バイユー ゲイト 不定期日刊『南風』

ブルース、ソウルにニューオーリンズ!ソウルフルな音楽溢れる東京武蔵野の音楽呑み屋バイユーゲイトにまつわる日々のつれづれを

若者頼りもどうかと思うけど

2016-11-21 | ある日の出来事
金曜日、平日なのにライブ営業だった夜。ライブが終了して店内がザワザワ混乱状態の時、若い男女がフラリと入って来た。
こんな状態ですが…、と訊くと「大丈夫です、こちらこそ構いませんか?」とのことなのでカウンターに座って頂きました。

いつしかお客さんや出演者も引けて、彼らと俺3人になったので自然と会話することになった。
通りかかって「ここ面白そうだ」と思って入って来たという大学生の二人、
バイユーのチャリティ活動に気づき自然と九州の地震(と、その報道状況。まだまだ深刻な事態なのに…)、そして東北の震災〜原発事故へと柔らかく会話が広がっていきました。

明るくて、穏やかだけど冷静に社会に対する問題意識も深く鋭いふたり。そして他者の話を聞き、そして自分の話を聞かせる丁寧な論理展開。
いつも「最近の若者、30代前半くらいまでは特に質が良いように感じる」と言うことの多い俺ですが、彼らと話していて改めて思いました。
世間では駄目な例だけをやたら取り上げて話題にするけど今の若者、絶対的に、すくなくとも上の世代よりも質がいいと感じます。

物心ついた時から社会情勢や景気が不安定で10代半ばで震災を経験している彼ら、育った社会環境が違うのです。
残念ながら最も頼りないのは今50代半ばから40代半ば、自分たちの世代です。飲みに行ったりして様々な場所で同世代の残念な発言を耳にしてきました。(今の若いヤツは駄目だ!という方には、自分こそが駄目な人が多いように感じます)
なにより自分もかな、と思います。自分を含めた周りの「偽悪者から偽善者へと変身組」だって2011年の震災と原発事故で目が覚めた、要は痛い目にあわなけりゃ何もわからなかった者たちなのだと思います。

テレビではハロウィーンで騒いでる若者ばかりとりあげるけど、それだけじゃない。いやそれ以上に頼もしい世代が現れている。そう思います。
そのようなことを、それとなく伝えたら「何を…だってマスターの世代だって駄目な大人ばっかりじゃないでしょう?」と言われたのでした。「はい」と強く応えられない自分が情けないッス。

楽しい会話でした。なんだか元気になりましたよ。
なにより彼も彼女も、なんにも諦めていない。頼もしい。

今の社会状況を見ていると、今30代半ばから15歳くらいの世代が世の中を動かせるような時代が来るのを待つしかないのかな…とさえ思ってしまいます。
でも若者頼りばかりでもよくないですし、俺らぁもまぁできることをやりますか。という感じです。

苦学生(寮にも入っていた)だというのに、九州への募金にと2千円余分に払って帰って行った彼ら

読んでないだろうとは思うけど
騒がしい店内だったのにゆっくり飲んで行ってくれてありがとう。
また時間のある時立ち寄ってください!


アウトドアー!な夜。

2016-11-21 | ライヴ報告
金曜日は平日ですがツアーで京都からやってきた『私の思い出』の登山正文と『イグノランツ』の上村秀右のソロ対決LIVEでした。

アドベンチャーロックというなんだかよくわからないジャンルを名乗る関西の人気バンドのボーカリストのソロLIVE。迎え撃つのはとにかく爆発することでは定評のあるダイナマイトなグレイトギタリスト。熱いLIVEにはなるんだろうな〜と思いましたが、ある意味では予想通り、ある意味で予想外な展開となりました。

先攻はシュウちゃん。アコースティックとエレキを持ち替えながらのロックショー!ソロLIVEというよりもイグノランツを独りでやるようなバンドテイストの演奏でした。ギター弾かずにはいられない、弾かないと死んでしまう!くらいの切迫感が彼の個性。この日も狂おしいくらいにギターを持ち暴れてくれました。

すぐにシールドさえ抜いて「放し飼い」だぜ!に突入。

最後は廊下に飛び出し、そしてドアを2枚開け外の道路まで出てそこでエンディング。
驚くお客さんを残し、遠くで叫び声と最後のギターの音が聞こえて終了。
誰もがその熱に撃ち抜かれたかのようでした。

後攻は登山正文。この日は安東くんというキーボード奏者とのデュオ。元々ソロ活動では一緒にやることが多いそうで息もぴったり。

アドベンチャーロックだけあって「キャンプしようぜ!」と歌う登山くん。飯ごう炊爨についてなんかが歌われる。ありそうでない歌世界。
ん?ないかそんなもん。

でも熱い想いがこもった歌唱、ロックな演奏はすぐにバイユーの温度を上げたのでした。
「シュウさんがやってたから」とすぐに客席での演奏、ナマ音での演奏に突入。
更には「シュウさんがやるのを見て、俺もやったろうと…」と何度も廊下やトイレ側にエスケープしたあげくにまたもや外へ。
それも本格的に外へ。
ファンの人たちが困ったように廊下に顔を出して外の様子を伺う。…バイユーの前の道で演っている。「…捕まっちゃうよ笑(お客さん)」
帰って来そうもないので「聴きたいなら行ったほうがいいんじゃないですか。彼、たぶん帰ってこないですよ。」と言ったら、遠慮していたお客さんたちは全員外へ。
後から出てゆくと登山正文、2階のインド料理屋の入り口の階段をステージにしてシャウト中。



もうなんだかよくわかりません。アウトドアーアドヴェンチャーには間違いありません。
ただ、登山正文という男、ホンマのアホですね(笑)細かい計画とか一切なくやっているのが素晴らしい!と思いました。

登山を追ってみんな外へ。カラッポになったバイユー。この光景はまるで火事で避難した時のようだ!

曲を終え戻って来て、へんな流れのままシュウちゃんとのセッションに移行。

無事円満にLIVEは終了しましたが…なんとも珍しい流れを体験したのでした!

11年間で、外に移動してLIVEをやった人は初めてでした〜
ふたりともサンキュー!あ、お客様が全員女性だったのも初めてだ!!

とにかくアウトドアーな夜、ベンキョーになりました。