気に入った部分を組み合わせて1台になっています。ベース車両は、国内仕様最終型ですが、外観上は、輸出仕様の2型です。中身は各年式&仕様の部品の組み合わせです。
コンディションレベルチェックパックでお預かりです。今回は、6月作業分の記事になります。外装を外して作業に入ります。
テールランプとリアウインカー周りの配線がシートのステーに挟まれており、配線がショートする寸前でした。取り回し修正済みです。
キャブレターの点検調整と同調を行いますが、パイロットスクリュー部に圧入栓が入ったままなので、抜きます。
圧入栓を抜くとパイロットスクリューが奥に見えます。各部分解していますが、ヘッドライトボディの固定ボルトがありません。
リアフェンダー周りのボルトがなかったり、取付方法が違うので、修正です。スパークプラグは、NGK製JR8Cなので、点検清掃のみです。
エンジン始動前のエンジンオイル油面と始動後の油面です。
クーラントは、エンジンオイル混入や漏れ等は無いので、点検のみですが、交換時期は不明です。
エアクリーナーボックスは純正ですが、キャブレターのエアベントチューブの通し方が間違っているので、既定の位置に届きません。また、後下部に油分が付いているので、ブリーザーホースが抜けていると思います。
エアクリーナーは、ヤマハ純正で新品でした。ダイヤフラムは、作動不良や回転は見られないので、平気そうです。
純正エアクリーナーボックスの前方に水抜き穴がありますが、なぜか必要の無いホースが接続されていましたので、外しました。予想通りブリーザーホースが抜けており、ブローバイガスが吹き上げていました。
ボックスを外したついでに各部点検です。
フレーム番号からすると、1995年式(アメリカ仕様2WE)ですが、エンジンは、1995以前の年式の物が載せられていました。エンジン自体は特に問題は無いので、機能的には不具合は無いですが、オイルフィルターが旧式です。エンジンのカバー自体も、ヘッドカバーが金色です。
フロントフォークは若干左右の高さが違いましたので修正し、エア圧が0でしたので、規定値の0.4にしました。
オイルシールは平気そうです。
フロントフェンダーのステー(スタビライザー)が前後逆でしたので、修正しました。フロントブレーキローターが社外品で、純正のボルトが使えないので、低頭ボルトになっていますが、強度や、取外しの際のことを考えると純正の方が良いです。できれば、ブレーキローターは、旧型Vmax専用品の方が純正ボルトが使えるので良いです。
車体については、右に転倒しているようで、ステップ取付部が変形していました。できる限り取り付けは修正しましたが、角度は無理です。ステップ部分も年式が違います。(色がシルバーです)
タンデムステップも変形しています。ギアケースは、生きていますが、ドレンボルトからオイルが漏れています。
レギュレーターも年式が違い、旧タイプです。今の所、充電しています。ガソリンタンクは、少錆び有です。
リアサス及びリアブレーキキャリパーも年式が違います。
前後タイヤについては、製造後約2年で、溝もあるので、とりあえず大丈夫そうです。
スパートラップは5インチですが、音量を押えるのにディスクの枚数が少なく、排気効率が純正マフラより悪いです。
各フルード類は、交換時期不明です。
前後キャリパーは、要清掃です。ちなみに年式でみると色が違います。
ステムベアリングは、交換するほどでは無いですが、劣化はあります。一応調整はしました。
バッテリーは、秋月電子扱いでしたので、点検のみです。
エンジン始動前と始動後(ヘッドライト消灯時)の電圧です。現時点では、充電しています。ただ、レギュレーターが古いので、いつ壊れるかは不明です。
今回外した部品です。パイロットスクリュー部の圧入栓と、使用していないパイプ類です。
最終チェックと試乗です。組まれている部品の年式がバラバラです。一応現時点で各部品の劣化はありますが、機能しているので、車両自体としたら問題は少ないと思います。ただ、現時点で、音は静かですが、排気効率が純正マフラー以下ですので、純正マフラーに戻した方が良いと思います。無事納車になりました。
2020.06.03 作業担当 ヤダ(矢田)